十日町市議会3月定例会は18日閉会したが、市提案の条例一部改正と条例廃止の議案2つが継続審査となり、今後の市の取り組み、受ける市議会の対応に関心が集まる。
十日町情報館条例の一部改正は現行の午後9時30分閉館をすべて午後7時閉館に改定する議案で、担当の総務文教常任委員会(藤巻誠委員長)は「情報館設置の趣旨をどう理解しているのか。利用が少ないというが、経費節減の前に利用増への取り組みを行うべき」と委員会では全員賛成で継続審査を決め、18日の本会議でも全会一致で継続審査が決まった。一方、出生祝金支給条例の廃止議案は、厚生常任委員会(太田祐子委員長)で審議し全会一致で継続審査を決め、18日の本会議では1人反対の賛成多数で継続審査を決めた。
十日町情報館の閉館時間改正は、市の説明では「十日町情報館は図書館機能が基本で、諸室利用がない日は図書館閉館時間の午後7時に情報館も閉館している。午後7時以降のホールや研修室など諸室の利用状況は、開館日数の34%、うち64%が1室のみの使用になっている」と現状説明。さらに「情報館の空調は集中制御で1室使用でも大型ボイラーが稼働し燃料消費量も多くなっている。段十ろう、分じろう、十じろう、総合体育館などは午後10時まで利用でき、各地区コミュニテイセンターも利用可能」などとして情報館7時閉館の影響は少ないとしている。
だが、総文委員会では「利用状況より利用増加策にどう取り組んだのか」や「設置時の趣旨をどう理解しているのか」、「社会教育委員や公民館運営審議会の意見をしっかり聞くべきだ」など意見が続出し、全員賛成で継続審査を決めた。18日の本会議では審査報告を受け、全会一致で継続審査を決めた。藤巻委員長は「十日町市の社会教育活動、公民館活動70年の歴史を振り返ってほしい。十日町情報館の設置の趣旨はなんだったのか。午後9時半まで利用できたことは地域の社会教育活動の大きな後押しになっている」と地域の文化活動との関連性の重要性を話す。さらに「夜間の一室利用やホール使用の利用率を午後7時閉館の理由づけにしているが、ならばホール使用料の見直しも検討すべきこと。社会教育委員、公民館運営審議会の意見などをもっと聞くべきである」などと閉館時間の条例改正の問題点を話している。市は新年度予算に1億1194万円の情報館施設整備費を予算化し、空調設備の更新により管理費コストダウンがどうできるかも問われる。
一方、出生祝金条例(3人目から5万円祝金支給)廃止案は、前年度予算250万円を新年度条例廃止を打ち出した。厚生常任委員会の太田祐子委員長は「18歳までの医療費無料化や保育料軽減など子育て支援策を先駆けて取り組むが、若い世帯がもう1人、もう1人と思う子育て環境が必要。1人目から祝う取り組みも検討する必要がある」と人口減少政策としての重要性を強調する。
市当局提案の条例改正案が議会により継続審査になるのは異例で、十日町情報館の指定管理に伴う設置条例でも継続審査になった経過がある。今後、市が市議会の継続審査決議を受け、どう再検討し、6月定例議会に再度条例改正を提案するかどうか関心が集まる。