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2013年06月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
NGP津南、復調の兆し、首都圏と保養所提携で誘客へ  6月28日号
 ニュー・グリーンピア津南を経営する株式会社津南高原開発(松崎和秋社長)は、首都圏からの誘客増加のため、東京23区や周辺自治体との保養所契約に取り組み、練馬区、太田区と提携し、荒川区と交渉中など積極的な営業活動を展開する。昨期は3年ぶりに宿泊数が8万泊を超え、東日本震災後、激減した業績が復調の兆しを見せている。なかでも首都圏で人気の「グランドゴルフ」利用が増加し、退職組などシルバー層の連泊効果に結びついている。同社では「この規模のコースと全面芝コース、さらにホテルに近くロケーションが良い場所は首都圏周辺には少なく、利用者が年々増えています」と、大きな誘客要素になっていると分析している。

 同津南は、需要に応えグラウンドゴルフコース整備を今春、2コース増設し7コースに整備。幅広い大会誘致などをめざす。今月29、30日には埼玉県グランドゴルフ協会の指導員研修の誘致を実現。総勢5百人規模が宿泊研修する。一方で東京都老人クラブ連合会の副会長との交友で、グランドゴルフ利用の裾野が広がり、首都圏エリアではゲートボールを上回る人気で、同所の整備環境の評価が広がっている。
 一方で保養所契約も年々増えている。6年前の練馬区を皮切りに、その後も狭山市、武蔵村山市と提携し、昨年は太田区、さらに今年は東京都食品衛生協会、武蔵野市とも実現。荒川区とは協議中で、「保養所契約により、年々利用者が増えており、首都圏からの無料シャトルバス利用により、連泊が増加傾向にある」(樋口彰副社長)という。

 津南町から経営委託され今年で10年の同社。資本金3600万円。同社の大きな特徴は、保有株主数の筆頭は「従業員持株会」(約40%)。社長ら役員の経営首脳陣に対し、大きな発言権を持つと共に、「経営者のひとりとしての自覚を持っていただき、共に会社を発展させていく」ことがねらいだ。前期・第9期決算によると経常利益で約140万円欠損が出ているが、「今期は4月、5月で前年比1500万円余の売上増で、このまま業績維持できれば、早ければ今期、遅くとも来期には株主配当ができる見込み」(同)としている。
 一方で課題もある。施設設備の更新がその一つ。建設後25年余を経過し、保守点検や機器の更新交換など維持費の増大要因が並ぶ。さらに「津南観光の方向性」も課題だ。「体験型が増加して、津南町めぐりも人気。ふるさと案内人は好評だが、一度訪れると二度は同じ所へは行けない。新しい要素がほしい」。あるいは原発事故後、予約時に放射能汚染を心配する問い合わせがある。「やはり数値でしっかりと安全性を伝えることが必要」と、町に定点観測の場所に加えることを要望し、来月から調査対象にすることになった。     (恩田昌美)

JR東・宮中取水ダム、試験放流で初の120d放流、9月に実施  6月28日号
 5年間の試験放流に取り組むJR東・宮中取水ダムは4年目の今年、自然の河川流量の変化に応じた「変動型放流」に取り組み、その調査結果に全国の関心が集まるなか、試験放流開始後、初めて毎秒120d放流を9月12日から15日の4日間、実施することが明らかになった。一方で、夏の渇水期の8月、サケ遡上期の10月に、毎秒40d放流を各時期5日間、試験的に行う。毎秒40d放流は試験放流の中で最低放流量で、この厳しい条件での夏場の河川環境の変化、さらにサケ遡上への影響を調べる方針だ。

 毎秒120d放流は、9月15日のラフティングなどのイベントに合わせ、準備段階の12日から放流する。これは河川流量を一時的に増やし、清掃効果をねらう「フラッシング放流」でもある。一方、真夏の渇水期の8月16日から20日の毎秒40dでは、河川水温など河川環境の変化をデータ収集。サケ遡上期の10月15日から19日はサケ遡上の最盛期。毎秒40dが遡上にどう影響するかなどをデータ収集する計画だ。

 試験放流に取り組むJR東・信濃川発電所業務改善事務所(佐坂秀俊所長)によると、試験放流4年目までの調査データを元に最終年・5年目の放流方法を決めるが、「これまでの河川調査データを市民に開示していきたい」としている。9月には河川環境調査データによる中間報告案を試験放流検証委員会に示し、11月には5年目の試験放流を決めるための集中協議にあわせ、市民に調査データを全面開示し、広い論点で放流方法を協議する方針だ。  
 さらに、水利権の期間更新の維持流量などを具体的に協議するため『信濃川のあり方検討会』内に協議する専門部会を設けることを決め、来月2日のあり方検討会で設置する。

 一方、JR東は環境共生基金の活用として「サケ稚魚100万尾放流」の実現をバックアップする方針。中魚漁協ふ化場は100万尾対応の施設にJR資金活用で拡充し100万尾ふ化は可能。「毎年1千尾のサケ回帰をめざしたい」という。さらに妻有大橋わきに建設する食品工場は来年秋に稼動開始の予定で、、「年末のクリスマスケーキを作るプランを進めている。それも地元産の米粉と大豆、豆乳を使ったケーキ。すでにプロが研究に入っている」と、地元貢献事業も明らかにしている。  (恩田昌美)

写真・今年9月に毎秒120d放流するJR東・宮中取水ダム

10代のまなざし「小澤幹さん・十日町総合高3年」 6月28日号
毎日、毎日、流れ落ちる汗を吹き飛ばしながら走る。この夏の走りが冬の結果につながる。
 「ただ走るだけが中心の夏は、本心をいうと嫌いなんです。ローラースキーもやるけど、やっぱり雪の上を走るのがいい。早く雪が降らないかなと思います」
 地域、学校をあげて取り組む吉田小で3年からクロカンスキーに取り組んだ。周りを見渡せば、先輩や同級生、そして後輩にも強い選手ばかり。トップでゴールしたことはなかった。前にはいつもライバルの背があった。
 「強いやつばかり。それは今も同じです。高校に入って小中学時代の仲間は別々になったけど、大会になると顔を合わせます。よきライバルになっているなぁと感じています」

 昨年、札幌で開かれたインターハイ。個人フリーで6位入賞した。その時、忘れられない光景がある。同じ県内だが、他校の先生やコーチがコースの途中で『いま6位だぞ。飛ばせ』などとタイム差などを教えながら応援してくれたのだ。
 「その声が忘れられません。『いま6位』の声はすごい力になったんです。入賞はうれしかったですね。でも、やっぱりよきライバルの一人には負けてしまいましたが」
 周りから『一発屋』といわれることもある。普段の成績は60番、70番などと悪いが、本大会になると10番内に入ることが多かったからだ。それが自分の短所でもあり長所でもあると自覚している。
 「やる気がでない時があるってのがダメ。当然、成績も悪い。大学でもクロカンを続けていくので、ちょっと直さないと」

 高卒後は近畿大でクロカンを続けるが、今冬は高校時代最後の大会となる。前回のインターハイリレー4位の記録も維持したい思いは強い。しかしメンバーはぎりぎり。
 「男子は新1年生の入部はゼロ。2年2人、3年2人の4人だけ。体調を崩し1人欠ければリレーには出られないんです」
 クロカンに取り組む選手の減少が気になる。
 「中学代に取り組んだクロカン選手、ぜひ高校でも続けてほしい。中学時代に成績が悪くても、高校でグンと伸びる選手もいます」
 好きな言葉は『百聞は一見にしかず』。
 「格闘マンガで主人公が話した言葉で、気に入っているんです。クロカンも、一見とは結果ということだと思います」

2020年、オリンピックの年に手紙が届く  6月28日号
 ○…7年後に届く絵手紙―。東京が開催地候補の2020年五輪。栄村国際絵手紙タイムカプセル館(滝沢英夫館長)と栄村は4月から「未来郵便・2020年へ繋ぐ夢」をスタートしている。東京五輪実現に願いを込め、全国から絵手紙を9月まで募集。同館で保管し、7年後の五輪開会式の日に未来の自分や友人、家族などへ想いを込めた絵手紙が届く仕組みだ。14日は栄小(渡辺要範校長)児童が同館で絵手紙作り。未来へ希望を込め『全競技金メダル』『7年後の自分、元気ですか』などと描いた。

 ○…栄小児童を指導したのは山路智恵さん(31)。今春4月から月1週間余、栄村滞在し創作活動する。小学校入学式の日から一日も休まず絵手紙を描き続ける山路さんは「絵手紙に限らず、何でも続けることが大事」などと経験談を交え指導。3年の宮川康介君は野球ボールを描き、『ガンバレ!』と力強く書いた。「7年後は中学3年生。野球を続けたいから描きました。絵手紙が戻って来る日が今から楽しみ」と満面の笑み。なお未来ゆうびんの受付は9月7日まで(必着)。問合せは同館рO269(87)1920。

世代越え、同窓が集い、校歌歌う  6月28日号
 5年振り開催の十日町高校津南支部同窓会(涌井博行会長)は21日、綿屋旅館で行い、33歳から84歳の同窓生40人余が参加。久々の交流会で会話の華を咲かせた。来賓には同高同窓会本部からの桾沢恭一顧問(24年卒)、根津敬一郎同窓会長(43年卒)、上村栄市十日町高校長(47年卒)、田辺敏郎東京支部長(39年卒)が出席。約2時間の宴の最後は、高橋隆明元応援団長(52年卒)の掛け声で校歌を合唱し、母校が繋ぐ交流を締めた。

 同支部は14年前に設立し、総会兼懇親会は5回目。上村校長は「今春の卒業生には津南出身の生徒が国公立大に名古屋大を初め5人が進学した。しっかり勉強する子が多い」とあいさつ。一方、上郷出身で東京・渋谷区で「田辺国際特許事務所」を開く田辺東京支部長(67)は「東京同窓会は1400人余に案内を出すが、出席は130人ほどで、ほぼ70〜80代。働き盛りの30〜50代は少ない。一番のビジネスチャンスの時期、同じ高校卒という目線で仕事の支援もできる機会として具体策を検討している」と世代を超えた同窓の輪を呼びかけた。

国内最大のロングトレイル「スノーカントリートレイル」、8月3日オープン  6月21日号
 新潟・津南町、十日町市、湯沢町、南魚沼市、魚沼市、長野・栄村、群馬・みなまかみ町の3県7市町村で作る「一般社団法人・雪国観光圏」(井口智裕代表理事)は、自然豊かな同エリアの登山道や旧街道などを歩き、地域の暮らしや文化に触れ、自然を楽しむロングトレイル(歩く旅)事業に昨年から取り組み、いよいよ今年、本格的にルートがオープンする。コースの名称は「スノーカントリートレイル」。日本百名山の苗場山や巻機山の2千b級などの明峰や旧三国街道など古道を巡る全長約280`超のコース。ルート沿いには温泉地があり、宿泊しながら歩き回ることができる。今月27日には東京・虎ノ門で同トレイル発表会を開き、8月3日のオープンへのアピールを行う計画だ。

 雪国観光圏は5年前に設立。名称の通り、全国屈指、世界的にも稀な豪雪地域の特性を逆手に取り「県の枠を超えて観光振興を取り組む」ことを目的に立ち上げ、今回のスノーカントリートレイルのほか、雪国の伝統的な祭りを結ぶスノーカントリーフェスティバル、雪国A級グルメ、さらにカーボンオフセットなど特色ある事業に取り組んでいる。
 「スノーカントリートレイル(SCT)」は、日本最大級のロングトレイルとして注目され、「日経トレンデイ2013年注目のヒット予測ランキング」の1位で紹介されるなど、最近の登山人気と相まって大きな関心を集めている。雪国観光圏では、専門部門のSCT実行委員会を作り、ルート選定や整備、コースマップ作りを行い、昨年4回の試行ツアーを行い、今年の本格オープンに備えた。

 同実行委によると、約280`超のロングトレイルは国内最長で、苗場や巻機、越後駒ケ岳などの本格的な登山ルートから、旧街道の「清水街道」「銀の道」「松之山街道」「三国街道」などの古道も通る。ガイドツアー企画もあり、十日町・津南地域では大地の芸術祭作品めぐりができ、秘境の地・秋山郷では景観百選の「結東の石垣田」、「見倉の吊り橋」などがルートに入り、自然景観と共に地域の歴史や文化を体感できる。ルート沿いには水上温泉、銀山平温泉、駒の湯温泉、さらに松之山温泉、津南駅前温泉、秋山郷温泉、そして法師温泉、赤湯温泉など15以上の温泉地、温泉宿があり、宿泊しながらルートめぐりが楽しめる。

 同実行委員会メンバーでプランナー・藤野健さん(44、津南町)は、ルート設定で何度もコースを巡った。「山に入り、里に入り、また山に入るなどかなり変化に富んだルートで、旧街道などもあり、自分の関心が向くまま好きなコースを歩ける。特に津南地域はポイント的に面白い場所が多い。だた、それをどう結ぶかが課題。皆さんから情報を頂きたい」。さらに地域との関わりを期待する。「四国のお遍路さんのイメージです。地域の人との会話や食も楽しめ、巡ることでいろいろな出会いや情報が得られるなど、このルートに地元の関心も集まるようにしたい」と話す。27日の東京での発表会に説明者の1人で出席する。
 当日は同トレイルの発起人で、世界の山岳耐久レースに出場の田中正人氏が出演し、実行委員メンバーと共に説明する。翌28日午後3時半からは十日町クロス10「ユキマツリ」で雪国観光圏フォーラムを開き、同トレイル説明も行う計画だ。
 
【雪国観光圏】2008年に新潟・魚沼市、南魚沼市、湯沢町、十日町市、津南町、群馬・みなかみ町、長野・栄村の3県7市町村で設立。2013年に一般財団法人化。委託事業やパートナー企業・事業サポーター会員の支援で「世界でも珍しい人が住む豪雪地」の地域資源で観光を軸に地域振興に取り組む。母体の雪国観光圏推進協議会は官民、NPOなど40団体で構成する。

10代のまなざし「島田陽菜さん、上郷小6年」 家族三代、日舞を舞う  6月21日号
 和の情緒ある世界を現代に伝える、日本舞踊。その五大流派のひとつで3百年余の歴史を持つ、坂東流を地域で伝える『寿々の会』に7歳から通う。
 「振り付けの意味とかよくわからないけど、腕の動きなど見た目以上に難しいので、1回踊ると結構体が疲れちゃうかな」。
 日舞を始めた契機は、祖父の眞之さんの影響。幼い孫の手を引きいつも練習に参加。真似をして遊んでいた時、会主の坂東寿々代(本名・山田道子)さんに『やってみない』と誘われた。
 「おじいちゃんの踊りをずっと見てました。テレビでは見ない動きで、足の動きとか不思議な感じがおもしろく真似していました」。

 母の由香さんも中学まで日舞に取り組んでおり、3世代続いて和の文化を学ぶ。練習は祖父と一緒に通う。
 「体の動かし方や足さばきを間違うと、なんでうまくいかないんだよ、とつい思っちゃって落ち込みます。その分できた瞬間はサイコ―。特に友だちと踊る時、ピタッと動きが合うととても気持ちいいんです」。
 今取り組んでいる曲は『桜禿(さくらかむろ)』と『絵日傘(えひがさ)』。扇子、和傘を使い、情緒ある世界を醸し出す。一般公開している発表会は毎年末。
「不思議と発表会の時は緊張しません。あと発表会の後の打上げがすごく楽しいんです。違う学校の友だちと一緒にお風呂に入ったり、遊んだり。みんなずっと笑ってる日なんです。一番楽しいのは打上げかな」。

 実は父方の祖母も、松代で日舞『藤間流』を教える指導者。祖母の家にはたくさんの扇子や刀がある。みな踊りのための小道具だ。
 「くるくる扇子をまわすやり方とか、おばあちゃんが教えてくれました。この前は刀を一本もらって来ちゃった。教える先生でやっていることが全然違うので、踊りっておもしろい」。
 日舞は背筋を伸ばすこと、足の運び方など、佇まいの在り方を教える。そのため自然と礼儀作法が身に付く。
「あいさつとかには気を付けています。あと集中力がついたかな。パズルが好きなんだけど、いつも完成するまでずっと集中してやっちゃいます。ただ勉強には活かされてないかなぁ」。

 将来の夢はパティシエになることだが中学までは日舞を続けようと思っている。
「今年の発表会は11月10日。半年も先だけど、小学校最後の発表会。ちゃんと練習して絶対に踊りを本番で成功させたいです」。

東京電力・西大滝ダム魚道改修、魚類調査に注目  6月21日号
 発電取水ダムの放流量を増やし、河川環境の改善に取り組む東京電力・信濃川発電所(津南町三箇)の西大滝ダム(長野・飯山市)の魚道改修が完了し、アユ遡上期を向かえ、地元の漁協など河川関係者は改修効果に期待を寄せている。
 
 西大滝ダムの魚道は、昭和15年、ダム右岸に「コの字型・階段式」魚道を設置。全長188・8b、幅4・5b。昭和57年に長野県と東京電力で費用負担してさらに改修。当時の放流量は毎秒0・26dだったため、ダム下流域は「水なし川」状態となり、河川環境の悪化が懸念された。これを受け平成21年に信濃川中流域水環境改善検討委員会は「鮭などの遡上・降下が円滑に行われるために、西大滝ダムの魚道等の構造改善が必要」と提言。昨年10月から今年3月まで改良工事を実施した。
 
 魚道改良は、大型・小型魚に分離し、壁の越流部に丸みを持たせ、越流水深25a(改良前10a)と水の流れに厚みを持たせた。さらに魚道壁には底生魚類用の潜孔を設置した。ただ魚道の放流量は改良前と同じ毎秒0・26d。一方、河川環境の改善の必要から、中流域検討委員会の提言を受け、2011年9月21日から同ダム最低維持流量は毎秒20dを実施。放流は魚道へ魚を導くように7ゲートの開閉で調整している。今年4月からは新魚道の放流量0・26dは、本流放流量とは別に放流している。

 今回の魚道改修について地元の高水漁協・相澤博文組合長は「今月下旬に予定する魚類調査の結果を注目している。特にアユそ上期でもあり、下流の宮中ダムで魚道改修後、アユそ上が飛躍的に増えていると聞く。西大滝ダムでも期待している」と話している。同漁協では魚道へ誘導する川の流れの改修も要望し、魚道改修と合わせて実施。魚道のカワウ対策(テグス張り)も要望している。なお魚類調査は今月下旬から来月上旬の一定期間、アユそ上など魚類調査する予定。魚道改修前と改修後の比較に関心が集まる。

誇れる津南町が最大の魅力  6月21日号
 津南町など奥信越地域に関東圏のマスコミを招待する懇談会が増えている。昨年10月は初めて町単独で懇談会を開催。先月30日は津南町、栄村、十日町市で作る奥信越観光協議会では10社を招待。さらに今月10日に2回目となる町単独懇談会を行い、マスコミ10社と地元業者との交流会を初めて企画。一方、参加のマスコミ関係者からは「津南に素材は充分ある。あとはどう発信し、住民が観光に対し意識を高める仕組みを作るかだ」と指摘が出ている。

 3年前の上村町長就任時から、関東圏と関西圏マスコミを対象に懇談会を継続。取りまとめは首都圏などでマスコミ懇談会を35年余継続する長野デザインセンター(小島和人社長)に依頼。なぜ今、マスコミを地元に招くのか。上村町長は話す。「待つ姿勢から、打って出る姿勢への転換。地産地消だけでは生き残れない。地産外消、地産外商、外からの消費がなければ津南の自立は難しい」。さらに「今はネットで情報はいくらでも得られる。だからこそより現地にマスコミを招く機会がより重要になる。直接体験に優るものはない」とねらいを話す。

 懇談会を通し、コミュニティFMでの津南紹介、大手スポーツ紙で紹介記事が掲載されるなど反応が出ている。さらに見すえるのが2014年度に北陸新幹線開通。既存の上越と合わせふたつの大都市圏と繋がる大きな誘客チャンスだ。来訪したマスコミはどう見るか。大手旅行雑誌・旅行読売の前編集長で筑波学院大学の沓掛博光客員教授(66)は「今の観光キーワードは『楽しい』『美味しい』『居心地がいい』。この3点は住民にも当てはまる。住民が地元に誇りを持つ町は観光に魅力がある。そして積極発信がなければ、他地域にとって何もないと同じ。縄文から続く1万年の歴史を持つ町にもっと自信を持っていい」。むさしのFM番組制作の堀内元気さん(30)は「今は観光地化され過ぎていない地を求めている方が多い。奥信越は教科書にある河岸段丘や大雪がある。素材は充分、あとは面白い住民と触れ合えればリピーターが増える」。誘客のヒントがここにある。

 津南町の観光入込は町観光協会の統計によると、過去20年では平成8年の64万5千人がピーク。スキー人口激減、震災、長引く不況などが要因となり、昨年は約54万5千人と10万人余落ち込んでいる。津南の積極発信と共に、住民の観光意識の高まりをどう養成するかが問われている。

震災体験を次世代へ、91歳の栄村民が  6月21日号
 「地震が起きた時は声も出せず、柱にしがみついてた。何が起きたかわからなかったよ…」。栄村月岡に住む、91歳の市川トモヘさんの語る震災体験談に、長野市の子どもたちはじっと耳を傾けた。栄村で住宅202棟が全半壊した新潟長野県境地震から2年が過ぎ、信州大学教育学部付属長野小4年生42人は、社会科学習で県境地震をテーマに取り組んでいる。これまで震災映像や証言を集めた資料を集め、防災に関する議論を続けてきた。さらに学ぼうと「実際に被災者の話を聞こう」と20日、児童は栄村を訪問。被災住民から体験談を聞いた。

 独り暮らしの市川さん。震災経験を語るのは初めて。震災発生前に偶然トイレに起き、再び床に付こうとしていた。その直後の午前3時59分、震度7の激震。「揺れが凄くて歩けなかった。もう声も出ない。必死で近くにあった柱に捕まっているしかなかった」。独り暮らしで他に人はいない。余震は収まらずどうにもならなかった時、近所に住む齋藤政太朗さん(28)が飛び込んで来た。「ばあちゃん大丈夫か、と大声を出し来てくれたんだよ。そのあとおぶって外に連れ出してくれた。嬉しかったね」。時折まぶたを押さえる。「人の優しさを感じ、近所に若い人がいるのは大切なことだと思った。もう思い出したくない地震だけど、経験を語ることで子どもらが防災を学び、命を長らえてくれればいい」と話した。

 同授業は担任の山浦光雄教諭から、秋山小教頭の齋藤充子さん(月岡)に「子どもたちに震災を学ばせたい」と連絡が入り実現。齋藤さんの長男が政太朗さん。山浦教諭は「資料などで地震を学んだ後に被災者の体験談を聞くことで、より現実を知る学習となる。子どもたちにもよい刺激となったと思う」とねらいを話す。

 子どもたちは被災住民の言葉をしっかりとノートに書き込み、心にも刻んだ。上原佳太君は「実際に地震を体験した人の話はテレビとかとは全然違う。地震の言葉にできないほどの恐ろしさを感じました」と真剣な表情で聞き入っていた。

同窓会に若い世代も、十日町総合高でヒップホップも  6月21日号
 ○…「若い世代もどんどん同窓会に」―。十日町総合高同窓会(尾身幸雄会長)が15日、ラポート十日町で開かれ、アトラクションで20代から40代の同窓生15人が「若い人も楽しめる同窓会に」とこの日のためにダンスグループ「JS(実業・総合)ブラックオールディーズ」をつくり、ヒップホップダンスを披露した。これまで同窓会は中高者を中心に40人余りの参加だったが、今回は過去最高の126人が出席し盛り上がっていた。

 ○…同校の同窓会では昨年秋、「新世代交流委員会」を立ち上げ、20〜30代の同窓生を中心に80人余りが参集するなど盛り上がりを見せた。今回はその継続の意味も込め、ダンサーを募ってダンスを披露した。尾身同窓会長は「若い世代の参加が増え、非常によい雰囲気。世代交代もスムーズにいくはず」と期待を話していた。

ファミリーマート水工場、年内操業へ、地元雇用を要請  6月14日号
 コンビニ大手「ファミリーマート」のペットボトル飲料水事業が津南町で実現することが決まり、今年3月設立の現地法人「「クリアーウォーター津南」が町内見玉に製造工場を建設し、早ければ年内にも生産稼動する。このナチュラル・ミネラルウォーター製造事業が、国の「地域経済循環創造事業交付金」に認定され、今月7日、交付金最高限度額5千万円が決定した。近く工場の詳細設計ができ、着工する見通しで、同時に従業員募集を行い、町では「津南町からの採用を要請している」と、雇用の場として期待している。

 工場は、一部2階建て述べ3107平方b。建設場所は国道450号からニュー・グリーンピア津南に通じる秋山林道北線、太田新田集落はずれの見玉共有地と私有地約1万平方b。事業費約15億円を予定し、建物に約8億円(敷地造成含む)、ペットボトル製造設備が約7億円の計画。建設は設計・施工が加賀田組、敷地造成・外溝が地元の高橋工務所・上村建設の共同企業体JV)が担当する。

 現地法人「クリアーウォーター津南」(社長・本多利範ファミリーマート常務)は資本金1億5千万円、ファミリーマート70%、同社が九州で飲料水事業を行う現地法人の筆頭株主の酒造会社20%、九州の現地法人10%が共同出資し、出資比率からファミマの子会社。使用する水は、見玉地区の湧水の源泉をそのままペットボトルに入れる「ナチュラル・ミネラルウォーター」を製造販。5百_gで年間千2百万本、最大2千万本を出荷する計画だ。 

 見玉湧水は、上信越国立公園・小松原湿原が水源で、良質な超軟水(硬度19)。取水に対し、会社は地元にボトル1本あたり0・25円の利用料・環境保全協力金を見玉地区に支払い、年額3百万円から5百万円になる見込みだ。

 なお、津南町はファミリーマートと「地域包括連携協定」を近く結ぶ。津南で生産される農産物や加工品をファミマに提供し、系列流通に乗せる。すでに同社のネット通信サイト「ファミマ・ドットコム」で、津南醸造、フジミヤ、村山物産、JA津南町、旭商事などの農産物や加工品が取り上げられ、トップページに載っている。同協定の締結は近く津南町で行うことになっている。

写真・前方の原野が工場建設地。前方の山の上が水源の小松原湿原(津南町見玉で)

34.6億円の共生基金、「ありがたい財源」、十日町市  6月14日号
 JR東・宮中取水ダムの不正取水で十日町市に支払われた「過去の償い」補償金や水利権取り消し後、かんがい用水の必要から生じた従属発電の還元金などで創設した十日町市「環境共生基金」を活用した事業が、過去3年間で約2億6万円になっていることが6日、3年ぶりに開かれた第9回JR東日本発電取水総合対策市民協議会で明らかになった。このうち基金本体の取り崩しは約1億円だが、運用や基金で求めた国債売買で約1億6千万円の運用益を得ており、同基金が市独自の貴重財源になっていることが伺える。
 
 同基金は、補償金30億円と従属発電還元金約4億6千万円の総額34億6千万円。2010年から活用し、昨年度の基金充当は約1億8243万円(見込み)。基金活用方針に沿い、ふるさとの森復元事業や信濃川親水化整備事業、ラフティング事業など23事業に活用している。今年度は約2億円を見込み、住宅用太陽光発電システム設置補助や森林資源利活用事業、河川改修などに活用する計画だ。
 6日の協議会では、この使途について意見が出た。委員からは「基金活用に沿わない事業も見られるが、活用した事業を市民に開示すべきだ」などと、『キナーレアート作品設置事業』などの使途に疑問を述べた。

 今後の取り組みは、「市民協議会」が共生策の検証を主な協議対象にしているため、関心が集まる「水利権の期間更新」、さらに「維持流量」は『信濃川のあり方検討委員会』(会長・池田春夫十日町商議所専務・委員19人)で協議することになる。
 同あり方検討委員会は来月開かれる予定だが、この席でJR東から試験放流4年目の今期の取り組み状況などを説明する予定。年内には「5年目の試験放流案」が提示され、試験放流最終年への取り組みと共に「水利権の期間更新」、さらに「維持流量」の検討材料が出るものと見られる。

 市民協議会委員で、あり方検討委員会メンバーの中魚漁協・長谷川克一組合長は今後の論点を指摘する。「水利権の期間更新と共に維持流量を決めなくてはならない。今年の試験放流結果が、5年目に大きく影響し、期間更新の維持流量にも大きく関係する。河川法的には期間更新20年を申請できるが、申請した維持流量でいいのか、さらにそれを3年や5年間、検証する取り組みが求められる。河川環境は5年や10年で改善されるものではない」。市民協議会、あり方検討委員会での論議の深まりを促している。 

 ただ一方で、試験放流後に決める維持流量は、5年間のデータを元に決めるため、決めた維持流量の検証を、さらに求めるためには「その検証を必要とする具体的な論拠が求められる」と見られ、市民協議会、あり方検討委員会の協議姿勢が問われることになる。関口市長は「(水利権取り消し前後のような)市民の関心の高まりが必要である」と、市民協議会やあり方検討委員会の活動を通じて、市民の関心の高めていきたい方針だ。   (恩田昌美)

写真・妻有大橋わきに立つ放流量の表示板。全国注視の変動型放流に取り組む

今度は栄村から元気発信を、「百縁笑店街」に賑わい  6月14日号
 震災地、栄村の商店街にもようやく元気が出てきた。県境震災から2年が過ぎ、被災の住宅や農地、道路などは復旧したが、店舗が減少した村中央部の「森商店街」は、なかなか次の一歩が踏み出せなかった。昨年8月から国補助事業で商店街支援に入ったアドバイザーの助言で、半年前から準備した「ふれ愛まつりー百縁笑点街」を今月2日と8日開いた。同企画とタイアップした「絵手紙列車」も運行し、両日とも商店街は久々の賑わいを見せた。商店主のひとりは「震災後、なかなか一歩踏み出せなかった。これを元気が出るきっかけにしたい」と、来店者の対応に笑顔で動き回っていた。同まつりは秋にも計画し、さらに集客をめざす方針だ。

 「今回は、若手を前に出しました」。内閣府の『地域活性化伝道師』の認定を受ける藤田とし子さんは「まちとひと 感動のデザイン研究所」代表。昨年8月から被災地支援に入り、森商店街の再興に取り組む。
「これまで様々な取り組みを行い、その多くが成果が上がらず、いわゆる失敗の連鎖が続いていたのでは。その体験に追い討ちをかけたのが先の震災。商店の減少を招いた。これはかなり大きなダメージだったと思う」。商店主や後継者と徹底的に話し込み、商店街の思いを積み重ねてきた。

 『百縁笑店街』は、その集まった思いを形にする企画だ。自店商品でなくともなんでも販売して良い『笑顔が商品』だ。開催時期は「絵手紙列車」の運行日と連動し、2週続け土曜日開催に。オリジナル商品やキャラクターグッズなど多彩。中には安藤洋服店は「温泉卵」、都丸理美容室は「包丁とぎ」、松海は「特製山菜すし」など、オリジナル色たっぷりが揃った。
 さらに今回の企画では「若い人たちを前に出しました」(藤田さん)。商店の後継者に呼びかけ、同企画をツイッターやフェスブックで発信してもらった。これに応えたのが音楽仲間。上越のバンドやアカペラ合唱グループ、津南から大正琴グループがボランテイア出場するなど支援の輪が広がった。

 森駅前で衣料品店を営み、いつも笑顔のむ福島博さん(74)は、2日間さらに笑顔だった。「何かやれば人が集まる、こういうことが大事。震災で多くの支援を受け、栄村の名前が全国に流れた。今度は栄村から、元気になったよと全国に発信したい。秋にはもっと人を集めたい」。
 今回の主催、森商工振興会(加盟25店)の樋口秀孝会長(63)は「これだけの人が集まることが分かり、次のへのきっかけづくりになった。秋に向け、さらに企画内容を充実したい」と前向きだ。アドバイザーの藤田さんは話す。「雪下にんじんのようなものです。思いをじっくり熟成すると、その思いは必ずお客様や地域の人たちに伝わります。栄村の良さは、ここに暮らす人たちの思いです」。さっそく秋に向けて取り組みを始めた。   (恩田昌美)

10代のまなざし「和久井凪沙さん、津南中等4学年」「好きこそ物の…、です」  6月14日号
 『好きこそ物の上手なれ』。中学1年の時、本格的に水泳に取り組み、この言葉がだんだん自分の中に入ってきた。
 「小学1年からスイミングスクールに通っています。中学生になって選手コースに入りました」。今月2日、長岡市で開いた国体予選に出場。種目は背泳ぎ。「小学3年の時に背泳ぎが好きになり、その時からです」。
 背泳ぎといえばロンドン五輪の銀メダリスト・寺川綾選手。昨年10月、長岡市で毎年開くスプリント大会に寺川選手など五輪メダリストなど招待選手が出場した。選手寄せ書き色紙を頂いた。「宝物です。寺川選手はピッチの速さがすごいです」。憧れの選手だ。

 4月から7月までは早朝と夕方練習が週5日ほどある。朝4時半過ぎに起き、5時半からの早朝練習に行き、学校から帰宅後、夜7時から練習。一日があっという間に過ぎる。
 「第一は勉強です。水泳に行くために、まず課題を終わらせます」。水泳から帰ってから予習、復習の時間。『文武両道』を毎日こなしている。「好きですから。特に化学が好きです。実験、面白いです」。理系女子でもある。

 さらに好きなのがジャズダンス。小学1年から近所の「スタジオJ&A」に通う。今年で10年になる。「音楽に合わせて体を動かすのが、とても好きです。アップテンポの激しいリズムが好きです」。毎年11月のJ&A主催のジャズダンスフェステバルに出演。
 勉学と水泳、そしてジャズダンス。メリハリある毎日だ。水泳で体力トレーニング、ジャズダンスでリズム感、勉学で集中的に頭を使う。それぞれがリフレッシュ相乗効果を生んでいる。「楽しく、集中して取り組める時間が好きです。好きこそ物の上手なれ、になりたいです」。作家マーク・トウェインは言葉を残している。『自分はそれが好きだから、と自然なかたちで仕事をしなさい。成功はあとでついてくるから』。 

 保育園時代はパン屋さん、小学時代は小児科医、小学後半から中学にかけては気象予報士、いまは「近い目標で結果を出すことです」。水泳で、勉学で。11月にオーストラリア研修に行く。「とても楽しみです」。また一つ、語学への興味が湧いている。目の前に、無限な可能性が広がっている。
                (恩田昌美)

統合問題、外丸・中津・芦ヶ崎の校区が連携、「もっと時間かけ」  6月14日号
 小学校の統合問題が、津南町が統合を進める小学校3校区の共通課題になってきている。町教育委員会は5年前の「津南町立小中学校適正規模検討委員会答申書」に沿い、統合年度を明記した外丸小、中津小の津南小への統合に取り組んでいる。だが両校区には5年前に立ち上がった「小学校を考える会」があり、小規模校の現状や特色ある小学校作りなどを独自に模索し、地域の将来像作りと共に統合問題に取り組んでいる。一方で、同計画に統合年度の明記はないが、「検討する」とある芦ヶ崎小の校区は昨年4月、同様な「考える会」が立ち上がり、統合問題への取り組みを始めている。この3校区の代表者が先月29日、揃って町教委・桑原教育長と懇談した。3校区の共通課題になる主学校統合問題、5年前の答申の再検討を求める声もある。町教委は「校区の各集落で結論を出してほしい」と方針を伝えているが、地域からは「なぜもっと時間をかけ、地域が熟すのを待たないのか」や「特認校などの具体案を出しているが、なぜしっかり検討しないのか」など町教委の姿勢を疑問視する声もある。来週19日夜、町教委は中津小校区で説明会を開く。同小PTAと保育園保護者会は「平成27年度の統合を進めてほしい」と要望書を出しているなか、この説明会で中津小校区民からどんな意見が出るか、注目される。

 芦ヶ崎小(児童51人)校区に誕生した「芦ヶ崎小学校の将来を考える会」は、同地区の全体組織・上段地域連絡協議会の主な役員に民生委員、小学校PTA、保育園保護者会、次期総代など19人で組織。同会は「学校統合という課題に対し、単に賛成反対という立場に立つのではなく、現状の実態をよく理解して、学校と地域のあり方、この地域の歴史、今後の地域のあるべき姿などを広く考えてもらう場にしたい」が設置の目的。校区全体が共通理解を持つために『広報 津張(つばり)』(古文書にある上段台地の古称)を発行。先月末付の第2号では、小学校と保育園の保護者46人対象に実施した統合や複式学級についてのアンケート結果を掲載している。
同結果では、「児童の教育面を考えると学校都合はやむを得ない」が21人、「できることなら地域に学校を遺しておきたい」19人と拮抗している。ただ統合推進の意見には「早期の都合は望まない」との慎重論もあり、一方で「統合のメリット、デメリットを保護者や地域に示す機会を作ってほしい」など考える場を求めている。
 同小の同窓会長で同会代表の涌井九八郎さん(63)は「今年芦ヶ崎小は創立140周年を迎えている。子どもの居る家が少なくなり、子の居ない家は学校への関心が薄く、統合問題は賛成反対ではなく、地域の将来を一緒に考える場にしたい。学校や地域の歴史を知る機会にもなり、将来の上段地区を皆で考える場にしたい」と話す。外丸、中津の両校区とは、情報交換で連携していきたいとしている。

 一方、5年前から統合問題に取り組む外丸小(児童32人)校区。「外丸小学校を考える会」や同校後援会などで取り組むが今年2月、小学校・保育園の両保護者会は「平成27年度の統合を望む」と総意をまとめている。だが考える会は4年前に「存続要望」を町教委に提出しており、校区の総意は棚上げ状態。考える会は、通学校区がない『特認校』として外丸小を残すように要望。地域の保護者や住民で特認校の先進地、南魚沼市・後山小(児童16人)を視察し、平澤健一校長などから現状を聞いている。
 考える会の滝沢秀行会長(63)は「町教委に何度も特認校を見て来てほしいと言っているが見ていない。児童数の減少で不安をあおり、親たちもその不安を増幅している。すぐ近くに特認校があり、少ない児童数ながら特色ある教育に取り組み、子どもたちが楽しく笑顔で学校生活を送り、学力も上がっている良き実例がある。まず現場を見て、考えてほしい」と話す。外丸校区では、町教委から7月中に各集落の総意をまとめてほしいと求められており、こうした町教委の要請にも疑義の声がある。

 中津小(児童42人)校区は小学校・保育園の両保護者の代表連名で昨年12月、「平成27年度の統合を求める」要望書を町教委に提出している。同地区も3年前に「存続要望書」を上村町長に提出しており、、地域内の総意は同様にまだ出ていない。町教委は来週19日夜、説明会を中津小体育館で開く。同席で町教委側は8月末までに各集落の総意を出してほしいと、地域の総意を求める方針だ。
 中津小校区にも外丸小校区と同様に「考える会」に通じる『中津んしょ』組織がある。同グループは統合問題だけでなく、地域づくりグループであり、先日の小学校運動会では独自企画で地域交流の場を作った。代表の鈴木淳博さん(54)は話す。「もっと時間をかけてもいいのでは。地域の将来を皆で考えているなか、統合問題だけが先行し、賛成反対の論議になっているが、小学校を含む地域の将来、どうしたら元気が出る地域になるかを皆で考えている。学校統合だけの問題ではない」と、時間を求めている。

 小学校の統合再編を明記した答申書が出て5年が経過する。児童数の減少という避けられない現実があるが、一方で小学校・小学生を取り巻く環境も大きく変化している。5年が経過する「答申書」そのものを再検討する必要はないのか。小学校3校区で出ている住民の動きが、それを物語っている。
 加えて、上郷小(児童数43人)も同様な問題に直面するのは、時間の問題だ。3校区の連携に、上郷小の校区民も関心を寄せている。小学校区だけの問題として扱おうとする町・町教委。一方で、校区民は「これは町全体の問題」と考えている。その意味で『各集落に結論を求めるのは、余りにも拙速。もっと時間をかけ、地域が元気になる取り組みを行うべきだ』との校区民の声に、上村町政は応えるべきだろう。    (恩田昌美)

写真・校区移民総出で開いた運動会(2日)、統合問題では意見が分かれている

冬の国道405号の対策を、期成同盟会が強力要望  6月14日号
 国道405号線の整備要望を続ける秋山郷国道整備促進期成同盟会(吉野徹会長)の第37回総会は10日、萌木の里で開催。津南、栄村の両首長、村松二郎県議、両県の道路担当者ら40人余が参集し、地元住民らが一日も早い整備促進を訴えた。同会は17日に十日町地域振興局や県庁を訪問、早期改善を要望する方針だ。

 今期、新潟側では見玉や太田新田、結東などの道路拡幅工事を継続。清水川原地内スノーシェッドの40b延長工事も行う。「今冬、県内の除雪費は23億円で、うち405号線で1億8千万円。工事進捗は遅いが、この数字から管内で特に力を入れている場所だと理解してほしい」(同局地域整備部)と説明。一方、同会からは秋山郷を1日10往復繋ぐ南越後観光バスの中島照夫津南営業所長が冬の危険性を指摘。「雪崩をどけながら運行している状況。川側のガードロープも除雪のため外される。皆危険を感じながら運転している」と早期改良を訴えた。

 冬期間、秋山郷の唯一の生活道となる同線。平成18豪雪時に両県の10集落5百人余が5日間孤立したのは記憶に新しい。吉野会長は「地域の高齢化が進むなかより安全な道路が必要。落石危険箇所も多く、法面工事も同時に進める必要がある。改良要望を続けたい」と方針を話した。

写真・改良工事を進める405号(津南町結東地区で)

川を満喫、ラフティングに歓声  6月14日号
 ○…日本一の大河をボートで下り川遊びを楽しむ第4回千曲川信濃川リバーフェスティバルは9日に開催。上中級者向けの横倉‐クアハウス津南間約6`、家族連れで楽しめる同津南‐下船渡本村約5`の2コースに50人余が挑戦。ボートに揺られ激流を下るラフティングは野趣満載。夫婦で参加した十日町市千歳町の阿部行雄さん(67)は「普段は見られない下から眺める急峻な絶壁が新鮮。もっと乗れる機会が増えるといいね」と自然が作り出した芸術に感嘆。

 ○…主催の千曲川信濃川親水協議会(庚敏久代表幹事)は県内外のアウトドア関係者で作る。「川は危険と近づくのを禁止するのではなく、何が危険かを教え、川遊びを楽しむのがねらい。子どもたちに豊かな自然を知って貰いたいんです」と事務局の岡村昌幸さん(52、大割野)。今後も年1回開き、日本一の大河に親しむ活動として町内外にアピールする計画だ。

最後の難所、早期改良を、国道117灰雨スノーシェード  6月7日号
 国道117号・津南町大倉バイパス開通後、新潟―長野を結ぶ流通基幹道路の重要性が増している同国道の最後の難所になっている「灰雨スノーシェッド(洞門)」で1日、大型ダンプとツーリング中のバイクが正面衝突し、バイク運転の22歳男性が重体となる事故が発生した。危険性が指摘される場所で、また重大事故が起きた。沿線住民や通勤者からは「これ以上の犠牲者は出せない。一刻も早い解消を」と、早期改良を求める声は強く、物流や観光のメインルートでもあり、地元から強力な改良要請が必要になっている。

 洞門は27年前、現道拡幅で改良、全長322b、道幅6・5b。だが車社会の発達で実状に合わなくなり、大型貨物車やダンプなどすれ違いが困難に。一方で過去15年間に死亡事故は2件発生、2人死亡。97年には普通車が側柱に衝突し男性運転手が死亡、99年は大型ダンプと普通貨物車が衝突し男性が死亡。事故はいずれも新潟側の狭い入口付近で発生している。

 新潟側の洞門入口は、直接道路が急左カーブし、道幅が急に狭くなり洞門に入る。直線道路から洞門入口は見えず、同所では支柱に衝突する事故が何件も発生するなど危険な場所になっている。
 地元でバス運転手を40年余務める65歳男性は何度も危険な場面に出会っている。「あの入口は危険だ。知っている人は手前でスピードを落とすが、地域外の人は知らないでそのまま入り、対向車側にふくれる場合が多く、本当に危険な場所だ」。一方、タクシー運転手の62歳男性は「大型が来た時が危ない。カーブ後の入口直前で突然対向車が目に入り、慌ててハンドルを切る車をよく見かける。入口前の直線道路にもっと注意看板が必要だし、早く直してほしい」と指摘する。

 地元津南町は大倉バイパス開通後、「国道117号の最後の難所」として県に改良要望している。町議会も一昨年、昨年11月、県土木部に早期改良の要望書を提出している。

 県は昨年、約460万円の予算でバイパス化の調査を行い、今年はトンネル建設を視野に約7百万円予算で地質調査を行っている。十日町地域振興局は「危険性は認識しており、山側をバイパス化するのが現実的。大型車すれ違いは最低でも車幅6bがないと厳しい。長野県内からの改良への期待感も高い。早期着工をめざしたい」(上村康司計画調整課長)とする。重大事故をこれ以上増やさないためにも、早期改良が求められ、行政と共に政治力の出番でもある。     (石沢修一)

写真・危険性が指摘され、改良が急がれる灰雨スノーシェード(新潟入り口側)

空校舎を無償貸与、「今後のためにも指針を」  6月7日号
 閉校小学校の校舎活用が全国的な課題になっているなか、津南町の空校舎を町内の民間企業がキノコ出荷施設に使用する申し出があり、町は12日開会の6月定例議会に無償貸付契約する議案を提案する。同企業は国県の補助事業を受け障害者雇用し、シイタケ栽培する企業。公共施設の貸与は今後も発生するため、「無償貸与」への疑問もあり、議会審議が注目される。

 町の説明によると、2年前に設立の株式会社サンファーム(山田豊社長)が津南原小1階部分を借用し、町内の栽培工場で生産する「しいたけ」の商品パッキング、乾燥加工所、休憩室などに活用する計画だ。計画では、同校舎1階の理科室や音楽室、図書室など666平方bを貸与し、他の校舎部分、体育館、グラウンドは対象外。町は「傷害者雇用など福祉事業を支援したい」と無償貸し付けする方針だ。

 同社は国認可の傷害者雇用「就労継続A型事業所」で、会社と障害者が雇用契約を結んでいる。昨年8月現在の従業員33人、うち傷害者27人(津南町は9人)、健常者6人。出荷1万7280`を見込み、売上約1千2百万円を計画。傷害者雇用で国から支援給付金(月額1人最大14万円)が支援されるが、現状では1日4、5時間労働で約6万〜7万円の支給という。

 津南原校舎使用は、昨春から民間が地元説明に入り、今年3月に町担当者も加わり説明に入ったが、集落からは「他に活用策はないのか」、「堂平遺跡から出土の土器などの展示を」、「他集落が同意していないので」と疑義が出たが、4月末に上村町長らのトップ判断で無償貸し付けを決めた。

 4日の議会への事前説明では、「他の民間から、自分たちも活用策があったと言われた。今後も公共施設の貸付が出てくるが、町の貸付指針を具体的に示すべきでは」などと意見が出た。
 同社との無償賃貸契約は5年ごとの更新で、町は「経営内容をチェックし、確認したい」と民間の経営状況の推移を見ていく方針だ。

写真・しいたけ出荷所に借用願いがでている津南原小学校

究極の最高級豚肉「米豚・超ノ光ポーク」発売、つなんポーク・涌井代表  6月7日号
 東京・西麻布や代官山などのレストラン、とんかつ専門店で高級豚肉としてメニューや素材に扱われる津南町・涌井畜産(涌井好一代表)の独自ブランド「つなんポーク」に、さらに最高級品にランクされる「米豚・越ノ光ポーク」を今月中旬から直営店やネット販売を開始する。出荷前の2ヵ月間、地元産の魚沼コシヒカリを飼料で与えることで、旨味が増すと共に生活習慣病に効果があるとされる「α‐ニノリン酸」やビタミンAを豊富に含むことが専門機関の分析で明らかになっており、健康食志向のニーズに応える独自の豚肉として新たな「津南ブランド」として期待される。

 養豚に取り組み48年の涌井代表。従来のサプリなどを混合する合成飼料での育成に疑問を抱き、自然素材を主体にトウモロコシや魚かず、大豆かず、さらにヨモギや海草など独自ブレンドの飼料を開発し、「こだわりの豚肉・つなんポーク」を作り上げ、独自に直売を始め23年になる。
 涌井代表は、さらに「もっと上質で旨い豚肉を消費者に提供したい」と、3年前から『米豚』の研究に取り組む。一般的に豚は出産から出荷まで約180日。今回の米豚は、従来の独自ブレンド飼料で育て、出荷前の2ヵ月間、津南産・魚沼コシヒカリを20%配合した特別飼料を与える。従来に比べ2割ほどコスト高になるが、全国ブランドの魚沼コシヒカリを使う効果で、さらに差別化、高品質化できると取り組む。

 この米豚「越ノ光ポーク」は、すでに専門機関の成分分析を行っており、香りや旨味のオレイン酸が従来の2倍。糖尿病など生活習慣病に効果があるとされるα‐ニノリン酸も一般豚肉の2倍。一方、酸化物質として摂取量が問題視される「リノール酸」は一般豚肉より7割も少なく、「健康に良い豚肉」を証明している。
飼料の米は、生産調整による出荷外米(生産数量外)を地元農家から直接仕入れているため、米生産量の拡大にも貢献できる。
 
 このため価格は、従来のつなんオーク豚肉(100c約220円)の5割高、320円前後で販売予定。津南町内の直売店や越後湯沢駅内の直営店で販売するほか、ネット販売で全国展開する計画だ。涌井代表は「一度食べていただければ分かると思います。脂身もさっぱり感があり、豚肉の旨味が十分に味わえます。安心安全は当たり前。米どころならでわの豚肉です」と品質に自信を見せる。
この『越ノ光ポーク』と「つなんポーク」の豚たちは、日常的に全国名水100選の「竜ヶ窪の水」を常飲している。「つなんポーク」рO25・765・4721。




 

10代のまなざし「涌井夏輝くん」 いざの時、役立ちたい   6月7日号
 今まで、こんな時間に目を覚ましたことはなかった。朝5時前。不思議に目が覚めた。するとじきにゴゴーと不気味な音とともにグラグラと揺れ始めた。2年前の3月12日午前4時59分、長野新潟県境地震。窓ガラスは吹っ飛び、食器棚やタンスが倒れた。
 「びっくりしました。布団にもぐり込み、揺れが収まってから家族と一緒に公民館に避難しました。何もできなかったです。でも、自分の命は自分で守らなくっちゃと思いました」

 8人家族。県境地震当日は、十日町消防本部に勤める父は勤務で不在。祖父母は茨城県の親戚宅に行っていた。家には母と2人の妹、それに90歳になる曾祖母の4人で男は自分だけ。『家族を守らなければ』、そう思った。が、何をどうすればいいのか分からずもどかしかった。
 「こういう時、どうすればいいか知っていれば、もっと何かできたはず」

 地震を体験した思いが、ずっと気持ちの中に残っていた。そんな時に話が出た笹沢少年消防クラブ。父の進言もあり、二つ返事で入ることを決めた。外丸・三箇地区の総称でもある笹沢地区の小学1年生から中学1年生まで総勢47人が入団し、昨年4月に発足。1年が経過した。
 「ケガ人の助け方や消火器の使い方など、いろいろ勉強になっています」

 昨年の夏休みには災害を想定し、地区公民館に泊まって自分たちで食事を作り、木を材料にハシ作りなども体験。「火の用心」と声を張り上げ、地区内を巡った。また昨年末には中学生5人が心臓マッサージやAED(自動除細動器)など救急救命の講習を受講。十日町消防署管内では最年少の受講だった。
 「実際に倒れた人がいたりするとパニックになっちゃうかも知れないけど、冷静になって学んだことをやりたいです」
 今月4日に初顔合わせを行い、今年度の活動をスタート。昨年、地域の危険箇所のマップづくりも行ったことから、今年は「雪崩が起きやすい場所」「洪水になると危ない場所」などを小学生らにしっかり教えていくことも考えている。
 
 「今まで以上に防災について興味がわくようにしていきたいです。それに、いざとなった時に生かせるようなクラブにしたいです。もうひとつ。かっこいい消防クラブの制服のようなものもほしいです」
 学校では野球部。小学1年から続けている。
「部活動で体力には自身があります。大好きなワンピースのように、いざの時は活躍したいです」

県立津南中等校野球部、北信越大会で連覇  6月7日号
 春大会2連覇―。県立津南中等校の高校課程軟式野球部(庭野倖成主将、16人)が春の県大会で連続優勝した。29、30日に新潟市ハードオフエコスタジアムの北信越大会県予選(参加4校)に出場。1回戦で安塚高松之山分校を5|0で下し、決勝戦では新潟商業高を7|2で撃破。2年連続の優勝を果たした。北信越大会(参加7校)は8、9日に富山市で開催。1回戦は昨年大会で敗れた上田西高と対戦。「今度こそ勝ち、優勝をめざす」とメンバーは燃えている。

 3年前に高野連加盟の同校野球部。練習は週3回と少ないが着実に地力を伸ばし、県勢強豪校に成長。創部メンバーは昨年度卒業したが、後輩が「笑顔で楽しむ野球」の想いを引き継ぎ練習に励む。6学年(高校3)の庭野主将は「打線が繋がるようになってきた。笑って楽しむ野球で、先輩たちができなかった北信越大会で優勝をめざしたい」と意欲。県大会7打数4安打と好調の6学年・高野真宏選手は「うちは守りのチーム。抑える所は抑え、得点チャンスを逃さないようにしたい。いつでも気持ちは挑戦者です」と意気込んでいる。

震災フ復興の支援記念に小山作る、栄小学校  6月7日号
 「地震支援への感謝を形に」と、栄小(渡辺要範校長、児童77人)の校庭で築山(つきやま、人工山)を作る工事が進んでいる。2年前の県境地震で全国から寄せられた支援金の一部を活用。3日は児童が築山に通す土管に全校児童が感謝の気持ちを込めたメッセージを記入。『ほんとうにありがとう』『栄村しえんを貰った分強くなろう』など想いを綴った。土管は土に覆われたが、児童の感謝の言葉を抱いた築山はずっと同小を見守ることになる。

 同小へは県境地震後から多くの義援金が寄せられ、多数の慰問団も来訪。物心両面の支援へ感謝の気持ちを示すために「消耗品や器具などではなくずっと形に残るものを作ろう」(武田文夫教頭)と築山の建設を決めた。児童たちは赤や青などの油性ペンでメッセージを土管に記入。人気アニメのキャラクターやオリジナルイラストを描いた児童も。『たくさんの復興支えんをありがとう。今は元気です』と書き、笑顔のイラストを付けた5年の山田眞士君は「地震は怖くて大変だったけど、本当にいろんな人が来て助けてくれました。この築山をいつも見て、大人になってもありがとうの気持ちを忘れないようにします」と話した。

 計画では築山は高さ2・5b、直径12bで、芝で覆う。昨年完成した教員住宅建設時に出た土約130立方bを活用。埋めた土管は長さ12・5b、直径は90a。遊具利用に加え、冬はクロスカントリーコースの一部として使う。予算約120万円で建設。今後は児童会(山岸拓馬会長)が全校児童にアンケートをとり、築山の名前を決める方針。地域へのお披露目は9月の運動会時に行う予定だ。

写真・埋める土管に記念サインする小学生たち

統合問題ひかえ地域で交流、「中津んしょ」がじゃんけんゲーム  6月7日号
 ◎…地域を盛り上げようと、津南町の中津地区の活動グループ「中津んしょ」(鈴木淳博代表)は2日、中津小運動会の終了後、その場で「じゃんけんゲーム交流会」を開いた。ゲームに勝つと卵1パックがもらえ、3パック獲得した家族もあり「楽しいですね。こうして盛り上げてくれることは本当にありがたいです」と感謝していた。

 ◎…小学校の統合問題を契機に地域活動グループが誕生した同地区。スポーツグループや保育園、小学校PTAなど10人ほどで活動。昨年6月に音楽ライブを開き、今回はその剰余金を還元し、賞品付じゃんけんゲームを企画。鈴木代表は「地域の課題はいろいろあるが、なんといっても地域が元気にならなければ始まらない」と、地域の思いを卵に託し、「新たな活動や元気になる動きを産み出したい」と話す。

 ◎…中津小の統合問題は今月19日夜、町教育委員会主催で説明会を同小体育館で開く。町教委は「地域の方針をまとめてほしい」と8月中をメドに地域総意を求める方針。統合問題にも取り組む鈴木代表は「1会場ではなく、旧小学校単位の3会場を求めたが…。地域の総意というが、情報を共有する機会を持ちたい」と話している。

笹葉で熱湯、山の安全を祈願  6月7日号
 ○…山が呼んでいる―。苗場山(2145b)鳥甲山(2037b)佐武流山(2191b)の三山合同山開きが1日、秋山郷・小赤沢の苗場神社で行われた。地元の民宿や観光関係者ら80人余りが参集したなか見玉不動尊の池田明順住職が苗場山にちなんで稲苗を奉納、笹葉につけた熱湯を参集者にふりかけて三山の登山振興と安全を祈願した。

 ○…人気の苗場山は昨年、山頂の宿泊施設・苗場山自然体験交流センターに3200人余りが宿泊。今シーズンも前年並みの宿泊に期待している。山開きに合わせて記念登山宿泊者は18人が数えられ、「苗場山は大好きな山。残雪が多いと聞き、景観が楽しみです」と話し、さっそく山頂めざして歩き始めていた。栄村秋山郷観光協会の相沢博文会長は「無数の湿原が広がる天空の楽園・苗場山はじめ、いずれも特徴のある三山。多くの人から堪能してもらいたい」と呼びかけている。

津南町商工会、初の実態調査、事業者の本音で、活路探る  5月31日号
 メインストリートの商店街にシャッターが目立つ、家業は継続したいが後継者がいない…。中心地域の商店街はじめ地域の商工業界の衰退が大きな地域課題になっているなか、津南町商工会(橋政徳会長・会員381)は、商店や建設・建築、製造業などの会員経営者を対象に、今後の事業展開や事業への意欲などを対面式で直接聞き取る「実態調査」に取り組む。商工会事務局の職員6人を総動員し、3ヵ月余りで調査し、商工業界の実態把握を行う計画だ。同商工会では、この種の総合的な直接聞き取り調査は初めてで、「事業者の思いを整理し、課題を共有することで、次へのステップを探りたい」としている。なかなか元気が出ない商工業界の新たな「起爆材」が見つかるか、実態調査の結果と具的な活用策に期待が集まる。

 津南町商工会も他の商工会同様に会員は減少傾向にある。昭和45年の392会員が同50年418、同60年467と増加。だが同年をピークに減少し、平成10年435、20年401、今年は381。会員数の増減は、地域人口の減少、さらに高齢化率に連動し、それは地域の商工業界の「元気度」に大きく影響しているようだ。
このため町商工会は、今後とも津南町の高齢化が進み、人口減少もさらに進むと予測し、「現状を漫然と受け入れるのではなく、成長戦略など前向きな対策と事業展開が必要」と積極姿勢の必要性を会員に呼びかけ、「前向きな姿勢が地域の活性化を大きく誘引し、住み続けたい津南町づくりにつながるはず」と、今回の実態調査のねらいを示している。

 調査は、事業所規模など基礎データのほか、今後の事業計画や構想。後継者の有無、必要としている支援などと共に、事業への思いなどをじっくり聞く出す予定だ。特に「事業経営に生きがいを持っていますか」など、内面的な部分も、直接会って話すという対面調査で、その本音を掘り起こしたい方針だ。
 
 さらに調査では、「自助(自ら行う活動)」、「共助(協力して取り組む活動)」、公助(行政が行うべき活動)」についても聞く。自助では、事業者個人が取り組める事業、例えば地域の高齢者や弱者の生活支援として買い物サービス事業などへの意欲。さらに会員相互が協力して資金を生み出し、地域貢献事業に共に取り組む共助的な事業。あるいは賑わい空間の創設など行政の出番を期待し、求める事業など、「自助・共助・公助」への思いも聞き取る。

 同商工会の高橋会長は総会で「ぼんやりとした不安が、はっきりとした不安へとなってきている。地域全体が地盤沈下してきている。今後10年を考える時、今後どうなっていくのか、皆さんが何を考え、何を要望しているのか、自助、共助、公助について全職員が各小事業所を回り、以降を聞く。皆さんの思いを一つにして地域発展に取り組みたい」、と実態調査のねらいを話している。人口減少、高齢化、地域経済の地盤沈下など、マイナス要素が並ぶなか、今回の調査を通じて、地元商工業界の「本音」をつかみ、課題を共有することで、新たな元気づくり事業の創出の道を探りたい意向だ。
                 (恩田昌美)

写真・シャッターが閉まる店が増えている大割野商店街

明日へ「涌井洋子さん・助産師36年」 自然に、自然に   5月31日号
 「命の誕生」に関わり36年。今春、県立十日町病院を退職した助産師・涌井洋子さん(60)。現場の一線を退いたが、すぐに声がかかり、津南町が行う「新生児訪問」を担当、町立津南病院の婦人科臨時職も。
命を生み出し、育てる。「誰もが最初は初めて。自分だけで頑張り過ぎないことですね」。

 看護学校時代。産婦人科病棟での実習の思いは、今も憶えている。「とても楽しかったんです。赤ちゃんが生まれる、その瞬間に立ち会えるということ。命の誕生の現場です」。人のすべての始まりに立ち会える、その感動は、今も同じだ。
 看護師、助産師の国家資格取得後、十日町病院へ。当時は年間400を越える出産取り扱いがあったが、専門医院などの開業、さらに少子化で近年は半分前後。助産師歴36年間で約2千人を取り上げた。
 「教科書通りにはいかないよ、との先輩の言葉通りでした。なにごとも経験を積まないと分からないことが多いですね」。

 退職後、今春から「わくい助産院」として津南町の新生児訪問を担当。今月は6人の新生児を訪問した。津南町の年間の出生数は20年前に104人、10年前は83人、昨年は63人と減少傾向にある。
 「先日、急に暑くなりましたよね。訪問したママさんから、『泣いてしょうがないです』と連絡がありました。ちょっとしたことですが不安なんです。経験を積む人から、ひとこと言われると安心します。そんな役割ができたらと思っています」
 訪問先とは、いつも「ホットライン」でつながっている、そんな安心感を、36年の経験と共に提供している。「いまの若い方は、インターネットなどで情報はたくさん持っています。でも、1プラス1が2にならないのが子育て。経験して初めて分かることが多いです」

 産後1ヵ月の間に出産病院の検診、新生児訪問と2回の検診がある。さらに津南町では保健師による定期訪問や、妊婦の集い「ぷれママひろば」を年11回開き、助産師や栄養士、保健師などを囲み、気軽に相談できるお話会を開いている。
 「出産、そして子育てと環境は良くなってきていますが、子づくりはタイミングもありますね。不妊治療の相談も受けています。なんでも、お気軽に話しかけてください」。助産師と共に「受胎調節実地指導員」の資格を持ち、総合的な相談にのっている。

 経験からの言葉は、すとんと胸に入る。「今は、自然に、自然に、という取り組みです。薬にあまり頼らず、お尻が赤くなったら、お湯でかるく流すか、薬品がついているお尻ふきをお湯で軽くしぼり使うなど、『自然に、自然に』です」。
 不安いっぱいの新米ママさんたち。その母親たちの思いをいっぱい聞き出し、やんわりとアドバイスする。「自分ひとりで頑張らないことです。人を頼りましょうね」。出産で十分に頑張ったママさんたち。「ひとりで頑張り過ぎないでくださいね」。    (恩田昌美)

10代のまなざし「滝澤美由さん・19歳」 もっと世界を見たい
 ワーキングホリデー制度を使った1年間の海外生活を終え、先月16日、カナダ・トロントから戻った。
 「最初はほとんど英語を話せなかったのですが、今は日常会話ぐらいなら問題ありません。海外経験で人間的にも成長できました」。

 忘れられない出来事がある。トロントの語学学校に通い出した初日。ストリートカー(路面電車)で降りる駅が分からず終点まで乗車。英語も話せず、どうしたらいいか分からなかった。その時、親切に道を教えてくれたのがバスの運転手や通行人。人の優しさに触れた。
 「30分で帰れるホームスティ先まで3時間もかかりました。もう泣きながら歩きましたよ。無事に帰れたのは、あの人たちのおかげです。ただ初日にガツンとショックを受けたので、もうこれ以上の悪いことはないと、ふっ切れました」。

 半年、語学学校に通い、その後現地で働けるのが同制度の特徴。ラーメン屋、豪邸での家事手伝い、託児所でボランティア子守など経験。英会話を学ぶと共に、カナダを初め韓国、ブラジル、サウジアラビア、フランス、メキシコなど多国籍な友人ができた。今でもネット交流する。
 「向こうは英語しか通じず、自分を主張しなきゃ絶対にわかりあえません。おかげで小さな事にくよくよしなくなり、自信が付きました。ワーキングホリデーは30歳まで使え、既婚者でも利用できるオープンな制度。誰にでも自分を変えるチャンスがあるんです」。

 なぜ津南中等校卒業後、すぐ海外へ飛んだのか。高3の秋、運命を変える出会い。大割野でバス待ちをしている時、自転車で愛知から来た大学生に会った。  「地震と温泉に関する卒論を書くために来たそうですが、お金がないから自転車で来たと言っていました。その行動力に驚き、もっと話を聞きたくて自宅に招いたんです。その方は船で世界一周をしており、想像もできない世界を教えてくれました。大学進学を考えていたのですが、私も知らない世界を知るため海外に行こう、と急きょ決めたんです。認めてくれた両親に感謝しています」。

 故郷に戻った今、イチゴやシイタケ栽培など取り組むフェアリーファームで働いている。
 「意外と農業が楽しいんです。毎日違う作業で緊張感があり、今まで何気なく食べていた物を作るのに、こんなに苦労するのかと初めて知りました。みんなもっと、食べ物に感謝しなきゃ」。
 来年はニュージーランドへの語学留学を考えている。
 「成人式後かな。世界をもっと見てみたいんです。今度は自分がトロントで受けた優しさを、他の人にも伝えていきたいですね」。

災害に備え防災デジタル無線を整備、栄村   5月31日号
 県境地震後の経験を活かし、緊急時対応力アップをねらいに栄村は今年度無線設備を整備する。21日の臨時議会で村は「移動系防災無線デジタル化」で専決処分した約3億8430万円の承認を提案し全会一致で可決。降雪期を前に中継局を建設、携帯型無線機を各消防団に配布し緊急時に備える。既存のケーブルテレビ回線を使い公民館などに設置している屋外スピーカーを通した有線放送と組み合わせ活用する。

 村は国方針によりこれまで利用していたアナログ防災行政無線免許が平成28年5月に廃止されるのを受けデジタル化を検討。昨年に試験調査を行い、役場庁舎を基地局に、3中継局建設で村内の住民居住区などカバーできると確認。計画では横倉、原向地内の東部パイロット事業整備地、旧鳥甲牧場に中継局を建設。携帯型無線機27台、車載型21台、天災時など避難所に設置可能でFAX機能付の半固定型9台を購入。災害時に庁舎から各地のライブ映像を360度で確認できる高所カメラ6台を整備。設置候補地は旧東部小、北野天満温泉、秋山支所、フランセーズ悠、秋山小、箕作の西部重機格納庫。さらに天災時などで臨時FM局を立ち上げられる機材を2台購入、役場庁舎と秋山支所に置く。なお指名入札は7日行い2社が応募、日立国際電気長野営業所が落札した。

 2年前の県境地震時、大規模なケーブルテレビ回線の切断はなかったが、同回線は主に電線を通し設置しているため土砂崩れなどで切断される恐れがあり、対応を検討してきた。桑原全利総務課長は「無線機は緊急時の情報交換に役立つ。現状を映像で確認できる高所カメラと合わせ、迅速に対応できるよう備えたい」と話している。


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