任期満了(7月8日)に伴う津南町長選は、現職で2選をめざす上村憲司町長(65)に、前回出馬し善戦した半戸哲郎氏(63)が挑戦する現職と新人の一騎打ちが濃厚だ。両氏も後援会主導で地区懇談会などを開き、政策を訴えている。前回、231票差まで迫った半戸氏の動向が注目されるが、前回の並みの後援会組織作りには、まだ課題が残り、今後の半戸後援会の活動が大きな焦点となっている。
両後援会とも事務所開きを実施。半戸後援会は2日、町内大割野の旧津南電子工場2階で行い、80人余が参集。対決色を鮮明にしたのは涌井益夫後援会長の挨拶。「県議20年間のパワフルさもなく、スピード感もなく、太いパイプを期待した町民はがっかりしている。このがっかりした町政をまたやるのか、それはダメでしょう。20年間の太いパイプ、それは幻想なのではないか」。
半戸氏は前回、連合新潟の推薦を受け、共産と政策協定を交わし支持を受けたが、今回もすでに連合には推薦願を、共産にも支持要請している。
この4年間、半戸氏は民主党関係の十日町エリアの選挙本部に入り、事務局長などを務めた。「民主党員ではなく、無所属です」と、今回は民主色を出さない活動だが、事務所開きには十日町市の民主系市議2人が応援に入り、半戸後援会の幹事長は、民主津南支部の大平謙一町議が就いた。
半戸氏は今回、『対話型町政』を前面に出し、「対話型民主主義の実現」を掲げている。その先例として元町長・村山正司氏の名を上げている。「昭和45年、津南町役場に入った時の町長が村山正司氏。真冬でも自らジープを運転、現場を見て、住民の声を聞き、現場で議論する姿を見て、これこそ自治体のトップの姿と思った」と町民対話の現場主義を掲げている。
◎○◎○
上村後援会は6日、津南町の中央部、大割野の旧福原測量事務所3階で事務所開き。7年前の参院選で上村氏が事務局長を努め、初当選した佐藤信秋氏が姿を見せ、高鳥修一氏、塚田一郎氏秘書、尾身、村松両県議も応援に駆けつけた。9人の町議も参加したなか、大平豊道会長は「錚々たるメンバーで後援会組織ができた。上村氏は足跡を見て分る通り、無言実行型の町長。これだけの組織を構えて、変な選挙はできない」と参加した90人余に激を飛ばした。
事務所開きでは異例ともいえる報告があった。関谷貞夫幹事長は、具体的な目標得票数を掲げ、後援会名簿の中間集計日まで示し、「気を抜いた方が負ける。1日1日を無駄にしてはならない」と同様に厳しい指示を出した。『2期目の現職は強い』を戒めた格好だ。
上村町長は、4年前の初陣を感じさせる挨拶だった。「これで7回目の選挙。今回の選挙ほど勝たせてほしいと思う選挙はない。この4年間、その後を誰が引き継いでもやっていける町政を行ってきた」と自負を見せ、「誤った方向へ津南をもっていってはならない」と強い言葉で述べた。
県議20年、町長4年のキャリアを積む上村町長。その後援会は24年前の顔ぶれが、ほぼそのまま維持している。事務所開きでは「若い人たちが迷っている」との指摘もあり、上村後援会の組織刷新も大きな課題だ。
写真=町内赤沢地区では老人会が2氏を招き、製作などを聞いた(7日)