
丘陵大地に通じる坂道を上がると、いっきに視界が広がる。「解放感というのでしょうか。あの感覚、とても好きですね」。先月26日の当間高原リゾート株主総会で、7代目社長に就任した真保敏一社長(47)。
「この自然です。手を加え過ぎず、それでいて要所、要所はしっかり手が行き届いている、この感じがとてもいいです」。東京電力からの出向。一昨年、非常勤取締役に就いた。当時から当間担当として、ほぼ毎週ベルナティオを訪れていた。
当間高原リゾート・ベルナティオ。十日町市南部の丘陵地に1996年10月開業。510㌶の広大なエリアにリゾートホテル、ゴルフ場、さらに自然散策エリアが広がる。
経営する株式会社・当間高原リゾートは第3セクター。新潟県や十日町市、東京電力、鹿島建設、県内銀行などが出資する。
法人会員制リゾートだが、最近は一般利用も増えている。「シニア世代のご利用が増えています。特に女性です。この自然を満喫されています」。87歳の女性が信濃川ラフティングに挑戦し、『楽しかったわ、来年も来ますよ』。その言葉通り、翌年、88歳でも挑戦し、川下りを楽しんだ。「アクティブなシニアの方々、皆さん元気に楽しまれています。時にはアクロバティックな楽しみもされています」。
全社体制で来訪者ニーズに応えている。今春からスタートした「ワンコイン・ネイチャーツアー」。朝9時ホテル出発、約3時間のバスのミニツアー。そのガイドは社内公募した社員たち。「クローバー」と呼ばれ、ツアーの企画から、バスガイドまで行なっている。現在15人が登録。松之山の美人林、星峠の棚田、全国名水百選竜ヶ窪などルートをめぐる。費用はワンコイン500円。参加2人から実施する。
「自分の得意分野を取り入れたオリジナルガイドです。とても好評です」。普段、調理を担当している社員ガイドは、行く先々でその地の食材や伝統料理の話を行うなど、女性参加者には特に好評だ。
今期、順調な入込みで開業以来初の『宿泊10万人突破』が確実だ。昨年4月から運営委託先を「ナクア ホテル&リゾーツマネジメント」に。同社から佐野智之総支配人を招き、営業活動を進める。「ご宿泊者数は過去最高になる見込みですが、収益向上はこれからです」。7代目社長の手腕が期待される。
ホテルの評価は高い。昨年9月の「じゃらん」クチコミ調査『お部屋の良かった宿ランキング』関東甲信越エリアにおいて椿山荘など名だたるホテルと同列で4位にランクイン。世界最大の旅行サイト「トリップアドバイザー」では3年連続優良認定を受けている。さらに「ウェルカムベビーのお宿」では過去最高94点で認定を受けるなど、オール・ベルナティオの全社体制が高い評価を受けている。
宿泊者数が落ちる冬の取り組みも積極的だ。父が県内加茂市出身で雪国事情はよく知る。近隣の当間スキー場、さかえ倶楽部スキー場と連携し、中学・高校・大学のスキー研修も営業展開する。
さらに『かまくら挙式』にチャレンジ。年間を通じて挙式を受ける中で、冬の挙式をさらに魅力アップする。「雪の中で挙式を挙げたいと首都圏などから要望があります。そこで今期は『かまくら挙式』で営業に入っています」。ブライダルスペース『フィオリア』はAACA賞(日本建築美術工芸協会賞)を受け、人気は高い。
「この自然の魅力を、もっとアピールしたい。まだまだやれることはあります」。
(恩田昌美)