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2015年05月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
ふるさと会、頼もしき応援団、古民家活用で「ふるさとの家」  5月29日号
 首都圏に暮らす出身者で作る「ふるさと会」が地域の頼もしい応援団になっているなか、十日町市と津南町出身者で作る3つのふるさと会の合同企画「新緑のふるさと訪問」を栄村で26、27日行い、25人余が古道散策や山菜収穫、古民家での郷土料理交流会を開いた。その拠点をなったのが栄村小滝の『ふるさとの家・となり』。4年前の県境地震で被災し、独り暮らしの住人が震災1週間後に死去し、空き家に。地元で活用策を探り、交流拠点に再生し、今回のふるさと会合同企画で初使用した。築後200年余の古民家で郷土伝統料理で交流した参加者は、「懐かしいなぁ。昔はみんなこういう家だった。やっぱりふるさとはいいなぁ」とくつろぎ、歓談した。

 今回の合同企画は、東京栄村会(上辻旦泰会長)、東京津南郷会(野村英夫会長)、東京松之山会(村山富雄会長)が連携。北陸新幹線の延伸開業を機に、飯山駅から栄村へ。村営わらび園での山菜採りや古道散策など行った。
古民家での昼食交流は栄村会・上辻会長の提案に、小滝復興プロジェクト・樋口正幸代表が連携し、同プロジェクトが進める古民家再生・活用活動と連動する形で、完成まもない古民家「ふるさとの家・となり」の初使用が決まった。

 「となり」は、震災前までの住人・樋口良男さん方の屋号。震災1週間後、90歳で死去。国や民間などの資金、さらに自己資金などで被災古民家を全面改修。小滝復興プロジェクトでは、「宿泊できる交流の拠点にし、小滝に人を呼び込む起爆剤に」と取り組む。古民家の雰囲気をそのまま残し、囲炉裏などそのまま活用。集落の高台にあり、前方に千曲川が流れ、集落の棚田ひ眼下に広がる。
 小滝プロジェクトの樋口正幸代表(56)は、「交流の場にすることで小滝の人たちも元気になる。同時に事業として地域の活動にしたい」と話し、近く簡易宿泊所の許可を取得し、運営母体を法人化する計画だ。小滝は被災で戸数が減り12戸になったが、最近若い定住家族が増え、13戸になっている。

 今回の合同企画の世話役、上辻会長(72)は「我々の世代はこういう家だった。だから懐かしく、落ち着く。ここは栄村だが、津南町や松之山にそれぞれふるさとの家があれば、もっと多くの出身者が交互に訪れるはず」と話す。参加の最高齢、松之山出身の樋口兼雄さん(93)は古道散策にも参加、完歩した。「こういう民家は懐かしい。子供の頃を思い出す。ふるさと会の交流があるから、まだまだ元気でいられる」。東京津南郷会の山田強さん(69)はTV番組・全国和菓子チャレンジで優勝した職人。「田舎を出て50年が経つが、毎年、方言を聞きたくて帰るが、民家はいいですね」と話している。

 空き家が地域の課題になるなか、「ふるさとの家」活動は、新たな都市と農村・ふるさと交流のモデルになり、同時にふるさと会活動の新たな取り組みの方向性も示している。

10代のまなざし「岩田 唯さん・十日町中学2年」  5月29日号
 静と動とでも言ったらいいのだろうか。学校での部活動は吹奏楽。金管楽器・ユーフォニアムを担当し、流れるようなメロディーラインづくりに取り組んでいる。ところが、学校から離れ武道館に足を運ぶと一転。孫悟空のような出で立ちでエアーソフト剣を手に、スポーツチャンバラに挑む。

 「音楽も好きだし、スポーツチャンバラも好き。楽しいので、どっちも中学ではきちんと取り組んでいきたいです」
 小学時代は、友だちに誘われ4年生から十日町サッカークラブに入り、ボールを追っていた。ところが、成績を挙げたのは「足」の方ではなく「腕」の方だった。6年の時、郡市大会のソフトバール投げで優勝。肩が強かった。

 「キャッチボールなど何もしたことがなかったんですが、投げたら飛んだんです」
 今月中旬に長岡で開かれたスポーツチャンバラ大会に参加してきた。大会は級位ごとに行う。だから小学生と大人の試合もある。初心者の無級から始まり、次いで10級、9級と位が上がっていく。現在は8級。
 「なかなか勝てませんでした。目標は6級取得。昨年の夏休みに妙高で行った県内の合同合宿は楽しかった。友だちもできました」

 吹奏楽も県大会出場の目標がある。夏のコンクールに向け、課題曲「沢地萃」の特訓中だ。
 「将来の夢と聞かれると、サーカス団に出てくるようなピエロになりたい。人を楽しませ面白そうだから」。(村山栄一)

津南高原で育つ、県営妙法牧場で放牧開始  5月29日号
 ○…『外は気モ〜ちいい』。県営妙法育成牧場(佐藤義弘場長)の今季放牧が26日始まった。緑の絨毯のような牧草が生い茂る約173fに131頭が勢いよく飛び出し、初夏の陽射しのなか気持ちよさそうに牧草を食べ鳴いた。生年9ヵ月余の体重約260`の預託牛は放牧で約550`にまで肥り、また農家の元に戻っていく。

 ○…預託牛受入れは今季195頭(昨年131頭)。輸入の飼料価格高騰、預託料金支払いを一括と毎月支払いの選択制に変更した効果もあり、増加傾向。年間通し乳牛受入れを行ない、昨年は県内13市町村の26酪農家から受入れ。佐藤場長は「放牧で歩いたり駆けたりし、骨格がよく足腰が強い牛になる。しっかり育て農家にお返ししたい」と話している。

最先端医療の拠点、魚沼基幹病院6月1日開業、医師育成・派遣も   5月22日号
 北信越地域では初導入の最先端放射線治療機器など、高度医療(3次医療)を集積した魚沼基幹病院(新潟大学地域医療教育センター併設)は来月1日開院。これに先立ち19日、病院完成竣工式を開き、初代院長の内山聖院長は、「全国でもこの規模の医療再編は初めて。新潟大学地域医療教育センターが併設され、地域医療に必要な総合診療医の育成に取り組む。アメリカからも医師が来てくれ、地域医療の最後の砦が誕生したことは、地域住民が安心して暮らしていけることになる」と挨拶。泉田知事は「県全体の医師不足の解消の一助になることを期待する。高速交通ネットと共に大学など医療環境が整い、メディカルタウンが形になりつつある。魚沼基幹病院はマグネットホスピタルとなることが期待される」と、地域医療の充実への期待感と共に、めざす「地域全体でひとつの病院」となる役割の重要性を強調した。

 魚沼基幹病院は、新幹線・浦佐駅前から魚野川を渡った「ゆきぐに大和病院」に隣接して建つ。免震構造9階建て。病床454床(一般400、精神病床50、感染症4床)。開業時の医師は73人、看護師298人で総職員は493人。開業時は354床でスタートし、平成30年にはフル病床数にしたい方針だ。
 同病院は、県内では5番目の3次医療・救命救急センター病院。魚沼圏では初の周産期母子センター、外傷センター、さらにがん診療拠点病院の重点的な機能を持つ。

 3次医療の魚沼基幹病院は急性期を主体に受け、原則的には紹介状による受診だが、「一般的な外来も受けるが、先ずは電話連絡を。軽度の症状は電話指導する。地域医療の安心感は『かかりつけ医』を持つこと。魚沼基幹病院に相談を」(内山院長)と話す。最新医療機器導入で新潟大学医歯学総合病院とほぼ同じ医療を受けられるという。さらに新設の『外傷センター』は雪国独特のスキー事故や除雪事故、農作業負傷などに対応し、救急対応と共に予防面でも情報発信する計画だ。

 一方、課題は十日町市・津南町・湯沢町を含む広域医療圏の医療体制の整備、特に深刻な医師不足への対応を魚沼基幹病院は求められる。医師確保では、最新医療機器導入で全国の若い医師などから照会が入り、病床フル稼働時には医師90人体制にしたい方針だ。  
 内山院長は「地域医療に求められる総合診療医育成に取り組むと同時に、新潟大から定期的に毎週研修医派遣を受ける。魚沼基幹病院の医師はエリア内医療機関への勤務をお願いし、医師不足に貢献したい」という。平成30年には独立型研修指定病院になる。
   ◇◇◇
 魚沼基幹病院(新潟大学地域医療教育センター)=病棟免震地上9階、センター棟耐震2階。床面積3万3549平方b。病床数454床、総事業費約252億円(建物124億円)。看護師2人がパートナーを組み複数の患者を担当する「パートナーシップナーシングシステム」を導入。手術室9室(2室は間仕切り移動壁で広い手術室も可)。地下水熱利用の空調システムで省エネ効果。屋上にヘリポート(ドクターヘリ受け入れ可能)、運営は一般財団法人 新潟県地域医療推進機構。
 診療科31科(内科、循環器内科、内分泌・代謝内科、血液内科、腎臓内科、呼吸器・感染症内科、消化器内科、神経内科、精神科、小児科、消化器外科、乳腺・内分泌外科、心臓血管外科、呼吸器外科、脳神経外科、整形外科、形成外科、泌尿器科、皮膚科、産婦人科、眼科、耳鼻咽喉科、放射線治療科、放射線診療科、リハビリテーション科、麻酔科、歯科口腔外科、矯正歯科、救急科、リウマチ科、病理診療科)。所在地・南魚沼市浦佐4132番地。

魚沼基幹病院6月1日開業、新十日町病院と連携、運営形態が課題  5月22日号
 一方、当初は同時開業だった新十日町病院。昨年着工し、2年後には外来病棟が完成、部分開業し、4年後に全体が完成する。魚沼基幹病院の内山院長は、「十日町病院の頑張りには敬意を表す。塚田院長など医療スタッフが頑張っている」と話し、「十日町圏域とは密接な連携を行いたい。高規格道のトンネル開通の遅れは課題だが、十日町病院とは連携パートナーとして共に地域医療の充実に取り組むことができると信じている」と話す。さらに、個人的な意見と前置きしながら、「十日町病院は県立で行くのではないのか。同じ財団の経営ではなく、県立で行くと思う」と話している。魚沼基幹病院の運営は一般財団法人「新潟県地域医療推進機構」で顧問には聖路加国際病院や東京大、新潟大など主要医療機関代表が名を連ねる。

 竣工式出席した財団理事の津南町・上村憲司町長は、県議3期の時、県が3次高度医療機関を上・中・下越に1ヵ所設置の方針を出したが、「魚沼と佐渡はどうなる」と、魚沼エリアへの3次医療機関の設置を求め、平山知事3選の時、選挙公約を担当した上村氏は『魚沼医療圏に3次医療機関を』と盛り込んだ。「あれから20年。こうして完成した現実の姿を見ると感慨深い。基幹病院を中心とした『医師のハブ化』が課題だが、中核病院となる十日町病院の運営形態によって対応は変わるだろう。地元公立病院への影響もあり、今後、しっかりした対応が求められる」と述べる。

 同じく財団理事の十日町市・関口芳史市長は「魚沼地域の高度医療を担う素晴らしい病院ができた。最新の施設と設備を備え、救命救急センターや研修センターなども設置され、十日町を含めた魚沼地域の基幹病院として、その役割と機能を十分発揮してくれるものと期待している」と述べ、改築が進む十日町病院との連携は「転院が必要な重症患者は、これまで主に長岡方面に搬送されていたが、今後は魚沼基幹病院での治療が可能になり、搬送時間の短縮と共に、迅速に高度医療が受けられる」と述べ、魚沼基幹病院への期待感と共に、建設が進む新十日町病院のあり方への取り組みの必要性を話している。

写真・建設が進む新十日町病院。基礎の免振工事が進む(21日)

ピヨンチャン五輪めざす、宮沢大志選手、報告会で意欲  5月22日号
 2015年ソチ冬季五輪・距離スキー男子代表で昨季ワールドカップなどに参戦した宮沢大志選手(23、JR東日本スポーツ)が16日、十日町情報館で開かれた『ユニバーシアード・世界選手権大会出場報告会』に出席。「ふがいない結果だったが、3年後のピョンチャン五輪を見据え、最低限のことはできた」と振り返り、次期五輪への意欲を見せた。

 同報告会は宮沢選手の後援会(池田重夫会長)が開き、クロカンスキーに取り組む子どもたちを含め60人余りが参集した。宮沢選手は今季、FISレース2戦、ワールドカップ4戦、ユニバーシアード冬季大会などに出場。ユニバーシアード10`クラシカルでは4位に入ったが「5秒差でメダルが取れなかった」と悔しさをにじませた。またワールドカップでは上位30位内に入れず「反省点はある。ただ、手応えは感じることはできた。今後、自分の力を最大限発揮できる環境を作っていきたい」と話した。

 宮沢選手は来月からフィンランドでベースキャンプを張り、同国代表選手らと一緒に練習にも取り組む方針で、「次はワールドカップで一桁台の順位を取れるよう頑張っていきたい」と来季の目標を語った。
 会場には宮沢選手をめざす小中学生や後援会員ら60人余りが参集。生徒らからの質問に答え「スタート前は体を温め、じっとしていないこと」「エネルギーになるのは炭水化物。ご飯が一番」などと話し、後輩の活躍にエールをおくった。

10代のまなざし「福原亨太さん・津南中学2年・バスケでプロに」  5月22日号
 津南中バスケ部キャプテンを昨夏、兄の秀斗君(現十日町高1)から引き継ぎ9ヵ月が過ぎた。2年生14人、1年生7人を引っ張る立場だ。
 「上級生の部員はいないんです。先生にキャプテンにと言われた時、ビックリしました。兄から受け継いだことはあまり気にしていません」。 3年生が引退した後の夏からは1年生のみのチーム。だがメンバー14人のうちミニバス経験者はわずか2人。すべてが未熟で、勝ち星を挙げるのは難しかった。
 「先輩がいないから1からのスタート。だけどその分、試合経験を数多く積めました。同じチームで試合する経験が多いのはメリットです」。

 今春1年生7人が入部、うちミニバス経験者は4人。スタメンをめざし競争意識が高まっている。
 「初心者が多い2年生ですが『越されたくない』と頑張り、全体でやる気が高まっています」。 ポジションはチームの司令塔となるポイントガード。身長は156aと部内でも小柄な方だ。
 「でもドリブルは負けたくないです。体の大きい人を抜くと気持ちいいですね」。 今シーズン公式戦初戦の郡市大会は6月2日に始まる。目標は上位2チームが進める、中越大会出場だ。

 「津南中はまずしっかり守るチーム。練習し強くなり、上をめざしたい」。父と兄の影響で5歳から始めたバスケ。今や欠かせない、自分の一部になっている。
 「もちろん夢はプロです。有名な選手になりたいです」。 (石沢修一)

芸術祭作家、ネパール救済呼びかけ、沖縄・川端美和子氏   5月22日号
 4月25日、ネパールを震源地とするマグニチュード7・9の大地震が発生し、8千人以上の犠牲者が出ている大災害を救援する活動が妻有地域でも始まっている。
 
 今夏の第6回大地の芸術祭作家で、沖縄在住の川端美和子氏は今回、ネパールの高校生と沖縄の自由学校の生徒、さらに妻有地域の高校生らで各地や伝統芸能を公演する作品『青の祭典』を8月2日、まつだい農舞台で上演する。その祭典に参加するネパールの高校生らが被災し、川端さんは沖縄自由学校や妻有地域の関係者に呼びかけ、ネパール救援・支援運動を立ち上げている。芸術祭に参加のネパールの高校生は、地震で渡航費用や公演準備支援が必要になっており、川端さんは「復興支援基金・ネパール高校生希望の光を立ち上げ、7月には支援グループがネパールに行き、直接支援金をお届けします。皆さんの支援をお願いします」と協力を呼び掛けている。

 芸術祭参加3回のアーティスト・川端さんは4月にネパールを訪問し、25日帰国。地震は帰国2時間後に発生。すぐに連絡を取り、来日する「ネパール・ギャラクシー・スクール」の生徒の無事は確認されたが、震災で同校は避難所・物資供給拠点となっていた。

 川端作品は今回、ネパールの高校生、沖縄自由学校の学生、妻有地域の高校生が、個々の伝統芸能上演し、国や地域を超え高校生が一体となった作品をステージ発表する計画。地元妻有の高校実行委員会は定期例会を開き準備を進め、震災支援活動も始める方針。川端さんは「高校生たちの自主的な活動がネパールにも伝わり、大きな勇気を与えています。このつながりが芸術祭でも一つになり、妻有の人たちに感動が伝わるはずです」と話している。

 ネパール大震災の支援先は、口座名「ネパール高校生希望の光」、沖縄銀行・商業団地店、普通1217463。郵便局、口座名同じ、記号17080 番号17973141。

写真・震災後、高校生が通う高校は救援物資配布などに活用されている(川端美和子さん提供)

 

ピンクで幸運、ほくほく線に「ハート型つり革」、12車輌384個でただ一つ  5月22日号
 ○…「幸せをつかむハートのつり革」として、口コミでじわじわと人気が広がっている、ほくほく線列車内のピンクのつり革。フェイスブックなどSNSで話題になり、偶然に見つけた乗客からは「何か幸運が舞い込んできそうでうれしい」と好評だ。

 ○…「偶然の出会いを大切にしたい」と、列車を運行する北越急行では日毎に取り付ける車両を変え、広報も一切行わない。同線を走る12両のうち、つり革は8両に計384個あり、ハートのつり革はその中の1カ所だけ。社内でも交換担当の社員しか知らない。

 ○…北陸新幹線開業に伴い特急はくたかが廃止され、昨年末に「新生ほくほく線を盛り上げる一環として若い社員のアイデアで実現した」と十日町駅の桑原信之駅長。同様のつり革は全国20余りの鉄道会社で実施しているという。

 ○…妻有地域が好きで毎月のように川崎市から訪れているという保坂勇樹さん(37)恵さん(30)は18日、たまたまハートのつり革近くに乗車。「え、こんな所にハートのつり革があったんですか。実は先月入籍し、来月松代で結婚披露宴を開くんです。何か縁を感じます。うれしい」と喜んでいた。幸運のハートのつり革、次はどの列車で誰が見つけるか。

世界の「SAKE]認定、津南醸造がIWCで銅賞  5月22日号
 世界最大規模の酒審査会「インターナショナルワインチャレンジ2015」(IWC)の「SAKE」部門で、津南町の津南醸造(古澤有三社長)のブランド4銘柄が銅賞に選ばれた。同社は「今後も世界に通用する酒造りを進めたい」と受賞を喜んでいる。

 IWCの審査は市販賞品が対象で、先入観を入れさせないため名称・産地を伏せ、ブラインド・ティスティングで行う国際評価の高いコンテスト。日本酒部門審査は8年前にスタート。今年の審査は先月20〜22日にロンドンで行い、出品総数は876銘柄。津南醸造は純米酒の部(出品169、入賞74)「雪美人 特別純米」、純米吟醸酒・大吟醸酒の部(同333、同175)「霧の塔 純米大吟醸」、本醸造の部(同60、同26)で「霧の塔 本醸造」、吟醸酒・大吟醸酒の部「霧の塔 大吟醸」が銅賞。初出品した全4銘柄がすべて入賞した。

 津南醸造の国際酒審査会での受賞は「ロンドン酒チャレンジ」に続くもの。同社の酒はイギリス、オーストラリア、シンガポールなどにも出荷。今月1日〜10月31日までイタリア・ミラノで開催中の国際博覧会日本館にも出品されている。古澤社長は「世界最大規模のIWCでの受賞は大きい。和食のユネスコ無形文化財登録が後押しし、日本酒は『SAKE』と呼ばれ人気が高まっている。さらに国内外での営業を進めたい」と話している。

フオルトネット「ねころんだ」活動を支援、キリン福祉財団が助成  5月22日号
 十日町市のフリースペース「ねころんだ」を運営する『フォルトネット』が今年度のキリン福祉財団「キリン・子育て応援」の助成対象に決まり20日、同財団関係者が同所を訪れ助成金を手渡した。フォルトネットの関口美智江代表(59)は「支えていただく多くの方々の思い、ここに来られる人たちの思いの活動が評価されて嬉しいです。さらに活動を充実したい」と感謝している。

 フォルトネットは、ひきこもりなどの子を持つ親たちの居場所づくりや懇談の場づくりに3年前に誕生。活動の中で、様々な理由でひきこもりなどに直面している人たちが気軽に訪れ、自由に時間を過ごす「フリースペース・ねころんだ」は昨年、関口さん自宅の一部を活用して開所した。茶話会「お茶にしようじゃねぇ会」をスタート。徐々に顔を出す人が増え、昨年には活動助成を受け内部改装。口コミなどで広がり、これまでに高校生から40代まで35人余がフリースペースを訪れる。

 活動は、地域のお年寄りなどの協力を受け、わら細工、コマ作り、再生紙作りなどを通じ、通所者が子どもたちに遊びを教えるなど、活動の輪が広がっている。キリン福祉財団では活動を評価し、「希薄になりつつある絆を大切に、世代を超えた交流が素晴らしい」(キリンビールマーケティング新潟支社・山本泰仁支社長)と活動を称え助成金30万円を贈った。
 なおキリン福祉財団子育て応援には全国から276応募あり、131件を採択、総額3500万円の助成している。

信濃川水問題・「敵対」から「良きパートナー」へ、JR東と十日町市覚書調印  5月15日号
 発電取水の不正発覚で水利権取消しを受け、5年間の試験放流を通じて6年目以降の維持流量(放流量)や更新期間を十日町市と協議してきたJR東。水利権期間更新の申請期限が今月末に迫るなか8日、JRは共生策などを盛り込んだ「覚書」を十日町市などと交わし同日午後、国土交通省に水利権期間更新を申請した。内容は「更新期間10年」、「最大取水量316・96d」、「維持流量毎秒40d」。同日の覚書調印式に来市したJR東・冨田哲郎社長は「十日町市との共生を心の真ん中に置き取り組んできた。今日、未来に向け新しいスタートを切ることができた」と話し、十日町市の関口芳史市長は「JRはこの5年間、真摯に対応し、信濃川を介し、良きパートナーとなり得た」とパートナーシップを強調。

 水利権期間は6月末が期限で、国認可により7月から新たな水利権期間に入る。今後、地元要望の『水温28度を超えない放流増量』がどう実施され、河川利用のラフティング事業が、新たな観光事業となるための放流増などにJRがどう対応するかなどに関心が集まる。

 ここに1枚の写真がある。2006年9月30日撮影。不正発覚2年前のJR東・宮中取水ダムだ。撮影日の放流量は毎秒7・6d、ダムサイト脇の表示盤が示す。当時、JR東が申請し、受けた国認可は『最大取水量316・97d」、「維持流量毎秒7d」。写真の通り、ダムのすべてのゲートが閉まり、河川中央に細く流れるのは、ダム右岸の魚道から流れ出る維持流量7d。『干上がった大河』の姿がここにある。
 この写真は「信濃川をよみがえらせる会」の山田努事務局長(47)が撮影。「ダム直下だからまだこの程度だが、妻有大橋下流はカラカラに干上がっていた」。よみがえらせる会は昭和57年に立ち上がり、JR本社まで出向き、何度も「水返せ」要望を行った。

 8日の覚書調印式は淡々と受け止めたが、一つの節目と見ている。「信濃川の水と一緒に奪ったものは大きい。川遊びや川に親しむ心など、川と人の生活、その豊かな景観など、奪われたものの大きさを改めて考える」。
 
 昨年12月、山田さんが代表を務める「十日町カヌークラブ」などが主体となり、地元観光関係者や行政、JR東も加わり『信濃川アウトドア観光協議会』を設立。ラフティングなど河川利用の活動や観光客誘致などに取り組む。今後の河川環境のあり方について、「水温28度以下を努力目標とJRは言っているが、その努力とは何か、今後、具体的に表すことが求められるだろう」と話す。
                     (恩田昌美)

写真・覚書調印し、握手するJR東・冨田社長(右)と関口市長(8日、市役所で)

信濃川問題、180度転換したJR東の姿勢、河川利用に協力も  5月15日号
 6年前の2009年11月25日。JR東・清野智社長(当時)の二度目の十日町市訪問。2月16日の不正取水の謝罪以来、再び来訪し市議会議場で述べた。『不正取水で信頼感を決定的に失ってしまったことを、身に染みて感じた』。その場で『過去の謝罪』として30億円の拠出を表明。同時に小千谷市に20億円、川口町(当時)に7億円を拠出した。
 この国のトップ企業、その最高責任者が深々と頭を下げる姿が全国に流れ、事の重大性を大きく印象づけた。事の発端は前年9月。資料開示請求で宮中取水ダムの不正取水プログラムが発覚。過去10年間だけで超過取水は約1・8億d、最低維持流量の総不足量は約38万dなどが明らかになった。

 6年前の市議会で清野社長は語った。『JR東日本は変わったんだと認められるよう行動したい』。その言葉を受けた現社長・冨田社長は8日の覚書調印で、「十日町市や住民の皆様のご支援、ご協力に感謝します」と何度も述べた。特に予め受けていた十日町市の要望事項に項目ごとに答えた姿は、不正取水発覚前の同社の姿勢とは180度転換した印象を受けた。

 流雪溝の用水確保では「冬に訪れる機会があり、雪と戦う十日町市の皆さんのご苦労は多少なりとも感じており、十日町市の具体的な計画が進むなかで、私どもができる事を具体的に検討していく」。飯山線の活性化策では「飯山線飯山駅と新幹線が接続し、そこからの二次交通が重要であり、地方創生のモデルとして飯山線沿線の活性化を全力をあげて取り組む」。さらに維持流量発電への協力姿勢は「JR施設利用の面があり、施設面や技術面への協力は誠意を以て対応する」と要望事項への取り組みを約束した。
    △▲△
 一方、不正取水発覚前は『敵対』的な存在として対応していた十日町市。だが5年間の試験放流、さらに地域づくり活動への積極参加や「信濃川のあり方」を共に探る中で、その存在は、『良きパートナー』に変わった。 

 覚書調印でサインした関口市長。「ここまで来たことは感慨深い。5年間の取り組みが実を結んだ」。さらに「今後も信濃川を介し、対等な関係で話し合いを続ける。もし何か検討が必要になれば信濃川中流域協議会で協議し、決まればすぐに対応してもらえる仕組みができている」。
 共生策の中で今回、新事業として際立ったのが『維持流量発電』の構想。国認可見通しの宮中取水ダムからの維持流量毎秒40dを活用し、小水力発電事業実現への協力を求めた。構想では有効落差10bで約3千`hの発電が可能と見る。覚書には明文化されていないが、協議の中で「JR東は設備活用の技術面で協力する」ことを約束する。関口市長は「地域資源を活用した再生可能エネルギーで市内消費電力の約30%を地産地消したい。今年策定の10年計画の中で具体化していく」と事業実現に強い姿勢を見せている。 
    △△△
 信濃川水問題は、水利権期間更新で新たな時代に入る。それは新分野となる河川利用による地域経済への波及効果につながる。十日町市は今夏から市内小学5年生全員を対象にラフティング体験を理科授業に取り入れる。河川環境、水生生物、川と人の暮らしなど幅広い分野で河川環境教育に取り組み、『ふるさとの川の大切さ』を小学時代から取り入れる。
                  (恩田昌美)

写真・2006年9月30日のJR東・宮中取水ダム。当時の維持流量は魚道からの毎秒7dだけ(信濃川をよみがえらせる会・山田努事務局長撮影)

10代のまなざし「福原伊吹さん・津南中等校4年」  5月15日号
 津南中等校に入学が決まり、両親に一つのお願いをした。『地球儀がほしいです』。その30aほどの地球儀は、いま机の上にある。「毎日見ています。日本の小ささを感じています。この地球儀を見ていると、行きたい所がどんどん出てきます」。いま目が向いているのがエジプトとペルー。いずれも古代文明の地だ。「小さい頃から古代遺跡のことが好きで、本やテレビなどよく見ています」。

 『夢をみつけたい』。津南中等に進んだ大きな理由だ。県立津南中等教育学校の建学理念は『夢の実現』。小学時代から抱く古代文明など考古への関心を持ち続けているが、津南中等に進み、新たな出会いに今は熱中している。それは野球。
 「チームプレーの面白さというのか、皆が一つになって目標をめざす、その活動がいいですね」。
 小学6年の時、野球アニメ「タッチ」を見て刺激された。小学時代はこれといったクラブ活動に取り組まなかっただけに、「中等では部活をしよう」と決めていた。

 津南中等の軟式野球部は、北信越大会出場の常連校。過去、準優勝しており、その伝統が引き継がれている。といっても厳しい上下関係があるわけではないが、「野球や勉強に臨む先輩たちの姿は、とても参考になり、学ぶところが多いです」。
 今月25、26日は今期最初の試合。最近、監督のアドバイスでピッチャー練習にも取り組む。
 この1年で身長が9a伸びた。「180aくらいにはなりたいです」。『夢の実現』に向け、心身ともに伸びている。
               (恩田昌美)

中学生カナダ留学を報告、十日町市  5月15日号
 カナダ・ビクトリアへ3月25日から4月3日まで語学留学した十日町市の中学3年生の3人が7日、市役所に関口市長を訪ね、「貴重な体験になりました」と報告。感想発表会では3人中2人がすべて英語で話し、注目を集めた。

 同留学は、国際人の育成を目的に東京・日野社会教育センターが主催。日野市と24年間の交流を続けている下条地区との関係で平成19年度から十日町市が公募して行い、これまで18人が留学している。十日町中の中澤晃二君は「カナダは多国籍文化であることを実感し、自分の目で見ることと、自分の考えと感情をしっかり伝える大切さを知った」。下条中の近藤愛さんは「ありがとう『サンキュー』は互いを笑顔にさせる世界共通語であることを体感。イエスとノーなど自分の意思をはっきり伝えないと相手に誤解や心配を招くことが分かった」。松之山中の小野塚太郎君は「英語が難しく理解できない点もあったが、丁寧に指導してくれ理解が進んだ。様々な文化に触れわくわくと過ごした」と写真を示しながら報告。それぞれが留学の体験を活かして将来に役立てたいと希望を語っていた。

夢の甲子園めざす、県央工エース・石橋選手(津南中卒)  5月15日号
 目標は甲子園出場―。北信越高校野球県大会で準優勝した新潟県央工のエース・石橋健哉投手(3年)は津南中出身。決勝で惜しくも中越に0‐4で敗れたが、来月6日から長野県で開かれる北信越大会への出場権を獲得した。夏の県大会で甲子園出場をめざす。
 石橋投手は、小学2年から津南町スポ少で野球に取り組み、津南中卒後は「県央工の監督から『来て見ないか』と誘われたので」と、県の強豪校として頭角を現している県央工を選んだ。今大会でほとんどの試合に出場。10日の準決勝・上越戦は先発出場。8三振を奪い、13対2で完投。さらに打者として3安打し追加点を挙げるなど、決勝進出の原動力となった。決勝は中越に0‐4で敗れたが、石橋選手は5回から登板し被安打1と好投した。石橋投手は「夏の県大会で中越にリベンジ、夢の甲子園に出場したい」と意欲を見せている。
    ○
 一方、妻有勢では夏のシード順位決定戦で十日町(二瓶旭主将)が上越を5-4で破り、事実上3位と健闘した。
 十日町は4回戦で強豪・新潟明訓を9-5と打ち勝って波に乗り、準々決勝で開志学園を3-1で破り4強を決めた。準決勝では優勝した中越に12‐9で敗れたものの、後半の7回以降に6点を挙げるなど追い上げ、逆転の勢いも見せるなど健闘した。ノーシードから勝ち上がった十日町、準決勝まで81得点を挙げる強力打線に、夏への期待が高まっている。

中越大会で優勝、少年サッカー・アルティスタ  5月15日号
 アルティスタが中越地区制す―。中越地区の小学生サッカーチーム・全48チームが参加した第1回とうりんぼカップ中越選手権大会が5〜10日、刈羽ピアパークとうりんぼで開かれ、初代チャンピオンに十日町市のアルティスタU‐12が輝いた。

 アルティスタは初戦、ファンタジスタ長岡を4対0で破って勝ち上がり、準々決勝では県優勝経験がある強豪・FC大和ジュニオルスを2対1、準決勝も接戦ながら柏崎FCを2対1、さらに決勝でもレッツ長岡を2対1で破った。西野監督は「苦しい試合も多かったが選手は自信を持ってよく頑張った。この大会で優勝したことを自信に、これからも頑張っていってほしい」と話し、佐藤啓大主将(水沢6年)は「優勝できてうれしい。全員で声を出して積極的にやれたのがよかったです。次の大会やリーグ戦などでもいい結果を残したいです」と話している。

SL定期運航求め、JRに直接要望、沿線自治体長が近くJR本社へ  5月8日号
 3年前に飯山線・十日町―長岡でSL(蒸気機関車)運行を44年ぶりに実現し、ローカル鉄路の特色づくりが見えてきたなか、沿線自治体で作る飯山線沿線地域活性化協議会(会長・足立正則飯山市長)は来年、飯山―長岡間でSL運行を実現するため、沿線自治体が連携して取り組む方針を協議会で決議し、近くJR東本社に沿線市町村長が出向き直接要望する計画だ。同協議会は新潟、長野両県はじめ長岡市、小千谷市、十日町市、津南町、十日町・小千谷の両商議所。長野県側が栄村、野沢温泉村、木島平村、飯山市・同市商議所、中野市、長野市などのほかJR新潟支社、長野支社などで構成。今年度総会を先月22日、飯山市役所で開き、28年度に飯山―長岡でSL運行を実現し、定期運行を含め、JR東に直接要望することを決議した。
 
 この決議は、昨年の同会で十日町市・関口市長が平成24年秋のSL運行実現を通じ、飯山までの延伸運行を提案し、事務レベルで継続協議し、今年度総会の決議に至った。
運行を求める決議書では「千曲川・信濃川が共に走り、日本有数の豪雪地帯だからこそ四季折々の雄大な自然が広がる。この地出身の国文学者・高野辰之氏の作詞『ふるさと』の原風景そのものがあり、豊かな食文化や個性あふれる温泉、古代から現代までつながる芸術文化などが、この地域の魅力を一層高めている」と沿線の特性を強調し、運行実現を強く求めている。

 3年前にSL運行を実現させた関口市長は「沿線地域の理解がまず必要。飯山線魅力アップのためにも定期運行をめざしたい」と話し、津南町の上村町長は「鉄道に求められる旅情感を抱く要素を完璧に持っているルートが特に飯山―十日町間だ。ぜひ実現したい」と話し、栄村の島田茂樹村長は「四季折々の風景はそれだけで観光資源。そこにSLが走れば、大きな誘客要素になる」と期待感を込めている。  

 同協議会総会に合わせ、飯山線全線でのSL定期運行を求める要望書を協議会長・足立飯山市長に提出した飯山線SL運行を支援する市民の会・木村喜郎会長。3年前の運行実績を踏まえ、「SLは地域観光の大きな核になる存在。3年前、沿線はじめ多くの住民に感動を与えた。いまは静の動きの世の中だが、その対極にあるのが動の動きのSL。それだけに地域活性化の核になるはず」と『SL効果』の大きさを話す。木村会長は北海道・三笠で試乗体験できるSL蒸気機関車を運転できる免許証を持つ。さらに応援する会は3年前のSL運行時から始めた定期運行を求める署名運動で、県内外の7477人を集め、十日町市の関口市長に提出している。

 一方、中学3年からSLを写真に収め、全国のSL鉄路に乗り、貴重なSL写真を数多く記録し、現在は飯山線・津南駅業務を受託する高橋徹さん(62)は、期待感と共に実現への課題を話す。「ルート全線のトンネルや橋、線路の点検は当然だが、沿線自治体など地元負担、さらに沿線住民理解が必要。イベントだけの単発運行では意味がない。やはり定期運行で初めてSL効果が出てくる」と話す。昭和47年10月2日、飯山線でのSL営業運転最後の日の記録写真もある。当時は「C56」が走り、3年前に走った「C11」より少し軽量だ。当は知ったC56クラスの重量車両は、今もイベントや修繕車両で走っており、線路の加重では問題ないという。
               (恩田昌美)

写真・営業運転最後の年、昭和47年3月、津南駅付近をはしるC56の雄姿(高橋徹さん撮影)

明日へ「渋い・明治期の旅館でカフェ」東京渋谷しゅっしんの渡辺紗綾子さん  5月8日号
 明治期から営々と受け継がれた旅館が、新たな街の顔として生まれ変わった。松代で暮らし始め、まだ1年にもならない渡辺紗綾子さん(29)。「あれよ、あれよと、今日にいたりました」。雰囲気ある木造の旧旅館・松栄館に、カフェ&レストラン『澁い』の小さな看板を2日、掲げた。

 『澁い』。この言葉を英語表記する単語はない。高校3年間、アメリカ留学した渡辺さんでも、思い至らない。「ビターでは、味の表現になりますが、そうではありませんよね。渋いは、侘び寂びのように日本独特の表現です。この表現できない雰囲気がいいですね」。

 首都圏のど真ん中、東京渋谷に実家がある。東海大で理系の環境分野を専攻。特に水に関わる分野に取り組む。その萌芽は『母』にある。「母は食べ物に特に気をつけていて、妊娠時から子育て中も食品の安全性には特に気を使っていました」。そんな母を見て育つ。

 イベント企画やマネジメント会社勤務の首都圏生活に疑問を抱き始めていた頃、農山村でのインターン募集を知る。「東日本大震災後でもあり、行くなら北」と決め、東北や信越地域などの情報を得る中で松代へ。ここでの出会いが定住への思いを決定づけた。
20年余り前にドイツから松代に移住した設計士のカール・ベンクスさんと出会う。農業インターンの一方でベンクスさんの事務所でお手伝い。事務所は旧旅館、松栄館の2階。毎日通う本格木造の旅館1階の空間が気になっていた。

 「ベンクスさんも1階の活用を考えていたようです。ならば私が、となったわけです」。思い立ったらすぐに動く。食品衛生責任者の資格を取得。思いが通じるシェフを探し、看板を掲げるまで9ヵ月余。今月2日、プレオープン。

 『澁い』。実は、ベンクスさんがドイツ時代に発刊したデザインブックのタイトルだ。「この感覚を取り入れたベンクスさんのセンスがすごいです。これだと、すぐに決めました」。店名『澁い』。まさに建物が醸し出す雰囲気そのもの。
プレオープンには意味がある。「大地の芸術祭前に予行演習したかったんです。いきなり来られても対応できませんから。グランドオープンの6月19日は、実は私の誕生日なんです」。誕生日に本格開店、自分への決意表明でもあるようだ。

 食材はできる限り地元産にこだわる。酢やドレッシングも手作り、パンは市内知人が作る天然酵母パン。ベーコンはつなんポークで手作りなど、シェフもこだわりを持ち、スィーツも自家製だ。
 店内外はベンクスさんがデザイン。「松代のこの街並みの雰囲気を感じていただきたいし、このお店をめざしてくるお客様を増やしたい。それが松代に人が来ることにつながるはずです」。 
                (恩田昌美)
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『澁い』、十日町市松代2074、午前11時〜午後4時、рO25‐594‐7944。

10代のまなざし「若井晴菜さん・きものブレイン・18歳」  5月8日号
 女性のDNAに『布』というキーワードが入っているのだろうか。世界のどの国でも、布に対する女性の気持ちは強いものがあるようだ。
 「いつもネットできものを物色しています。見ているだけで、うきうきした気持ちになります」

 『越後名物数々あれど明石縮に雪の肌着たら離せぬ味のよさ…』十日町小唄に歌われる十日町のきもの。そんなきものに魅了、きものに携われる仕事をしたいと柏崎市から十日町市のきものブレインに今春、就職した。
 「仕事に就いてようやく1ヵ月。縫製が中心の仕事を担当しています。作業はまだまだ遅いですが、少しは慣れてきました。職場では本当によくしてもらっています」
 赤や黄色の華やかさ、グレーや茶系の渋さなど、それぞれに魅力が感じられるきもの。3日に開かれたきものまつりでは、同期の仲間ときものを着て街を歩いた。
 「きものは大正ロマン系も好きです。ネットなどでも結構、買ってしまうので、どんどん増えてしまって。着る機会を増やしたいですね」

 今から成人式が楽しみ。新成人が振袖を着て街を歩く姿を見た。
 「今からどれがいいかなと考えちゃいます。ネットで振袖の写真を見ると、もう目移りして大変なんですよ」
 今はアパート暮らし。高校時代の友だちとはメールで近況を伝え合っているが、身近に友だちはまだいない。
 「ちょっと寂しいです。きものを話し合える友だちがほしい」
                   (村山栄一)

免税で外国観光客拡大を、クロステン免税店に  5月8日号
 大地の芸術祭などで外国人の観光客らが増えている中、十日町広域の特産を販売する『道の駅クロステン』は1日から外国人観光客を対象に免税店として対応を始めた。道の駅の免税店は県内で始めて。昨年10月の制度改正で食料品など消耗品も対象品となり、なかでも新潟の地酒や米の人気は高い。関口市長は「今年は大地の芸術祭もあり、十日町の素晴らしい商品が世界のお客様から手に取ってもらいやすくなる」と期待を話している。

 「外国人旅行者2千万人目標」を掲げる国の方針で消費税免税店は国内で拡大。県内でも1日現在、53店に増えている。クロステンでは、昨年末から準備を進め、販売品やパスポートの確認などをすばやく読み取る専用の免税書類作成システム機器も設置した。初日は関口市長がデモンストレーション。地酒などを購入し、パスポートの確認や必要書類への記載、開封が確認できる専用テープを張った梱包など5分程度で処理が完了。関口市長は「これは簡単。外国人観光客から大いに利用してほしい」と感想を話していた。

 3年前の第5回大地の芸術祭で約50万人の来場者のうち約10%、5万人が外国人旅行者というデータがあり、クロステンの岩船真人専務は「大きなセールスポイントになる」と見ていた。これまでのデータによると外国人購入額のトップは中国人で、一度の来店に1人平均20万円、次がアメリカ人の約10万円で、大地の芸術祭のほか、「雪が大きな魅力になっている」という。

 購入額は一日に同一店での購入合計を5千円〜50万円。消耗品以外は1万円以上が対象となっている。クロステンの関口佳代総務課長は「英会話が堪能な職員を配置し、多言語用タブレットなどの準備もして対応しています。売上げの拡大につながってもらえれば」と話している。

10年越しの約束果たす、名古屋・水野夫婦と上郷の子たち再開  5月8日号
 約束の日、全員が桜の下に集う―。津南町成人式の3日。上郷小出身の17人の新成人が夕方、母校のわきの『上シャチ桜』に集った。待っていたのは名古屋市の水野和夫さん(78)と和子さん(76)。水野夫婦と上郷小卒業生が10年前に交わした約束。『成人式の日、桜の下で乾杯しよう』。誓いを守り、全員で杯を傾けた。

 水野夫妻との縁は、平成17年に始まる。当時小学5年の17人は総合学習の時間でもち米を栽培。町観光物産館で直販した時、水野夫妻が購入。この年の冬はあの『平成18豪雪』。連日全国ニュースで津南の名が流れるなか、水野夫妻は豪雪見舞いに男子にマフラー、女子に帽子をプレゼント。子どもたちは全員がお礼の手紙を書き、さらに6年時に修学旅行先に名古屋を選び水野夫婦と再会。卒業記念に『上郷』と名古屋城のシンボル『シャチホコ』から名前を取り『上シャチ桜』と名付けた桜を植樹。その時、今回の約束を交わした。

 10年越しの約束を果たした和夫さん。「みんなの成人式の着物やスーツ姿を見て万感迫る思い。こんなに長く交流が続くとは思わなかったよ」と嬉しそう。和子さんは「今日は17人全員が来てくれて良かった。もう私たちも70代後半。皆と会えるのが嬉しい。もう立派な大人、今度はまた名古屋にも来て欲しい」と1人ひとりに声をかけ、大人の仲間入りを祝った。

 新成人たちの感慨も深い。新潟医療福祉大3年で理学療法士をめざす島田千聖さんは「水野さんたちに来て貰い、感謝の気持ちでいっぱいです。名古屋に皆でもう一度いきたいですね」。新潟市で今春から働いている高波保伺さんは「約束を果たしてすっとしました。繋がりがこれまで続いたことに感謝の気持ちでいっぱいです」。この日、母校には新成人始め父母、当時の担任・石澤由美子教諭(現芦ヶ崎小)ら40人余が参集。思い出話に華を咲かせた。

日本国憲法に関心を、九条の会が意識調査  5月8日号
 ○…憲法改正の動きが政府から出るなか、つなん9条の会(関谷今朝次、大口武、広田幸子、福原幸子代表世話人)は3日の津南町成人式に合わせ、憲法九条改正に関する投票アンケートを緊急実施。戦争放棄に関する意識調査を行った。

 ○…設問は3点。@『九条を守り戦争をしない国を歩む』A『解釈を変えて戦争をできる国にする』B『どちらとも言えない』。百人が回答し、投票結果は@が76人と7割を占め、A2人、Bは26人だった。同会は「戦争に危機意識を持っている方が多いと感じた。憲法改正に関心を持つ契機になってくれれば」とする。さらに日本国憲法について記した小冊子を新成人に無償配布した。

 ○…十日町9条の会(宮澤健二代表世話人)は3日のきものまつりに合わせてアンケート調査。設問は『自衛隊がアメリカと協力して戦場に行くことをどう思いますか?』。623人が回答。賛成34人(5%)、反対512人(82%)、わからない77人(13%)だった。

発電事業計画、JR宮中ダムの維持流量で、十日町が構想   5月1日号
 十日町市は、JR東・宮中取水ダムの水利権期間更新を契機に、同ダムから放流の「維持流量」を活用し、小水力発電事業に取り組む方針を27日、明らかにした。水利権更新で同社と交わす『覚書』協議の中でJR東は「技術的な協力をする」ことで基本合意している。市ではJRから技術面、設備面の協力を受けながら、具体的な実施計画へと熟度を高め、「できるだけ早い稼働」をめざす方針だ。 
 
 小水力発電の事業化は宮中取水ダムからの放流(維持流量)をそのまま発電用水に活用する構想。これは『維持流量発電』と呼ばれ、全国の発電所ダムなどで同じ発電事業者が行っている場合が多いが、自治体が行う例はないという。この構想は27日の市議会全員協議会で関口市長が説明した。
 
 市の構想では、水利権期間更新で地元合意した放流量、6月1日〜11月10日まで毎秒60d、11月11日〜5月31日まで毎秒40dの維持流量すべてを活用し、発電するシステムを十日町市は計画している。
 
 実現には技術面、設備面で課題は多いが、JR東は「技術的な協力をする」ことで基本合意している。この基本合意は、同市とJR東が交わす「覚書」では明文化していないが、覚書4項の『地域活性化に向けた取り組みや施策を誠意をもって協議し、将来にわたる相互の発展をめざす」に含み、覚書協議の中で発電事業への協力で基本合意している。

 構想では同ダムの維持流量をダム脇から専用水路で迂回し、有効落差約10bを使い発電施設に取り入れ、ダム直下の放流口近くに放流し、川に全量戻すシステム。試算では3千`hの発電が可能で、「小水力発電では国内最大規模」(市建設部)とする。
 発電事業者は市単独か共同事業となるかは今後決まるが、関口市長は「JR東と十日町市が協力し合う未来志向の取り組みだ。一刻も早く進めたい」と話している。一方、JR東は「十日町市が考えている小水力発電は、今後具体的な検討がされると思うが、当社設備に関わることなので、技術面の検討に協力させていただく」として、今後の具体化に協力する姿勢だ。

 発電事業を行うためには、JR東の同ダム施設を活用する以上、JR合意が大前提。さらに十日町市は新たな水利権取得が必要になる。市では今年度から具体化に向け取り組みを開始し、遅くとも10年以内の発電稼働をめざす。同時に、他の再生可能エネルギー分野にも着手し、関口市長は「地域の再生可能エネルギー資源はまだまだある。取り組みを進めたい」と、再生可能エネルギーを事業化する『十日町電力』設立を視野に入れている。 

  なお新エネルギー財団によると、維持流量発電は昨年は福岡県糸島市で、今年度は岐阜県恵那市、郡上市、来年は岐阜県高山市、佐賀県鹿島市などで発電事業者や系列企業が取り組む計画で、いずれも百`h〜3百`hレベルという。

写真・雪解け水で増水放流するJR宮中ダム(4月30日朝)

国道353号十二峠、昼間通行再開、連休後が時間制限  5月1日号
 土砂崩落で全面通行止になっている国道353号十二峠は29日から今月10日まで午前7時〜〜午後8時まで信号機による片側通行できることになった。夜間は全面通行止。11日以降の通行は近く具体化するが、崩落現場の復旧工事と並行する形で、時間制限の通行となる見込みだ。

 現場は、十二峠トンネルから中里側約1`にある3基の猿倉スノーシェードの真ん中の第2スノーシェード山側。昨年4月5日に崩落した同じ場所で、高さ150bから残雪と共に崩落。仮復旧している20bのボックス型道路には崩落が及んでいないが、山側上部の復旧工事途中での崩落のため、工法を含む部分的な設計変更が必要になっている。なお現場には、傾斜計3台と監視カメラ2台、さらに監視員を配置し、24時間体制で監視している。

写真・通行再開した十二峠崩落現場。夜間は全面通行止め

ファミマ上郷店、建設決定、JA津南町で決まる  5月1日号
 JA津南町(瀧澤勝組合長)の第49回総代会は25日開き、大手コンビニ・ファミリーマート(ファミマ)建設が承認された。これを受け国道117号線のAコープ上郷店舗は4月末に閉店。解体作業に入り、第6回大地の芸術祭が始まる7月をメドにファミマ上郷店をオープンさせる計画。コンビニ設置に6700万円の予算を見込む。総代会ではファミマ出店に対して質疑はなかった。

 JA津南町は郊外店の増加などで10年余赤字が続くAコープ事業が経営を圧迫。昨年度は大割野生活センター、上郷店、赤沢店の3店で計約4509万円の赤字。同JAは『事業利益1億円』を毎年の目標に掲げるが、平成26年度は6458万円(前年比48%減)。Aコープ事業が大きな負担となっており、継続は困難と判断。一方「津南の天然水」を全国1万店余で販売するファミマは全国農協中央会と提携、ファミマ本部から津南に出店希望があり、2年前から協議を進めて来た。ファミマ上郷店では生鮮食品(野菜、肉、魚など)を扱い住民ニーズに答える。なお赤沢店は8月末に閉店、以降は移動販売車で対応する。

 計画では上郷店面積は204平方b。駐車場は2800平方bで大型車が止まれる。駐車場を使った直売所形式のイベント開催なども検討。フランチャイズ経営でオーナーはJA津南町となり、店長とサブマネージャーは農協職員が就く。今月7、8日にファミマ担当者から出店に向けた説明を受け、その後契約を結ぶ方針。瀧澤組合長は「ここ5年で上郷、赤沢店舗の売上は半分となり、施設老朽化も進んでいた。生鮮を置くファミマは県内初となる。コンビニ利用者層を取り込み、経営改善を図りたい」と話した。

写真、ファミマの出店イメージ図

10代のまなざし「清水愛さん、津南中3年」 アフリカへ行きたい  5月1日号
 昨秋から伝統ある津南中陸上部の部長に就任。部長となり、先輩の苦労が初めてわかった。
 「周りのことを見ないといけないし、何よりも自分の行動をちゃんとしなきゃいけない。暗い顔していたり、カリカリしていると人は察します。なるべく明るく、一生懸命な姿を見せないと」。
 百b、高跳び、四種競技、そしてリレーに取り組む。昨年は四種競技で県大会に初出場した。
 「でも緊張で全然ダメだったんです。気持ちから負けていました。今年はリベンジしたいです」。

 冬はTap主催で初開催したウェイトリフティングで体幹を鍛えた。
 「試しでやったら垂直跳びの記録も伸びたし、体全体の使い方が分かった気がします。プラスになりましたね」。
 みんなで気持ちを分かち合う、リレーが好きだ。目標は通信陸上大会に出ること。去年はタイムが届かず出場を逃した。
 「今年は絶対行こう、とみんなで話しています。喜びを分かち合えるのが良いんです。仲間がいるから楽しく頑張れます」。

 中学3年、進路も考える時期。子どもに関わる仕事に興味がある。
 「ずっと看護師に憧れていたのですが、最近教師もいいなと思っています。自分が先生に本当にお世話になったので。今度は恩返ししたいな」。
 外国の困っている子どもたちに貢献したいという夢もある。
 「アフリカで貧しさで勉強できない、学校に行けない子どもたちのために、いつか何かしたいと思っています」。
      (石沢修一)

明日へ「情熱と魅惑のフラメンコ」 妻有で唯一  5月1日号
 タッタカタ「オーレ」。強いアクセントと起伏に富んだメロディー、こぶしの効いたうなるような歌、コンパスとよばれる独特のリズム。情熱の国・スペインで生まれたフラメンコの踊りを楽しもうと、地域で唯一のフラメンコ教室「ソイ・ヒターナ」(入澤百合子代表)が今年度も市内土市の空き店舗を活用したスタジオで始まった。開設から7年、「今年はライブを開きたい」と練習に熱が入っている。

 ソイ・ヒターナは、スペイン語で『私はジプシー』という意。練習に取り組むスタジオでは、情熱的でありながらも哀歓漂う音楽が流れるなか、タップダンスのような靴音が響く。ドレスの裾を揺すり、時には腕を上げながら踊る。本番に着る鮮やかなドレスと装飾品は、華麗で魅惑的な舞台へと誘う。
 入澤さんは72歳になったが、「踊りが楽しくて止められない。自分への挑戦でもあります」と今も指導に汗を流す。10年間ほど長岡のフラメンコ教室で学んだことがあったことから「すばらしいフラメンコの楽しさを地元で広げたい」と始めた。

 会員は現在、小学生から70代まで15人余りがクラス別に週1回程度、練習に取り組んでいる。最近はフラメンコの歌とギターが好きな小千谷市の森山徹さん(48)もスタジオに駆けつけ、音楽でサポート役を努めるなど輪が広がっている。これまで独自の発表会を5回開き、収益金を震災被災地などに贈って来たが、人数の関係で最近はイベントでのライブが多くなっている。「もっと大勢で踊りたい」と今月19日午後7時から市中央公民館で初心者対象の講習会も開いてアピールする計画だ。

 入澤さんは「いっぱい汗をかき、美容と健康に最高の踊り。楽しむことが一番です」と話し、スタジオ開設当初から参加している田辺一枝さん(65)は「いろいろやりたいことがあったけど、残ったのがフラメンコ。すごく楽しいです」と話している。問合せは入澤代表рO90‐1123‐4314まで。

ジオパークガイド38人認定、苗場山麓ジオパーク   5月1日号
 ジオの案内人誕生―。津南町、栄村の面積440平方`bのなか、57ジオサイト(景勝地)がある「苗場山麓ジオパーク」。その案内人を務める第1回ジオパークガイド初級検定は先月行い、50人が受験。うち38人が合格し25日、津南町なじょもん館で認定証授与式を行った。今後、苗場山麓ジオパーク推進協議会(会長・上村町長)に「ガイド部会」を立ち上げ、受入れ方法など検討。さらに津南町で17年前から観光客を地元住民がガイドしてきた「ふるさと案内人」との連携・一本化を図りたい意向だ。

 合格者はエリアの津南、栄村住民を始め、十日町市や柏崎、さらに東京からも出た。ジオガイド認定番号1番でふるさと案内人も兼ねる小島隆夫さん(67、芦ヶ崎)は「ジオパークのガイドを申し込む人は、地質などに関心が高いと思う。もっと知識を増やし、津南と栄村の面白さを伝えたい」。2年前に故郷の栄村に戻り郷土の歴史に興味を持ち受験し合格した広瀬幸利さん(57、志久見)は「一度ジオパーク講座を聞いたら知らないことばかりではまってしまった。まだ栄村ではジオパークへの関心は低いが、村の中でも広めて行きたい」と意欲を話した。

 認定証の有効期間は1年間。年1回以上の研修会参加で更新。同検定は今後中級、上級編も増やす方針。町教委・佐藤雅一ジオパーク推進室長は「講座は生涯学習の一環として今後も続け、すそ野を広げ多くのガイドを増やしていきたい」と話している。

信濃川問題、夏場60d放流、増放流も可能、水利権期間更新は10年  4月24日号
 JR東・宮中取水ダム発電用水の不正取水で水利権が取り消され、5年間の試験放流を経て6月末に水利権の期間更新が迫るなか、21日開いた「JR東日本発電取水総合対策市民会議」で6年目以降の新たな水の流し方が示され、市内団体代表らが了承。23日には市議会・信濃川清津川対策特別委員会で報告された。27日には市議会全員協議会で関口市長が説明し、来月1日、市議会臨時会で決議され、正式に合意することになる。まとまった更新後の放流量は、夏場の河川利用期からサケ遡上期は毎秒60d、以外は40d。さらに「必要に応じて放流量を変更する」と夏場のラフティング期など放流増ができる内容で、更新期間は10年としている。

 水利権の期間更新申請期限は5月末。JR東は今回の合意を受け、『期間更新10年』、『維持流量40d』を申請するものと見られる。維持流量40dは最低この放流量は確保しなければならない数値で、これ以上の放流ができる。このため十日町市とJR東が交わす「覚書」では、年間の放流パターンを決める方針だ。
 これまでにまとまった放流パターンは年間を3区分している。融雪期で自然流量が多いことを考慮し『4月1日〜5月30日毎秒40d』。夏場の河川利用や水温上昇の抑制、さらにサケ遡上期などに対応し『6月1日〜11月10日毎秒60d』。冬場となる『11月11日〜3月31日40d』と放流量を定めている。水利権の更新期間は河川法では最長20年を申請できるが、協議を通じて『10年間』で合意している。

 5年前にも交わした覚書は今回も交わす。この中には十日町市や市内団体などがJR東に要望している『共生策』が含まれている。
 開会冒頭だけ公開された市民会議で関口市長は「水利権の期間更新にあたり重要なことは、信濃川の河川環境と水利用の調和を引き続き図っていくことにある」と、水温28度越えへの対応や河川利用の事業化など水利権者と河川利用者の連携の必要性を強調する。
さらに、水利権取り消し前のJR東の姿勢と5年経過の現状を比較し、「住民を省みない水利権者から、十日町市の良きパートナーに変わられたと実感している。期間更新は、JR東と十日町市がお互いの発展につながるような取り組みを今後も引き続き行うことで、住み良い魅力ある十日町を次代にバトンタッチすることが大切である」と、JR東のこれまでの取り組みを評価し、今後の連携・共生の必要性を強調している。覚書と共生事業の協定は来月1日の市議会臨時会で決議される。

ファミマ津南出店、農協Aコープ上郷店に、夏には開業を  4月24日号
 全国農協中央会と業務提携するコンビニ大手・ファミリーマート(ファミマ)は、新潟県内でもJA北越後が提携し、農協Aコープの店舗を引き継ぐ形で出店を進めている。ペットボトル飲料水『津南の天然水』を全国販売する同社の、津南町へのファミマ出店が具体化している。関係者によると国道117号沿線のJA津南町・上郷Aコープ店舗をファミマ店に移行する計画で、明日25日開くJA津南町・第49回総代会に提案される見通しだ。ファミマの津南出店は2年前、津南の天然水・水工場竣工で来町したファミマ・上田準二会長の「お世話になっている津南に出店する」と、トップダウンで社内決定した事項。以降、JA津南町との協議や場所選定を進め、ようやく具体化しようとしている。

 津南町のAコープ上郷店は、同地の宮野原郵便局隣にあり、長年地域の生活食品の供給に貢献している。JA津南町は新年度、Aコープ店統合計画を出しており、赤沢店を閉店し、上郷店ファミマ店に移行する方針で、すでに地元説明会を開いている。
 今回のファミマ出店は、
農協Aコープ店の経営継続の困難性とファミマ出店計画が合致した形。JA津南町ではAコープ店の売上不振への決め手を欠き、すでに見玉・所平店を廃止し統廃合を進めており、今期の総代会では赤沢店廃止を提案する。代替策としてJA移動販売車で対応する方針だ。

 今回の上郷店へのファミマ出店は、同社と農協の2年越しの協議を重ね実現する。特に住民・組合員要望に応え、上郷店ファミマでは、生鮮食品(肉・魚・野菜など)を扱う方針で出店計画を進めている。運営形態は同店オーナーはJA津南町、ファミマのフランチャイズ経営となる。

 開店時期は、夏の大地の芸術祭までにはオープンしたい方針で、総代会可決後、早急に改修工事に入り、夏までには開店したい方針だ。一方、ファミマでは当初、「津南に2店」を構想したが、町中央部での出店が用地確保、地元商業者との関係など課題が残り、具体化にはまだ時間がかかりそうだ。


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