夜の雪原を舞台に幻想的な光の演出が人気を集める津南町雪まつりの「スカイランタン」と中里清津の「雪原カーニバル」。毎回開催日と開催時間が同じため、「行きたいけど、行けない」と同日開催に困惑する来場者の声が毎回上がっている。今回も3月第2土曜の9日夜、両イベントがほぼ同時間に開催され、「なんで同じ日なのか」の声が再び上がった。3年前、両会場を時間差でつなぐシャトルバスを運行したが、限られた時間の滞在で「中途半端」となり、その後も連携の必要性を感じながらも予算負担などの関係で継続していない。今回天候に恵まれ多くの来場者で賑わい、両会場では「いまスカイランタンが上がっているんだね」や「雪原の2万本のスノーキャンドルも見てみたいね」などの声が会場で上がっていた。
漆黒の夜空にふわりと火が灯ったランタンが舞い上がる津南雪まつりの「スカイランタン」は9日夜7時半、会場のニュー・グリーンピア津南に過去最多の全国から7千人余が参加し、舞い上がるランタンの幻想的な世界に歓声を上げた。前夜祭と本祭で約2千7百個のランタンが夜空を乱舞し、ディズニーのラプンツェルの世界が目の前で再現された。前夜遅く大阪・堺市を車で出発、富山で車中泊後、当日午後津南入りした龍田悠司さん(26)、坂本郁佳さん(24)のカップル。「昨年僕が来て、その写真を見せたら彼女が絶対行きたいと言い、2人で7時間かけて来ました」。「もう最高です。本物を見るまで動画など見ないようにしていました。本当に感動です」と郁佳さん。
写真撮影のグループも多く来場。東京からの中年グループの60代の佐藤さんは「三度目です。今日は清津でもスノーキャンドルがあるよね。あれも撮りたいんだよ。この同日開催、なんとかならないかねぇ」とちょっと不満そう。3年前、両会場をつなぐシャトルバス運行に取り組んだ津南雪まつり実行委員会・樋口明委員長は「バス運行を継続したいが、なかなか課題がある。だがこれだけのお客様が来られているので、雪原カーニバルとのコラボができれば、さらに相乗効果が上がるはず。来年への取り組みを考えたい」と積極姿勢を見せる。
一方も雪原カーニバル。同時開催以降、最盛期の1万5千人余の人気から入込は横ばい状態。雪原に灯る2万個のスノーキャンドルと打ちあがる花火で一体が幻想的な雰囲気に包まれ、集まった観衆から歓声が上がった。なかさと雪原カーニバル実行委員会・高橋敏昭副実行委員長は「津南雪まつりの日程が変わって重なってから、何とかならないものかとは実行委員会でも思っていた。ただ雪原カーニバルの場合はキャンドルを灯すため、どうしても人出が必要で、参加しやすい土曜開催の変更は難しいかもしれない。両方の雪まつりを見たいという声は多く、お互いに検討する会を設けることも大事なのかも知れない」と話す。
来場者からも声は聞こえる。ほぼ毎年来場するアマチュアカメラマンの高橋憲一さん(65)は「十日町雪まつりも金曜夜から開き、金曜と土曜の連続で実施してもらえると嬉しい。県外から来ているアマチュアカメラマンも『両方写したい』という声は多くある。日曜夜は翌日月曜は仕事の人があ多く厳しいので、金曜夜と土曜夜と開くのはどうか。そうなれば1泊する観光客が増え、地域の経済効果にもつながる」などと話す。今後、両イベントの実行委員会が開かれるが、連携開催への課題をぜひ話し合ってほしい。