9月から医師2人体制となる厚生連・中条第2病院の今後の運営方針が21日、JA十日町で開いた「中条第2病院あり方検討会」で示された。女性医師の産休により来月から常勤医師2人体制となり、その後の医師体制の困難性などから「診療所化」を示唆する運営方針が示されたようだ。当日の検討会は非公開で行い、その後の出席者取材も「ノーコメント」「いまは話せない」と一応に取材の応じていない。だが、「中条第2病院問題」は十日町市議会、津南町議会で住民グループが求めた運営継続・存続請願を共に採択しており、綱町議会は意見書を提出している。今後、検討会に出席した行政が、厚生連が示した今後の運営方針を、いつ、どう議会に説明するか関心が集まる。
21日のあり方検討会は当初、ラポート十日町で開催だったが当日、急きょ会場変更しJA十日町本店で開いた。出席は十日町市副市長、津南町副町長、JA十日町、JA津南町、中条第2病院長らで、この日の検討会前に、厚生連本部から役員が地元行政、農協を訪問し、方針説明している。
あり方検討会は非公開で行い、出席者への取材では「ノーコメント」「いまは何も話せない」と取材に対し言葉を閉ざしている。中条第2病院・船山義郎事務長「お知らせすることがあれば患者さんにきちんとお伝えします。それ以外、患者さんらのプライベートに関係してくることなので話すことはありません」と取材に答えており、9月からの医師産休入りは院内掲示で知らせている。
あり方検討会に関係する取材で表出しているのが『診療所化』。その背景には医師確保の問題がある。来月から医師1人が産休に入るため、9月からは当面、医師2人体制となる。同病院はベッド数180床、現在150人を超える入院者がいるいう。当直夜勤を2人で担当するという過酷な勤務状態になる。
あり方検討会で、こうした実情がどう説明され、どう対応する方針かなど厚生連から説明があったようだ。平行して医師確保が大きな課題となり、それが同病院の将来的な運営方針に大きく影響することはになり、地域医療を担う中条第2病院の存続に関わる最大の課題になっている。あり方検討会で、厚生連が示した運営方針を、出席の行政が請願採択した議会にどう説明し、それを受けた議会がどう動き、住民運動で集まった署名4万人余と連動した活動にどう結びつくのか、大きな関心が集まっている。
緊急集会・厚生連
地域医療を守る住民の会の緊急集会は18日、クロステンで開き、150人余が参加し、要望書を提出した十日町市長、厚生連の回答を今月末までに求めることを決議し、両団体に回答期限を通知した。署名活動はいまも続き4万を超える署名が集まり、魚沼エリアから全県に広がっている。大嶋育未代表世話人は「9月から医師が2人になる。病院維持の困難性が出ている。県福祉保健部に行った時、今のまま手を打たなければ病院継続は難しいという認識だった。地域医療の問題は各地で市民が考え行動している。安心して暮らせる病院をどう残していくのか、そのために何ができるのか、私たち住民はそのために積極的に参加、行動する意義と義務がある。人口減少など様々な問題はあるが、この山間地に暮らしても、都市部と同じ医療を受ける権利がある」と住民運動の広がりの必要を話している。集会では存続要望書を提出した十日町市・関口市長、厚生連・今井会長への公開質問状への回答期限を今月末に決議し、両団体に再通知した。