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2019年10月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
信濃川氾濫 再び浸水、津南町巻下 10月19日号
 12日から13日に猛威を振るった、超大型台風19号。津南町では足滝や巻下、押付などで信濃川(千曲川)が堤防を越え浸水。栄村では箕作や月岡に水が入り込み、浸水被害が出た。両町村とも人的被害はない。なお津南町の民家浸水被害は床上3棟、床下11棟。栄村は床上2棟、床下2棟だった。
 この台風で津南町は8集落167世帯482人に避難指示を発令。栄村は5集落100世帯249人に避難勧告が出た。昭和57年秋に発生した大水を超える、大きな氾濫となった。津南町は災害対策本部を21日に解散。栄村は今週末に再び大型台風が来ることなどから、災害対策本部を継続している。

千曲川・信濃川、台風19号で大増水、地元から「対応に疑問」の声  10月19日号
 台風19号による千曲川・信濃川の氾濫で12日から13日にかけて流域の多くの堤防が決壊や越流し、民家水没や床上浸水、堤防損壊など大きな被害をもたらした。長野県境に近い津南町下足滝(6世帯)は13日午前2時半に避難指示が出て、住民全員が真っ暗のなか対岸の旧上郷中学校・上郷クローブ座に避難。指示・勧告は16日に解除されたが、住宅浸水で住めない2世帯6人が町用意の町営住宅に入居している。同集落は信濃川に隣接し、堤防で守られているが、その堤防中央部約120bが損壊、応急復旧に1ヵ月半余り要する見込み。一方、同地を通る県道足滝線と堤防の接続部分が堤防より低く、これまでも増水時には土のう設置し浸水を防いできた。だが今回、その土のうは設置されず、大量の濁流が集落に流入した。県管理の場所だが、津南町は「検討したが夜間の設置工事は2次災害のおそれがあったため、実施しなかった」としている。だが地元からは「12日午前に警戒本部を設置し、上流の増水が分かっていたはず。対応には疑問が残る」とする声が上がっている。

 今回の増水は記録的な流量だった。新潟と長野県境から上流●`の東京電力・西大滝ダムでは、10月13日午前8時36分、過去最多の毎秒8872dもの大流量を記録。平成18年7月19日の7528d、昭和58年9月29日の5385dを大きく上回る記録的な増水。
ダムゲート全開ながらもダム本体に激流が押し寄せる状態だった。ダム下流の栄村の流域の箕作、月岡は集落全体が浸水。その下流にあるのが津南町下足滝。県境の宮野原
橋から蛇行する川が、足滝集落手前で大きくカーブ。その突端に県道と足滝堤防の接続部分があり、
激流の勢いが増す場所で増水のたびに土のうを積み、浸水を防いでいた。
 住民によると、12日午前2時半、町からの避難指示を受け、地元消防団員が各戸を回り避難を促し、6世帯16人が避難。同日朝8時過ぎから集落内が浸水し、9時には川と同じ高さまで浸水。ただ、県道との接続部分以外の堤防からの越流はなかったという。

10月13日午前9時半過ぎ 津南町下足滝。中央に見えるのが堤防

台風19号、信濃川氾濫、民家床上浸水、「なぜ、土のう設置なかったのか」  10月19日号
下足滝地区は信濃川増資のたびに浸水しており、昭和56年大増水で堤防が決壊、集落が水没。翌年から新堤防建設が始まったが同年も大増水、建設途中の堤防が流失。新堤防後も平成18年増水で再び浸水。この時も集落の上流側、県道と堤防の接続部分から流入、集落が浸水。以降、増水が予想される場合、土のう設置で防いできた。今回の氾濫で避難した地元の島田英里子さん(50)は「なぜ今回、土のうが置かれなかったのか。12日早い段階で上流での増水が分かっていたはず。記録的な増水だったが、少なくとも床上浸水は防げたはず」と残念がる。一方、津南町では「土のうは検討したが、深夜の作業は2次災害のおそれがあったため土のう設置はしなかった。水が引いてから現地確認したが、あの部分は堤防を越えて流入しており、土のうの効果は薄かったのでは」(建設課)と見ている。
この足滝堤防の嵩(かさ)上げ計画を今春4月、町と県は地元足滝で説明している。同区間は1級河川だが国直轄ではなく県管理区間。津南町が長年、国直轄区間にと要望している場所。下流の津南町巻下地区の堤防改修と同じ事業計画で今年ようやく着工した。だが県管理区間で下流から工事着手のため、足滝地区の着工時期は未定。今回の浸水・堤防損壊で地元からは「同じような大増水が来たら、また浸水する。またかとならないように早急な対応をお願いしたい」と要望している。

おもてなし、中国出身の山田麗艶さんが講和、「出身者をもっと活用を」 10月26日号
 中国の歴史文化や制度を学び、大地の芸術祭でのおもてなしに役立てようと千手神社奉賛会(白井敏夫会長・氏子850戸)では20日、同神社拝殿に広東省広州市出身で津南町・龍昌寺住職の妻・山田麗艶さん(58)を迎え「中国まるごと勉強会」を開いた。
 同奉賛会では、神社の旧相撲場が芸術祭の作品となっておもてしを行い、前回の来訪者総数7310人のうち外国人は1313人、うち中国人は829人で外国人に占める割合は63%だった。
 麗艶さんは、中国に留学中だった夫と知り合ったことや、地域の小学校で中国から来た子の授業の通訳、外国人妻たちとの言葉の交流サークルを行ってきたことなど紹介しながら、中国の一人っ子政策や学制、観光などをはじめ、頭痛や歯痛などに効く漢方医学の『ツボ』も伝授。また「中国本土と香港、米国に住む友人と旅行をしたが、資本主義を知らない本土の友人は国土が広く人口が多いため、ある程度の独裁は必要と考え、香港と米国の友人は言論自由の大切さを話しました。香港で続く大規模デモは自由を奪われるかもしれないという危機感です」と語った。
 芸術祭おもてなしについて「中国人妻たちに通訳を頼むとよい。必要とされ、役に立つと感じれば妻たちは嬉しいです。頼ることもいいことです」とアドバイスした。

起業支援に県も本腰、花角知事車座トークで  10月26日号
 知事就任から県内各地で開く花角知事・車座トークを18日、十日町市のクロステンで開き、地元の企業家や移住起業家など5人活動報告や課題などを花角知事と話し、知事は「皆さんは一歩踏み出した人たち。その一歩は、何が皆さんをそうさせたのか」など、起業への思いなどを聞いた。出席者は「できる、できないではなく、やるかやらないか。これしかない」や地域観光の対応として「地域交通の支援システムを県も考えてほしい」などの要望が聞かれた。
 旅館業や日本酒と食で観光誘客に取り組む山岸裕一さん(松之山温泉・玉城屋旅館経営)は、妻有エリア内での2次交通整備を求めた。「世界から新潟を求めてくる取り組みの特色づくりとして日本酒を組み合わせ、さらにアートの要素を取り入れた誘客が可能」として、新幹線最寄り駅などから妻有、さらに妻有内の移動手段の整備が必要と話す。妻有ビールを起業した木千歩さんは「ビール造りのすべての素材を近隣を含む地元でまかなえる取り組みがもうすぐできる。十日町が持つ力、人の力でまだまだできる」と可能性を述べた。アフリカなど外国滞在の経験から中島弘智さん(ふれいファーム三ケ村理事)は「日本での当たり前は外国ではそうではないと強く感じる。田舎のない世代が、この地でと選択肢に入る取り組みが求められるが、生活の中でのビジネスとの関係が大きな課題」と話す。スキー・スノボなどチューンナップ専門店を営む川田裕介さん(雪将軍代表)は「できる、できないではなく、やるか、やらないか、その決断で
前に進むことを考えるべき」などと起業の思いを語った。野生動物肉・ジビエ肉と料理、加工品に取り組む高橋美佐子さん(茅屋や経営)は「猟師の高齢化が課題。このままでは猟ができる人が限られる」と猟師育成の必要性を話した。
 花角知事は、「地域内の交通整備は、つなぐ交通が大切。県としても対応している。日本酒のイベントはあるので今度は地ビールも開催できるのでは。生活とビジネスは難しい課題だ」などと話し、「スタートアップ拠点を県内各地に作っていく方針。思いのある人が気軽に寄れる場。そこには人もいて、資金的な相談にも乗れ、ワンストップの場づくりを進めている」と起業や事業活動への県の支援体制を話した。

妻有今昔物語 「十三夜と里芋」 10月26日号
 昔から「片月見をするものではない」と言われてきた。旧暦8月15日の「十五夜」は、新暦で今年は9月13日。「十三夜」は旧暦9月13日、新暦にすると今年は10月11日であるが、年によっては10月末になることもある。
 この両月見であるが、昨今では十三夜を知る人が少なくなったみたいだ。
 中国は唐の時代から見られた十五夜の名月鑑賞の風習は、平安時代にわが国へ入ってきて貴族社会に伝わり、次第に民間にも広まるようになる。これに対して十三夜の月見は、わが国の古来から行われてきた独自の行事である。
 文化2年(1802)に長岡藩士・高野余慶が著した『粒々辛苦録』で、両月見のことを次のように記している。
 「八月十五日、十五夜の月見なので、餅を搗いて食べる。貧しい農家では屑米で作った餅を食べ、里芋をたくさん煮て、子供たちに食べさせて喜ばせる」
 「十三日、この夜は十三夜といい、月見である。暮らしの楽な者は餅を搗き、貧しき者は夕食に里芋をたくさん煮て食べる」
 以前の妻有郷では、十三夜のことを「芋十三夜」とか「芋の年取り」といい、この日初めて里芋を掘り、里芋入りの小豆粥や里芋入りのモタモチを造って神仏に供えたものである。そして、この日以降、里芋掘りが始まり、食したものである。
 それにしても、この両月見で、特に十三夜が里芋と結びついているのはどうしてだろう。推測であるが、はるかに遠い昔、里芋など芋類が、稲作以前における主要な作物、食糧であったことから、収穫期にあたる十三夜の月に豊穣の感謝と祈りをしてきた、その名残りなのかもしれない。
   写真・文 駒形覐

1等比率31%(JA十日町)、過去最低、高温障害影響、農家所得を直撃  10月12日号
 今夏の連日35度を超える猛暑が、秋のコメ収穫を直撃している。JA十日町での9日時点の1等米比率は「31%」とJA十日町になってから過去最低の数値となっている。JA津南町は9日時点で「56%」ほど。平地が多い十日町エリアが構音障害を受けた形で、比較的標高が高い津南エリアは高温障害の影響は十日町より低いと見られている。両地域とも出荷は最終期を迎えおり、今後は山間地の出荷を残すのみとなっており、等級比率がどこまで上がるか、関係者は期待と共に今期の低迷に表情は暗い。

 JA十日町の魚沼コシの契約数量は約8493d(14万1556俵、1俵60`)。4日現在の集荷率は66・7%で、このうち1等米比率は29・7%。同期の昨年産米の1等米比率88・8%に比べ、59・1ポイントも大幅に低下した。これは過去20年で最低水準だった平成22年の50・9%を下回る状況となっている。特に十日町産の中でも高評価の川西地区での打撃が大きく今後、高冷地の集荷でやや回復するものと見られるが、過去最低水準は必至だ。
 品質低下の要因について、JA十日町では「7月末から8月20日頃までの実が入るタイミングに高温や台風によるフェーン現象に見舞われ、稲の根が弱って栄養を吸い上げることが出来ず、腹白未熟粒や背白粒など成熟していない粒が増えた」と話し、「日本一高品質でなければならない魚沼コシの品質低下で、今後の影響が心配だ」(米穀販売課)と話している。
 コメの等級検査ではコメの形、光沢などから1〜3等、規格外に分ける。等級は食味への直接的な影響はないとされるが、等級が低いコメほど買い取り価格は安くなる。JA十日町の場合、1等米の買取り価格は1俵1万9800円で、2等米は昨年より300円アップし1万9500円。ただ、2等米の価格のアップは「割高」な2等米となることから、販売業者から敬遠される懸念があるという。
 一方、魚沼コシの1等米比率の低下に伴うJA十日町の高品質米独自ブランド・米屋五郎兵衛への影響について、営農生活部の志賀義雄部長は「品質は落ちているが収量は平年並み。その中から厳選するので影響は薄い。ほぼ前年並みを確保できるものと思う」と話している。5種類ある米屋五郎兵衛の全生産量は7千〜8千俵。うちたんぱく質含有量や整粒歩合などすべて最高評価のSランクの「極」と県認証特栽米は数十俵程度となっている。

 一方、津南町の8割余を集荷するJA津南町は、9日時点で予約数量(約7万5千俵)の71%を集荷。1等米比率は「56%」ほど。1等外の要因の多くが『白未熟粒』。JA津南町・涌井正夫営農部長によると、7月下旬から8月上旬の出穂期の猛暑の影響という。「連日35度を超えた高温障害が出ている。平成29年は冷害で比率が下がった。今期はその真逆の高温障害。最終的に60%台にいくかどうか」と見通しを話している。
このため人気が高い『津南認証米』(品質基準)の出荷数量にも影響し、今秋のコメ事情は生産者にとっても、コメ消費者にとっても秋晴れとはいかない状況。平成29年冷害では1等米比率「52・3%」で農家所得を直撃した。今期、同29年に次ぐ低い等級比率が予想され、稲作農家所得への影響が心配される。
 なおJA津南町では、1等外の2等・3等米の仮渡価格の上乗せや29年冷害で実施した緊急支援資金などの支援策の検討に入っている。
写真・コメ検査も終盤。高温障害で1等比率が大きく下がっている(10月9日、JA津南町)

「忖度かな、権力への」、文化庁補助金不交付問題で関口市長  10月12日号
 大地の芸術祭のオフィシャルサポーターを務めるジャーナリスト・津田大介氏が芸術監督の「あいちトリエンナーレ2019」への補助金不交付を文化庁が決めた問題で、大地の芸術祭実行委員長の十日町市・関口芳史市長は7日の定例会見で質問に答え「(文化庁の不交付は)本質的な事を避けた形式的なことでの対応で、手続き的なことだと。展示内容が悪いから補助金を出さないという論理には決してなっていない」と述べ、「忖度かなと思う。政権への」と、文化庁の対応に疑問の姿勢を示した。

 国際芸術祭・あいちトリエンナーレ2019は、企画展『表現の不自由展・その後』に対する抗議電話や脅迫的な圧力で8月3日から同企画展を中止していたが、8日、66日ぶりに展示再開。会期は14日まで。ただ文化庁は『手続き不備』を理由に補助金不交付を決めている。これは「展示内容の是非が不交付の理由ではない。展示などを巡り予想された『運営を脅かす事態』について、事前に伝えていなかったことを問題視した」としている。その展示は、慰安婦を象徴する少女像や昭和天皇を含む肖像郡が燃える映像作品など、表現の不自由展には16作家、23作品を展示している。

 会見で関口市長は、「津田さんからは大地の芸術祭を応援していただいている。あいちトリエンナーレには私も何度も行っている。今回は行っていないが、大地の芸術祭とは方向性が別のものだと見ている。あの実行委員会の混乱ぶりなど、我々ではありえない混乱ぶりだと感じた」。さらに文化庁の不交付には「何かをやって補助金をもらう時、国の意向に沿わないので、内示しておいてダメよというのは、結構やばい話だ。憲法論だと思う。検閲だとか」などと述べ、「公権力は抑制的であるべき」とも。

 一方で大地の芸術祭のあり方ついては「地域を元気にしていきたいという大きな思いと動きがあり、(広範囲の)作品の点在でめったに行かない所まで行き、芸術作品の向こうにある何かを見つけて下さいという大きなテーマでやっているわけで、そのテーマを堅持していれば、大地の芸術祭に関しては大丈夫かなと感じだ」と野外アート展の大地の芸術祭の基本理念を改めて述べた。


 

「オール野党結束を」、平和と共生呼びかけ、打越さく良参院初来市  10月12日号
3年前から野党共闘の要になっている「オール十日町・津南平和と共生」(本間侃会長)で勝利した6月の参院選。新潟選挙区で初当選した打越さく良氏(51、立憲民主)を囲む会を5日、ラポートで開き140人余の参集者を前に、本間会長は「不可能を可能にした参院選の結果だ。野党連合政権の実現の話を本気で話し合えば、政権実現は不可能ではなく、担えるはずだ。立場の違いを乗り越える組織運営が最重要課題だ」と、野党結束の必要性を強調し、大きな拍手を受けた。
 参院議員になり初来市のなった打越氏。「参院本会議に出て、首相所信表明の最大のテーマが改憲だったので、おもわずヤジを飛ばしてしまった。必ずやってくる解散総選挙では、恩返しの意味で越後3人娘と共にしっかり皆さんと共に戦っていく」と述べ、参集者の声援を受けた。集いには野党代表が顔を揃え、国民民主の参院・森裕子氏は「私の時から始まった野党共闘・オール野党、新潟県内の共闘モデルになっている。十日町地域では特に共産党の皆さんから世話になった。これまでは越後3人娘だが、これからは越後若草物語で行きます」と会場の笑いを誘った。
 集いには衆院・菊田真紀子氏、共産県委員長・樋渡士自夫氏、社民県議・長部登氏、国民民主県連代表・梅谷守氏など全野党が揃った。共産・樋渡氏は「打越事務所では最初から最後まで共産と連合新潟が一緒に事務所で取り組んだ。初めてのこと。今後の選挙も共闘がカギになる」と継続の必要性を述べた。次期衆院選をめざす梅谷氏は「今回の勝利は野党が一つのテーブルで取り組めたこと。オール十日町津南をさらに進化させ、深化し、選挙に勝利したい」と支持を訴えた。集いは立正佼成会・木下悦男十日町教会長の乾杯で懇親会に入った。

清津狭グッズ開発、地元の「中里火だね会」と清津クラフト  10月12日号
渓谷アートの人気でお盆の9日間に3万4千人を超す観光客が訪れた清津峡渓谷トンネル。今月から地元・中里地区のまちづくりグループが「清津峡らしいおみやげ品を」と地域色を生かしたTシャツと缶バッジ・マグネットの販売に乗り出した。メンバーの鈴木敏美さん(71、荒屋)は「利益優先でなく、多くの地元の人たちによって商品化できました。より地域の魅力発信につながってもらえれば」と期待している。
 制作した商品のデザインは、県自然観察指導員でもある津南町の中沢英正さんら3人が描いた絵を採用、文字は地元・慈眼寺の住職、斎藤馨爾住職が揮毫するなど地元の人たちがデザイン。Tシャツは清津峡に生息するニホンカモシカやカワセミ、フクロウやホタルブクロなど動植物4種類だが、缶バッジ・マグネットは14種類ある。Tシャツは今月4日からの販売となったが、先行した缶バッジ・マグネットは販売4日で百個以上売れるなど人気だ。
 商品開発は、10人ほどのメンバーで構成する地域づくりグループ「中里火種の会」に参加する鈴木さんと江口登さん(65、干溝)、山崎喜久一郎さん(61、山崎)の3人が『清津クラフト』を立ち上げ、6月から準備を進めてきた。価格はTシャツが税込み3千円、缶バッジ・マグネットは同300円で、清津峡トンネルのエントランスや土産物販売の笹小屋、食堂・渓谷で販売している。
 今後について江口さんは「さらに清津峡の風景や特徴を生かした土産品を開発していきたい」と話し、トートバッグや付せん、バンダナなどの商品化も進めていく考えだ。

絵手紙の山路智恵さん「一生懸命が大事」  10月12日号
 東京五輪の応援プログラム認証を受け、『絵手紙 東京百景』を製作・展開中で、今夏8月に栄村観光大使就任の作家・山路智恵さんが3日、栄小学校(下育郎校長、42人)で絵手紙教室を開催。山路さんは「誰かに気持ちを伝えるのが絵手紙。下手でいい、下手がいいんです。うまく描こうというより、一生懸命描いた方が気持ちが伝わります」と子どもたちに絵手紙の魅力を伝えていた。
 24年前の1995年(平成7年)、小学時代に毎日絵手紙を描き続けた山路さんの作品に感動した栄村出身者が、村で実行委を立上げ展覧会を開いた縁から栄村と関わり続けている山路さん。子どもたちはピーマン、クリ、レモンなどを画材を自分たちで選ぶなか「匂いをかぐ、さわってみる、耳を当てるなど、そんな物の声を聞いて。そうすると、普段何気なく見ているものでも、自分に話しかけてくれるのかな、と感じるきっかけになります」などとアドバイス。子どもたちはじっと題材となるものを見つめながら筆を取っていた。
なお今回子どもたちが描いた作品は、栄村と交流を深めている中国・蘇州市でも飾られる。

自衛隊が行軍訓練、銃器携帯し  10月12日号
 〇…自衛隊が妻有地域を歩いた。陸上自衛隊・高田駐屯地の第2普通科連隊の第3中隊70人余は5日、津南町役場から信濃川左岸を中心に国道・県道約20`で歩行訓練を実施。迷彩服姿で銃器、通信機器など20`c以上の荷物を持ち、機動車両4台と共に妻有地域を巡った。
 〇…同隊は魚沼地区が担当エリアで、これまで3年に1回、十日町市で歩行訓練を実施。津南町からスタートするのは、これまでなかったと言う。今回は担当エリアの実情を歩いて把握、緊急災害時救助活動に役立てる目的で行った。珍しい自衛隊員の歩行訓練を一目見ようと沿道には多くの地域住民が参集、歩行訓練を見守っていた。

十日町雪まつり「原点回帰」、だが「誘客要素薄れる」 10月5日号
 雪上カーニバルを廃止し『原点回帰・未来へ繋ぐ新たなチャレンジ』を基本理念に来年2月14〜16日開催の第71回十日町雪まつり。その内容を協議する実行委員会正副会長・本部委員会合同会議を先月30日市役所で開き、基本概要を決めた。十日町高校や越後妻有文化ホール周辺をメイン会場に、音楽イベント出演のアーティストなど詳細は11月下旬に発表の予定だが、雪上カーニバルのようなメインイベントのない『目玉なき十日町雪まつり』に、市民から「どう観光客へアピールするのか、ポイントが見えない」と誘客要素の薄さを危惧する声が聞こえる。

 新たな十日町雪まつりのテーマは『雪の白に明日を描く』。「雪を友とする原点復帰と持続可能な雪まつりに向けた新たなチャレンジ」と位置付けている。
第2回合同会議は当初、6月に開く予定だったが「作業部会のボリュームが想定より大きく、アイデアや意見も多く出て遅れた」とする。概要は3月開催の特別企画委員会と作業部会の検討結果を引き継いだ。注目の雪上カーニバル代替案は、役割を十日町高グラウンドのコミュニティひろばに移し、ステージ規模を縮小し3日間通じて音楽イベントなど楽しめる場を創出。ただ、前回ステージ雪像が製作段階で崩れ死亡事故が起きたことから、ステージに雪像は設けない方針。雪上茶室や大型雪滑り台、屋台などは従来通り。歌謡ショーに代わり、越後妻有文化ホールで滋慶学園グループの協力でトップアーティストの有料音楽イベントを開く計画だ。
一方、十高グラウンドで開催したツマリアンボールや雪合戦など雪活用のゲームやアウトドア体験の場を十高や越後妻有文化ホール周辺の駐車場で展開し、「観光の主流になっている体験型の場を作り出す」という。雪の芸術展、きもの女王コンテストはメイン行事として従来通り実施し、雪上カーニバル中止以外、大きなイベント変更はない。同事務局は「カーニバルのように集中して人の波を作るのではなく、3日間を通し、雪を体験し楽しめる雪まつりを企画する」としている。
 予算は、雪上カーニバル(前回約4532万円)廃止で、前回比約6割の総予算4100万円を見込む。うちコミュニティ・イベント費1180万円、雪の芸術展・ひろば費前年同額560万円を予定。丸山工務所、村山土建2社から合計1千万円寄付で特別寄付金積立基金を設けた。
 実行委員長の関口市長は「第71回が新しい十日町雪まつりのスタート。新たなチャレンジでもある。変えていかなければならない部分に大胆に切り込みたい。新しい雪まつりをまとめあげたい」と話している。
    〇
十日町雪まつりの象徴だった雪上カーニバル廃止に替わる目玉イベントをどうするか。基本概要は「目玉不足」の印象で市民から『雪まつり離れ』を心配する声がある。「市民のための雪まつりへの原点回帰か、従来通り観光客を招く雪まつりなのか」の疑問に対し、事務局は「提言書では市民のための雪まつりを強調しているが、基本的にウエイトは同じ」とする。これまで雪像舞台を制作担当した建設業者は「雪上カーニバルという目玉があったからこそ他のイベントが生きてきた。その目玉がなくなっては…」と困惑気味。また「十日町駅では十日町小唄を流し、来訪者に魚沼コシの小袋を配ったこともある。市民あげてお客を招き、もてなしてきた歴史があることを思い起こしてほしい」という声もある。

「100億円企業」誕生、M&Aで事業拡大、クローバフォー  10月5日号
 経済産業省の牽引企業(リーディングカンパニー)に指定されている十日町市の青果野菜取引「クローバーフォー」は、青森県の青果仲卸大手「第一青果」グループ3社を子会社化(M&A)し、クローバーフォー傘下に入れ、同社グループ全体売上が100億円を突破する十日町市では初の「100億円企業」が誕生した。同社・星名藤一社長(63)は「東北に青果の拠点ができ、野菜分野の流通をさらに強化できる。これまでも挑戦の連続だったが、これからも他からは『できっこない』と言われることに挑んでいく」とさらなる展開をめざす。創業22年で100億円企業に育て上げ、今後2026年までの7年間で250億円をめざす方針だ。
 青森・八戸市に本社がある青果物仲卸「第一青果株式会社」(資本金1千万円・川崎益美社長)と子会社の青果物加工「ベジフル株式会社」(同500万円、同)、同「川崎産業株式会社」(同500万円、同)の3社を企業買収(M&A)した。3社の売上は約38億円、従業員約百人。売上65億円企業のクローバーフォーが3社の株式を90%〜100%取得し、星名藤一社長が3社の社長に就き、川崎社長は会長職に就く。
 今回のM&Aは第一青果側の後継者対策の相談を受けた青森銀行M&Aセンターの橋渡しでクローバーフォーとの企業買収が成立。同3社の業績は好調で青森県内の青果物仲卸では大手で、地元のリンゴ・長いも・ニンニクなど主要産物を扱い、さらにカット野菜や果物など加工分野の2社(ベジフル、川崎産業)により、幅広い営業展開ができるなどクローバーフォーにとって事業の幅が広がることになる。
 今回の企業買収により、取引先の店舗が450店余り増え、クローバーフォーグループ全体で大型総合スーパーから一般スーパーまで2500店との取引となる。このほかコンビニエンスストアー1100店、新潟県内の病院・福祉施設など450施設とも取引し、今回のM&Aにより総売上100億円を突破する。
 企業買収M&A締結は先月26日行っている。星名藤一社長は「この業界は国内3兆円産業で、国内産2・4兆円、輸入6千万円。この先、さらに集約化が進み、最大手があなたの会社と組みたいと思われるような企業体を作り上げる。7年後には250億円企業をめざし、『できっこない』と言われ続けてきたが、22年間で100億円企業に育てた。さらに挑戦していく」と話す。
 国の経済産業省は全国の地域経済を引っ張る企業を「地域未来牽引企業」に指定し、十日町市ではクローバーフォー、きものブレイン、いつ和の4社が指定を受ける。クローバーフォーは本社(十日町市山野田)のほか「ノースライン」「SUNOE」「スノエ青果」のグループ4社。グループ資本金5850万円、本部・営業所(長岡市・東京港区・札幌市・福岡市博多・長野中野市)など全国展開している。

宮中ダムでサケ61匹、今後に期待  10月5日号
 夏の暑さで遡上が遅れ気味―。信濃川のJR東日本・宮中取水ダム魚道で先月11日にサケ遡上調査用のトラップを魚道上流側に設置し2ヵ月間の調査を開始したが、10日後の先月20日にようやく遡上を初確認。9月中の暑さが影響し、遡上確認は41匹。今月2日現在、59匹(オス52匹、メス7匹)の確認に留まっている。
 宮中取水ダムからの放流量は毎秒60d前後。調査最高だった4年前は1514匹の遡上を確認したが、昨年は396匹だった。毎年サケの稚魚60万匹余りを放流している中魚漁協では「昨年同様、信濃川では夏の暑さが影響しているのではないか。体調も大きいもので70a、小さいものでは40a程度。特にメスが少なく、採卵できずに困っている。気温が下がるこれからに期待したい」と話している。
     〇
 飯山市に位置する西大滝ダムから宮中取水ダムを経て魚野川合流点までの約63・5`は、河川流量の少ない減水区間となっており、河川環境の改善の取り組みとして平成11年1月に信濃川中流域水環境改善検討協議会を設置し様々な調査・検討を実施。それまでの検討結果を踏まえ、21年3月に河川流量のあり方などを「信濃川中流域の河川環境改善に係る提言」として取りまとめ、21年度から再びJR東がモニタリング調査を行っている。

サケが来た、西大滝ダムで2年ぶり  10月5日号
 「これまでで一番早いなぁ」。昨年はゼロ、一昨年は1匹、サケの遡上を継続調査する西大滝ダム(東京電力)魚道で先月27日朝、魚道に仕掛けた採捕トラップでサケ1匹を確認。4年生のオス、3`、測定後すぐに上流に放流した。「もっと上流に行ってほしいね、上田までいってくれ」。9年間から同ダム魚道でサケ採捕調査を担当する高水漁協理事・宮本惣次さん(81・飯山市)は嬉しそうに話す。「去年はゼロ。2年ぶりに元気なサケが見られた。サケを見た瞬間、バンザイをしたよ。もう少しダムからの放流量があれば、もっと登ってくるのではないか」と話す。
 西大滝ダムのサケ遡上調査はダムによる下流の減衰域の河川環境調査の一環で2010年から同期間取り組む(9月11日〜11月10日)。西大滝ダムのサケ遡上は2011年の35匹が最高(別表参照)。昨年はゼロ。約25`下流のJR東・宮中取水ダム魚道では2015年に過去最多1514匹を記録。同年の西大滝は11匹だった。このため、宮中ダムから西大滝ダム間の河川環境の改善が課題だが、同区間の本格的な河川環境の改善策は、いまだ取られていないのが実情だ。
 西大滝ダム魚道の上流域でサケ稚魚の放流活動に取り組んできたNPO新潟水辺の会・加藤功副代表は「調査が始まった時点で、西大滝ダムから20d大きく上回る流量が流れていた。これも早期の遡上につながったのでは。宮中ダムでの採卵用の採捕によって、上流域への遡上は変わるだろう」と今期の状況を見ており、今後の遡上数に関心を寄せている。

農業体験、「雪ふる里」拠点に都会との交流事業スタート  10月5日号
 雪国・十日町の自然と都会との交流の拠点に―。NPO法人・雪ふる里村(羽鳥新吉代表)は先月29日、運営する古民家・百年の館で、東京・世田谷のインターナショナル保育園・ハッピーホライゾンズを経営するフローエシュタット(町啓介オーナー)と連携協定に調印。十日町を都会の園児やその家族の『ふる里』として交流していく新たな活動に着手した。羽鳥代表は「十日町の自然を堪能してもらい、都会の人たちから十日町を第二のふる里にしてもらいたい」と話している。
 連携協定は、雪ふる里村スタッフの交友関係で実現した。雪ふる里村にとっては都会からの宿泊利用客となる一方で、都会の保育園側にとっては雪国の暮らし体験や野菜、コメづくりなど優先的に農作業体験や豊かな自然を満喫できる。フローエシュタットの町オーナーは「自然豊かな十日町は、都会では用意できない環境。子どもたちにとって、生きる力を育める場所だ」と環境のすばらしさを絶賛。羽鳥代表も「都会では味わえない雪国の四季の暮らしを、ぜひ体験してほしい。園児にとって忘れられない場所になるのでは」と期待する。
百年の館は、十日町市川治地内に湯沢町から移築した築150年の古民家。都会との交流宿泊施設として9年前に開設し、雪ふる里村が運営している。今回のような連携協定は、雪ふる里村にとって初めて。協定締結に合わせ、参加した12人ほどの園児の家族らが稲刈り体験も行い、「この稲の一粒一粒がご飯になるんだよ」などと園児たちに話しかけながら作業を行った。
 羽鳥代表は「都会の人たちと地元住民との交流も行いながら、世代をつなぐ村づくりの担い手の増加にもつなげていきたい」と話している。

「山のタクシー」、秋山郷で運行開始  10月5日号
 昨年10月から路線バスが運休、公共交通機関が入らなくなった秋山郷。住民の足確保と観光客利用も見据え、栄村では地元住民が自家用車でタクシー業務を行う「山のタクシー」の運行を今月1日からスタート。村が事業主体となり、講習を受けた住民が運転手として登録、村から委嘱を受け自家用車で依頼があった乗客を運ぶ仕組み。運行地区は栄村秋山地区のみを原則対象に、民家前や登山口など乗車・降車が可能な「ドア・ツー・ドア」方式。村が配車を仲介し、登録運転手が指定を受けた場所に迎車。登録運転手は自身の自家用車に専用ステッカーを貼り運行する。長野県認可を受け始め、公共交通網が弱い秋山地区の移動手段の確保をめざす。
 山のタクシー(山タク)は、タクシーやバスの空白地帯で自家用車による旅客運送を認める国「自家用有償旅客運送制度」を導入し実施。路線バス運休に伴い、津南町と栄村は連携しデマンドバスを運行しているが運行本数の少なさや前日予約が必要など、年配者が多い秋山地区(99世帯201人、高齢化率64・18%)住民が気軽に使うことが難しく、交通利便性向上の声を受け対応を秋山支所などで検討していた。
国規定に基づき、利用料金は通常のタクシー料金の半額程度で1`当たり2百円、他に迎車料金3百円がかかる。乗降車は秋山地区に原則限るが、JR駅と接続できるよう鳥甲線を通り栄村森地区、他に路線バスが運行している津南町見玉地区の2地点でも降車はできる。運転手登録は現在9人で、今後さらに3人が登録予定。運賃は運転手の収入となるが、車の燃料代や保険料などは登録運転手の自己負担で「ほとんどボランティアでお願いしている形。住民の助け合いの心を元に、運転手登録をして貰っている」(福原洋一支所長)とし、運行経費への村補助はなく、万が一の事故発生時は「基本は自家用車使用なので、個人の保険対応となる」(同)とする。現在は村直営だが、将来的には地元住民団体やNPOへの事業委託を模索する方針。
山タク出発式は1日、村役場で実施。森川村長は「昨秋の路線バス休止で、秋山地区は公共交通空白地帯となった。ドア・ツー・ドアが求められる時代、住民の皆さんの協力で新たなサービスが始まることになった。観光地・秋山郷を皆さんに守って頂きたいと思う」と期待感を示した。問合せは秋山支所まで。

県立津南中等教育学校、県大優勝、北信越大会へ  10月5日号
 北信越に挑む―。第24回北信越地区高校軟式野球県大会は23日、新潟市の鳥屋野野球場で開催。津南中等教育学校、十日町高松之山分校、直江津中等教育学校の3チーム総当たり戦を行い、全勝した津南中等と1勝の直江津中等が、今月26日に長野市のオリンピックスタジアムで行う北信越大会への出場を決めた。津南中等の秋の北信越大会は2年連続となる。
新チームとなり、初の公式戦の県大会に挑んだ津南中等野球部(樋口駿介主将、部員6人)。部員が少なく野球経験者の助っ人4人を加えての参加。条件は厳しかったが、正部員6人は今夏の北信越大会で準優勝し、夢の全国まであと一歩まで迫ったメンバーら。打線が繋がり十日町高松之山分校を11対1、直江津中等を9対1の大差を付け、コールド勝ちで破った。小山尚之監督は「夏の北信越準優勝の経験が活きている。夏大会もそうだったが、北信越では長野勢に敗れる試合が続いている。なんとか長野県勢に一矢報いてほしい」とエールを送っている。
 津南中等野球部=【2年】関口智大、廣田颯吾、清水雄大、鈴木慎之介、滝沢大進、樋口駿介、橋旭【1年】吉樂采士、石沢朋輝、小林勇仁

服部勇馬「勇馬隊」、代表内定祝う  10月5日号
〇…「勇馬、よく頑張ってくれた」。東京五輪マラソン代表選考レース・MGCで2位に入り、日本代表権を獲得した服部勇馬選手を応援した中里スポーツ後援会・援馬隊は先月28日、中里・林屋旅館で祝勝会を開催。集まった50人余りの隊員に、勇馬選手の父・好位さんは「勇馬は、援馬隊の旗が目に入り、力になったと話していました。東京五輪では本気でメダルを取りに行きたいと言っています」と話すと、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
 〇…同後援会の上村斉会長は「本当にうれしい。2位でゴールした時は飛び上がって喜んだ」と声を震わせ、援馬隊の吉楽一彦隊長も「こんなにうれしいことはない。本番では大応援団を仕立てて応援したい」と話した。会場ではレースの一部を映したり、応援旗に寄せ書きをするなど盛り上がっていた。

中学駅伝 十日町「男女総合優勝めざす」  10月5日号
 『男子(6区間)』
 突出した選手はいないが長距離に特化したメンバーが揃い、総合力での評価は高く、県優勝の一角に上がっている。
 県大会では、村山晴紀(3年)片桐貫太(同)を中心に組み立て、小千谷や津南などトップチームと競り合いながら、最後の最後に一歩リードしてゴールに飛び込みたいと意気込む。「とにかく上位チームと最後まで競り合っていくこと。チャンスはあるはず」と橋泰成主将(3年)。その第一弾として中越大会を見据える。「中越大会で上位チームの力量を見てみたい。先ずは3位以内に入ることを目標にしたい」と話す。
 齊藤剛監督は「男女とも周りに強いチームがあり厳しいが、最高に力を発揮すれば結果はついてくる。選手の奮闘に期待する」と大きな目標を掲げて挑む。
 『女子(5区間)』
 「男女アベック優勝を狙います」と根津百合香主将(3年)。1、2年生が中心の若いチームだ。それだけに1、2年生にとっては来年を見据えた大会にもなる。
 レースでは、メキメキと力をつけてきている山田寿々菜(2年)や女子800bでジュニアオリンピックに出場する橋美空(1年)らを中心に組み立てる。「練習でもペースダウンしないよう、一丸となって目標に向かって頑張っていきたい」と選手たち。
 『目の壁は乗り越えるためにある』。その言葉がぴったりのチームになっている。
 メンバー
 『男子』▼3年=片桐貫太、関口明輝、橋泰成、庭野公瑛、村山晴紀▼2年=佐野鈴太、蕪木一優▼1年=長谷川煌斗、羽鳥楓一朗
 『女子』▼3年=根津百合香、羽鳥えり▼2年=正野千夏、山田寿々菜、本間遥菜、弓削彩乃▼1年=阿部詩寿瑠、阿部和夏、橋小梅、橋美空

中学駅伝・十日町南 リベンジめざす  
 『女子(5区間)』
 悔し涙を流してきたこの2年。いよいよその涙を晴らす時が来た。小学生時代に活躍し、1年生の時から注目された複数の選手が入部、当初から「県優勝候補」といわれながら頂点に立つことができなかった。一昨年の県大会は3位、昨年は2位。順当なら今度は1位だが、周りのチームも力をつけ、そう甘くないのがスポーツの世界。予断は許さない。
 貧血などで体調を崩し、ようやく回復してきたエース・村山愛美沙主将を中心に、遠田鈴、南雲穂香の3年組がレースを引っ張る。村山主将は「いよいよリベンジの時を迎えた。1年生も伸びてきており、悲願の全中出場を手にしたい」と意欲。中川大志監督は「自分たちの目標に向かってやるべきことをしっかりやってきた。自信を持って挑みたい」と話し、チーム一丸で夢の実現をめざす。
 『男子(6区間)』
 男女8チームまで出場できる北信越出場をめざす。練習ではお互いに声を掛け合い、雰囲気はいい。中越を制する者は県を制すといわれる中学駅伝。「先ずは中越大会で5番以内につけ、県大会への足掛かりにしたい」と金子英生主将(3年)。金子と共にエース的存在でもある須藤那祐太(2年)の頑張りもカギ。「とにかく強い気持ちで挑む」とメンバーたち。ひとり一人の負けん気が北信越への道を切り開く。
 メンバーは次の通り。
 『女子』▼3年=村山愛美沙、庭野彩良、南雲穂香、橋美花、橋星夏、日向野涼香、遠田鈴、中島結愛▼2年=小林華乃、村山愛純美、宮入唯菜、春日彩音▼1年=大塚有莉、大塚彩世
 『男子』▼3年=南雲遥生、高橋昴、上村郁真、金子英生、渡辺皇利、浅田大斗▼2年=富井大、入田晟、須藤那祐太、阿部光冴斗

医療と介護、官民で「十日町モデル」を、新潟大寄附講座で十日町市が  9月28日号
 独り暮らしや高齢者世帯が増え、「医療過疎」ともいわれる豪雪山間地を抱える十日町市は、今年から3年間、新潟大大学院と連携し「医療と介護のあり方・出向くケアと医療」を、同大学院の准教授と新潟市出身の医師2人が主体となって、今後全国で直面する地域医療と介護の問題に取り組み、『十日町モデル』の策定をめざす。十日町市が同大学院に資金提供する寄付講座の形で取り組む。来月1日には協定締結を市役所で、担当する医師2人のほか新潟大・橋姿学長も出席して調印する。

 十日町市がイメージする取り組みの活動は、「市民がこの地で不安なく暮らせるように、病院や施設への依存ではなく、医療・介護・福祉のサービスを切れ目なく提供できる体制」を整えるため、「地域包括ケアシステムづくりに向け、新潟大学と十日町市医療福祉総合センターを拠点としながら、大学研究の専門的な見地から『出向くケアと医療』の仕組みづくり」に取り組む。市医療福祉総合センターは来月末に完成し、11月から供用開始し、新潟大大学院の寄付講座事務局などが開設される。
 新潟大では、同大大学院医歯学総合研究科「国際保健学分野」が担当。同センターに駐在する医師は、特任教授・菖蒲川由郷氏(43・新潟市出身)、特任助教・白倉悠企氏(35・同)の2人。菖蒲川教授は新潟大医学部卒で社会疫学分野で健康と暮らしの関係などを十日町市をフィールドに昨年まで研究調査していた。白倉助教は中学卒後にニュージーランド留学し、同国立オタゴ大学医学部卒。沖縄や倉敷、佐世保の診療所勤務。新潟市出身が縁で菖蒲川教授の声かけで今回の寄付講座に取り組む。
 具体的な活動は今後、菖蒲川医師、白倉医師と市との協議となるが、国の先を行く高齢化社会、さらに山間地、特に豪雪山間地の条件不利地域を抱える十日町市は、今後の全国の将来の姿として、ここでの「医療と介護のあり方」が、県や国のモデルになる可能性もあるだけに、十日町市が10月から3年間取り組む『出向くケアと医療の仕組みづくり』の成果に、医療や介護関係者、さらに自治体関係者は大きな関心を寄せている。
 今回の新潟大大学院の寄付講座の取り組みについて十日町市・関口市長は「今後の高齢化対策を見据える時、この地でいかに不安なく暮らし続けることができるか、これを研究し、仕組みづくりにつなげたい」と同大との連携に期待を寄せる。なお寄付講座の資金は今年10月から2022年9月までの3年間で8700万円(単年度2900万円)となっている。
 

津南未来会議、具体化が課題、5回の会合終了、「誰がやるのか」  9月28日号
 桑原悠町長の選挙公約でもある、観光振興のための「津南版DMO」。その設立準備の一環として始まった「津南未来会議」(委員49人)。その最終回となる第5回は26日に町役場で開き、議論を交わした。観光に留まらず農業、空き家活用、移住推進など幅広い分野で議論は重ねられており、現状の津南の課題把握、焙り出された課題を受けどう対策を打ち出すかまでを検討。ただ一方で具体策を「たった5回の会議で出すのは難しい」という声もあり、同様の会議の継続を求める声がある。意見は町DMO推進室でとりまとめ、10月8日にメンバーと共に桑原町長に報告書を提出する予定。どう新年度予算など町の取り組みに反映するか注目が集まる。


 最終回は『観光見直し』『稼げる農業』『商工業商店街活性化』『移住定住増』『こどもたちの誇り育む』の4テーマに分け意見集約。この中でいくつかの具体策も出た。商工業活性化では中心街の空き店舗増を受け「人口減少は止められないので、交流人口を増やす街づくりが必要。街づくりを考える大学生に中心街の空き店舗を菓子、若者が集まり、起業できる環境を」との交流拠点化を提言。一方、移住定住増では「電子住民システムを導入し、津南を応援する人や出身者に協力を募る」と、津南ファンの積極活動を促す仕組み作りを提唱。他にも自然豊かな点を見える形にし「自然葬の土地として利用して貰う」なの意見がみられた。
事業経営者や町づくりグループに所属する者、子育て世代、農業者など、幅広いメンバー49人が参加した同会議。毎回与えられた課題に対してレポート提出を行い、会議に臨んだメンバー。『稼げる農業』班の発表者を務めた島田福徳さん(39、宮野原)は「農業以外の人と意見を言い合う機会はなかなかない。会議は面白く、新たな繋がりもできて良かった。ただ5回では具体案を出すには足りなかった。次があるなら、また参加したいと感じた」。商工業活性化班の風巻里咲さん(46、陣場下)は「レポート提出で自分の考えを文字にする難しさを改めて感じました。班では商店街に若い大学生に入って貰う案を出しましたが、若者が来ることで街中にも活気が生まれると思います。会議の案が、今後ひとつでも実現して貰えれば嬉しい」と話した。
全5回で見えて来た、今後の町づくりを考える基盤は『住民が津南の現状や将来を考え、議論できる恒常的な場を作る』、『住民に、地区の活動や学校行事、現状の課題などに関する情報発信を丁寧に行う』、『住民や団体のバラバラな活動を繋げ相乗効果を出す仕組みを作る』の3点。同会議顧問の清水愼一氏(元大正大教授)は「津南にはいろんな人がいる。そんななか、どういう活動をするかは永遠の議論。それを続けていくのがDMO」と町づくり議論継続の必要性を話し「できたら毎月でもやった方がいい。より具体的に、空き店舗をどうする、グリーンピアをどうするとか。今までは行政がやればいいだったが、あくまで当事者としてどうしていくか考える、永続的な議論の端緒に」と求めた。
 ただ課題となるのが出た案を『誰がするのか』と『どこがお金を出すのか』。全5回の議論では具体案は出なかった。最終回傍聴後、あいさつした桑原町長は「たくさんのアイデアを頂いた。ただ実現していく実行力が町に問われている。皆さんが引き続きイニシアチブをとり、実行していくのを応援していくような町にしたい」と、町は『実行』の主体を住民に求める姿勢を示している。一方、同会議メンバーには経営者や地域活性化に取り組んでいる者も多いが、「これまでの町は新しい取り組みする時に協力を求めても『お金が無い』で終わりだった。それがDMOが出来れば変わるのか」と疑問視する声もある。
桑原町政が掲げる『希望、愛、参加できるまちづくり』。人口減少による地域衰退の懸念が強まるなか、町と住民がどう連携できるか、本気度が問われることになる。

十日町サッカー協会、40周年祝う  9月28日号
カーワールドカップで、クロアチア共和国をキャンプに誘致したのを契機に、その後も友好交流を続けるなど活動している十日町市サッカー協会(橋政隆会長)が40周年を迎え21日、クロス10で記念パーティーを開き、更なる歩みを誓った。
 同協会は1972年(昭和54年)発足。小学生から一般社会人までサッカークラブの育成や大会開催など様々な活動を展開。中でもクロアチア代表チームをキャンプに招いてからは、ベルナティオのサッカー練習場をクロアチアピッチと名付け、サッカーU‐19日本代表やU‐19日本女子代表、横浜F・マリノスなどJリーグチームを合宿に招くなど大きな成果をあげてきた。
 記念パーティーには駐日クロアチア共和国の特命全権大使、ドラジェン・フラスティッチ閣下も出席。橋会長は「クロアチアとの友好交流はすばらしいものになっている。今後も友好関係を大切にしていきたい。クロアチアピッチに人工芝ピッチを完成させ、50周年に向けて歩みを続けていきたい」と挨拶。関口市長は「クロアチアのキャンプ誘致ですばらしいご縁ができ、東京五輪でのホストタウンにつながった。サッカー協会の頑張りが市の元気に貢献している」と話し、クロアチアのフラスティッチ閣下は「40周年おめでとう。これまで築き上げたストーリーを更に発展させたい。東京五輪でのホストタウンに感謝します」などと話した。
 同協会功績表彰は次の通り。
 ▼和光市少年サッカー連盟・冨澤勝広会長=少年サッカー交流▼十日町市サッカー協会前監事・塩川忠=協会運営に貢献▼同協会・川田増芳=クロアチアピッチやクラブハウスを管理・整備

十日町小唄日本一大会、優勝は室橋さん・糸魚川  9月28日号
 十日町の繁栄の礎を作った夏の着物「明石ちぢみ」。そのCMソングとして昭和4年に作られた十日町小唄の誕生90周年を記念した「第38回十日町小唄日本一優勝大会」が22日、越後妻有文化ホールで行われ、一般の部は糸魚川市の室橋京子さん(58)、少年少女の部は名古屋市の山賀桃子さん(10)が見事日本一に。3連覇が期待された鐙島小の保坂明里さん(10)は準優勝だった。
 大会には全国から一般に73人、少年少女に18人が挑戦。室橋さんは「2回目の参加で優勝でき『うわー』という気持ちです。喉の調子も良く、今回は唄に色っぽさも加えたのが良かった」と話し、昨年準優勝だった山賀さんは「今年は明里さんに負けないよう優勝するぞ、という気持ちで頑張りました。いつか民謡歌手になれたら」と喜びを語った。
 審査委員長の日本民謡協会・森松潮監事は「決勝は大差なかった。皆さん本当に勉強していて驚いた」と講評した。

早朝、天狗が行く 卯ノ木祭  9月28日号
 ◎…伝統の天狗が地域を巡行―。津南町卯之木地区(75世帯)の秋季祭礼で23日朝、恒例の天狗渡御を実施。奏楽と太鼓の調べと共に、真っ赤な顔に鼻が付きだした天狗が国道に登場。ゆっくりと地域を歩き、鎮守の十二社まで天狗行列。五穀豊穣と地域の平湾を願った。卯之木の秋季祭礼が終わると、本格的な秋を迎える。
 ◎…天狗が現れるのは現在、町内では反里口、赤沢、卯之木の3集落だけ。卯之木は87年前の1932年(昭和7年)  の十二社改築記念から取り入れ、戦争で一時途絶えたが地元の若者らを中心に復活させ、今も継続。現在は20〜30代の若手グループ・そぉやん会(石澤浩一会長、13人)が継承。今年で10年目を向かえ、記念に十二社の鈴緒を新調し奉納。石澤会長(36)は「いつの間にか10年。他には少ない神事で、これからも続けたいし、地域に若者はまだいるので協力を求めていきたい」と話している、

開いた「夢の扉」・服部勇馬選手、東京五輪マラソン出場決める 9月21日号
 勇馬が、夢の扉を開いた―。2020東京五輪代表選考レース・MGC(マラソングランドチャンピオンシップ)は15日、東京・明治神宮外苑を発着点とする五輪本番とほぼ同じコースで開かれ、雪国・妻有が生んだマラソンのトップランナー、服部勇馬(25、トヨタ自動車、中里中出身)が東京五輪出場権をつかみ取った。服部は40`過ぎからの接戦で驚異の粘りを発揮、優勝した中村匠吾(26、富士通)に8秒差の2時間11分36秒の2位でフィニッシュした。服部選手はレース2日後の17日、妻有新聞社に電話を入れ「援馬隊の旗が見え、頑張らなければと力になった。東京五輪出場は地元の声援のお陰。十日町、津南の皆さんに応援ありがとうと伝えて下さい」と感謝を話した=関連記事2面、8面。

  レースはスタート直後から設楽悠太(27、ホンダ)が飛び出し独走する展開となった。服部ら2位集団は一時、2分以上の差をつけられたが、気温がスタート時の26度から29度を超す暑さとなり、25`過ぎから設楽が失速、37`過ぎに服部と中村、日本記録保持者の大迫傑(28、ナイキ)らが逆転。39`過ぎに中村がスパートをかけて抜け出し、続いて大迫、服部が追う展開に。服部は胸に付けた、祖父母の写真を入れた妹・葉月さん(15)手作りのお守りに何度も触れると、先行する大迫を42`手前で抜き去り、2位でフィニッシュ。驚異の粘りで東京五輪代表切符を手にした。
 服部選手は本紙に「代表選考レースに向け、直前の菅平合宿で40`走の翌日に麓から10`以上駆け上がる厳しいトレーニングに取り組んできた。その成果が最終盤につながった」と話し、「レースでは状況を見極めながら冷静に走ることができた。必ず2位以内に入りたいという強い気持ちを持って走った。代表権を取ることができてうれしい」と喜びを語った。
    ▽▼▽
 関口芳史・十日町市長=心からお祝い申し上げます。多くの市民に感動を与え、子どもたちの夢を大きく育んでくれたものと確信しています。陸上5000bに取り組む弟の弾馬選手と共に東京五輪に出場されることを大いに期待しています。
 十日町市陸上競技協会・南雲政治会長=念願が叶い、こんなにうれしいことはない。体調を管理し、東京五輪では立派なパフォーマンスを見せてほしい。十日町一丸となって応援します。
 中里スポーツ後援会・上村斉会長=バンザイ、やったーという感じだ。後援会活動を大いに盛り上げていきたい。東京五輪での活躍を期待します。
中里中時代に陸上を指導した江村浩一教諭(現塩沢中)=車で駆け付け声援をおくった。東京五輪出場がまだ信じられないくらい。でも本当にうれしい。本番では体調に万全を期して思いっきり走ってほしい。
服部兄弟応援団・援馬隊・吉楽一彦隊長=2位に入った時、バンザイ、バンザイと喜び合った。うれしくて涙が出た。東京五輪では大応援団を組んで駆けつけたい。


 東京五輪マラソンの代表権をつかんだ服部勇馬選手は、来月中旬にも十日町市を表敬訪問する可能性が出てきた。
 服部選手によると、来月18日に新潟市内でテレビ局の取材を受け、翌19日にはデンカビッグスワンで開催のイベントに特別ゲストで出演する予定。それに合わせて十日町入りが可能かもしれないという。ただ東京五輪に向け早くも合宿がスタートするということで、実現するかどうかは未確定だ。

写真・神宮外苑の41`付近で力走する服部勇馬選手。このあと大迫選手を抜き2位に入った(9月15日、本紙・村山栄一撮影・東京神宮外苑で)

津南町議選・連載「静かすぎる前哨戦」B  9月21日号
 19日午前9時からの候補予定者説明会は、静かに始まった。津南町役場3階大鍵室。入口に出席者の記名簿があり、真っ先にあるのは『立候補予定者』氏名の欄。その横が出席者の記名欄。この日、候補予定者欄には11人の氏名が記された。現職8人、出馬を決めている新人3人。現職欠席は5人。だが空欄が一つあった。その脇の出席者に聞くと「まだ記名できない」。この日の出席者は全員で20人。待望論がある女性層、さらに20代、30代の若い世代の姿が少ないのも、今回の町議選を暗示している。

 候補予定者説明会は、いわば「選挙のイロハ」を町選管、十日町署、郵便局がていねいに説明する場。候補予定者の出席が義務付けられているものではない。ただ、この日には来月15日告示の当日提出する「選挙届出書類一式」が配布される。後日、町選管に取りに行くこともできるが、多くは予定者説明会に出席し資料一式を受け取っていく。

 連載「静かすぎる前哨戦」の先週号記事に多くの反響があった。長野・喬木村の取り組みを紹介した。2年前の改選後、「喬木村の次代を担っていく次の世代が議員に出られる環境づくりが必要」と、夜間議会・休日議会を実現し、早い議案配布、傍聴者にも議案配布、インターネット中継、議会報告会など、「議会のあり方」を根本から改革に挑んでいる。
 「記事で、津南町議会も休日議会を開いたことを知った。なぜ今は行わないのか。夜間議会なら、勤め人も議会活動ができるのに」(50代男性)。「人口規模もそれほど違いがない村で、これだけの意識を持って議会を変えて運営できるのに、なぜ津南町議会は…と思ってしまう。忙しすぎるのか、そこまで意識がいってないのか。このままでは町がすたれる」(70代男性)。さらに「ネットで喬木村を見たが、なんだか活気がある印象を受けた。でも、女性議員がいないのに、ちょっと違和感があった。きっとなにか事情があるのだろうが、津南町議会は女性が議長にもなり、多い時は4人もいた。今度の町議選、私は女性からもっと出てほしい」(60代、女性)
 
 期待する声は、いつの改選期でも多く出る。だが、『一歩、踏み出す人がいない』。選挙は「地盤・看板・かばん」と言われる通り、特に新人にとってベースとなる基礎票の有無は大きい。町議選の場合、これまでは「集落推薦、地区推薦」などにより、一定の基礎票を足掛かりに出る場合が多かった。だが、定数削減でそうして集落・地区推薦では「票が足りない」状態となり、より広域的な取り組みが求められ、ようやく「地縁・血縁選挙」から抜け出しつつある現状だが、その要素はまだ残るのが実情だ。
 それを打ち破ったのは、前々回の25歳の出馬。被選挙権を得た2ヵ月後、町議選に打って出た。結果、過去最多の「1144票」を獲得。4年後の次の選挙では減票したが「910票」と一定支持を維持した。この時は、告示2日前に出馬を決めた現職が、当選2位の得票を集めたことも、有権者を驚かせた。
 「もう選挙は、既存の地縁や血縁の時代ではないことを、みんなよく分かっている。話題性であり、何かやってくれそう的な見方になっている。これでいいのか疑問だが、限られた顔ぶれの中から選ぶわけで、どうしてもそうなってしまう。そうなら、もっといっぱい出て、選ぶ幅を広げることが、よりよい選択になるのでは」。いつも選挙話しになると熱くなる選挙通は語る。今月15日投票だった長野市議選では、定数39に52人が出馬した。「少数先鋭」というが、多様な価値観の時代、『多数厳選』が時代に合っているようにも感じる。

写真・今月19日の事前説明会には現職11人。新人3人が出席。

勇馬コール、大歓声響く  9月21日号
 越後妻有文化ホールが歓喜に沸いた―。地元で服部勇馬選手を応援しようと、東京五輪マラソン代表選考レース・MGCのパブリックビューイングが15日、同文化ホール・だんだんテラスで開かれ、詰めかけた市民や学生陸上選手ら120人余りが「つかめ、東京五輪」の小旗や援馬隊の団扇を持って応援した。
レース序盤から声援をおくっていた応援団も、激戦の後半になると一段と声が高まって「ゆ・う・ま」の大コール。終盤で2位争いのデッドヒートになると会場の期待は最高潮に。2位でゴールすると来場者は「やったーっ」「すっごーい」と割れるような大歓声が起き、抱き合ったりハイタッチして喜び、涙を拭う姿も見られた。
 応援に駆け付けた、呼び名が同じ十日町小の服部雄真君(6年)は「頑張って、すごく速かったです。僕も陸上をやっているので服部選手のようになりたいです」と話し、十日町中陸上部の長津小百香さん(3年)は「すっごく感動しました。私たちの応援が伝わったかのようにラストスパートをかけてくれて嬉しかった。練習の励みになります」と声を震わせた。また、会場に駆け付けた関口市長は「すごい走りで大感激した。彼なら絶対に期待に応えられる。東京五輪では市民を巻き込み最高の応援団を作りたい。弟の弾馬選手も5千bで頑張っているので、兄弟で五輪出場してメダルを取ってもらいたい」と喜びと期待を話した。

50億円産業をめざす、きものブレイン・岡元社長  9月21日号
 きもの総合加工や「みどり繭」による化粧品など、きもの産業のすそ野を広げている十日町市の「きものブレイン」(岡元松男社長)は13日、業績発表会と恒例の納涼パーティーをラポート十日町で開き、岡元社長は「みどり繭の化粧品では、やや苦戦しているが、将来的には50億円企業をめざし全社員一丸となって取り組んでいきたい」と業績アップを呼びかけた。
 今期33期を迎えた同社は、2年前に本社工場を建設し無菌養蚕によるみどり繭を原料として化粧品や石鹸、インナーなどを『絹生活研究所』のブランドでチャレンジ。しかし「市場の厚い壁に阻まれ苦戦しました。強力なコンサルタントの援軍を得て、再チャレンジしています」と語った。また本業の総合加工では「ビジネスモデルの変革と新しいシステムを導入し、大胆に変化していく」としている。年間売上は「現在30億円手前で足踏みしているが、2029年には50億円企業をめざし挑戦していく」と抱負を語った。
 同社は障がい者雇用14・76%などと積極的に取り組み、「にいがた子育て応援企業」や「次世代育成支援対策推進法に基づく認定(くるみん)企業」なども受けており、来賓や従業員など2百人余りが参集した納涼パーティーではソプラノコンサートや従業員らが手話パフォーマンスなど披露、盛り上がっていた。


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