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2013年03月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
きものブレイン、日本経営企業100選に  3月29日号
 十日町市のきもの総合加工「きものブレイン」(岡元松男社長、従業員237人)は2年前に「日本でいちばん大切にしたい会社大賞」審査委員会特別賞を受賞したのに続き、今月22日、経済産業省の「ダイバーシティ経営企業100選」に選ばれ表彰を受けた。
 同100選は、今年度から「高齢者や障害者などを含め、多様な人材の能力を最大限発揮させることによってイノベーションの創出、生産性向上などの成果を上げている企業」を顕彰するもので、3年間で百社程度を認定する。きものブレインは全国137社が応募した中、選定された43社の中に入った。

 同社は、従業員のうち障がい者25人を雇用。きもの業界が低迷している中にあってもきもの丸洗いなど「きものアフターケア」の事業化、さらにシルクやウールなどの水洗いを可能にする「超撥水ドリームケア」や「未来染色システム」など革新的な経営手腕で業績を伸ばし、平成18年にはベトナムで直営の縫製工場を稼働しているほか、中国・上海にも事業展開するなど海外事業にも力を入れている。今年4月からは新たに水で洗える絹の長襦袢やきものを全国450店舗で販売、年間5千反の販売実績をあげるなど事業全体で年商は22億円に上っている。
 受賞理由では「女性の幹部登用や障がい者雇用、会社全体で新たな価値の創造を積極的に行っている」と高く評価された。
     ○
 8人の新入社員を採用したきものブレインは28日、入社式を行った。震災地支援をと仙台市と会津若松市出身者2人も採用。新入社員たちは「難しい問題にも取り組み、社会人として成長していきたい」と決意を新たにしていた。
 岡元社長は「15年間、継続して新入社員を採用し毎年1%以上の成長をめざしている。今年5月からはタブレット電子カタログにも取り組み、新たな成長に結び付けたい。共に雪深い地方から中央に通じる企業を作って行こう」と呼びかけた。

マンモス歯化石、津南町文化財へ  3月29日号
 津南町文化財審議委員会(中沢幸男委員長、5人)は19日、新たな町文化財に「古型マンモス類臼歯化石」と「吉祥寺の鰐口」を認定。町指定文化財は25点となる。

 マンモス臼歯化石は約115万年前で、津南町見玉で昭和41年に当時の中津中学校生3人が発見。その後津南高校で保管。野尻湖ナウマンゾウ博物館の近藤洋一学芸員が調査。一部破損はあるが保存は良く、『日本における古型マンモスの中で本標本ほど保存のよい下顎第1大臼歯の標本は極めて稀』と高評価する。なおマンモスの化石は町なじょもん館で展示中だ。

 一方、「鰐口」は仏堂などの正面軒下に吊り下げる金属製の仏具。町内寺石の八幡山吉祥寺(島田哲宏住職)の青銅製鰐口は裏山の薬師堂に飾られていた物。銘文に『昔寺石村の大巻林に薬師堂があった。雪害で堂が倒壊し本尊の薬師様と鰐口は吉祥寺に移した』と記載。製作は約6百年前の室町時代の応永5年(1398年)。昭和56年の県調査では県内4番目に古い鰐口とされ、希少価値は高い。
 中沢委員長は「マンモスの化石は出土例が少なく、津南の地層の歴史を知る解明する手がかりとなる。吉祥寺の鰐口は由来などまだ不明瞭な点はあるが、群馬新田氏の越後進出に関わりがあるとみられる。今後の研究が待たれる」と話した。

2013地域課題を探る「看護師確保への取り組み」 津南町は全国トップの奨学金12万円を  3月22日号
 医師、看護師など医療スタッフの充足状況は『西高東低』という。人口10万人あたりの医師数や病院規模による看護師の充足状態は、西日本が比較的満たされており、東日本は「慢性的な人材不足」。十日町・津南地域も深刻だ。3年後の平成27年度に一部開業する新十日町病院も、医師や医療技師など医療スタッフ確保が大きな課題だ。町立津南病院は、看護師確保に重点的に取り組み、昨年4月の新採用は4人、今期も継続募集している。そのアピールとして「全国トップレベル」といわれる看護師奨学金(月額12万円)を整える。高齢化、人口減少する地域で、医療スタッフ、特に看護師確保の現状を見る。

 今月9日、新潟県主催で看護師など医療職希望者を対象にした就職ガイダンスを新潟市で開いた。公立や民など60余りの医療機関が説明ブースを開き、町立津南病院も参加。樋口弘子・総看護師長、石澤憲一郎事務長らが訪れる学生らに対応した。
 この日、看護師資格を持つ女性2人が訪れた。町立という公立病院に関心を示した。1人はJICA希望で公立病院勤務をステップに外国での医療支援活動が希望で、いずれもその後連絡はない。今月27日にも新潟市で民間主催(マイナビ)の看護師職ガイダンスが開かれる。樋口総師長らが出向き、対応する。
 
 町立津南病院は、一般病棟62床、療養病棟52床。現在、看護師50人が勤務。50歳以上が半数を占め、今後の人材確保が大きな課題だ。昨年4月、4人の看護師を確保したが今期4月採用は今のところゼロだ。
 看護師確保は、毎年さまざまな媒体に求人情報を出す。学生や社会人の多くが求人検索する「マイナビ」にも掲載する。さらに医師や看護師など医療スタッフを専門的に斡旋する民間会社にも依頼し、看護師募集に取り組むなど看護師確保に取り組むが、決め手に欠いている。

 一方、津南町は2年前、全国トップクラスの看護師奨学金制度を設けた。町が月額7万円、ニュー・グリーンピア津南を経営する津南高原開発に出資し、東京で福祉施設多数を運営する「光善会」が月額5万円を支援し、合計月額12万円の奨学金で看護師養成を支援する。これまでに3人が受給し、年度途中でも申請できる。資格取得後、町立津南病院に奨学金受給期間と同年数勤務すると返済免除される。
 「月額12万円は全国トップクラス。ただ若い人たちは勉強の場を求め、臨床数が多い都市部の病院勤務を望む。これは向学心からも当然のことだが、地域医療の中でも研修・勉強は充分できる体制にある」と石澤憲一郎事務長は話す。同病院は東京慈恵医大から医師派遣を受け、同病院との連携で看護師研修などを充実している。

 一方、現場の看護師の就労環境の整備も課題だ。同病院の樋口弘子・総看護師長(57)は、子育て世代の課題を上げる。「20代、30代の看護師は子育て世代。院内保育所という考え方もありますが、子どもの事を最優先に考えると、やはり保育園で友だちとの関わりが大切。朝7時半からの早朝保育や夕方午後6時半か7時までの居残り保育などの充実が必要では」と話す。  
 
 さらに、若い看護師の研修の場として「新潟県看護協会が主体となり、どこの医療機関に勤務しても同レベルの研修メニューを作っており、現場教育の新人看護師研修システムができています」と、公益社団法人・新潟県看護協会の研修プログラムの有効性を話す。
 樋口総看護師長はさらに、中高校生の職場体験の機会が重要という。「毎年、中学・高校生が15人前後、職場体験に来ます。この場が私たちのアピールの場です。意欲的な子たちが多く、看護師をめざす強い思いを感じます」と、潜在的な人材育成の必要性を強調している。

写真・医療機関は住民の命の拠り所。看護師確保が大きな課題だ(町立津南病院で)

津南で初めて信濃川にサケ稚魚放流、新潟水辺の会と町が共催で 3月22日号
 JR東・宮中取水ダムの不正取水で水利権取り消し後、5年間の暫定水利権を取得し今年4年目の試験放流に入っている信濃川中流域。同ダムの魚道を改良し4月1日から全国初となる「変動型放流(自然流況型放流)」の実施を前に17日、NPО新潟水辺の会(共同代表・大熊孝新潟大名誉教授)が中心になり、宮中ダム下流と津南町の中津川合流地点でサケの稚魚合わせて5万尾を放流、4年後の回帰に大きな期待をかけた。大熊代表は「信濃川の河川環境改善で、サケ回帰に大きな期待が寄せられる」と今後も稚ザケの放流活動を続けていく方針だ。

 津南町エリアで初めての放流となった「鮭稚魚の町民環境放流」は、信濃川右岸の中津川合流付近で津南町教育委員会と共催で実施。放流付近は明治期から信濃川に木の枝などを編んで両岸につなげサケ漁を行っていた歴史がある岨滝の近く。当日は住民ら60人余りが参集、体長5a、1・3cほどの稚魚を放流した。参加した芦ヶ崎小1年の石田彩夏さんは「大きくなって戻ってきてねー」と呼びかけ、一般参加した小木曽茂子さんは「いっぱい戻ってきてほしいですね。4年後が楽しみです」と期待。桑原正教育長は「町内では初めての放流で回帰への期待が高まっている。小学校でサケの稚魚育成に取り組むなどして更に関心を高めていきたい」と話している。

 一方、JR東日本宮中ダム下流ではJR東の共催でサケの稚魚3万匹を放流した。地元児童や親子連れなど230人余が参集し信濃川に放流した。この日、学校で稚魚を育てた田沢小4年生35人も参加し一緒に放流。児童のひとり、樋熊瑞希さんは「サケが戻る4年後はもう中学生。ちゃんと戻って来て、再会しようね」と稚魚を感慨深そうに見送った。この日は昨年設置された魚道観察室も開放し、大勢で賑った。
 なお、水辺の会では今期、西大滝ダムや上田市など長野県内の千曲川などを含め約19万匹を放流、「多くのサケが遡上する信濃川・千曲川」にしていく方針だ。

写真・地域の子達も参加しサケ稚魚を放流(17日、津南町・信濃川と中津川合流付近)

10代のまなざし「齊藤朋子さん・十日町市・18歳」 医師をめざす  3月22日号
 初めて手術に立ち会ったのは中学3年の時。知人の紹介で外科手術の現場に入った。何人もの医師、忙しく動く看護師、約4時間、間近で医療の最前線、手術の現場を見た。人体の内部が、目の前にあった。
 「怖いより、興味が上回っていました。もっと、見て居たかったのですが、先生がもういいよと気を使ってくれました」。この経験が進路を決定づけた。漠然と希望していた医師への道が、確信に変わった。
 
 2期生で入学した県立津南中等教育学校。草創期の同校に入り、体育祭も文化祭も2期生の入学を機に始まった。生徒会執行部で4学年まで活動。誕生まもない津南中等の基礎づくりに仲間たちと取り組んだ。
 3学年(中学3年)の職場体験は、ずっと抱いていた医療現場、それも命の誕生の現場を選んだ。十日町市の高木医院で出産現場に立ち会う。
 「出産するお母さんも家族の皆さんも、みな不安そうな顔をしていたのが、赤ちゃんの誕生で、皆さんがいっきに笑顔に変わります、とても感動的でした」。産婦人科医になりたい、そう強く思った瞬間だった。

 医師への伏線は、小学1年の時。磯鶏ヘルニアの手術を長岡日赤で受けた。不安いっぱいのなか、担当医の優しさと言葉かけに、不安がなくなったことを、いまも鮮明に覚えている。『自分も、先生みたいに』とあこがれた。母親が読み聞かせてくれた「ドリトル先生」の思いにも通じた。
 医療現場で不足する産婦人科医。『同じ女性として、女性の気持ちを支える力になりたい』。あの命の誕生のシーンが、医師をめざす原点になる。

 「先端医療技術の習得は当然としても、育ててくれた地元で地域医療を支えられる一人になれたらと思います」
 就学前から日本舞踊、ピアノを習い、小学ではクロスカントリースキー、津南中等校では陸上と駅伝。『身体には自信があります』。3学年で日中友好「少年少女の翼」の派遣に選ばれ、ホストファミリーで受け入れた留学生のカナダにも行き、研修旅行でオーストラリアでホームスティも経験。村上春樹の世界に魅かれる18歳。
 6年後が国家試験、2年間の研修医後の8年先の世界は、まだ想像できない。『人が持つ人の心も好きですが、人体としての人も好きです』。東京女子医科大にも合格したが、地元志向で新潟大医学部に進む。来月5日が入学式。医師への第一歩を踏み出す。
 

初の医学部進学者、津南中等校で2期生卒業  3月22日号
 開校8年の県立津南中等教育学校で15日、2期生53人が卒業した。『夢の実現』を開学の理念に掲げる同校は、国公立大への進学率5割をめざすなか、今期の卒業生の進学先は他分野に渡り、進路選択の幅が広がっている。同校初の医学部進学者をはじめ外国語学部や美大、さらに防衛大、県立看護大などの合格者を出すなど、6年間の一貫教育の中で、学生が進路選択にじっくり取り組んでいる成果が表れている。

 開校時から「国公立大への進学率5割をめざす」を掲げ、昨年の1期生は約2割が国公立大に進学し、東京大、京大など旧帝大系の大学進学者を出している。2期生では筑波大、北海道大、大阪大、東北大などかつての国立一期系から新潟大、秋田大、埼玉大、上越教育大、県立大などのほか、看護師養成の新潟県立看護大への進学も見られる。

 一方、私立では昨年は早稲田、慶応など難関私立大への進学者が見られた。今期も中央、明治、津田塾、東京理科大などの合格者が出ている。さらに女子美術大、東京工芸大、長岡造形大、京都造形美術大など美大系が増えている。同校では初めての防衛大学校の合格者が出ている。

 卒業式で吉原満校長はアメリカ大統領・ケネディの言葉を引用し、「自分を高めてくれる機会は偶然やってくるのではない。目の前にある出会いを充分生かせるためにも、自分を磨くことが大切」と話し、『時代は新しいリーダーを求めている』と卒業生に呼びかけ、新たな門出に、人生の先輩としての言葉を贈った。なお、9期生を迎える入学式は来月5日行われる。
 

世界をめざす「佐藤姉妹」を支援する後援会誕生  3月22日号
 世界に挑戦している津南町のスノーボーダー姉妹、佐藤夏生、亜耶の両選手を支援する後援会の設立を記念し20日、津南町文化センターホールで両選手を囲む集いが開かれた。姉妹の活躍するDVDが上映され、夏生選手は「最高基準の大会で結果を出したい」、亜耶選手は「ソチ五輪の次、ピヨンチャン(韓国)五輪をめざしたい」と共に世界に挑戦する決意を語り、集まった百人余から大きな拍手を受けた。

 佐藤夏生選手(19)は津南中卒後、カナダ留学し、地元の公立高校卒後、本格的な選手活動に取り組み、今後もカナダを主体に活動する。種目は来年のロシア・ソチ五輪から正式種目になる「スロープ・スタイル」に取り組み、日本のプロ登録も済み、1年後の日本代表をめざす。妹の亜耶選手(17)は県立津南中等校5学年。今月の世界ジュニアに出場し5位入賞。来年のソチ五輪は大学進学と重なるため、次の韓国・ピヨンチャン五輪を目標に夏生選手同様、世界に挑戦する。種目は激戦のハーフ・パイプ。今回の世界ジュニア出場で日本ナショナルチーム入りし、有望選手になっている。

 設立した「佐藤夏生・亜耶後援会」の会長には、日本スキー連盟(SAJ)事業委員会・副委員長でSAJスノーボード指導員の橋一美氏(44、津南町鹿渡出身)が就いた。SAJ本部役員で元ナショナルチーム所属の国内スノーボード選手のさきがけ。高橋会長は「2人が活動しやすく、アットホームな後援会活動をしたい。2年間在籍したナショナルチームの経験を生かしたい。皆さん、佐藤姉妹と共に世界をめざしましょう」と参加者に呼びかけた。高橋会長によるとソチ五輪選手選考は「大会直前の来年1月頃になり、多くの選手にチャンスがある」という本部方針という。

 カナダでの練習の様子や国内大会の様子など、ダイナミックな滑走のDVD上映を受け、挨拶に立った夏生選手は、カナダ留学への思いやコーチとの出会いなどを述べ、「ソチ五輪からスロープスタイルが正式種目となることを知り、オリンピック出場を強く思うようになった。その最高基準の大会で、育ててくれた津南の代表として結果を出したい」と決意を語った。亜耶選手は、在校する津南中等が掲げる『夢の実現』に魅かれ進学し、学業との両立に挑戦している思いなどを述べ、「友達や先生のご支援のおかげです。街で声をかけてくれる方々もいて、自分がその立場にいることを実感するようになりました。地域の皆さんの声援に応えたいです」と世界に挑戦する思いを語った。

 同後援会は年会費個人千円(一口)、法人会員5千円(同)。事務局は津南町卯ノ木、ボードショップ「ヴィルプ」板場ななえ事務局長、025・765・2433)、後援会ホームページ「佐藤夏生・亜耶後援会」も開設している。

写真・佐藤姉妹(中央)を囲む集いが開かれた

セブンイレブン移動販売車、新潟県初で松代・松之山へ  3月22日号
 「ありがたいのう。助かりますて」―。山間集落が多い松代、松之山地域の買い物弱者を支援しようと大手コンビニのセブン―イレブン・ジャパンは、15日から県内では初めてとなる移動販売車「セブンあんしんお届け便」を中越松代店でスタート。山あいに暮らす高齢者らの買い物客から喜ばれている。

 冷蔵・冷凍設備も備えた軽トラックには弁当やおにぎり、惣菜など食料品を中心に150種類ほどを積み、月〜金曜日の昼間、1日3ヵ所ほどを回っている。松代・蒲生地区では正午過ぎに到着するとさっそく買い物客が訪れた。同地区で独り暮らしという関谷スミさん(79)は「近くに店はないし、年をとって買い物に出ることもできないので本当に助かりますて」と喜んでいた。

 同店オーナーの宮入正吉さん(62)は「東日本大震災で活躍する移動販売車見たのがきっかけ。山奥の集落が多いこの地域で移動販売をしたいと考えた。赤字覚悟で支援していきたい」と話している。なお、セブンイレブンの移動販売車は今回で全国1道15県、34台目という。

津南の名物レース「地面出し競走」、2bの雪を掘る  3月22日号
 ○…2b余の雪原を掘り出し、豪雪地ならではの第2回「TSUNAN豪雪地面出し競争」は20日に津南中グラウンドで開催。4人から6人でチームを組み、スコップやスノーダンプで地面が出るまでのタイムを競う同ゲームの人気は高まり、昨年倍の20チームが出場。7歳の小学生から53歳の男女104人出場。「きついー」などと喚声を上げ、人がすっぽり入るほどの雪原に穴をあける雪国名物レースを楽しんだ。

 ○…豪雪地津南PR、町民の健康作り、グラウンドの消雪を早める効果と1石3鳥を狙う同イベント。昨年からNPO法人Tap(尾池三佐子理事長)が企画。直径1b余の円形台の黒い地面が出るまで掘り、審判に土を届けるまでが勝負。今回の積雪は2b10a。優勝は近所の飲み仲間5人で結成した『遊友会』が8分27秒で優勝。メンバーの山本拡一さん(38、正面)は「酒の勢いで参加を決め、優勝を狙っていた。真下に掘るので普段の雪堀りと全然違って新鮮。チャンピオンとして来年も出るよ」とトップチームに贈られる金のスコップを笑顔で掲げた。同競争の動画はユーチューブで公開予定。第1回映像は閲覧できる。
 大会結果◆一般@遊友会AメッツB津南町テニス協会◆ファミリー@大道LOVEチームB・12分14秒A同ABチームISHIDA。

秋山郷で2年ぶりの卒業生、秋山小で2人  3月22日号
 ○…大自然に囲まれた秋山郷から、2人の卒業生が未来に向け歩き出した。秋山小(鷲森茂治校長、児童6人)卒業式は19日に開催。同小の卒業生は2年振り。2年間最上級生としてリーダーシップを取った福原大輝くん、福原涼斗くんが栄中の制服に身を包み、6年間通い慣れた学び舎に別れを継げた。鷲森校長は校章に使われているナナカマドの樹を例に「燃えない樹だが、木炭にすれば最高品質となる樹。火のように辛いことがあってもナナカマドように頑張り、自分の精神を高め良い炭になるよう願う」と激励した。
 
 ○…創立54年の同小。今期は6年2人、5年1人、4年1人、3年1人の計6人。来期新入生はなく、児童は4人に。少人数の学校を支えるのは地域。創立時から秋山地区120世帯余が全員PTAとなりサポート体制を取り、合同運動会など企画し盛り上げる。涼斗くんの祖父で3人の孫全員が同小卒業生となった福原順作さん(72、小赤沢)。「少子化が進み地域も寂しくなったが、将来1人でも人が戻ってくれれば嬉しい。秋山地区は昔から子を皆で守ってきた。子どもは大事な宝だ」と感慨深そうに話した。

これこそ絶景、氷山から河岸段丘を一望  3月22日号
 ○…津南を箱庭のように見渡せる、隠れた絶景スポットになっている津南町外丸地区の氷山(標高674b)に登る「春よ恋in氷山ツアー」が16日、同地区の青年ら7人によって行われた。山頂付近からは奥志賀のスキー場や谷川岳、越後三山、守門岳などの山々が手に取るように眺められ、参加者たちは「好天にも恵まれ最高の眺望」と大喜びだった。

 ○…雪の上を長靴で歩ける「しみわたり」の時期を迎え、春山を楽しもうと企画。当日朝に仲間らに呼びかけ即断で実施した。好天に恵まれ、2時間ほどかけて山頂付近に到着。目の前には飯山方面や群馬、南魚沼、魚沼地方の山々がパノラマのように広がり、眼下には信濃川や中津川、河岸段丘がくっきりと見えた。参加した福原重吉さんは「津南一眺望がよい場所では。絶景とはこのことでしょう」と感動していた。

写真・標高674bの氷山からの眺望(手前が信濃川、前方が中津川上流、正面は大割野地区)

生徒製作の「ゆとっと」も卒業生送る、松之山中学
 ○…「私を誕生させてくれてありがとう。共に頑張って行こうね」。18人の卒業生がアイデアを出し合って制作したゆるキャラ「ゆとっと」に見送られて学び舎を巣立った―。松之山中(山本修校長)で8日、卒業式が行われ、3年生が地域の活性化をめざし総合学習などで取り組み誕生させたゆるキャラ・ゆとっとも卒業を祝った。

 ○…ゆとっとは、地域の象徴的な鳥でもあるアカショウビンを母体に、翼と蝶ネクタイは美人林のブナの葉、温泉マークも入れ松之山温泉をアピール、頭にはシラネアオイの花をイメージするなど生徒たちがデザイン。名称は、松之山温泉の湯と鳥を表す方言「とっと」から名付けた。制作に当たっては費用の募金活動も行い、72万円余りを集め、身長2b近い着ぐるみを完成させた。

 ○…卒業式で南雲小夜花さんは「地域を活性化させ地域に恩返ししたいと制作しました。ゆとっとに託した私たちの夢が、地域全体の夢になってほしいです」と答辞を読んだ。同校後援会の久保田雄司会長は「すてきなユニットができた。今後、ゆとっとを役立てていくことが私たちの責務」と活用の意向を述べ、山本校長は「ゆとっとの完成は、一生懸命さの大きな成果。ゆとっとが松之山を元気にしてくれることでしょう」と期待を話していた。ゆとっとは同地区の公認キャラとして地域のPR活動に使われる計画だ。

写真・卒業生製作の「ゆとっと」に送られる3年生(8日、松之山中学)

2013地域課題を探る「十日町市議選を展望」 定数削減でハードル上がる、厳しい郡部  3月15日号
 任期満了に伴う十日町市議選は来月14日告示、21日投開票で行う。今回、定数4人削減、26議席で行う。これまでに現職6人(1人死去)が今期での退任を決め、再出馬の現職は24人。一方、新人5人が出馬を決め、現状では3人超過の選挙戦が予想される。今改選では40代、50代の中堅層の新人が顔を揃え、現職の地盤に挑んでいる。同市議選は市町村合併後、2度目となり、新市の中央部と旧郡部にいまだ格差があるなか、改選で旧郡部代表の減少が懸念されている。「定数削減は結局、周辺部の住民代表の削減につながる。全市1区というが、人口集中度の違いは大きい。住民代表の格差が、行政事業の差に出ては困る」と、郡部の住民から聞こえる。

 市議選は、すでに終盤の様相だ。同時選の市長選が「無投票」ムードが漂うなか、市民の関心は市議選に集まっている。特に今回、多彩な新人の顔ぶれもその要因。40歳になったばかりの女性は「働く女性、子育て世代の女性の声を市政に届けたい」と女性代表を明確に打ち出し、40代の男性は「若者の声が市政に反映されていない。市政への関心をもっと高めたい」と意欲的だ。

 一方で、定数削減で住民の声が届きにくくなると不安視する旧郡部住民の声が聞こえる。松之山の50代の農業・男性。「今回は松之山はこれまでと同じ顔ぶれだが、市議会全体の中で郡部代表が少なくなり、結果的に中心部主導の市政にならないか心配だ」。同じ思いは中里地域からも聞こえる。40代の女性は、地元代表の減少に不安を抱く。「中里は現職の引退で議員が少なくなる。住民の声が行政に届きにくくなるのでは。市政の公平さが大丈夫か不安です」と話す。

 さらに不安が広がるのが川西地域。現職1人が引退し後継新人が出馬を決めているが、全市1区とはいえ「激戦区」だ。同地区は現職4人、新人1人が出馬。全市で3人超過だが、旧市の議員は、これまでの市議選の地盤があり基礎票を抱える。一方、郡部の候補は合併後、従来以上の得票が求められるだけに、今回の定数削減は「さらにハードルが高くなった」状態だ。

 再出馬する旧郡部の現職は、削減に反対だった。「合併効果は確かに感じる部分があるが、住民レベルで見る時、その代表である議員が少なくなるのは、やはり不安がある。我々の議員活動がさらに重要になるが、数の世界の議会では、やはり相応の議員数が必要。郡部は基礎票が少ない。削減でハードルがさらに高くなった」と、『逆の合併効果』を感じている。

写真・来月改選を迎える十日町市議会。最後の定例会を開会中(13日、パノラマ写真)

「ごはん」が新会社、名古屋で和食店を、東京店も  3月15日号
 米の有機栽培や餅など農産加工の独自ブランド「ごはん」を確立し、国内外で「ごはん産・魚沼こしひかり」で差別化販売に成功している津南町の「株式会社ごはん」は、今年6月までに名古屋に本社があり和食店を多店舗展開する会社と新会社を作り、米や野菜などを加工直売する飲食店を直営する事業に乗り出すことが明らかになった。新会社は4月に設立し、名古屋市内に新会社直営の1号店を開業する計画。すでに名鉄・名古屋駅の駅ナカ店を確保するなど、直営店展開により消費者動向を直接リサーチし、同社の事業拡大に結び付けたい計画だ。
 
 設立する新会社は、名古屋市に本社がある和食ダイニングを多店舗展開する「genge(ゲンゲ)」の松井敬道社長とごはん・大島知美社長の交友から実現。両社長の個人出資で設立する新会社は、農水省が事業化する「農林漁業成長産業ファンド」を活用し、資金援助を受け事業展開をはかる。筆頭株主・社長には大島社長が就き、本社は津南町の「ごはん」内に置く計画だ。

 新会社は、名古屋エリアの特産おにぎり「牛まぶし」や「ひつまぶし」などを看板商品に、一般おにぎり、煮物など惣菜にも取り組み、1号店を6月にオープンさせる計画だ。新会社で取り扱う食材は、ごはんや津南地域から調達し、パートナーのgenge(ゲンゲ)系列店で製造し、開設する直営店で販売する計画。1年後に2号店を東京・日本橋に開店する計画だ。

 新会社設立による新たな事業展開について大島社長は、「ゲンゲの調理ノウハウとごはんの良質な食材で、おにぎり市場に参入する。直営店はごはんのアンテナショップ的な要素を持つ。これまで米や加工品を委託販売してきたが、直営店を持つことで消費者や来店者など消費者リサーチができる。同時に、生産から販売までの安定的で計画的な生産販売に取り組める」と、新会社による新たな事業展開のねらいを話す。

 名古屋な中京エリアの特産にもなっている「おにぎり・牛まぶし」は、松坂牛との連携を進めており、魚沼米ブランドの「ごはん」と牛肉ブランドの松坂の連携で、新たな商品価値の創出にも取り組む。さらに惣菜部門では津南産野菜などを使い、煮物など加工品に取り組みゲンゲが持つ創作料理などとのコラボで、新たな惣菜分野の開拓も視野に入れている。直営店で使う米は「津南認証米」レベルの高品質米を使う方針で、ごはんの新規事業展開は「津南ブランド」の知名度アップにも通じるため、期待が寄せられる。

写真・有機栽培など独自販路を模索する大島知実社長(同社会社案内より)

名古屋芸大・中澤英明教授(津南出身)、「絵の声を聞きながら」  3月15日号
 津南出身で名古屋芸大教授の中澤英明氏(57)を含む国内外を代表する8人の作品展「アーティスト・ファイル2013」が来月1日まで東京・六本木の国立新美術館で開かれている。今月2日には中澤氏のトークが行われ、美大生や美術関係者、さらに出身の津南の同級生も参加。津南での小学時代の思い出や作品作りへの思いなどを語った。

 1955年生まれの中澤氏。十日町高から東京芸大、同大学院卒後、名古屋芸大の洋画科教授。「子供の顔」シリーズが知られ今回36点を出品。「子供の顔ーおっさま」や「子供の顔ー大福餅」、「子供の顔ーびっくりウサギ」など思わず引き込まれる作品タイトル。見つめる子どもの顔、顔。雰囲気ある作品が並ぶ。小学時代の原体験が、今の作風に色濃く反映している。
 
 小学2年の時。「国語の自習の時間があり、問題は『冬の間、クマは何をしているか』だった。ちょっと障がいを持つ隣りの席の彼の答えを見て、僕はびっくりした。答えは『冬眠、眠っている』ですよね。でも彼の答えは『スヤスヤ眠っている』と書いてあったんです。これにはびっくりした」。

 中澤氏が描き始めた対象は、障がいを持つ子たちだった。「普通の子と分けることに違和感があった。それは小学校時代の原体験があると思う。小学4年か5年の頃だった。今で言う特殊学級が設けられ、それまで僕たちと一緒に勉強していた彼らが別の教室に移った。これは僕にとってショックな出来事だった」。

 絵を描く時、過去の記憶の何気ない日常が出てくることが多いです。「子供の顔」の後についているタイトルが、その記憶という。
「絵のモデルはいません。下絵はいっさい描かず、絵が教えてくれるままに手が動く。一所懸命に描いた絵はよくない、時間を気にして描いた絵もよくない。先がどうなるか分からない、どんな絵になるか分からない、絵の声を聞きながら描く、行き当たりばったりに描く、そんな絵が面白い絵になる」。

 さらに「何を描いたかより、絵の具など画材が、その物質が魂を持つかどうか。見た人に語りかけてくる、それが描くより大事。それは絵描きの精神性だったり、描く時の緊張感だったりする。描くことに没頭していると透明人間になる。そういう絵は、見る人を同じような状態に持っていってくれる」。中学生の頃、墨絵で雪景色を描いたことがある。「あれはもう一度、描いてもいいかな。雪景色は深みに憂いがある」。中澤氏が描く雪景色、どんな雪国の世界観を描くのか。

 中澤氏の人間らしさを感じさせる話しもあった。「僕は27歳の結婚の時に誓った。『有名にならない、偉くならない、大金持ちにならない』と。それは、自分の弱さを知っているから。地位やお金がつくと、自分が変わっていくのが分かるから」。描く子たちの雰囲気そのままに、淡々と、核心を語った。

写真・絵について語る中澤英明氏(2日、国立新美術館で)

10代のまなざし「山本佳奈さん」声優をめざし  3月15日号
後で入稿

安全祈願し、住民で大しめ縄を  3月15日号
 ○…巨大しめ縄が完成―。津南町鹿渡(46世帯)、鹿渡新田(12世帯)両地区の住民20人余が三箇校舎に集い10日、鎮守の松尾社に供えるしめ縄作りに挑戦。直径35a、長さ2b半余の巨大しめ縄を2時間余かけ製作した。

 ○…松尾社は33年に一度、御開帳神事を行う。前回の平成8年に合わせ、大しめ縄を初めて神社に飾った。だが風雨のため老朽化、作り直しが必要に。「この契機に若い人にも集落の行事を伝えたい」と氏子代表の恩田卓茂さん(74)が住民に声をかけ、20代から70代の幅広い世代が集まった。参加最年少の根津利之さん(28)は「ワラに触れる機会はなく新鮮。昔の人の技術は凄いですね」と感嘆。

 ○…しめ縄作り指導は津南わら工芸部や県認定の「なりわいの匠」ら4人。地元内外の大しめ縄作りに取り組んでいる同匠の十日町市如来寺の井之川勝一さん(72)は「今は神社のしめ縄を作る地区は減った。取組みが残るのは良い事。昔ながらの伝統、地元の方にもっと興味を持ってほしいね」と熱心に指導。大しめ縄は同地区春まつりの5月に合わせ飾る予定だ。

日本食研ホールデイングス、大切にしたい会社大賞  3月15日号
 国内に212事業所、外国に8ヵ国21事業所外を持ち、津南町にも営業所を設置する食品大手、日本食研ホールディングス(本社・愛媛・今治市)は、第2回四国でいちばん大切にしたい会社大賞で最高賞に相当する四国経済産業局長賞を受賞した。同大賞は、社員や顧客、地域から必要とされる企業を表彰する顕彰活動で、地域貢献度や顧客・社員満足度などを総合審査し、四国の産業活性化を促す活動で、昨年から実施している。

 日本食研究ホールディングスは、社内結婚が約550組と多く、社員や家族中心主義の経営に取り組み、チームワークを大切にする社風を築いている。さらに、障がい者雇用を積極的に進め、日本食研スマイルパートナーズを中心に昨年9月で1・09%(法定率1・8%)で、作業指示は文書マニュアルと共に画像化した分かりやすい作業指示を作成し、障がい者が働きやすい職場環境を作っている。さらに21年前に業界を先駆けとなる育児休暇制度を導入し、休業期間は保育園の入所待ちなどを含め、最長で子どもが1歳6ヵ月になるまで休暇期間を設け、子育て世代でも安心して働ける職場環境を作り、若い子育て世代をバックアップしている。

 同社独自の取り組みでは「配偶者出産時特別有給休暇」(出産入院に関係し連続3日間の休暇)、「短期育休」(10日間分は100%給与給付)、「育児短時間勤務」(小学3年まで最大1日4時間短縮、小学4年〜中学就学まで最大1日2時間短縮)など、働く環境づくりを整えている。

 なお同社グループの従業員数は3772人(昨年9月時点)で、社内結婚は10年前は305組で、5年前に428組誕生し、今年2月末時点で549組と増加している。

十五の春、公立高校が合格発表  3月15日号
 県下公立校で13日、一斉に合格発表が行われた。受験生たちは掲示板が構内から出されると駆け寄って見つめ、自分の番号を見つけると「あった」「やったー」と声をあげて喜んでいた。
 今年度は前年度と同じ募集人数。地域住民から存続が強く求められている十日町高定時制は24人の定員割れとなった。欠員補充を行う高校は19、21日に受付を行い、2次試験は22日に行われる。

管内の受験志願者、合格者数は次の通り。
▼十日町高=定員320人、志願者276人、合格270人、推薦合格31人▼同定時制=定員40人、志願者19人、合格16人▼十日町総合高=定員160人、志願者147人、合格140人、推薦合格20人▼川西高=定員80人、志願者67人、合格67人▼松代高=定員80人、志願者74人、合格74人、推薦合格5人▼安塚松之山分校=定員40人、志願者25人、合格24人。

2013地域課題を探る「契約更新まで2年のNGP津南」、営業努力で「体力」を  3月8日号
 中越地震、中越沖地震、豪雪、豪雨災害、東日本大震災ー。平成17年に「津南高原開発」が経営を受けてから自然災害が相次いで起こり、いわゆる「風評被害」に襲われた津南町が所有するニュー・グリーンピア津南(NGP津南)。民間委託10年間の契約満了まで2年と迫るなか、町は『契約更新の方針』を示すが年々、施設や設備の修繕費がかさみ、経営を圧迫する状態だ。町は支援策として「賃借料の軽減」を打ち出し、新年度からは従前の10分の1、年間3百万円の賃借料に契約変更し、新年度予算に計上している。「誰もが認める」津南町の観光拠点・NGP津南。建設後27年が経過する観光拠点、その再生策を探る。

 津南雪まつりが終了後の4日から6日まで、千葉・木更津高専の一行2百人がスキー修学旅行に訪れ、絶好の快晴のなか、貸切状態の平日のゲレンデに歓声が響いた。
「スキーシーズンのウィークデー対策としてスキー修学旅行の誘致に力を入れ、年々、その成果が出ています」。支配人の樋口明副社長は、トレードマークのグリーンの活動ウェアで忙しく動き回る。今シーズンはここ数年、集中的に営業展開する九州地域の高校を含め、県内や関東圏から4月までに22校、1万3百人が宿泊。4、5月は大学や高校、専門学校の新入生オリエンテーリングなどが入る。

 一方で抜群の自然環境をアピールポイントに、東京都内や近郊市と保養所契約を結び、大きな誘客要素になっている。津南高原開発が経営を始めて平成17年の翌年、東京・練馬区と保養所契約が実現。さらに一昨年からは大田区とも契約。交渉中の荒川区、武蔵野市との契約実現も見えている。 
 NGP津南と直接契約以外では、津南町や町観光協会と観光宿泊施設で契約する東京・昭島市、武蔵村山市、福生市などからの誘客も伸び、東京都内から郊外を経由する「直通シャトルバス」の運行が、契約地域とを結ぶホットラインとして誘客効果を上げている。

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 国が年金福祉事業団の全国にある「グリーンピア」を売却、あるいは廃止する方針を打ち出したのは小泉政権下の平成14年。津南町は「町が買い取る」ことを視野に研究を開始。国との交渉の末、2億1400万円での譲渡を決める(平成27年まで返済)。同時に経営を任せる民間を全国公募。多数の照会があり、現地説明会には大手企業など17社が参加し、最終的には6社が申し込みした。
津南町は民間委託先を公募型プロポーザルで募った。「施設管理、経営、修繕、すべて受託者の責任で行う」、「経営は公共性を保ち、10年間は設置目的を守り、地元雇用を確保する」など行政主導の厳しい条件を付けた。結果、東京で福祉施設などを経営する「医療法人財団・光善会」を主体とするグループに決まった。光善会をメインとする現地法人「津南高原開発」を設立し、経営している。

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 「目標は10万泊。今期はもう少しで9万泊。営業努力で着実に伸びている。津南町による賃借料の軽減はありがたく、その減額分を施設修繕に当てていきたい」。NGP津南は年間3千万円を上回る修繕が求められる。だが「順次、この修繕が行えれば、施設改善は確実にできる」という。
この施設修繕。急を要するのが埋設電気ケーブルの更新、開業以来使用するエレベーター整備、さらに敷地内道路の舗装など。建物は当時、総事業費250億円で建設したこともあり、プロポーザル時点の全面点検でも、東日本大震災後の耐震度やコンクリート強度検査でも、「異常は見られない。充分使用できる」と調査結果が出ている。

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 契約満了まで2年だが、NGP津南は3、4年先を見越した営業に取り組む。特に年々入込が増えるスキー修学旅行は、学校側が3年先、4年先の確約を求める。「2年後の契約満了後の津南町の方針が不明確では営業できない」と先月、上村町長にNGP津南・松崎和秋社長ら幹部は直接交渉。町は『契約更新の方針』を伝えたが、議会との関係があり決定ではない。
 民間委託では、賃借料の提示を求め、最高額が光善会の年額6千万円だった。町は3年後、風評被害での売上ダウンを支援するため3千万円に減額、さらに東日本大震災の影響で激減したため特別措置で1年間にかぎり今年3月まで賃借料をゼロにした。さらに新年度、契約変更し、賃借料を年額3百万円に改定する方針だ。町は「賃借料の軽減分を施設や設備修繕に当てることが条件」(石橋地域振興課長)と減額改定の狙いを話す。

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 全国公募プロポーザルで委託先決定を担当した当時の町幹部、元副町長の瀧澤秀雄さんは20年余り前、存続を求める町民署名で1万人余が寄せられた、その町民の思いが忘れられない。「賃借料引き下げは、町の支援策の一つだろう。まだ広大なエリアが未活用のなか、それをどうするかという町からの事業提案があってもいいのでは。経営の継続は、町民誰もが望むことではないのか」。
 営業努力で『体力』をつけることが、津南高原開発に求められることは、経営首脳陣は分かりきっていること。その体力をどうつけるか。契約満了まで2年と迫るなか、津南町は今年がポイントと見る。「営業努力は当然としても、契約更新を前提に、経営会社の体力をどうつけるかが、大きな検討材料になる」。
 津南観光のシンボル、NGP津南。この地に大規模観光施設を誘致した先人たちの思いの点に、その活路の糸口が見えてくる。

6次産業化で製菓に挑戦、津南の宮崎さん夫婦、「豆ケーキ」など  3月8日号
 新規就農で津南町に移住し、大豆やサツマイモを有機栽培する夫婦が、その素材の良さを活用し、新たに製菓に挑戦する。製造免許を取得し、今期の生産品を使い「豆ケーキ」などの製造に取り組み、商品化をめざす。この取り組みが国の6次産業化事業の認定を受け、6日、長岡市の北陸農政局長岡地域センターで認定交付を受けた。認定により商品パッケージデザインや試作品プランなど5年間、国認定の6次産業化プランナーの無償アドバイスが受けられる。『我が家の人気ケーキ』が、自家産を素材にしたオリジナル商品に生まれ変わる。

 千葉・柏市生まれの宮崎朗さん(41)は1996年、津南町の新規就農に応募し初の農業に。長岡市生まれの綾子さん(43)と2002年に結婚。全国名水100選の竜ヶ窪近くの町内谷内で暮らす。自宅は朗さんが自力で建てた。保育園から小学生の子ども3人の家族で暮らす。その子たちや家を訪れる友知人などに人気のオリジナルケーキが『豆ケーキ』。自作の大豆「さといらず」やサツマイモを活用し、独特の旨味を出す。「以前から、これを商品化したいねなどと話していました。ようやく実現しそうです」と綾子さん。

 現在、大豆は約2f、サツマイモ40eを耕作。今期もほぼ同程度作る計画だ。特に「さといらず」は、その名前の通り『甘味、食感、香り』に優れ、大豆の中では人気品種。ただ「収穫時期が初雪の頃の11月中旬です。以前、収穫目前に初雪が80aも降り、大打撃を受けたこともあります」。この大豆で「きな粉」など多様な製品化を考えている。さらに、サツマイモ(紅東)を使った「水飴」も作り、他の農産品を使った商品化も考案している。

 「自分たちが自信を持って作る農産物使い、自分たちで加工、製造、販売したいという思いは以前からありました。自作の農産物に付加価値をつけたいです」。パッケージデザインは、朗さんと同窓の北海道大時代の学友のイラストレーターに頼む予定だ。
 6次産業化認定事業は北陸農政局管内(新潟、富山、石川、福井)で平成24年度第3回は11件が認定された。認定で、新潟県サポートセンター登録の、県内外の6次産業化プランナーの無償アドバイスを5年間受けることができ、農業改良資金や設備整備など、事業内容により補助が受けられる。なお宮崎さん生産の農産物、加工品はウェブサイト「はらんなか」で検索、ネット注文できる。

10代のまなざし「反り目剛章さん「学ぶから教える」  3月8日号
 その出会いが、進路を決めた。小学3、4年の担任だった金田裕介先生。いまは長岡市にいる。
 「どんなことでも親身になってくれ、遊びも行事、イベントも一緒に楽しくしてくれました。少年野球に入っていましたが、金田先生がフットサルに誘ってくれたおかげで、新しいスポーツにチェレンジできました」。

 野球少年一筋だったが、新たなスポーツをすることで、さらに野球の楽しさ、スポーツの素晴らしさを実感できた。「部活と学業の両立ができる」と進んだ県立津南中等教委学校。その2期生。今月15日、6年間の学び舎を後にする。昨年夏、最後の試合は松本市で開いた北信越大会。サードで4番、時にはマウンドに立った。身長180aの長身を生かした速球で真っ向勝負した。
 「6年間、楽しい思い出ばかりです。部活をやりながら学業も頑張る。両方頑張られる環境があり、あとは自分がやるだけです」。

 小学校での出会いが、将来の進路を導いてくれた。『イメージは金田先生のような先生です』。その目標実現のため、4月から上越教育大に進み、小学校の先生をめざす。
 「部活の顧問もやってみたいという思いもありますが、先ずは小学校をめざします。国語系が好きです」。
 最近、「銀の匙(さじ)」(中勘助)を教材に国語授業した兵庫・灘中学の教諭だった橋本武氏の著書を読んだ。この一冊を3年間かけて読み込む国語授業のドキュメント。『教える』『学ぶ』という根本にあるものを学生と共に考える授業を扱った一冊。大きな感銘を受けた。

 「津南が好きですね。自然にかこまれ、落ち着きます。県外には、出たくないと考えていました。不安より、期待感が大きいです。自活ですが、3食、学食を利用できそうなので、なんとかなるでしょう」。
 日々のニュースや新聞で目にする世界の出来事。今の自分との対比を考えてしまう。
 「恵まれていると思います。内紛で充分な生活ができない人たちが多いなか、日本は紛争もなく、平和だと思います。この当たり前の日常がとても大切なように感じます」。

 2期生の仲間たちと卒業記念に、6学年の理念に掲げた言葉『古今無双』の文字雪像を、国道117号の陣場下に作った。
 「今も昔も、同じもの、並ぶものはない、という意味です。今を生きる自分たちの存在や出会う人、出来事など、すべて唯一ということでしょうか。これからの自分の歩みにも通じると思いますし、大切にしたい言葉です」

存在意義、ますます増す、十高定時制、33人が卒業  3月8日号
 ○…「最後に一歩、踏み出したね。何かを始めるのは誰でも怖いことだけど、一歩乗り越えたね。卒業、おめでとう」。担任の佐藤智江李先生は、卒業生一人ひとりにメッセージを贈った。1日、県立十日町高定時制(上村栄一校長)の卒業式が行われ、33人が思いで多い学び舎を後にした。卒業生代表の南雲豪人さんは「入学時、やっていけるか不安だった。人間関係を築くことの難しさを改めて考えさせられた4年間だった。生徒会活動でお互いを認め合う人間関係の大切さを学び、働く中で敬意を持って接する事の大切さを学んだ。すべての人に感謝の思いでいっぱいです」と答辞を述べ、拍手に送られ母校を巣立った。

 ○…十日町高定時制の存続が行政課題になった6年前には、考えられない毎年の入学生数。今期の卒業生33人は、最近にない多い数。今春4月の入学生も20人を越える見込みだ。定時制の必要性が、卒業生への担任メッセージにある。「やらないで後悔するより、やって後悔する方が得るものが多いはずです。この学校でたくさんの出会いと経験を得たね」、「苦手なことから逃げずに、4年間やり通したことは大きな自信になったはず。きっと将来、夢が叶うでしょう」。33人へのメッセージに、参列の親たち、後援会関係者は、涙した。
 

雪原の花に魅せられ、冬の芸術祭  3月8日号
 ☆…色とりどりの光の花が雪原に輝いた―。大地の芸術祭の里・越後妻有2013冬・雪のスタジアムが2、3日、「まつだい農舞台」周辺で開かれ、初日の夕方には赤や青など色彩豊かな発光ダイオード(LED)1万個余りを使った『Gift for Frozen Village 2013』が行われた。吹雪模様の悪天候だったが、終了近くの午後7時過ぎには雪や風も止み、幻想的な雰囲気が会場を包んだ。訪れた人たちは感嘆の声をあげていた。

 ☆…作品は、「光の花畑」で好評を博した光のアーティスト・高橋匡太氏が制作。日が暮れ始めた午後6時頃になると、当日の入場者も参加して埋め込んだ青や赤、白色などのLEDの光が雪原に輝いた。訪れた人たちは「うわぁきれい。感動です」と盛んにカメラのシャッターを切っていた。

レスリング、五輪競技に存続を、署名運動始まる  3月8日号
 レスリングが2020年オリンピックから除外候補になっている問題で、女子レスリング強化合宿の地として世界的に知られる十日町市で4日、競技存続を求める署名運動が始まった。全日本女子レスリング連盟の副会長、丸山秀二・十日町後援会顧問の呼びかけで始り、来月20日頃までに5千人を集める方針。集まった署名は全国署名と共に国際レスリング連盟に提出する計画だ。

 署名運動は、東京に本部を置く「レスリングを五輪競技に復帰させる会」(樋口郁夫代表・スポーツライター)が全国に呼びかけ、十日町後援会にも協力要請が来た。4日、十日町市役所での記者会見で署名運動スタートを発表。全日本女子レスリング十日町後援会の馬場文之会長は「レスリング十日町の宝であり財産。金メダルをめざして頑張ろうという子たちの気持ちを消してはならない」と、五輪競技存続のための署名運動への協力を呼びかけた。同署名運動の連絡先、事務局025・757・8125(丸山工務所内)。

震災復興、交流で元気に、津南と栄村が雪まつり交流で「絆」  3月8日号
 震度6強の揺れが襲った長野新潟県境地震から3月12日で2年。栄村、津南町、十日町市を中心に両県で死者3人、重軽傷者67人の人的被害で、住宅被害も全壊63棟、半壊334棟、一部損壊2068棟に。生活道路や農地にも大きな被害が出た。震災から2年が経過し、被災した住宅や田畑、生活道路などのインフラ整備・復旧は進んでいるが、そこに暮らす「住民復興」はこれから。津南町上郷地区で住民自治組織が復興への新たな地域交流に乗り出し、雪国イベントで活力を作り出している。

 「お前さん元気だったかい」、「楽しみにしてたてぇ」。久しぶりの再開を喜ぶお年寄りの声が弾んでいた。震災復興の願いを込め、隣接の被災地・栄村と交流し雪まつりで楽しもうと3日、津南町上郷地区で昨年閉校の旧上郷中グラウンドで「上郷しなちく雪まつり」を開いた。栄村から榮ふるさと太鼓や飲食出店などあり、若者も多数参加し復興を願い交流した。

 呼びかけは昨年8月作った住民自治組織「上郷地区振興協議会」(島田福男会長)。信濃川が千曲川と名を変える地から「しなちく」とつけた。会場には高さ4b余の巨大雪だるま、雪まつりテーマ「絆」の文字も刻んだ。さらに「和(出浦)」や「明(灰雨)」「望(加用)」など各集落の思いを1文字に表し、手をつないだ高さ2b余の雪だるまを集落数17個並べ地域の一体感を表現。逆巻青年部は子どもたちが楽しめる巨大な雪滑り台を作った。ステージでは榮太鼓、地元青年バンド、つなん合唱隊、上郷保育園が次々に思いを込めて出演。
 
 孫がダンス披露すると来場した島田真之さん(77、宮野原)。「懐かしい人にも会えたし、大勢の人たちが集まって元気をもらいました」。榮ふるさと太鼓サブリーダーの山岸順子さんは「お互いの復興の願いを太鼓の音で響かせたい」と勇壮な演奏演奏。さらに9年前に上郷中を卒業した同級生グループ7人が「鳥のから揚げ」を出店。石沢葵さん(24)は「雪まつりがあるのを聞き東京から来ました。いい雰囲気、地域のつながりを感じます。来年もぜひ開いてほしいです」と大きな声で呼び込みし、「絆」を実感していた。
主催役員で演出担当した久保田等さん。「何もしなければ子どもたちの姿が見られない地域になる。寂しくならないために今後も楽しい企画を立てたい」。
 島田協議会長は「この雪まつりで地域の底力を感じた。交流が深まれば、災害時にも大きな協力の輪が生まれるはず。防災面でもさらに一歩、進んでいける」と話し、災害時の相互協力に大きな力になると期待を寄せる。

2013地域課題を探る「十日町市長選まで50日」無投票? 懸念広がる  3月1日号
 「市長選は、選挙になるの?」、そんな声が広がっている。4月14日告示、21日投票の十日町市長選。現職・関口芳史市長(54)は昨年12月市議会で再選へ出馬表明し、全市97支部が後援会活動に取り組み、2期への取り組みを進める。関心が集まるのが「新人出馬」。昨年末から全市に『十日町の将来を心配する会』(樋口明弘代表)の名称で文書資料がこれまで3回配布され、「本当に出るのか」と関心が集まる。今月中旬過ぎ、3回目の配布で初めて樋口代表は顔写真を掲載。その当事者の会社社長、樋口明弘氏(65)は取材対し、「あと2回、全市に出します」と話し、出馬については明言していない。投票まで約50日。告示日が迫る中、同氏の動きに関心が集まると共に、無投票の場合、38年ぶりとなる。

 先月22日、松代・常春ホールで関口芳史市長・松代後援会拡大総会を開いた。地区役員ら120人が参加。会長の旧松代町長、関谷達治会長は「4年前、これでいやんかと、市長になった関口市長。合併特例債を活用した新十日町市作りをさらに進めてほしい」と新市づくりを求め、参加者に支持を訴えた。席上、後援会の新体制を発表し新たに小堺清司市議会議長が副会長に就くなど臨戦体制を強化。松代全域36集落を組織化し、6地区振興会ごとに地区組織を強化し、オール松代の支援体制ができ上がっている。

 4年前の初出馬。挑戦者の関口陣営は草の根的に動いた。相手は初代新市長で2選めざす旧川西町長・田口直人氏。現職側には県議、市議、業界などの大部分がつき、万全組織を作った。一方、関口陣営は対象的に、既存の政治勢力や団体などの支援を受けず、徹底した草の根選挙を展開。特に終盤、女性層の動きが活発化し、告示2日前のラポート集会では1300人の女性が集い、大きなうねりを巻き起こした。選挙の結果は「関口芳史2万1886票」「田口直人1万9866票」。2千票の大差で初当選。草の根運動が勝利した。

 あれから4年間。関口後援会は、旧市町村単位での組織化を強化し、特に旧郡部4町村では旧町村長が主導し、地区単位の細かな支部組織を築いている。その全体組織が連合後援会。連合後援会トップは初出馬時からの佐野良吉会長。松代後援会は関谷達治会長、松之山後援会は同振興会長の柳靖治会長、中里後援会は旧村長の山本茂穂会長、川西後援会は前市長・田口氏の地元の関係で全域組織化までに至っていないが、支部組織はできている。一方、旧十日町市エリアは町内会ごとの細かな組織化を進める。旧市町村全体では97支部ができており、再選への万全な組織体制を作っている。

 松代後援会で関口市長は、4年間を振り返り、「運に恵まれた所もあったかもしれないが、目標に向かって徐々に進めることができている」と宮中ダム不正取水問題によるJR東の30億円寄付金などを示唆し、「私の感触だが、十日町市は世の中の大きな潮流に向かって進んでいるのではないか。自然を求める人たちと新しいビジネスマッチングが生まれている」と、新たな価値感を求める潮流に十日町市が乗り、流入人口、定住人口に結びつき、新ビジネスの創造につながっているなどと強調した。
さらに、「前回は現職へのチャレンジだった。『よし、今回も入れてやろう』と皆さんがその気になれるように、この4年間やってきた。関口にやらせようと思っていただけるなら、さらなるチェレンジの道を開いていただきたい」と支持を訴えた。

 『十日町の将来を心配する会』は、今後さらに2回、郵便によるダイレクトメールを全市に配布する計画だ。近く配布予定の資料は、改築される新十日町病院の医療スタッフ確保への警鐘を鳴らす内容になるという。同時開業の魚沼基幹病院への医療スタッフの流出を指摘し、新十日町病院の医療体制を心配している。
 
 樋口明弘氏は、これまでの資料配布について語る。「皆さんからの反響は、とても多く届いている。まさに今の市政を心配する声です」。出馬については、「私はこれまで通りです」と、いぜん明言しない。 同時に取り組んでいる 『文化ホールより働く場を』の署名運動は、数千余りの署名が樋口氏の元に届いているという。
 
 十日町市の市長選は、旧市時代では、昭和29年4月に現職・中山龍次市長が無投票、昭和50年4月に2期目の春日由三市長が無投票当選。以来、市長選無投票はなく、今回無投票になると38年ぶりとなる。

写真・後援会活動を活発化する現職・関口陣営(22日、松代後援会拡大総会で)

世界に挑戦の佐藤姉妹、今月20日、後援会設立  3月1日号 
 国内より外国でその活躍が知られスノーボード選手を姉、小学時代に一般部門に出場し、今期初めて世界ジュニア大会に参戦している妹。この2人を支援する後援会が今月20日立ち上がる。カナダを拠点に世界転戦する佐藤夏生選手(19)、県立津南中等教育学校5学年の佐藤亜耶選手(17)。この佐藤姉妹は津南町出身。小学校から活躍する2人を支援するスノーボード関係者の連携で設立する「佐藤夏生・亜耶 後援会」。代表には地域のスノーボード選手のさきがけ、SAJ(日本スキー連盟)本部役員の高橋一美さん(旧姓五十嵐、津南出身)の就任が決まっている。1年後のソチ五輪、さらに次の韓国・ピョンチャン冬季五輪をめざす2人を全面支援する計画だ。

 20日の設立総会は、高橋代表はじめ発起人やスノーボード関係者などが出席し発会する計画だ。佐藤姉妹も出席し、今後の目標や抱負を語り、姉妹の大会動画などを上映する。スノーボード選手だった発起人世話役の板場ななえ事務局長は「小学生の頃からよく知る佐藤姉妹。この雪国の皆さんの思いをぜひ実現してほしいです。皆さんの応援をお願いします」と設立の思いを話し、支援を呼びかけている。

 夏生選手は津南中卒後、単身、カナダ留学し、現地の公立高校を昨年卒業。現在もカナダを拠点に大会参戦し、ヨーロッパやアメリカなどへ招待選手として参戦している。夏生選手は「後援会を作っていただけるのは、とてもありがたいことです。地域の皆さんの応援に応えるパフォーマンスで世界に挑戦したいです」と話す。種目はソチ五輪から正式競技となる「スロープスタイル」に絞り、日本での実績を挙げ、世界へ挑戦にしている。

 2歳違いの妹、亜耶選手は現在、津南中等校5学年生。毎シーズン、国内大会に参戦し、今季初めて世界ジュニア選手権に出場。夏生選手同様、国内実績をあげ世界に挑戦する。亜耶選手は「世界ジュニア出場で世界を意識するようになり、津南と日本を代表する選手となり応援に応えたいです」と話す。種目は国内では激戦の「HP(ハーフパイプ)」で挑む。

 今回の後援会設立の会長に就く橋一美さんは「五輪に出る前の支援が一番困難で、選手にとっても大切な後押しになります。まずソチに向けた活動を全力でサポートします。2人はまだ若く、次の韓国・ピョンチャンも狙える。長く支援できる活動をしたいです」」と、若い2人の活躍に大きな期待を寄せている。
 後援会活動では年会費は一口個人千円、法人5千円を予定。設立までにホームページを製作。SNS・フェイスブックではすでに専用ページ『佐藤夏生&亜耶スノーボード後援会』を立ち上げ、随時ふたりの活動を発信中だ。後援会への連絡先、ヴィルプрO25(765)2433。

写真・スノーボードで世界に挑戦する佐藤夏生(右)亜耶姉妹

10代のまさざし「浅見はるかさん、17歳」 写真との出逢い  3月1日号
 保育園児くらいの幼い子どもたちが公園で遊ぶ1枚の写真。この写真が3千点ほど集まった昨夏の県高校総合文化祭でベスト8に入り、今年7月に長崎県で開かれる全国総合文化祭への出場が決まった。
 「写真というのはコミュニケーションのひとつ、道具だと思っています。話し下手なので、人に話しかけようとしても話題に詰まることが多くて。そんな時、カメラがあると、写真の話から入ることができるんです。県内外の高校生や、町の人たちと触れることが増えて、すごい勉強になっていると感じています」

 中学生の時、写真好きの父の影響を受けた。修学旅行では父からコンパクトデジカメを借りて撮影。失敗写真も多くあった。
 「これが一眼レフなら失敗しなかったかも、などと関心が高まったんです。そして、写真部がある高校を選んだんです。今、写真部に入って本当によかったと思っています」
 2年前の東日本大震災。昨年度と今年度「高校写真部による東日本大震災復興応援プロジェクト」に参加した。被災地への応援メッセージをたくさんの人に書いてもらって写真を撮り、被災地を元気づけようという企画。部員7人で3千カットほど撮った。撮られたくないと断られたケースも多く、声をかけた人はその2倍にのぼる。

 「メッセージを伝えることの役目、需要だなと思いました。人の撮り方の勉強にもなりました。なにより、応援してくれる方が多くいて、もっと頑張らなくっちゃと思いました」
 この震災復興応援プロジェクトが大きな刺激になり、同校写真部としては3年ぶり8回目の写真甲子園出場を果たした。撮影したカメラは先輩が賞品として獲得した一眼レフの入門機だった。写真甲子園は「写真の町」北海道東川町。全国の高校生仲間と交流した。
 「写真漬けの3日間で正直、辛かったです。でも楽しかった。次は20回の記念大会なので、ぜひまた出場したいです。そのためにも新入部員、入って来て」
 その写真甲子園で、撮影会終了後に撮った子どもの写真が、全国総合文化祭に出場することになった1枚だった。

 「今は何でも撮っていきたいと思っています。人物の印象、風景など、どうしたら人に伝わるのだろうかと。まだまだ弱点はいっぱいあるので、少しずつ克服していきたいです」
 北海道美瑛町を中心にした美しい丘の作品などで知られる故人の風景写真家・前田真三。
 「すごくいいです。あんな美しい風景写真を撮ってみたい。今年に入って一眼レフも買いました。いっぱい撮っていきたいです」

除雪支援、地元有志で除雪隊、高齢者方を支援  3月1日号
 ○…春も近い2月の大量降雪で津南町の積雪量は25日、町役場298a、結東335a、津南原アメダスで360aと今季最高積雪を記録。十日町市は22日に指定観測所5ヶ所の平均積雪深が332aとなり、国災害救助法が適用。3年連続の適用で、同日付で豪雪対策本部を設置。一方、集落内共助による弱者世帯への除雪体制整備をと、津南町では昨年から14地区で除雪互助組織が県支援を受け発足。燃料代や人件費など実費負担のみ徴収する有償ボランティア活動で、高齢者独居家屋など要援護世帯の除雪に当たっている。

 ○…今季、県「地域支え合い体制作り事業」の支援約3561万円を受け、町内13地区で除雪ボラがスタート。同事業は昨年に1地区が申請。町内14地区で除雪支援体制が整った。同事業で除雪機など揃え、継続し弱者世帯への除排雪を請け負う。対象世帯や費用は各地区で決めている。

 ○…貝坂地区(59世帯220人)は今冬、「貝坂除雪浪士隊」(大島正義隊長、10人)を結成。隊員は40代から60代。除雪機やスノーダンプ、防寒着など約370万円で整備。地区内要援護世帯住宅5棟、公民館除雪を行う。24日は4回目の除排雪作業を実施。屋根に2b余積もった雪を除いた。民生委員も務める大島隊長(66)は「降雪期は業者も依頼が集中して人手が足りなくなる。高齢化も進み、除雪できる家も今後減っていく。地区で安心して暮らせる生活を守るため、努力したい」と話す。今後は地元の若者らに参加を呼びかけ、世代交代を図りながら除排雪ボラを続ける方針だ。

江戸期のお雛さま、地元保育園児と交流  3月1日号
 ○…「とってもきれいなおひなさまだね」―。雰囲気ある純和風の部屋に置かれた、江戸時代のお雛様を見て、子どもたちは歓声を上げた。津南町上郷逆巻の「芳流閣」。明治中期に作られた玄関と居間を移築した部屋に、今年も江戸時代の享保年間製作と伝わる雛飾りを置いた。3百年余前のひな人形を一目見ようと上郷保育園(中沢美智子園長、20人)の園児が26日に訪問。貴重なお雛様を間近でじっくり鑑賞した。

 ○…このお雛様、芳流閣の田邊佑さん(77)が兄嫁から受け継いだもの。近くに住む親族や友人と協力し3年前から毎年飾る。江戸時代の御内裏様、お雛様、五人囃子の雛飾りは評判に。その横には昭和初期の5段雛飾りも置いてある。「顔のあるものは年1回は飾らないと可愛そう。去年、今年と地元の子どもたちが来てくれたので、お雛様も喜んでみるみたい」と田邊さんはにっこり。今月中頃まで飾る予定だ。


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