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2019年11月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
「米づくり、難しさ痛感」、3年連続の天候不順、津南町の農業者  11月16日号
 今年産の津南町状況がまとまった。町全体出荷量の8割余を占めるJA津南町の2019年産は、予約比101・54%の増量になっているが、1等米比率は過去2番目に低い57・3%。昨年は等級比率が高く収量が少なく、一昨年は減収と品質低下で、この3年間、改めて米づくりの難しさを示している。JA津南町は「今期の等級比率は低いが、収量が多く、比率低下をカバーする形になっている」とする。機械化とデータ管理が進むコメ作りだが、依然と天候に大きく左右される現状は変わらず、今後も予想される天候不順に対応する米づくり農業のあり方が早急に問われている。

 JA津南町の2019年産米予約数量15万3457袋(30`)に対し、出荷数量は15万5816袋。出荷率101・54%と収量豊作だが、1等米比率は57・3%。2年前の2017年の過去最低比率52・4%に次ぐ低比率。要因は「7月下旬から8月上旬、35度を超える日が続き高温障害による乳白粒が多く、見た目で評価される等級比率で1等外米が多く出ている」とする。JA津南町は1等比率に対し2等米が全体の42%を占め、出荷米の半分近くが1等外。ただ、収量で等級外をカバーする形になっており、ここ3年では最多収量を記録している。
 コメ農家収入は仮渡し金(1等1万7500円)段階で、1等と2等で昨年同様1俵千円の差。単純比較はできないが、今期1等比率を平年並みの85%で試算すると、2等米の23%(約9162俵)が1等米と換算し、1等・2等の差額千円で試算すると約916万円の今期減収となる。
 コメ作り専業農家の経営者は「この3年間、改めて米づくりの難しさを痛感している。機械化が進み、中間管理もデータ化で細かくできる。だが予想つかない天候不順はどうしようもない。天候に左右されない米づくり、品種改良の必要性を強く感じる」と話す。だが品種改良は年月を要し、さらに食味と魚沼ブランドの関係もある。だが、「そんなことは言っていられない。これから地球温暖化でさらに天候不順になる。そのうち米づくりは施設園芸になるのではないか」など、冗談とも取れない声も聞こえる。

写真・1dパックが次々と出荷されるJA津南町倉庫

1億4千万円減収、1等比率ダウン、JA十日町  11月16日号
高温障害で白未熟粒が発生し、今年産魚沼コシヒカリの1等米比率が県内20・8%と過去最低となっているなか、JA十日町でも11月14日現在、集荷率99%で1等米比率は40・3%と平成10年の合併以来、過去最低となっている。このため生産農家の減収は、平年値(1等米比率90%)との比較で1億4千万円に上ることから、仮渡金の追加払いを決めている。
 JA十日町の今年産米契約数量は約8493d、14万1556俵(1俵60`)。等級比率は1等米40・3%、2等米約58%、3等米以下約2%となり、平年値の1等米比率約90%に比べ大幅にダウン。食味に影響はないが「見た目の悪さ」で等級落ちとなった。昨年産米は天候不順による収量の減少で契約数量の約87%に留まるなど、2年連続の打撃となった。
 等級の悪化が生産農家の収入減に直結することから、JA十日町では「全体的に1億4千万円の減収が見込まれる」として先月、仮渡金の追加払いを決めた。1俵あたり、1等米には500円追加し総額で1万8千円、2等米には千円追加し1万7千円、3等米には500円追加し1万2千円とし、総額1億1千万円にのぼる。
 営農生活部の志賀義雄部長は「販売先からは『魚沼コシは1等でないと困る』という声も届いており厳しい。ただ、生産農家にとっては2等米が1等米に比べ600円から300円の差となって収入的にはアップし、さらに追加払いで品質低下による減収分はカバーできたと思う」と話している。

信濃川水害、足滝に1dパックを常備、上郷橋も改修へ  11月16日号
 台風19号による記録的な大増水で氾濫した千曲川・信濃川により床上浸水で新米や家具、農機具など浸水被害を受けた津南町足滝地区の堤防改修など災害復旧の説明会を新潟県と津南町は13日夜、同地公民館で開いた。同河川区間を管理する県(十日町地域振興局)は、集落を越水からまもる堤防の嵩上げと共に、緊急時に流入を防ぐ1dパックを現地に常備するほか、国道117号と集落を結ぶ町道・上郷橋の改修、さらに同橋に水位計を設置するなどの復旧対応を示した。住民からは「3bの堤防嵩上げで県道はどうなるのか。(避難指示で)何も持ち出せず、新米も農機具も家具もだめになった。町は助けてくれないのか」など切実な訴えが聞かれた。
 説明会には同振興局・池田治水課長ら5人、町から小野塚副町長ら3人、住民17人が出席。大増水で損傷した堤防の応急工事の取り組みと共に今後の災害復旧対応を説明。この中で池田課長は、1dパックを現場近くに常備し、堤防嵩上げまでの増水時に対応、さらに県境の宮野原橋に設置に設置の水位計を、新たに上郷橋にも設置すると共に、堤防改修とセットで上郷橋改修も行うと方針を示した。町道・上郷橋は今回の大増水で橋げたが激流が当たり危険な状態だった。このため県は補強かジャッキアップ(橋位置の上げる)、架け替えなど視野に改修に取り組む。
 一方、今回の増水で集落内への流入を防ぐ「土のう」の不設置が疑問視されている津南町。河川への土のう設置は地元の水防管理団体・津南町の判断によるとされ、小野塚副町長は「深夜急激に増水し危険性が増し、消防団の土のう積みはしなかった」と釈明し、「今後は情報収集し、水位上昇が見込める場合、土のう設置を指示していく」としたが、住民からは「新米も農機具も家具も水に浸かり、使いものにならない。このままでは農業は続けられない」など悲痛な訴えがあり、「津南町は助けてくれないのか」と救済を訴えた。
 上流の長野県栄村は国の災害救助法適応で救済措置があるが、津南町は被害が限定的のため同法適応外。町の被災住宅改修補助事業(費用の20%、上限20万円)があるだけ。町では国県に同法適応外への支援、財政的な支援を要請している。

写真・大増水で上郷橋を激流が直撃(10月13日午前9時半)

人命救助の小野塚久之さん、十日町消防本部が表彰  11月16日号
 火災現場から人命を救助したとして十日町地域広域事務組合の根津正一消防長は10日、十日町市千歳町の小野塚久之さん(36、会社員)に感謝状を贈った。
 建物火災は先月11日午後7時半ごろ、千歳町2丁目の住宅で発生した。小野塚さんは車で帰宅途中にその火災に遭遇。近くにいた住民に消防への通報を依頼し、中に住人がいることを知った。出入口を探しながら住宅裏側に回り、勝手口が開いたため声をかけると、懐中電灯を持った高齢男性(80)と座ったままの高齢女性(79)を発見した。炎は裏側まで回ってはいなかったが煙が入り始めていたため、男性を誘導しながら女性をおぶって外に出た。住宅はその後、全焼した。
 根津消防長は「緊迫した中で的確な救出活動だった。少しでも遅れていれば命に関わる事例だった」と感謝。小野塚さんは「道路側車庫の上の部屋から火が噴き出て、簡単に消せるような状態ではなかった。近所ではあるが住人は知らなかった。当然のことをしたまでです」と話している。

友好の架け橋、モンゴル・エルデネット市へロータリー除籍車寄贈、十日町市  11月16日号
 モンゴル国エルデネット市との友好の架け橋として十日町市が20年間使用したロータリー除雪車を先月25日に無償譲渡。十日町・エルデネット友好交流協会の滝沢信一会長や村山潤副市長ら5人が現地を訪問し引渡式。同行した村山興業の村山広幸社長が試運転を行った。十日町市役所では8日、同協会が報告会を開いた。滝沢会長は「輸送関係は大変だったが、はるか遠くに十日町の除雪車がある。感激だった。市に感謝している」と語った。
滝沢会長は大相撲のモンゴル出身力士の姿をみて関心を持っており「日本語をすぐ覚え、厳しい稽古を積み活躍しており、きっと大した国なんだろうと感じた。こんな国の若者が十日町に来て働き結婚してくれたらと思ったのが協会設立のきっかけ」と話す。市内伊達に同市から来ている女性がおり一昨年春、「交流をしようじゃないか」と持ちかけると早速エルデネットに行くことになり、滝沢会長が同市の市長に面談。「若者が多い町だが仕事が少なく、市長は『できれば日本で新しい技術を身に付けさせ若者を育てたい。交流をしたい』との思いだった」と言う。秋には同市長が十日町を訪れキナーレでの産業フェスタで展示してあったロータリー除雪機を見て「中古機ならほしい」という意向を十日町市が知り、無償譲渡を決めた。
 なお同協会ではモンゴルから2人の20代男性技能実習生を受け入れ、今月1日から市内2企業で働いている。

写真・報告交流会で馬頭琴を演奏するモンゴルからの女性

馬が耕す、再現に「懐かしー」  11月16日号
 「お馬さんだー」と子どもたちは興味深そうに見つめていた。昭和30年代まで、農家を支えた「馬耕・馬搬」。その技術を現代に伝える岩手・遠野市の馬搬振興会の岩間敬代表(41)が妻有地域に来訪。12日は津南町なじょもん、13日は当間高原リゾート・ベルナティオで馬耕・馬搬講習会を開催。日本在来馬の木曽馬やフランス原産のブルトンの地を引く農用馬3頭を載せ特別トラックで登場。体重約8百`、人間よりはるかに大きさの馬たちを使い、畑うないや丸太運びなど実演。関心を引いていた。
 岩間代表は林業に携わるなか、道なき山から木材を運ぶ手段のひとつとして馬搬を知り興味を持ち、技術を習得。農林業を従事しながら馬搬文化の技術継承、普及などめざす活動に取り組む。8年前にはイギリス開催の馬搬技術コンテスト・シングル部門で優勝するなど、第一人者として知られる。今回の妻有地域来訪は、今年は北は北海道、西は四万十川までの各地で講習会を行う予定のなか、岩間代表と交流ある木こり屋八十八・太島勝重さん(36、田沢本村)が「妻有地域でもぜひやってほしい」と願い実現した。岩間代表は「馬のエネルギーの素は草。掘りに行ったことのない化石燃料より、本来身近にある力なんです」とし、「今の70代以上は馬や牛といった畜力が当たり前でしたが、今の時代は馬耕などやりたい人はいても、やり方がわからない人が多い。こうして実際に見てやってみることで、働く馬の力を再確認する機会になれば」と思いを話す。
 町なじょもんでは子どもからお年寄りまで40人余が参集。馬と共に畑に入り、『松山スキ』を使って土を掘り返す馬耕の実演と体験。中学生時代に水田や畑耕作のため馬耕をしたという小島七郎さん(77、芦ヶ崎)は「父や兄にやれ、と言われてやったがなかなか馬は言うことを聞かなかったのを思い出したよ。またこうして馬で畑を耕す風景が見られるとは思わなかった。懐かしいね」と楽しそうに眺めていた。

3セク・竜ヶ窪温泉、住民会社経営難、月末の臨時株主総会で休業解散提案  11月9日号
 住民の思いと行政の思いが、合致しない地域事業が、ここでも見られる。地元要望で温泉ボーリングに成功し、住民出資で経営会社を立ち上げ、経営難を打開すべく昨年6月から新経営体制で温泉施設『竜ヶ窪温泉・竜神の館』を経営する3セク形態の株式会社竜ヶ窪温泉は、先月30日、臨時取締役会を開き、今月20日で営業休業し、今月末に予定の臨時株主総会で「会社解散」議案の提出方針を決め、4日には温泉施設に告知を張り出すと共に、地元集落に会社解散と営業休止を知らせる文書を配布。臨時取締役会後、全従業員に20日付での解雇通知を出している。同社の中熊弘隆社長は「業績向上が見込めず、半分以上を持つ筆頭株主の津南町の支援もなく、このまま冬に向かうと大きな欠損を生じる。ここで区切りをつけたい」と、会社解散の方針を話している。一方、津南町の桑原悠町長は「突然の方針に驚いている。町も財政事情が厳しいなかだが、できるだけの努力はしたい」と何らかの対応を検討するとしている。

 温泉施設を経営する株式会社竜ヶ窪温泉は今期で24期を迎えている。昨年24期決算は265万円余の赤字。累積欠損6133万円余になっている。新経営陣は昨年6月に地元住民代表6人が取締役に就き住民主導の経営体制に一新。住民アンケートや会員確保の全戸回り、さらに各所イベントを継続開催するなど、業績向上に努めた。今年9月には、町議会に「業務委託契約にある委託費の支払い」などを趣旨に議会請願を提出。その後、町との協議で町側から「年度内に新たな業務委託契約を交わす」方針示されたが、10月の台風19号被害が広範囲にわたり交通アクセスが寸断され、「冬場以下の落ち込み」となり、売上が激減。例年の10月売上の4割減で、「このまま冬季に入ると昨年の3倍以上の欠損が出る」(同社役員)となり、急きょ、先月30日に臨時取締役会を開き、善後策を協議し、結局、全会一致で今月20日での営業打ち切り、さらに会社解散の方針を決めた。これにより、今月20日前後に予定の臨時株主総会で会社解散の議案を提出することになった。
 株式会社竜ヶ窪温泉は、資本6200万円、株主個人338人、団体1で、この団体が津南町(出資金3300万円、出資比率53・23%)。このため株主総会は津南町が出席するだけで総会が成立する。施設は町所有で経営の同社は業務委託契約を町と結んでいる。 
昨年決算は売上4462万円余(温泉利用・売店・直売、売上総利益3099万円)。一方、販売費用・一般管理費は3348万円。従業員は正社3人、臨時パート5人余。今年当初に金融機関借入を行い、経営を継続し、8月が黒字以外は厳しい経営が続き、10月の極端な落込みが「致命傷」になったとする。
 中熊社長は「当初から訴えている筆頭株主で施設所有の町の経営責任への関わりが、我々が求めることと全く違う対応をしている。(議会請願で)やっと業務委託の見直しが出てきた。我々は民間会社だが、この施設は町所有でもあり、経営責任は共にあるはず。それが全く感じられない。今回の結論は苦渋の決断だ」と無念さをにじませる。
 一方、津南町は先月の臨時取締役会の方針通知を受け、対応策の検討に入っている。9日で任期満了の町議会産業建設常任委員会メンバーや議長が動き、町の対応促している。取材に対し桑原悠町長は「芦ヶ崎・上段地域の皆さんの熱意によりできた会社であり、会社や地域の皆さんがあれほど一生懸命だったのに(突然の方針に)驚いている。町も財政事情が厳しいなかだが、できる限りの努力はしたい」と、今後会社側と話し合いの場を持ち、臨時株主総会までに何らかの方針を示す方針。それを受け会社側がどう対応するか、今後の推移が注目される。
 今月20日以降に予定の臨時株主総会で提出予定の会社解散議案は、出席者(委任状含む)3分の2の議決をもって成立する。さらに臨時総会は株主の過半数(委任状含む)をもって成立。現取締役会は、仮に会社解散議案が否決された場合、取締役全員が辞表を提出する意向で、その場合、筆頭株主はじめ株主による会社運営となるなど、さらなる混乱が予想される。今春、同社が実施した住民アンケートでは竜ヶ窪温泉施設が「必要88%」(回答595人)と圧倒的な支持が出ており、今回の会社側の「苦渋の決断」を住民・株主がどう判断し、筆頭株主であり施設所有者の津南町がどう対応するか、時間が迫るなか、両者の話し合いが望まれる。

写真・11月末に予定の臨時株主総会に会社解散を提案する竜ヶ窪温泉

自治組織、生活介護支援を事業化、十日町市南部振興会  11月9日号
 地域の住民同士の支え合いで介護人材不足や要支援者の生活支援サービス量の増加に対応しようと、十日町市の市街地、南部地区振興会(柳貢会長・21町内)が高齢者対応の「訪問型サービスB」に今月から取り組むことになった。介護人材が不足するなか、地域組織がサポートする取り組みは県内初で関心が集まる。
 サービスBの活動は身体的介護は対象外でケアプランに基づいた「調理・掃除・洗濯・買い物代行」など生活支援を主体に行う。すでにシルバー人材センター、NPOほほえみ、ボランティア団体ひだまりの市内3団体がサービスBを実施しており、地域自治組織が取り組むのが市医療介護課によると「県内でも例を見ない」という。市社会福祉協議会の地域懇談会で市が参加を呼びかけ、同振興会が事業導入に乗り出した。
 生活支援対象者は要支援1〜2、それに準ずる人で、対象エリアは同振興会内の居住者。利用料金は1回1時間までで自己負担2百円。市が1回あたり同振興会に1400円補助。市はすでに実施の3団体含め今年度予算約6百万円を予算化。サービス内容は地域包括支援センターを通して対象者に紹介。同振興会の支援者は5人で、うち4人がホームヘルパーなど有資格者。今後市社協のボランティア研修会に参加し研修を重ねる方針。
 同振興会・柳会長は「地域で出来ることをやってみようと事業導入を決めた。大切なことは行動力。事業の中で出た課題は話し合い、検討していく。人が足りなければ参加を呼びかけたい。若い世代がいない高齢者世帯が多くなり、地域内の少子高齢化は待ったなしのテーマ」と事業への思いを話している。南部地区振興会は市街地で人口2123人、高齢化率39・5%と市平均を上回る。

写真・本町通り・高田町など市街地・南部地域の高齢化率は39%を超える

発電事業80周年、東京電力・信濃川発電所で記念植樹  11月9日号
 かつて「東洋一の水力発電所」と呼ばれ、1936年(昭和11年)に着工、1939年(昭和14年)11月に運転開始した東京電力信濃川発電所(津南町鹿渡新田)。発電開始80周年を迎え今月2日、記念式典を開催。東京電力・信濃川事業所・大島和明所長、東京電力パワーグリッド・信濃川電力所・中島宏幸所長、小野塚均副町長、地元区長ら15人余が参列。ソメイヨシノ一本を植樹し節目を祝った。
 現在でも日本トップクラスの発電量の同発電所。5年前には運転開始以来の発電電力量が9百億kWhを超え、国内の一般水力発電所では初。現在は累積960億kWhを超えた。約21`上流の西大滝ダムから取水し河岸段丘地形を利用し、落差110bの高低差を利用し水車を回し発電している。大畠所長は「年間の発電は約12億kWh、新潟県の一日分は平成28年実績で4600万KWh。この発電所の一日平均は約330万kWhで、新潟に送ると7%分を供給できる量」とし、80年の中でメンテナンスを続けるなか「環境に優しい設備への変更など計画的に行っている。今後も変わることなく、設備をメンテナンスしながら安心で安定した運転を継続させて頂きたいと思う」と話した。
 同日は同じく80周年となるJR東日本・信濃川発電所と連携した記念イベントを行い、発電所を一般公開。福島物産展や柏崎刈羽原発の安全確保の取り組み現状を伝えるコミュニケーションブースも津南町で初めて開いた。

10代のまなざし  笹岡 悠奈さん 十日町総合高3年
 わたしたちのまちは、きもののまちー。全国産業教育フェア新潟大会の一環として先月26、27日に朱鷺メッセで開かれたクロスフェス新潟。県内の伝統的なきもの産地にある小千谷西、五泉、栃尾の高校と共に、織物の産地であるふるさとについて学習し、まとめた成果を発表。十日町総合高の司会進行役を努めた。
 「そばまつりや雪まつりなどできもの姿で十日町のPRに努め、そうした体験などを発表しました。緊張したけど、うまく紹介できたと思います」
 出場したのは、授業で「着付けと文化」を学ぶ16人。全員、振袖姿でステージに上がり、きものショー並みに紹介した。
 「きものを着てみて、改めてきものの良さが分かったような気がします。すごく晴れやかな気分になることができました」
 今月23日には国民文化祭のイベントとして開催される『きものの祭典in十日町』にも十日町総合高として出演。きもの姿で産地をアピールする。
 「地元十日町産着物やKIMONOプロジェクトによる世界20カ国の着物ショー、十二単の実演、着物展示会などが中心で、私は残念ながら出演しないのですが、仲間が出ます。頑張ってほしいです」
 卒業後は十日町市内の企業に就職することが決まっている。
 「着付けはできるようになったので、これからもきものに触れていくようにしたいです。様々な形で、きものを通して十日町をアピールできればいいと思います」

君たちにメッセージ「想、書家・柳澤氏 11月9日号
 ○…「すごく大きな字」、子どもたちに歓声があがった―。上野小(根津江美子校長)で6日、イタリア・トリノ大日本語学科などで書を中心とした哲学を指導する書家・柳澤魁秀さん(59・長岡市)を招き、5〜6年生を対象に「巨大書を書こう・自分を見つめて」と題して授業を行った。
 〇…右手と右手で握手する象形文字から『友』という漢字が生まれたことなどを解説しながら「自分を取り巻く環境と人々を見つめ、大切な漢字一文字選び、書に表そう」呼びかけた。受講した5〜6年生29人は今月27日、畳1枚ほどの紙に向かって大書する。

火渡り護摩、見玉不動尊  11月9日号
 ◎…参拝者の祈願の護摩札が燃え上がり、境内に薄緑の煙がもくもくと舞い、天台宗・村上光田僧正ら6人の山伏が古式の祈祷をあげる見玉不動尊の「火渡り護摩」。本山・比叡山延暦寺につながる同不動尊。7年前に始まった火渡り護摩が3日、紅葉の秋山郷の山々をなか開かれた。町内外、最近は県外、外国などからも参加が多数見られ、秋晴れのなか3百人余が招福祈願した。
 ◎…不動明王を祀る見玉不動尊(池田明順住職)はかつて10年置きに火渡り護摩祈願祭を行っていたが、さらに全国に広めようと地元実行委員会(橋紀久郎委員長)で取り組み毎年開催。事業経営者の祈願が増えるなか最近は家族ずれも多数参加。初参加の田中克子さん(72)は長野・飯田市から友人ら10人で参拝。飯田市の信濃比叡・広拯院でも毎年2月に火渡り護摩を行う。「素晴らしい所ですね。この滝と社殿のたたずまいが雰囲気たっぷり。ちょっと熱かったですが、ご利益を感じました」と手を合わせ、火渡りした。

地域交流の場に、空き家活用、松之山「まつのやま基地」  11月9日号
 「やりながら進めていこうと言うスタンスです。まず自分たちで楽しみ、たくさんの人に来て貰おうと思っています」。十日町市松之山支所の前にある、コミュニティ&レンタルスペース「まつのやま基地」。オリジナルな旗が目印。今春4月にオープンし、民家空間を提供。レンタルスペースを始め、今は毎週土曜日午後に誰でも利用できるコミュニティスペースを展開、イベントも行うなど交流拠点化をめざしている。
 企画・運営は「松之山を遊び尽くす会」。昨年末に松之山の魅力に見せられた元現職の地域おこし協力隊6人で立ち上げ。いまは30〜70代の男女17人が会員。代表の元協力隊員で現在は地域支援員の佐藤美保子さん(41、天水越)は「松之山は人口2千人を切り、少子高齢化が進んでいます。私たちが魅せられた、知恵や技術をもつ方と共に暮らす、松之山の個性であるコミュニティの密接さも失われつつあります。地元の方、松之山が好きな方、子どもも大人も集えるコミュニティ空間があった方が良いと思ったのが始まりです」と話す。
 10年前、結婚を契機に松之山に来た佐藤代表。布川地区に協力隊員として赴任。地域コミュニティの大事さを感じたのは、8年前の新潟長野県境地震。まだ1歳の子がおり、お腹にはもう1人いるなか、家族で旧松里小体育館で避難生活を贈った。「元々出身は関東なのですが、避難生活を送っていた時、松之山に来て良かったと思ったんです。都市で見ず知らずの人と段ボールで仕切られた空間で過ごすより、知っている人と一緒に生活する方が生きて行けるって実感しました」。その時の思いが、松之山基地発足に繋がってる。「コミュニティ空間があることで、いまは薄れつつある繋がりがまた生まれ、新たな住民の楽しみも出て来るかと。いずれはここから小さな経済活動が始まればよいなと思ってます」。将来的には人が集う場であり、地域の産物を扱ったりできる基地に成長することが願いだ。
 コミュニティスペース提供は毎週土曜日午後1〜4時、利用料は3百円(高校生以下無料)。レンタルスペース利用は会員登録(年会費3千円)が必要で、一部屋5百円、一棟貸切1000円(1時間当たり)。同級会やイベント開催、サークル活動などに使える。問合せはフェイスブックページ「松之山基地」から。

第29回新潟県中学校駅伝・速報 男子は「津南」が2年ぶり6度目の優勝、全国へ  11月1日
第29回新潟県中学校駅伝は1日、長岡市・国営越後丘陵公園特設コースで開き、男子は「津南」が優勝。2年ぶり6度目の全国出場を果たした。5位に十日町、7位に十日町南が入賞。今月24日、長野・松本市で開く北信越大会に出場する。

 男子は、津南と小千谷、糸魚川東の3チームが激しいトップ争いを展開。終盤まで上位が入れ替わるなか、津南は5区でトップに立つと2位と約20秒の差をさらに広げてゴールした。中越大会で優勝した十日町は中盤までの出遅れが響き、流れに乗れなかった。
              詳細は妻有新聞11月9日号に掲載。

第29回新潟県中学校駅伝・速報 女子は「十日町南」が優勝  11月1日
第29回新潟県中学校駅伝は1日、長岡市・国営越後丘陵公園特設コースで開き、女子は十日町南が優勝。7位までに十日町・津南チームが4チーム入る健闘を見せた。

 女子は、十日町南が1区から先頭争いに食い込む理想の展開を見せ、2区からトップに立つと、後続を徐々に引き離し、中越大会同様に圧巻の走りで優勝。2位十日町、3位津南、4位まつのやま学園と妻有勢が上位独占した。
 なお、今月24日に松本で開く北信越大会には男子が優勝した津南はじめ5位十日町、7位十日町南、8位中条が、女子は優勝した十日町南と2位十日町、3位津南、4位まつのやま学園、7位吉田の妻有勢男女9チームが出場する。

              詳細は妻有新聞11月9日号に掲載。

検証・信濃川水害「流域で行政対応に違い、住民不信増す」  11月2日号
 信濃川の記録的な増水で床上浸水し、倉庫に保管していた新米や農機具、家具などが浸水、大きな被害が出ている津南町下足滝。同区間の河川管理者の新潟県は増水から守る堤防のかさ上げ計画を地元に示し、年内には現地測量に入る方針。その説明会を先月24日、下足滝公民館で開いた。水害後初めての県説明会とあって、地元からは厳しい声が出た。「誰が命と財産を守ってくれるのか。春の説明会では3bのかさ上げを示したが、今度の大水で計画の見直しが必要」、あるいは「下足滝と国道を結ぶ橋は町道。県と町、地元がしっかり連携して取り組む必要がある」など多数の意見が出た。下流の津南町巻下地域から着工している堤防かさ上げ事業に含まれる下足滝エリア。今回の大増水により計画の見直しに迫られている一方、災害時の行政対応の不備を指摘する声がある。

 地元が問題視しているのは、県が示した堤防のかさ上げ計画と共に津南町の今回の災害対応。台風19号による千曲川・信濃川の増水は11日段階で上流域での大増水が分かり、栄村は11日午後4時に災害警戒本部、翌12日午前8時55分に災害対策本部設置。津南町は12日午前10時に災害警戒本部設置。栄村は同日午後1時から夕方にかけ箕作や月岡など流域地域に避難勧告。津南町は13日午前2時半に災害対策本部に移行、同時に津南駅前の下平地域、さらに下足滝に避難指示。同日午前7時頃から下足滝の浸水が始まり9時には床上浸水。15日午後6時、足滝の避難指示を解除。
 この経過の中で、両町村の災害対応に大きな違いが生じた。栄村箕作・月岡では避難勧告後の12日深夜、13日に日付が変わる頃、増水警戒する地元消防団から「箕作・月岡はこのままでは水没する。いまのうちに車や農機具など動かせるものは動かした方がいい」(栄村防災係)と連絡が入り、村対策本部は安全性を確認しながら13日午前1時半から午前3時まで、一時帰宅を許可。消防団や村職員が同行し、避難先から自宅への一時帰宅ができ、車移動や農機具、家具など動かした住民が多くいた。
 一方、津南町は13日午前2時半、下足滝を含む下流の津南駅周辺エリアに避難指示。地元消防団が集落前の高台で警戒巡視。住民は避難先で水かさが増す情報を聞くばかりだった。この時間、上流の栄村箕作・月岡では一時帰宅させていた。このため下足滝では、6世帯のうち4世帯が倉庫に積んでいた新米すべてが水没。農機具も水に浸かった。この中、連絡を受けた上足滝の住民が、下足滝の留守宅から農業トラクターを腰まで水に浸かりながら搬出した。だが床上浸水の住宅の多くが避難したままの状態で水没した。
 下足滝住民からは「同じ流域でこの災害時の行政の違いは、あまりにも情けない」と落胆している。さらに「これまでの大水(平成18年)では増水が集落に入る県道に土のうを積み浸水を少しでも防いだ。今回はそれさえもなかった」と話す。
 新潟県が25日に示した堤防のかさ上げは、今回の大増水前の計画。3b堤防を高くし、県道との接続部分もそのまま高くし、県道を緩やかにスロープ化する計画。だが、住民からは「(国道と足滝を結ぶ)上郷橋は町道。かさ上げすれば今度は増水時には橋が危ない。町と県、さらに地元とがしっかり連携して取り組む必要がある」と事業の見直しを求める声が上がる。さらに住民からは「堤防工事にいくらかかるか知らないが、仮に10億円ほどかかるなら、それを6世帯に配布し、安全な地に集落ごと引っ越した方が県も町も将来的な心配がなくなるはず」なども意見も出ている。台風19号被害は国内全域で激甚災害指定となり道路など公共施設修復が支援され、長野県は国の災害救助法指定となった新潟県は指定外。災害被害の個人支援は現状では行われない。

写真・10月13日午前7時撮影の信濃川氾濫の様子。左奥が下足滝集落。右が上流。県道を泥流が集落に向かって流れ下る(読者提供)

ミス・インターナショナル候補84人が清津狭渓谷トンネルへ、SNSで発信  11月2日号
 〇…紅葉や雄大な柱状節理の岩肌と世界の美女との競演―。日本三大峡谷のひとつで上信越高原国立公園・清津峡に先月30日、『2019ミス・インターナショナル世界大会』に出場する世界83の国・地域から84人の美女が訪れ、渓谷トンネルが一気に華やいだ。
 〇…同世界大会が12日に日本で開催されるのに合わせ、出場者から日本の魅力をSNSなどで世界に発信してもらおうと企画され、清津峡もその一つに選ばれた。香港の代表は「自然もアートもとても素晴らしかった」と話し、日本代表の岡田朋峰さん(21)は「ホスト国代表として、みなさんが清津峡に感動してくれてうれしい。SNSで発信します」と話した。

モンゴル・エルでネット市にロータリー除雪車寄贈、交流協会  11月2日号
友好交流するモンゴルに十日町市所有の中古除雪車が寄贈された。今月25日、モンゴル・エルデネット市で寄贈式を行い、十日町市から村山潤副市長、十日町エルデネット交流協会・滝沢信一会長ら5人が出席し、実際に積雪のなかデモンストレーションで除雪を行い、現地の技術者への講習会も行った。同活動はODA草の根支援事業が輸送などバックアップ支援し実現した。
 除雪車寄贈は、2017年10月に同市からバトルット・ダンバ市長らが来市し、その後の交流の中で十日町市所有の更新期を迎えたロータリー除雪車の寄贈が具体化。整備点検後、昨年末にモンゴルへの輸送が始まったが、手続き関係でようやく現地での引き渡しが実現した。25日の引き渡し式には村山副市長、齋木市建設課技監、滝沢交流協会長、宮嶋正一同協会副会長、技術指導で村山鋼業・村山広幸社長の5人がエルデネット市に出向き、25日、同市役所まで寄贈式を行い、一行は「道路などの除雪に役立てて下さい」とロータリー除雪車のキーをバトルット市長に手渡した。
 さっそく村山社長が実際に動かし、雪をロータリーで飛ばすと歓声が上がっていた。村山社長は同市の技術者に除雪車の運転講習をその場で行い、アドバイスした。
なお、来月8日午後5時から十日町市役所第一会議室で寄贈報告会を開く。同席にはモンゴル出身のデルゲルマー氏やモンゴルからの技能実習生2人も参加し、デルゲルマー氏による馬頭琴演奏も行われる。入場は自由で、同交流協会では多くの参加を呼びかけている。
 

写真・10月25日、エルデネット市役所前で引き渡し式を行った(交流協会提供)

秋夜に映える段丘花火、60秒の美  11月2日号
◎…太古の中津川の流れが作り出した、津南町の日本最大級の河岸段丘。収穫期を終えた26日、火柱花火・虎の尾と尺玉で段丘を夜空に浮かび上がらせる「第14回ジオ河岸段丘花火」が開催。スタート地点の秋山郷切明からメイン会場のマウンテンパークまで繋ぎ、全50地点を60秒で繋ぐリレー花火。点火の午後7時には、メイン会場では4百人余が集まり、ここでしかできない一瞬の花火を鑑賞した。
 ◎…大地の芸術祭で展開したアートを契機に、地元住民有志が引き継ぎ始まった同花火。花火打ち上げ前はメイン会場でつなん火焔太鼓や榮太鼓演奏を行い、祭りらしく和太鼓のリズムで盛り上げた。講習を受ければ一般人でも点火できる参加型花火なのも特徴で、今回は120人余がボランティアスタッフとして活躍。主管の地域活性化グループWaの福原章子代表(48、外丸)は「来年は15周年です。節目で尺玉を増やすなど何か考えたいと思います。来年は自分で点火してみませんか」と話している。


撮影・小林幸一さん

尾木ママ、スマホの危険性語る  11月1日号
「尾木ママ」の愛称でテレビでも同じみな教育評論家・法政大名誉教授の尾木直樹氏を招いた講演会は30日、津南町文化センターで開催。著名人の講演となり、小学生からお年寄りまで会場は満席の4百人余が参集。テーマ「スマホ・ネット時代これからの子どもと大人のかかわり方」で講演。テレビ出演時と全く同じ尾木ママ口調でテレビの裏事情も交え笑わせながらも、真剣な教育論を展開。スマホを子どもに持たせる時にルール作りの必要性を語り「アメリカでは18、韓国では15のルールがあるの。所有者はママやパパ、あなたには貸してあげているだけ、ルールを破ったら没収とか。途中から作るのは難しいから最初に作って」などと呼びかけた。
脳に電極を付け、どんな状況で脳が動いているかを調査した研究を元に「わからないことをスマホに話しかけて聞いても脳はどこも動かない。ただ岩波の辞典とかで調べると真っ赤になって動いているんですよ。ホントはわかっているの。スマホで調べてもほとんど意味がないって」。一方でスマホ依存度が高くなることで内斜視が増えたり、キレやすくなる状況など問題が出ていることを話し「脳も破壊される。感情をコントロールするとかの機能がある、脳の前頭前野が働かなくなる。よく『安全確認にいる』と言うけどこの前の台風の時、千葉では電波塔が壊れ携帯は繋がらなかったでしょ。災害の時、使えないんですよ」。
世界のスマホ事情も紹介。韓国では夜12時から朝6時まではオンラインゲームをシャットダウンするなど国が守り、フランスは法律で小中学学校でスマホ持ち込み禁止を決めるなどの事例を出し「調べると国が本気で危ないと言う姿勢を示すためのもの。最も所有に規制をかけてないのが日本。最も遅れてる」。一方でメディアにスマホ被害があまり出ない訳を「3つの通信会社から広告がいっぱい出ているでしょ。中立公正ではありませんから、お金をくれる所には弱いんです」と笑顔で指摘。世界の先進国の中高生アンケート調査で『スマホでいじめを受けたことはありますか』と聞いた時、36%がいじめを受けていると出たとし「これはまずいのよ。スマホができていじめが目に見えなくなった。いじめを受けると心が傷つき、対人不信になる。これは30代、40代になってもずっと続く。いじめは絶対ダメ」。
 他にも平成の大合併のあと「合併してみんな後悔してるから。例えば3つが合併したなら、教育は一番低い所に合わせる。平等にしようとすると低くなる。合併した教委はみんなこっそり泣いている」。津南町の状況にも触れ「ジオパークとかやっていると聞きました。そういうのはどんどん頭を養っている」とし、例としてキャンプで山に入るとヘビやミツバチが出たりする状況は子どもたちにとって「未知との遭遇でしょ。出た時、どんな対応していくかの力、瞬発力がどんどん鍛えられる」。火を起こし煙が目に沁みたり、給食のお盆を地場産木にしたりする自然体験の大事さを語り「あとゼロ体験。夜になると漆黒の闇になり、見ると星が出てたり、ホタルが見えたり。そういう悠久感、人間の力じゃどうしようもないものを感じるのがゼロ体験。人間の世界を超えた、自然との向き合いが大事」などと話した。
 同講演会は実行委員会(宮澤清委員長)形式で開催。主管は育ネット津南地域部会(江村大輔部会長)で行った。

千曲川・信濃川、過去最大の流入量記録、西大滝で毎秒8872トン  10月26日号
 台風19号による大増水は西大滝ダムで過去最多の毎秒8872d(13日午前8時36分)を記録したことが明らかになった。これまでの最多は平成18年7月19日の7528d、次が昭和58年9月29日の5385d。今回の大増水がいかに大きいか分かる。西大滝ダム魚道は増水で土砂や流木が入ったが、魚道を覆っていたネットなどの破損で、魚道そのものへの被害はなく、23日から補修に取り組んでいる。
約23`下流のJR東・宮中ダムでも過去最大の流入量になったとみられるが、JRでは「データを精査中」として数値は発表していない。

写真・過去最大の流入量を記録した西大滝ダム(10月13日午前10時半頃、宮本惣次さん撮影)

信濃川洪水、サケ遡上に打撃、魚道ストップ  10月26日号
 台風19号のよる12日から13日にかけた大増水となった千曲川・信濃川。9月11日から開始したサケ遡上調査にも影響を及ぼし、JR東・宮中取水ダム魚道、上流の東京電力・西大滝ダム魚道は、土砂や流木が流れ込み、魚道に通水できない状態になっている。特に宮中ダム魚道には大量の土砂が堆積し、17日から土砂排出を行っているが、台風以降も雨で増水状態にあり、さらに台風20号、21号の接近で雨による増資が予想されるため、土砂排出作業は中断を余儀なくされ、JR東では「早期の通水のをしたいが見通しが立っていない」としている。今期のサケ遡上は12日までに311匹が遡上し、2015年の過去最多1514匹の年に似た遡上数を推移しただけに、台風被害を関係者は残念がっている。

 台風19号による大増水は西大滝ダムで過去最多の毎秒8872d(13日午前8時36分)を記録。これまでの最多は平成18年7月19日の7528d、次が昭和58年9月29日の5385d。今回の大増水がいかに大きいか分かる。西大滝ダム魚道は増水で土砂や流木が入ったが、魚道を覆っていたネットなどの破損で、魚道そのものへの被害はなく、23日から補修に取り組んでいる。
 一方、下流の宮中ダム魚道は、上流からの大量の土砂が魚道を埋め、ダム直下の魚道入口は完全に埋まり、U字型の魚道の上半分ほどが見えているだけだったが、17日からの土砂排出で魚道全体の形が見えているが、魚道入口付近の排出はこれからだ。大増水以降も降雨による双水状態が続き、さらに台風20号、21号の接近の影響も懸念され、復旧作業は中断している。 
 JR東では「17日から復旧作業に取り組んでいる。サケ遡上のために魚道を確保したうえで通水再開をめざしているが、復旧のメドは立っていない」として、増水状態が収まって早急に復旧作業を進めたい方針だ。なお今回の宮中ダムの流入量は精査中だが、過去最多は平成18年7月19日の毎秒7463d、平成16年10月21日の7003dとなっている。
 今季のサケ遡上は、宮中ダムで9月20日の2匹から始まり、今月5日には39匹、6日に41匹、大増水前の12日は45匹が遡上し、今期への期待が高まっていた矢先の台風被害となった。12日までに311匹が遡上し、過去データを見ると最多遡上の平成27年・2015年の1514匹の年に似た遡上状況で、漁協関係者は「今期は27年を超えるかもしれない」と期待していただけに、台風被害を残念がる。
 一方、西大滝ダムでは9月27日に2年ぶりに1匹の遡上を確認したが、以降はなく、今回の台風被害で遡上が期待できない状態になっている。

写真・魚道が埋まり排出作業が続くが増水でストップ(10月24日)


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