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2013年11月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
老舗蔵元、ホテル経営会社に経営委譲、津南・瀧澤酒造  11月22日号
 ホテル年間利用者16万5千人、リゾートマンション3100戸管理など首都圏を主体に顧客を持つ不動産・ホテル経営の事業会社「株式会社ひまわり」(本社・湯沢町)が新潟県内でも老舗の酒蔵「瀧澤酒造」の経営に今月1日から乗り出している。すでに今季の仕込みに入り、前季の1・5倍の酒造に取り組み、「良質な酒米ができる津南の地で、米の旨味をさらにふくらませた個性ある日本酒を作りたい」と酒蔵経営の方針を示している。
 
 瀧澤酒造は創業100年を越える伝統ある蔵元。今回の経営委譲は、同蔵の後継者難と同社の新規事業開拓が出会った形。北越銀行が仲介する形で経営権の委譲が実現した。ひまわりは、湯沢を拠点にリゾートマンションなど不動産事業やホテル・レストラン経営で県内はじめ伊豆・熱海など関東・東海エリアなど広く事業展開している。
 同社では、ホテル・レストラン経営やリゾートマンション管理の中で、地域の食文化への関心の高まりが利用者ニーズにあり、日本酒製造の蔵元を通じた酒文化を提供することで、さらに付加価値を高め、「観光蔵元」として酒造会社の再生を期したいとしている。

 ひまわりの新保光栄社長(51)は、今後の瀧澤酒造の経営方針を語る。「この蔵の本醸造は、バランスが取れた良い酒で、私も好きな酒。ただビッグネームにはかなわないのが現実。さらに若い人たちにとっては、日本酒は高いイメージで、もっと親しめる日本酒も必要」。さらに「津南地域のマーケットは、人口減少と共に高齢化し、酒消費も減少傾向。良質な日本酒を造る一方で、観光酒蔵として訪れる人たちを増やす取り組みを考えたい。幸い瀧澤酒造は国道に面し、秋山郷の入口でもあり立地条件が良い。津南は優良な酒米ができる地であり、栽培農家との契約栽培も考えたい。さらに農業法人を持ち、独自栽培化も考えたい。伝統ある古い蔵で作る酒のイメージを大切に、この蔵っぽい感じを酒に出したい。良質な酒米の旨味をさらに出し、味にふくらみを持たせたい」。

 瀧澤酒造の蔵人はそのまま継続雇用すると共に、主体となる杜氏に人材を投入する方針。計画では今季は約9万g・約5百石(前季6万g、約3百石)を酒造する計画。「酒の質が変わるので、苗場山の銘柄は引き継ぐが、新たな名柄も研究する」。さらに「日本一の豪雪地だが、幹線道路は真冬でも普通に通れる。この雪と水、良質な酒米、この地での酒蔵経営はやり方しだいで面白い。同時に津南は良質な野菜など農産物ができる所。観光蔵元として地元特産販売も行いたい。地域にプラスとなる事業展開を考えている」と経営方針を話している。

 【株式会社ひまわり】=創業昭和63年、資本金3292万円、売上9億3千万円(第26期・平成25年8月期)、本社本店・湯沢町、軽井沢、房総、湯河原、熱海、伊東、山中湖など新潟・長野・東京・神奈川・静岡に11支店。グループ会社は株式会社エンゼル、小千谷産業。新保光栄社長は小千谷市生まれ、山形大卒、野村證券を経て25歳で不動産会社を起業した。

写真・新社長の新保光栄氏

10代のまなざし「柳結花さん・十日町高1年」なでしこでプレーを  11月22日号
 2011年の女子ワールドカップサッカーで初優勝した女子日本代表「なでしこジャパン」。手に汗握る決勝戦。感動が信念につながった。
 「すごく感動しました。あんな場に立ちたい」
 サッカー好きの一家に生まれ、地元の少年サッカークラブに通う長男、長女の後を追って3歳の時からボールを蹴った。小学6年の時には、男子を押しのけチームのキャプテンに。
 「キャプテンを選ぶ時、男子の一人も手を挙げたんだけど、仲間が私を選んでくれました。よい経験になりました」
 サッカー漬けの小学校時代。しかし、中学に進むとサッカー部はなく、動きが似ているバスケットボールを選んだ。
 「でも頭の中はサッカーばかりでした」

 高校に進むと、すぐに十日町の女子サッカーチーム・ジャックの門を叩いた。高校生はただ一人。先輩からの指導がすごく刺激になるという。身長173aと長身。高校でも、女子の中では3年の姉とトップに並ぶ。身長190aの父のDNAを引き継ぎ、兄弟揃って背は高い。現在、高1だが今から大学に進学する条件は決めている。
 「どこの大学にするかまでは決めていないけど、もちろんサッカーができる大学です。新潟大に進んで女子サッカーを続けた先輩がいますが憧れです」

 十日町のクロアチアピッチでなでしこジャパンの強化合宿やなでしこリーグの大会と、地元でも日本を代表する選手との出会いも生まれている。
 「代表選手のプレーはやっぱりすごかった。一緒にプレーしてみたい」

魚沼の塩信、地域活動を支援  11月22日号
 塩沢信用組合の津南支店30周年記念式は16日、ニュー・グリーンピア津南で開き、小野澤一成理事長は「山の向こうから来た新参者を温かく迎えてくださった津南の皆さんに、これからご恩返しさせていただきます」とこれまでの支援に感謝し、「将来的には職員全員が地元採用になるようにしたい」と地域貢献への新たな思いを話し、大きな拍手を受けていた。

 創業60周年を迎えている塩沢信用組合。津南支店は昭和58年、津南地域の商業関係者の働きかけで実現した。同信組の親睦会「信栄会」は160人を越える組織となり、地域との密着度を強めている。

 式典では、全国信用組合のメンバーズカードによる「ピーターパン子ども基金」からの支援金を津南町の芦ヶ崎小学校が取り組む「竜神太鼓育成会」の活動に贈った。同校・渡邊静江校長は「地域に育ててもらい22年間続いています。この支援金で演奏で着る法被の一部を新しくしました」と感謝した。

 記念式では、小野澤理事長が「津南の貴重な女性をお嫁さんとして奪ってしまいまして、そのご恩返しをまだしておりません。必ずやご恩をお返しすることをお約束します」と、職員同士の結婚披露宴での約束事を披露する場面もあり、理事長の人柄に拍手が送られていた。

豪雨水害から2年、羽根川橋が本復旧  11月22日号
 ◎…長さ37・5b、重量72dの橋桁が大型クレーンに吊られ、ゆっくり設置された。2年前の豪雨で流失した十日町市伊建の「羽根川橋」。17日の真夜中、午前零時から始めた橋桁設置は14時間の突貫工事で行い正午前に終了。設置後の一番列車、森宮野原駅12時発が工事関係者が見守るなか新橋を通過した。作業は7百d大型クレーンなど4台のクレーンが動き、地域では珍しく巨大クレーンの登場で、深夜にも関わらず作業を見守り、写真撮影する人も見られた。

 ◎…2年前の新潟福島豪雨で橋脚が流された羽根川橋。これまでは仮設橋桁を使用。新橋桁は現地で組み立て、同様に現場で1週間かけて組み立てた7百dクレーンで吊るし設置。深夜から始まった架橋作業は、長さ36・5bの橋桁を慎重に運び、午前4時前に橋台に設置。満月の月光と投光機に照らされ、気温3度の冷え込みの中の作業で、約160人の作業員は白い息を吐きながら、数aの精度が求められる作業に取り組んだ。JR東では「ようやく羽根川橋が復旧した。水害に強い護岸対策工事も行った」としている。

写真・700dクレーンで吊られ橋台にのる72dの橋桁(17日午前4時12分)

国の景観100選、石垣田の保全に取り組む  11月22日号
 日本農村景観百選・石垣田がシンボルの津南町結東集落(24世帯)。3年前から地区外の有志が活性化に協力、今夏20年余振りに盆踊りが復活するなど、高齢化が進む地域に活力が戻りつつある。同集落は今年10月から県勤労者福祉厚生財団の助成金を受け、観光振興により地域の維持を図る道を模索している。

 同集落では3年前から石垣田保存会「けっと」(田中ふみ子会長)と協力。田植えツアーや石垣田整備などで都市部住民と交流。さらに昨年からキャンドルイベント「けっとのほかげ」を継続。今春は地域おこし協力隊で20代女性が移住し活動するなど、外からの力が住民の刺激に。「集落を維持するためもう一度地元の資源を活用し、地域を元気にしたい」という想いが強まった。同財団助成を受け始める新たな取り組みは地区内外有志で観光ルート整備、観光ガイド養成、棚田の米や山菜などの独自販売、盆踊り継続など。活力ある地域作りでU・Iターン者を増やしたい意向だ。

 同財団が今年スタートした「自立した持続可能な地域社会創造事業」は応募37団体のうち、10団体を選出。結東集落はそのひとつ。採択団体の交流をと開いた初の『地域おこしセミナー』は12日、同所のかたくりの宿で実施。報告会では結東の滝沢信行さん(61)がこれまでの交流事業など紹介。滝沢さんは「ここ数年、住民意識が外の力で変わって来た。高齢化は進み、集落の維持を今考えなければ結東も残らない。ただ次に繋がる意識の基盤はもう地元だけではできない。協力してくれる方と一緒に考えたい」と話す。過疎化が進む集落の挑戦が始まる。

糖尿病で合併症の危険高まる、津南病院50周年記念講演  11月22日号
 昭和16年の中魚沼郡の大割野診療所の開設から歴史が始まる津南町立津南病院は今年開設50年を迎えており、13日、町文化センターホールで記念講演会を開き、3百人余が参加。石川眞一郎院長は「昭和38年から50年まで院長に在職した古藤院長が東京慈恵会医大との道をつけた。現在、津南町の女性は全国1742市町村の中で22位の健康長寿。今後とも健康維持の拠点になることをお約束したい」と40年の歩みを振り返り、「疫学研究の重要性が高まっており、疫学の通りに実践していくと、その結果が必ずついてくる」と疫学研究の重要性を強調した。

 記念講演は、東京慈恵会医大・田嶋尚子名誉教授で糖尿病研究の第一人者。「食事と運動が根源的な療法である」と糖尿病の基本療法を先ず話し、「高血糖が持続すると特有の合併症を発症する」と警鐘。さらに「放置すると全身の臓器が侵される」と、失明、腎臓不全、神経障害、さらに動脈硬化などの合併症発症の危険性を強調した。

 投薬の有効性も指したが「薬より食事と運動を心がけることが糖尿病になるリスクは少ない」、そのためには「日本の食文化が大切。日本人は西洋の人たちと違う体質で、野菜中心の食文化が体質的に合っている」。

 特に強調したのは疫学研究の重要性。食生活の変化で「日本も米欧のように糖尿病による心筋梗塞で亡くなる方が増えている」と疫学調査で判明している糖尿病による合併症発症をデータを示して話した。田嶋名誉教授は「自然豊かで美味しい野菜が取れる津南の地での生活スタイルを、津南モデルとして発信してほしい」と講演を結んだ。

シリーズ明日へ「独学の画家、原風景を描く」秋山郷の山田寿章さん  11月15日号
 105歳の祖母・ハヤ、95歳の祖父・清蔵。祖父母の肖像画を描いたのは36歳の時。28年前の作品だが、いまも、語りかけてくるものを感じる。画家・山田寿章(64)の原点の一つになる作品だ。

 かつて、「秘境」の二文字を冠した秋山郷。三度目の冠雪を見せる苗場山と鳥甲山。その双頂の懐に包まれるように、山田が生れた屋敷集落はある。両親が営む「民俗史料館」には、山田の作品館も併設する。
 
 絵の原点は、秋山小学校3年にさかのぼる。担任の古越教諭は、信州大で絵を専攻した若い先生。写生の時間、山田の絵を見た先生から、思わぬ言葉を聞いた。『油絵を描いてみなさい』。  
 「よく憶えていないが先生に言われるままに油絵を描き、それが4年間続いた。あの出会いが、今の自分の原点かな」。
 抽象画を専攻した古越教諭。その影響を少なからず受けたであろうと感じる画風が、山田にはある。古越教諭との出会いが、最初の原点だ。
 
 デザイナー志望で進学したが、絵より「手に職をつける」ため建築設計士をめざし資格取得後、独立。30代初めの頃。すっかり、絵から遠ざかっていた。「請負仕事ばかりで、毎日がマンネリ化していた。そんな時、ふと思ったんです。『絵が描きたいな』と」。
36歳の時。その作品が祖父母の肖像画。105歳の祖母、95歳の祖父を、本人を前に丹念に描いた作品は、その年に応募した公募展に入賞。話題作となりメディアに載った。
 祖父母は、描き手を見ていないが、そのたたずまいは、営々と生を刻んできた時間を感じさせる。この肖像画が、絵の道を歩む二つ目の原点となった。
 
 小学3年の絵との出会いから、すべて独学。傾倒したのは「シュールレアリスム」のサルバドール・ダリや劇的な画面構成のウジェーヌ・ドラクロアなど。ただ、その原点は秋山郷の風景。代表作「里山の1本桜」に、それが見られる。
 早苗が植えられた棚田が眼前に広がり、その畦に立つ1本の山桜。淡いピンク色が水田に映る。背後の山並みは、山田独特のシュール感の秋山郷の原風景が広がる。
 山田は現在、全国展開する「一枚の絵」の所属作家。年間通じて全国のデパートやホテル、ギャラリーで開く作品展に出品。新潟や長野県内で毎年開く。一方で地元の寺院の襖絵も描く。来月には善福寺(津南町)襖絵の一部が完成。岩彩で描く日本画は、出来上がると14枚の襖絵になる。

 地元で久々となる個展を21日から津南町文化センターで開く。祖父母の肖像画、秋山郷の里山風景を独特の世界で描いた作品など30点を展示。ただ、まだ描いていない世界がある。
 「自画像ですね。一度も描いたことはありません。いずれはと思っていますが、どんな絵になるか、自分でも分かりませんね」。
 東京のアトリエと秋山郷の生家とを季節の渡り鳥のように行き来する。屋敷の民俗資料館内には高校時代からの作品が並ぶ。「これが私の世界です」。その一端を、今度の個展で感じることができる。   (恩田昌美)

いよいよ三者協議、水は戻るのか、清津川分水問題  11月15日号
 清津川の分水問題は、新たな段階に入る。清津川で取水し、東京電力湯沢発電所で発電後、南魚沼市・魚野川に分水放流している問題は、魚野川に必要とされる「平常流量」案が定められたことを受け、関係する十日町市、南魚沼市、そして新潟県で「清津川に少しでも多くの水を流せるように協議する」三者協議をスタートすることになった。ただ魚野川の平常流量データへの疑問や魚野川水系・三面川からの取水への疑義もあリ、すんなり協議に入れるかどうか、さらに曲折も予想され、「分水の全量を清津川に戻すべき」とする十日町市側が協議の主導権を握れるかどうか、行政力が問われる。

 第13回清津川・魚野川流域水環境検討協議会を12日、南魚沼市のホテルで開き、両河川調査の報告を行い、これを受け「魚野川流域水環境確保検討委員会」の検討状況を報告。ここで「平常流量」案が示された。この魚野川検討委員会は3年目、泉田知事の呼びかけで直接関係の十日町市・関口市長、南魚沼市・井口市長の三者協議で設立した委員会。ただ、この中に十日町市は入っていない。  
 今回の報告で注目されたのは「魚野川の正常流量」。清津川からの分水流入を含む現況流量と含まない自然流量の調査データを示し、1月から12月までの平常流量を示した。今後、この流量案をベースに三者協議を行い、来年秋の第14回の同協議会に報告する予定だ。
 今回の協議会でも温度差が表面化した。南魚沼土地改良区代表から、三面川からの取水への疑問が出され、県が個別に対応する方針を示したが、十日町市は会終了後、「清津川の水に頼らないで魚野川の流量を決めることを三者協議で確認している」と改めて申し入れる場面があった。

 今後行われる三者協議は、この前提が大きく影響する。魚野川の「平常流量」案の再検証と共に、清津川への分水全量返還の取り組みが、三者協議でどう決着するか、流域住民の関心が集まる。
 この分水問題は、湯沢発電所が最大毎秒6・121dを取水し、発電後、魚野川に流していため、清津川下流域の景勝地・清津峡の景観や生活・農業用水に影響しているため「全量返還」を流域住民は求めている。これを受け2005年11月から毎秒0・334d〜1・056dを季節に応じて清津川に流す試験放流を実施している。
写真・2010年に泉田知事(中央)関口市長(右)井口市長で協議開始で合意したが・・・。
             (恩田昌美)

10代のまなざし「高橋祐太さん・津南中等校4学年」父の顔に学ぶ  11月15日号
 出会いが、歩む道を決めた。小学5、6年の担任・米沢先生。津南中等校への一歩につながった。「熱血先生でした。あんな先生になりたいと思い、そのためにはと、津南中等に決めました」。その津南中等の前期、中学3年間の担任・丸山先生。「やはり熱血先生です。真正面から向き合ってくれ、自分たちのことを常に考えていてくれる先生です」。出会いは、さらに具体的な進む道を示した。「教職に就きたいです。それもできれば、地元の学校で地域の子どもたちのためになりたい」。自分の将来の姿を、二人の先生に見ている。

 小学5年から始めた野球。津南中等でも続け、6学年が退部し、5学年の先輩と共にチームを引っ張る立場になった。「野球でしか学べないことがあり、野球を通じて違うものが見えてきます。野球はチームプレーです。常に仲間のことを考えて動き、個人競技では得られないものがたくさんあります」。野球を続け、自分の変化にも気付いている。学業と部活、そして自分の時間。「オン・オフを自分で管理できるようになったと思います」。
 大切なものにも気付いている。「父の影響を受けています。父はいつも笑顔で、その笑顔が周りの人たちを元気づけています。『笑顔』の大切さを、父から学びました」。

 父は足の怪我で小さい頃のようにキャッチボールができなくなったが、「父も野球をやっていましたから、試合後、いろいろアドバイスしてくれます。それが的確なんです」。父の若い時に似ていると、最近、よく言われる。   (恩田昌美)

小林前町長を偲ぶ会、最後は「六甲おろし」で  11月15日号
 津南町長を5期20年務め、今年8月11日に死去した小林三喜男氏を偲ぶ会が10日、小林氏が国交渉で譲渡を受けたニュー・グリーンピア津南で開かれ、町長在職中に親交があった市町村長や行政関係者、同氏の後援会関係者など2百人余が参列し、白菊に囲まれた小林氏の遺影に全員が献花した。病気ながら内助の功で支えた雅子夫人も車イスで菊を手向け、亡き夫に両手を合わせ語りかけていた。
偲ぶ会は、同じ戌年の盟友、元JA津南町組合長・桑原達也氏や町職員から40年以上のつきあいで町長在職20年間、女房役の助役・副町長を務めた瀧澤秀雄氏らの呼びかけで実現。町長4期の時、自律を決めた津南町を支える頼もしきパートナーで、津南営業所開設を英断した日本食研ホールディングス・大沢一彦会長も愛媛から出席予定だったが、急きょ社用で欠席、石塚慎一郎・日本食研製造社長が出席。市町村合併前から「運命共同体」と町村会を作り連携した旧川西町長・田口直人氏、旧中里村長・山本茂穂氏、旧松之山町長・佐藤利幸氏、さらに元栄村長・高橋彦芳氏らが出席。偲ぶ会代表の桑原達也氏は「津南町政の発展に命をかけた小林さん。こういう席が大好きだった小林さん、大いに思い出を語り合いたい」とあいさつ。

 町長20年の間、常にそばで支えた元副町長・瀧澤秀雄氏は「入院見舞いに行った時の言葉が今も耳に残る。『やるべきことはやった。瀧澤、長い間ありがとう』。ただただ、二人で手を握り合った」と語り、「病をものともせずに20年間、町政を担った強靭な精神力に尊敬の念を抱く」と最後の別れの言葉を述べた。
偲ぶ会では若き職員時代から町長初当選、念願の国営苗場山麓事業の完工など、懐かしい思い出写真が上映され、最後は小林氏が熱烈ファンの阪神タイガース応援歌「六甲おろし」を参加者で大合唱し、小林氏を送った。

観光モニターで魅力再発見、栄村がJTBと連携し  11月15日号
「秋山郷観光の再生を」と栄村は国補助100%事業を導入し、旅行大手JTBと情報大手リクルートの協力を受け、観光再興に取り組み、観光関連従業員の研修や旅プラン創作、宿泊施設点検などを行う。9、10日にはJTB企画「観光モニターツアー」を行い、同社月刊誌で募集し、111組約230人応募からモニターに選ばれた5組11人が、秋山郷の紅葉や民宿に泊まるなど秋山郷観光をモニターした。参加者からは「スケールの大きさを感じる」や「雪も魅力だが、何をメインに魅力をアピールするか」など感想を述べた。

 今回のモニターは50代、60代の11人が一泊二日の栄村・秋山郷の旅。あいにくの雨だったが秋山郷では紅葉散策やあんぼ作り体験などを行い、民宿3軒に分宿。受け入れ側には「普段通り」を通知。伝統料理をメインに「100年ごっつぉの村」をアピールした。
 秋山郷観光後の懇談会では多様な感想が聞かれた。伝統料理では「量が多かった。50代以上は量より美味しい物を少しが良い。訪れた年代に合わせた料理を」、「宿の主人や女将と話ができたことが良かった」、さらに「秋山郷の道は初めての人は無理だと思うので、乗り換えの交通手段があればいいのでは」など。大阪・八尾市から親子で参加の植田雅子さん(59)は「初めての栄村です。秋山郷は想像以上の秘境の地でした。秋山郷のスケールの大きな自然景観、食文化、さらに人情を感じた。冬の雪も魅力だが、どう人をひきつけるか課題」と話していた。

 同事業は3年間で毎年1億円の事業費(全額国補助金)で、半分を人件費、その同額をソフト事業に使う。同事業担当の栄村振興公社・村山地域振興係長は、「事業ではっきりしたことがある。それは、栄村は知られていないということ。この事実が重要。ここがスタートだと思う」と事業の原点を話す。さらに「何が足りなく、何が課題なのか見えてきている」と話す。その一つが情報の発信力。ネットによる宿泊予約が急増するが、秋山郷の宿泊施設でネット予約できる宿は限られている。「例えば『じゃらん』を検索すると、秋山郷では数件だけ。これでは選びようがない」とネット活用を進めている。
 事業は2年目に入り、今回のモニターに次ぎ、来年2月の真冬にもモニターツアー実施する。対象は若い女性。別の民宿で「おもてなし」を行い雪国体験する。

環境大賞は「美人林を守る会」  11月15日号
 大手スーパー・イオンや地元出店で作る大型店・妻有ショッピングセンター(SC)同友店会(会長・萬羽博樹マンバ社長)が毎年地域の環境美化活動などに取り組む団体や個人を表彰する「第14回住み良い町づくり妻有SC環境大賞」の表彰式を9日、ラポート十日町で開き、旧市町村の5団体、2個人の活動を表彰した。環境大賞は30年間、松之山・美人林の保全活動に取り組む「美人林を守る会」が選ばれ、同友店会から賞金10万円が贈られた。

 大型店が地域の美化活動を14年にも渡り支援・表彰する活動は全国的にも稀で、地域の環境保全活動の大きな支えになっている。地元行政と地元新聞社などで作る審査委員会で協議し各賞を選定。これまで14年間で候補となったエントリー数は3百を超えている。大賞受賞の美人林を守る会の福原代表は「美人林と命名して今年で30年。節目の年に励みになる賞をいただき感謝します」と笑顔で表彰を受けていた。

 受賞者が次の通り。▼環境大賞・美人林を守る会(松之山・福原鉄雄会長)▼環境賞=田村敦子(十日町・昭和町通りを花で美化)NPO十日町市地域おこし実行委員会(十日町・山本浩史代表、池谷・入山など全市で活動)川西地区土地改良区(川西・田中茂夫理事長、水資源の大切さを啓発)芋川遊志の会(中里・高橋敏明代表、清津川フレッシュパーク管理活用)結東石垣田保存会・けっと(津南・田中ふみ子代表、全国農村景観百選の保全交流活動)滝沢博(松之山・陵雲閣料理長、きのこの第一人者)犬伏老人クラブ(松代・山本嘉昭代表、国道253号公園整備)。

からす踊りで親睦深める、東京津南郷会  11月15日号
 ◎…「ふるさとは、最高の紅葉で迎えてくれた」。東京津南郷会(野村英夫会長)の恒例のふるさと訪問を9、10日行い、上村町長や業界代表などと交流し、ふるさと談義で盛り上がった。交流会の最後は「からす踊り」を全員で踊り、さらに親交を深めた。

 ◎…津南町が誕生した昭和30年の2年後に誕生した東京津南郷会。新潟県出身のふるさと会でも老舗の親睦団体。だが会員の高齢化が課題。交流会で野村会長は「50年、60年前に津南を後にして旅立ち、たどり着いたのが上野駅。あの時、皆が『よし、頑張ろう』と思い、今に至っている。ふるさと津南がさらに発展するように、微力ながら力になりたい」。さらに「津南郷会は若返りをめざしている。新たな会員を増やし、若い人たちで運営できるようにしたい」と組織の刷新を図る方針だ。

 ◎…最近の津南を紹介した上村町長は「来年5月、全国のファミリーマートの店頭に『津南の天然水』が並ぶ。新しい津南の第一歩となる」と大手コンビニとの連携の実現を話した。

国道353号十二峠新トンネル、進まない事業化、原発災害時の避難路で整備を  11月8日号
 一次改良は終わっているが、豪雪や豪雨で度々通行止になる国道353号十二峠。抜本改良の新トンネル化実現をめざす「一般国道353号十二峠新トンネル開削期成同盟会」が誕生して16年。関係沿線8市町村で作り、毎年国や県へ早期事業化を要望しているが、遅々として進まないのが現状。1日、今年度総会を中里・林屋旅館で開き、早期実現を求める要望書を例年通り国県提出を決め、総会は30分ほどで終了した。同区間は豪雪、豪雨災害で何度となく通行止となり、「一次改良では安全性が確保されない」と新トンネル化を強く求めている。一方で、災害時の物資輸送など緊急ルートとして重要性が増している。特に原発事故の緊急時、避難道路になるため、防災計画上、重要性が高まっており、並行する国道235号・八箇峠道路の早期完工と共に、事業化に向けた新たな運動方針が求められている。


 国道353号十二峠新トンネル開削期成同盟会の会長・水落敏栄参院議員は1日の総会で現状を語った。「新潟県南部、長野県北部地域と関越自動車道を最短で繋ぐ重要道路。南魚沼・塩沢―中里間は急勾配、急カーブの連続。落石や雪崩に危険性が高く、豪雪地域でもある。年間通じて安心安全な交通路にするためにも新トンネルが必要」と危険性ある道路を強調。一方で、進まない事業化について「中越地震、東日本大震災、長野北部地震などで新トンネル開削の事業化が遅れている」と、国予算化が難しい現状を指摘。さらに「残念なことに十二峠新トンネル建設の必要性が、地域住民に充分に伝わっていないのではないか」と地元の盛り上がり不足を懸念する。当日の定例総会も質疑なしで30分余で終了した。

 1997年にできた同盟会。合併前、津南や中里に関係深い真島一男参院議員を会長に置き、精力的な活動を展開。だが市町村合併を機に、国道353号改良と共に国道253号・高規格道「八箇峠道路」整備に重点が移り、並行する両ルート間で微妙な「温度差」が出ていた。
 事実、「場所が近く、同じようなルートを同時要望するのは得策ではない」とする声がある。だが、2011年の「フクシマ原発事故」後、原子力防災に関心が集まり、世界最大級の柏崎刈羽原発から30`圏内外地域の事故想定時の避難ルートとして、両国道の重要性が急浮上している。

 行政関係者は指摘する。「国道235号は30`圏外にあり、特に建設が進む高規格道は最短で関越高速につながる。同時に国道353号も柏崎地域にとって重要な避難ルートになる」。八箇峠道路の期成同盟会では、同原発の事故を想定した避難路整備の重要性を要望書に盛り込んでいる。353号の要望書には、同原発事故を想定した避難路としての重要性には触れていないが、関係者は「当然、353号も重要な避難路の一つ」として、新トンネル実現の要望に、原発事故時の避難路整備の重要性を盛り込む考えだ。

 国道353号十二峠は時間40_以上、連続雨量80_を超えた場合に通行止。冬季も集中降雪で雪崩などの危険が生じた場合、通行止となる。さらに豪雨災害で今年も並行する国道253号八箇峠、県道・大沢峠が一時的ながら全面ストップした。このため沿線市町村からは「緊急車両が通れないのは危機管理上、大きな問題だ」と、早期改良の声が上がっている。
               (恩田昌美)

10代のまなざし「樋口なつきさん・十日町総合高3年」 美容師への第一歩  11月8日号
 小学時代から友だちの髪をいじるのが好きだった。高校進学を考えた時、将来は美容師に、という気持ちが固まった。先月18日、東京の美容専門学校に合格。将来の夢に向かい、一歩踏み出した。
 「友だちの髪を毎日のようにかまっていました。思った通りの髪形になると気持ちいいですね。合格を聞いた時、将来なりたい自分に近づいた気がして嬉しかったです」。
 独学でネイルも学ぶ。詳しい友人に習い、自分の爪で試してみたり。

 「今はネイルをしている人は多く、当たり前のオシャレになっているし楽しんで学んでいます」。
 美容師となるスタート地点に立ち、毎日ヘアカタログなど見て、今の流行をチェック。
 「普通に歩いていてもカッコいい人をつい目で追っちゃいます。好きなんですね、やっぱり」。
 来春、初めて故郷を離れた生活が始まる。
 「楽しみですが、不安もあります。人混みが苦手なんですよ。知らない人ばかりの東京に行きますが、何とかなるかな」。
専門学校では校内コンテストや全国の美容師の卵が競う大会などに積極参加する予定だ。

 「全国から同じ目標を持った方が集まるので、どんな技術を見られるのか今からワクワクしています」。
 もちろん一番の夢は自分の店を持つこと。接客力を身に付けるため、アルバイトをする計画だ。
 「朝早く、夜も遅い大変な仕事です。でも美容師になりたい気持ちは揺らいでいません。常に前向きな気持ちで頑張ります」。

ソチ五輪に挑む「バイアスロン・小林美貴選手」 W杯で五輪出場権を  11月8日号
 大学まで続けたクロカン種目から新天地を求め、走力を活かしバイアスロンに挑戦したいと自衛隊冬戦教に進んだ小林美貴(25、下条中―十日町総合高―日大)。本格的に取り組んで4年。今回、ソチ五輪代表候補の中に選ばれ、海外遠征組・女子6人の中のメンバーとして世界に向けての大舞台に立つ。

 全国から集まる世界をめざす「女子班」と呼ばれる冬戦教のバイアスロン選手は11人。その中で、小林はクロカン種目ではもちろんトップだが、経験の少なさからやはり射撃が壁になっていた。しかし取り組んで4年、レベルも向上し今回、その女子班の中から第1次代表候補に入った。

  小林は昨年の宮様大会インディビデュアル優勝、今年の日本選手権スプリントでも優勝を飾った。ただ海外経験が浅く、昨年は「バイアスロン選手として、まだまだ経験は浅いですが、世界で活躍できるよう頑張りたい」と話していた。
そして今年。お盆休みにも帰郷せず、夏休みも返上して練習に取り組み、9月下旬と今月上旬に開かれたソチ五輪の第1次選考会となるサマーバイアスロン日本選手権大会のインディビデュアルで5位、スプリントは1日目5位、2日目6位、リレー種目の個人競技銃は8位と順位を下げたが、それでも海外遠征組6人に仲間入りした。

 昨年の全日本選手権女子クロカン30`フリーで優勝。自信を深めそれが底力になっている。夢に向かっての大きな一歩となる今回の海外遠征。今月下旬からのワールドカップでの成績が即、代表決定につながる。目標は、もちろん大きく掲げている。「オリンピックで入賞を」。(敬称略)
   ○
 ソチ五輪バイアスロン出場枠は女子「4」と「リレー」(出場3選手)。枠があっても出場数が減らされる可能性もある。最終的な出場はJОCが判断、12月28日に正式発表予定だ。

深まる絆、信州プロレスが栄村復興支援  11月8日号
 ○…信州プロレスと栄中生徒がタッグを組み開発した限定オリジナル『紅葉あんぼ』。先月27日開いた復興支援イベント「無茶フェス」で限定250個を販売すると、即完売の人気。奥信越の伝統食を現代風にアレンジした2種類のあんぼを「また食べたい」と反響があり、商品化を望む声が多く挙がっていた。

 ○…5年前から栄村と交流する信州プロレス(グレート☆無茶代表)。県境地震復興支援をと栄中生徒6人と協力し作った特製『紅葉あんぼ』。ネーミングは明かされていたが、中身は当日まで秘密だった。27日、体育館に組まれた特設リング上で生徒が名称発表。ひとつは栄村産トマトジュースを皮に練り込み、ピザソースが具の赤の『イタリアんぼ』。もう1種は栄村産カボチャを生地に加えアンコを包んだ黄の『かぼちゃんぼ』。色合いある生地で紅葉をイメージさせた逸品だ。

 ○…米粉を使った郷土食と、若者にも受ける味を同プロレスと生徒らが約2ヵ月かけ共同開発。調理は地元食グループ・えごまっ娘(阿部栄子代表)が担当した。栄中1年の山田匡馬くん(青倉)は「父が信州プロレスのファンで、新しいあんぼを作ると聞き手を上げました。無茶さんもお墨付きのあんぼ。村の名物になれば嬉しいですね」と完売を聞き感慨深そう。なお当日は4百人余が参集。人気レスラーの藤波辰爾氏、天龍源一郎氏が出場し、会場を沸かせた。

津南の子達のために、津南油圧40周年で100万円寄付  11月8日号
 国内シリンダー製造メーカーの伝統会社「三尾製作所」が津南町に企業進出し、創業した「津南油圧」40周年、グループ会社「三尾プレシジョン」25周年の記念式を25日、ニュー・グリーンピア津南で開いた。同グループ会社で東日本大震災で操業できなくなった福島工場の現状が報告され、来春、3年ぶりに操業できる見通しが報告された。

 福島工場の坂本正彦工場長は、工場は機器が散乱し、多くの社員の住宅が津波で流されたが、「幸いにも人的な被害はなく、これが救いだった。ただ福島原発から15`の位置にあり、ドカーンという爆発を音がした。20`圏のため全住民避難で、機器が散乱する工場を後にするのは偲びなかった」と当時の様子。昨年7月、立ち入り許可が出て、ようやく片付けを開始。だが「場所によっては1〜2_シーベルトの高汚染箇所が残り、除染作業は進んでいないのが実情」と復旧の遅れを指摘。損傷した工場は修繕され、機器類も新しくなった。「来年2月、従業員を迎えられる。4月に再操業する方針。皆さんのご支援、ご援助に感謝します」とあいさつすると、大きな拍手が送られた。

 50周年記念で津南油圧・三尾義男社長は、津南町に「子どもたちの教育に活用してください」と100万円を寄付した。節目の式典では、従業員代表が次世代へのメッセージ述べた。津南油圧・反り目忠夫生産部長は「若き世代に培った技術をしっかり引き継ぎたい」と出席の後輩たちに述べ、ニッケルクロムメッキ会社の三尾プレシジョン・大倉幸一生産管理課長は「日本一のピストンロットを作る会社に躍進したい」と将来目標を述べた。

火渡り修行、見玉不動尊、来年から毎年実施  11月8日号
 ◎…火渡り護摩、毎年実施へ―。今年、安土桃山時代の比叡山焼打ち(1571年)で焼失を免れた明王像を含む「五大明王」が安置された津南町見玉の見玉不動尊(金玉山正宝院、池田明順住職)。これを記念し3日、「火渡り護摩修行」を開催。修業は同院第23世住職で現在善光寺役員・福生院住職の村上光田大僧正(80)が取り仕切り、厳かに行われた。今後毎年続ける方針だ。

 ◎…開山8百年の見玉不動尊。火渡りはこれまで住職の交代や50年に一度の本尊御開帳時など節目にのみ行っていたが、地元住民らで実行委員会(高橋正治委員長)を設立。五大明王を核とした地域活性化をねらいに毎秋開催を決めた。同院での火渡り護摩は17年振りの開催。阿闍梨の称号を持ち、本山の比叡山延暦寺とも関係が深い村上大僧正は「心の安息を求め人は不動尊を訪れる。火渡りは山岳仏教の最高の修行。信仰心向上、地域おこしに繋がれば」。

 ◎…当日は町内外から3百人余が参集。杉葉に火を点け、護摩木を燃やし、まだ熱い灰の上を手を合わせ渡り健康など祈願。栄村森出身で東京から訪れた高尾きみさん(旧姓広瀬、65)は「少し目が悪く、以前から見玉不動尊に参拝に来ています。初めての火渡り護摩、体験できて嬉しい」と家族の健康を祈った。来年も11月3日に開く。

縁結び登山、津南の地元グループが企画  11月8日号
 ○…縁結び企画「恋松峠でパートナー登山」は先月末、津南町外丸の氷山(674b)で行い、小学生から80代までの男女40人余が参加。山頂まで登り切ると、河岸段丘が一望できる絶景スポットに着く。津南出身の友人に誘われ東京から参加の逸見翠さん(34、品川区)は「津南は初めて。登るのは大変でしたが、皆さんの協力でこんな素晴らしい景色が見られるなんて」と感嘆。

 ○…氷山登山道は地元活性化グループ・八本杉(涌井稔章代表)が整備を続け今年開通。「恋松峠」は急斜面の5合目付近で、登山者が声を掛け合い、手を貸しながら登ることから命名。地元PRの一助にと、縁結び登山を初企画した。今後も縁結びや春の残雪登山など行い、地域活力アップを図る方針だ。

サケはどこへ行った、宮中364尾、西大滝6尾、この差を検証を  11月1日号
 サケが昨年を大きく上回る勢いで遡上している。JR東・宮中取水ダム魚道では30日現在、350尾余を採捕し、上流に放している。昨年297尾と同ダム稼動後、最多のサケ遡上数を記録しており、今期はさらに記録更新するサケが戻っている。だが、約21`上流の東京電力・西大滝ダム魚道では、30日現在、わずか6尾(昨年11尾)にとどまっている。350尾を上回るサケは、どこへ行ったのか。

 先月13日、中魚沼漁協組合員の高橋さん(70)は、清津川に架かる清津大橋の橋脚付近の川で、4尾のサケを目撃した。「昨年も同じ場所で見たし、信濃川の合流付近でも2尾見た」。
目撃情報によると、清津川を上るサケは、大部分がオスとメスのペア2尾で上る姿が見られる。清津大橋の橋脚付近の浅瀬では産卵した跡も見られたという。  「13日も産卵した場所があった。だが、その後の豪雨による増水でどうなったか心配だ」。清津川にサケが遡上していることは間違いなく、中魚漁協によると上流の倉俣付近でも目撃情報がある。

  清津川と信濃川の合流付近には中魚漁協の孵化場があり、産卵から稚魚育成に取り組み、昨年は同場で育った稚魚約50万尾を流域で放流している。
 中魚漁協の長谷川克一組合長は、稚魚放流数の増加を要因にあげる。「昨年から遡上数が増えているのは3、4年前からの稚魚放流増や魚道改修、ダムからの放流量増加など好条件が重なっているのでは」。一方で、「西大滝ダムの魚道改修はあれで良かったのか。さらに放流量の問題など検証すべき点がまだ多い。水利権更新前に、宮中ダム上流域の魚類を含めた河川環境調査の必要を訴えたが、東京電力は全く動こうとしなかった」と話し、宮中ダム上流域の河川環境調査の必要を改めて要望する意向だ。中魚漁協は県境の宮野原橋まで管轄エリアで漁業権を取得している。
    
 宮中ダム上流域には、信濃川に流れ込む河川が3本ある。十日町と津南の境を流れる「清津川」、秋山郷に通じる「中津川」、津南と栄村の県境を流れる「志久見川」。宮中ダム上流約21`にある東京電力・西大滝ダム(飯山市)。水利権更新前は同ダム魚道から0・28d放流だけで、下流域は「水なし川」状態が長く続いた。2011年の期間更新で「通年毎秒20d、更新期間20年」を申請し、国が認めている。
 西大滝ダムを管理する小千谷市の東京電力・信濃川電力所では「信濃川中流域水環境改善検討協議会の取り組みの中で、国交省信濃川河川事務所により西大滝ダム魚道でのサケ遡上調査を実施しており、現状での遡上数の結果については残念に思っております」としている。

 一方、地元の高水漁協・相澤博文組合長は、複数の要因を考えている。「サケは河川の臭いを記憶し帰って来るが、河川環境の悪化も要因としてあるが、同時に水量の問題も考えられる。現状の遡上数では改修した魚道の検証すらできない状態。水利権更新前から訴えている河川環境調査を、東京電力はしっかりやるべきだ」と再度要請する考えだ。
 宮中取水ダムのサケ遡上数は、JR東不正取水による水利権取消し後の全量放流2009年は160尾、10年146尾、11年135尾、昨年12年はダム稼動後の最多297尾を確認。
 一方、東京電力・西大滝ダム魚道では10年3尾、11年35尾、昨年12年は11尾と少ない。

中心市街地事業、跡地活用がスタート、複合住宅と賑わい空間を  11月1日号
 市街地に賑わいを取り戻そうと十日町市が今年6月の国認可を受け進める「中心市街地活性化事業」の第9回協議会を24日開き、本町通りの旧田倉、旧娯楽会館跡地の利活用計画の詳細が発表された。旧田倉跡地には、将来的に介護や支援を受けることができる居住環境を整えた地域初の「サービス付・高齢者向け住宅」や若いファミリー家族世帯などを含む70人余が居住できる5階建ての居住スペースができ、旧娯楽会館跡地には集客要素が高いテナントが入った交流賑わい空間が誕生することが決まった。居住住宅の事業計画は11月の国の計画変更に申請し、交流賑わい空間事業は来年3月の国申請に間に合わせる方針だ。

 旧田倉跡地には、60歳以上の高齢者向け住宅38戸を用意。同住宅は健康なお年寄りが入居し、支援や介護を受ける認定後も、そのまま居住できる環境を整えており、新たに設立する運営会社には、社会福祉法人や開業医院が参加し、支援や介護認定後も各種サービスを受け居住を継続できる地域初の住宅となる。
 建物は5階建て延べ床面積3150平方bで、来年から建設工事に入る。1階はディサービス、子育て支援施設、交流プラザ、2階は訪問介護事務所、クリニック、ファミリー型住宅12戸など。3階から5階はサービス付高齢者向け住宅38戸を計画している。
 運営は、特定目的会社を設立。出資構成は村山土建、妻有福祉会、本町クリニック、エフエムとおかまち、ミヤコウドリーム。今年中に新会社を設立する。

 一方、旧娯楽会館跡地は「産業・文化発信館」を建設。雪国のかまくらをイメージした木造耐雪(2階構造)半円ドーム型の建物。メインのコンビニ出店は、同地の消雪用井戸の関係で出店が白紙となり、新たな出店交渉を進めている。
 運営は、当初のフラワーホームから系列会社「株式会社フジタ」に変更し、両社のプロジェクトチームで取り組む。設計は大地の芸術祭作品「松之山キョロロ」を担当した手塚建築研究所。雪国イメージの斬新な建物だ。延べ床面積506平方b。事業費は約2億1400万円を予定。

 集客要素のテナントは当初、大手コンビニを予定したが、同地が20b以上の井戸が掘れない区域で、消雪用水の不足が懸念され、店舗面積の縮小が余儀なくされ、大手コンビ二との協議が不調に終わった。フジタでは「新たな集客要素となる民間と協議を進めており、年内には具体化する」と話す。来年1月にテナント進出を決め、3月の国申請を行う計画だ。産業・文化発信館は、1階にネット環境が整ったカフェとテナント、2階は多目的交流スペースで、各種教室や親子交流などに活用する計画だ。

ソチ五輪に挑む「井川純一・クロカン」男子リレーメンバー入りめざす  11月1日号
 「世界の大舞台に立ちたい」。今シーズンを正念場と見据え、ソチ五輪に挑戦する姿勢が一段と高まっている井川純一(28、下条中―十日町高―日大)。
昨年のあきた鹿角国体・クロカン成年B(10`クラシカル)で初優勝。所属する岐阜日野自動車チームで40`リレーも制し、自信を深め手応えを感じている。目標はソチ五輪・クロカン男子リレーメンバー。「これまで個人種目でワールドカップに出場していないので、めざすはリレー種目だけ。リレーメンバー入りにかけている」。

 カギとなるのは、ソチ五輪に向けた国内選考大会ともいえる、来月にフィンランドで開かれるFIS(国際スキー連盟)レース。昨年、イタリアで開かれた世界選手権で同郷の宮沢大志選手を含む日本チームは8位となり、その時のメンバーがそっくり出場するからだ。それだけに国内組で上位に入ることが大きなポイントになる。「何としてもFISレースで上位、いや優勝を狙いたい。そうでないとメンバー入りは難しい」。危機意識を闘志に変えて挑む。

 十日町高から日大に進み、現在は岐阜日野自動車のスキー部主将。昨年12月のFISコンチネンタルカップ・フィンランド大会の10`クラシカルで14位に入った。1月の全日本選手権(スプリント・パシュート)では結果を残せなかったが、2月の冬季国体では成年Bで優勝。しかし、続く3月の全日本選手権(クロカン)では15`フリー12位、50`クラシカルは14位と伸びなかった。ソチ五輪が近づきショックは大きかったが課題も見えた。「フォームなど技術的な面をランクアップしないとダメだ」と今春から専門コーチの指導を受けながら立山や北海道などで強化合宿に取り組む一方、6月にこじらせた右耳・中耳炎の手術を先月初めに新潟大学医歯学総合病院で行った。手術後は徹底的な走り込みやローラースキーなどのトレーニングに励んできている。

 「今季はスキー人生の集大成として結果を残したい」。ソチ五輪のリレーメンバー獲得を胸に刻む。勝負を分ける大舞台、来月のFISフィンランド大会に向け、「最後は自分との闘い」と話す。

10代のまなざし「小林佳奈子さん・十日町総合高3年」『脳内風景』を描く  11月1日号
『脳内風景』。妙なタイトルである。頭の中の風景なのだろうか。20号のキャンパスに描かれた油絵。部門は現代美術。
 「頭の中に浮かんだ、好きなものを書き込んだらこうなったんです」
 魚や鯨などを描いているが、海の中といった感じではなく、白い壁やそこから根を張った樹木などもある。アンコールワットなどの寺院遺跡に見られる、遺跡を覆うように根を張った大きな樹木の印象が好きだという。いわゆる空想画だ。

 「物心ついたときにはマンガのキャラクターを毎日のように描いていました。中学に美術部はなかったので、家に帰ってからや、時々授業中にも描いちゃっていました。その時もマンガの主人公などを題材にしたイラストですが」
 脳内風景は十日町市美術展で奨励賞に選ばれた。
 「まさか入るとは思っていなかったのでびっくり。うれしかった」

 同人活動と呼ばれる、自身で描いたイラストなどの作品を展示販売する会がある。新潟や長岡ですでに8回ほど参加。そこで知り合った『同志』と交流も始まっている。
 「話しながら想像を膨らませて描いたりもします」
 将来の夢はイラストレーター。そのために進学先も日本工学院のマンガ・アニメーション科と決めている。

秋山郷で小水力発電、信州大が実証実験開始  11月1日号
 小水力発電の全国モデルに―。信州大で水資源活用を検討する「RISTEX研究プロジェクト」(研究代表者・天野良彦教授、12人)は先月18日に栄村小赤沢地区の湧水を使った小水力発電を開始。電力は公衆トイレに利用、さらに災害時の非常用電力としての活用も視野。「豪雪地で小水力発電が可能ならば全国で利用できる」とし、2年間の実証試験で技術や法的課題、自治防災計画反映などのモデル事業としてまとめ、国に提言する方針だ。

 設置した小水力発電装置は小赤沢に自噴する『出口湧水』を利用。10b下の小赤沢川への急傾斜(落差11・5b)を活用し、独自開発の『クロスフロー水車』を設置し発電する。詳細な流量や発電量は今後の研究課題だが、発電量は1・5`hを見込む。小水力発電責任者の池田敏彦名誉教授(67)は「地形が急峻で、発電に必要な落差が取れる地。豪雪地で災害時などのバックアップ電源にも成り得る。豪雪地で活用できれば全国どこでも使える発電となる」と話す。同プロジェクトでは水資源利用の発電実証実験を栄村と安曇野市で行い、中山間地の小水力発電のモデルケースとして国に提言する予定だ。

 18日の式典は信州大研究者を始め地元住民や秋山小児童ら40人らが参集。地元の山田忠雄さん(77)は「出口湧水は飲料水、消雪に使っているが、電気にもなるとは。水は恵みだね。発電がうまく行ってほしい」と興味深そうに話した。

中学生が初披露、新保広大寺の舞い  11月1日号
 地域芸能を現代に伝える、十日町市下条発祥の「新保広大寺節」は瞽女(ごぜ)と呼ばれる盲目の旅芸人によって広められ、東北、北海道、関東、北陸、中国地方など全国各地の民謡の元唄となった。現在は会員40人の「新保広大寺節保存会」(藤巻誠会長)が伝承。今年5月、東日本鉄道文化財団の「民謡のふるさと『新保広大寺節』保存事業」で100万円が助成され、中学生の衣装、楽器、小道具等を新調。先月27日の同校文化祭において初披露。2年生が3班に分かれ「六方広大寺」「細広大寺」「新保広大寺節」をいきいきと踊り、来場者の盛大な拍手を浴びた。

 下条中(水落純子校長、93人)は昭和59年に保存会から踊りの指導を受けたのが始まりで、平成15年から総合的授業に割り振って練習に取り組む。大人とのふれあいで礼儀、厳しさ、温かさ、達成感など徳育の面でも成果を上げている。2年生の丸山加菜子さんは「1年生3学期から本格的に習い始め、私たちが新しい衣装で初めて踊ることになりました。保存会の皆さんが一生懸命指導してくれ踊りもうまくなり、今日は楽しかった」と語った。

黄金釜で新米炊く、津南観光物産館で  11月1日号
 ○…日本一の「黄金米」をどうぞ―。津南産コシヒカリのアピールをと27日、金製の特別釜を使った「日本一ぜいたくな黄金米を食す」を実施。重さ約10`、うち金3`が使われている、全国でも貴重な「黄金釜」。昔ながらのぬか釜ではざかけ米の新米4升を炊き、行楽客に提供。輝くコシヒカリを食べた茨城・つくばみらい市の大沢一郎さん(72)は「うちも農業をしているが、津南米は味が濃く旨い。黄金の釜で炊くなんて凄いね」とびっくり。黄金米を食べた方には記念に証明書を進呈した。

 ○…2年目の黄金米試食。金は熱伝導が高く、ふっくらしたコメが炊けるという。黄金釜は同館運営のフジミヤの藤ノ木正人常務と交流ある、十日町小泉の馬場勉さん(58)が所有。馬場さんは「本物の黄金を使った釜は他にはない。新米収穫後、正に津南でしか食べられない味。日本一のコシヒカリのPRに協力したい」と話す。今後も秋の新米収穫後に継続する。

初の公式戦、なでしこリーグが十日町で 10月5日号
 ○…「プロの試合はやっぱりすごい」―。日本代表選手らも出場した日本女子サッカー「なでしこリーグ」のアルビレックス新潟対岡山湯郷ベルの試合が20日、十日町市当間高原・クロアチアピッチで初めて開かれた。風雨吹き荒れる悪天候の中、5百人以上の観客が駆けつけ、男子顔負けの激しいボールの奪い合いに声援を送った。

 ○…同市サッカー協会らの熱意で実現。大会に合わせ、前日には水沢南保育園の園児らが新潟の選手に花束を贈って激励し、当日は妻有地域の園児や小学生らがエスコートキッズとして選手と手をつないで入場。参加した石沢賢汰君(津南小3)は「気分最高」と大喜び。試合は惜しくも新潟が0対2で敗れたが、日本代表でもある新潟の上尾野辺めぐみ主将は「クロアチアピッチはとてもよい。ぜひ新潟まで応援に来てほしい」と話していた。

10代のまなざし「市村望さん・津南中等5学年」 英語の楽しさを  10月25日号
 全県の高校が参加する高校生英語コンテストの県大会は来月4日、新潟市で開く。同校の阿部将太君と共に出場する。19日の同校文化祭では「To study is to live(勉強することは生きることと同じ)」をテーマに、5分半の英語スピーチを、在校生や保護者5百人余を前に、ノー原稿で発表した。

 「中学3年の時の先生との出会いから、英語が好きになりました。それまでは英語は苦手でした。英語の楽しさを感じています」。英検準2級まで取得している。
 好きなアーティスト・Taylor・Suiftの音楽CDもその一つ。勉強の合間などにCDを聞き、楽しみながら英語に接している。時には世界の情報を伝える資料や英字新聞などにも目を通す。
 津南中等の部活動では陸上部に入り、昨年まで中長距離に取り組んだ。800bでは県大会出場し、全国まであと一歩だった。「陸上で自分の精神力が鍛えられたと思います。集中力と共に、継続することの大切さを学びました」。

 6学年の先輩たちの『夢の実現』へのチャレンジを日々感じている。いよいよ来年は自分たち。「中学の英語の先生になるのが目標です。そのための教育学部がある大学進学です」。すでに大学を決めており、国公立大をめざす。大学では留学をめざす。「中学生に英語の面白さ、楽しさを教えたいですね」。

大雨で地滑り、1世帯が自主避難、十日町市津池で  10月25日号
 主要地方道十日町六日町線の十日町市津池地内(世帯数6)道路が約30b渡って亀裂が多数入り、うち三分の一程度が陥没。22日午後7時から全面通行止めとなった。迂回路は一般県道新座八箇線。現場の道路わきの1世帯1人(80代女性)は田川町の長男宅に自主避難した。
 23日午前11時19分にも路肩が落ち始め2b余の亀裂が入り、斜面は滑り続けている。
 台風26号の影響で16日、県の八箇峠観測所で24時間降雨量は110_を記録。先月末の豪雨もあり、強い雨が続き地盤がゆるんだと十日町地域振興局地域整備部は見ており、センサーを設置し状況変化を注視する。
 住民によると21日に道路のひび割れが始まり、道路のきわが落ちた。翌22日作業員が現場付近の斜面の草を刈ったところ、幅2b程の大きな亀裂が入っていた。そこは以前民家だった場所だが盛り土で造成しており、その上にある道路も同様に作られたという。


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