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2012年09月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
台湾企業と合弁会社、津南町・ごはん、海外進出  9月28日号
 尖閣列島の領土問題で両国関係が緊張している日本と台湾。一方で親日派が多い台湾との農産物流通は活発に行われている。津南町の米生産、加工販売の「株式会社ごはん」は29日、台湾の物流会社と合弁企業設立の調印式を津南町で行う。ごはんは、すでに台湾の別の企業と米輸出で合意しており、今回の合弁会社は、台湾での米加工販売を行う現地法人として設立し、銘柄ブランド「魚沼コシヒカリ」の米輸出から、現地での加工販売へと踏み込んだ営業展開をめざす計画だ。

 29日の調印式は、ニュー・グリーンピア津南で行い、台湾から民間物流会社の世界標準無限公司・黄千明社長が来日し、ごはん・大島知美社長と合弁会社設立の基本合意を交わす。台湾・世界標準無限公司社は、お茶流通や輸入粉ミルクなどを国内外への販売会社。
 新会社の社名は「台湾《御飯》有限公司」。計画では台北駅の地下商店街に「魚沼こしひかり・おにぎり」販売の直営店を開く。ごはんの魚沼米を使い、この現地法人が製造、販売する。

 今回の合弁企業事業には、農水省食料産業局が事業支援する「農林漁業製産業化ファンド」事業を活用し、資金調達する計画。このため、新会社の出資比率は「ごはん51%」「世界標準無限公司49%」と、日本の生産者が主導する形になる。

 さらに、おにぎり製造販売のノウ・ハウは、ごはんが名古屋の飲食チェーン店会社と提携し、近く設立の新会社が指導する計画だ。この新会社は名古屋市内に「魚沼ごはん亭」を開店する方針だ。
 大島社長(57)は「魚沼コシヒカリは最高ブランド。この魚沼米に関係する事業が同時進行で動いている。すでに台湾で米の試験栽培も行い、これから来るであろう食料問題に対応するため、いまできる可能性にチャレンジしたい」と話している。

写真・合弁会社を作るごはん・大島社長(中央)と台湾企業の黄社長(右隣)=今年6月、台湾で

連載「三箇の挑戦」、都会と交流を進める会ー将来不安、『動き出した住民たち」  9月28日号
 「本物の天の川、初めて見たよ。すごーい」。校舎隣りのグラウンドは、集落の光をさえぎるように、くぼ地にある。暗闇で天を仰ぐと、南から北に流れるように、ボーっと光の帯が見える。今月17日、三箇校舎に第一陣で入った鎌倉小5年の小西巧海君は、感激した。これほどの満天の星空は、鎌倉では見られない。
 
 『三箇地区 都会と交流を進める会』は、今春できたばかり。横浜国立大付属・鎌倉小学校との交流は3年目。これまでの2年間は、三箇小閉校後に作った『三箇を明るく住み良い地域にする会』で受け入れた。「継続的に取り組むには、組織と活動資金が必要」。地域が思いを託し、3年前の津南町議補選で議席を得て、交流活動の代表、恩田稔さん(61)は動いた。

 津南町が秋山郷結東・石垣田保存・活用に導入した国事業の存在を知る。北陸農政局『食と地域の交流促進対策交付金』事業。県や町を通さず、直接地域に交付される。今春以降、何度も金沢の同農政局に通い事業申請。5月、事業採択が決まった。申請団体『三箇地区 都会と交流を進める会』には、地元三箇の地区組織、中山間地直接支払協議会などのほか町観光協会、町も加わる形だが、事務局は地元三箇で行う。2年継続の交付金事業で総額420万円ほどになる。

 閉校施設・三箇校舎の活用は、 地域の将来考える時、一つの必然として生まれた。都市部との交流、それも校舎を体験研修の拠点とする。3年前の閉校の春から受け入れ、「都市と農村の体験交流の場」としての活用だ。
 
 その必要性は、地域の現実を示すデータが物語る。3地区(辰ノ口、鹿渡、鹿渡新田)で139戸、436人が暮らす三箇地区。高齢化率41・3%(津南町35・7%)。14歳以下は43人。独り暮らし世帯が増加し、5年後、10年後を考えると、その先が見通せない現実が、ここにある。「この現実は、三箇だけではなく津南全体の問題。いま動かなければ、この先は先細りだけだろう」。これが、3年前の三箇小閉校後、住民が動き始めた思いだ。

 鎌倉小との交流は、思わぬ広がりを見せている。同校に在職した先生が転校後、その先々で『三箇体験』を話し、「新潟の三箇は面白い」と話題にしている。今春、神奈川・葉山町のNPO企画の体験プログラムが実現し、鎌倉小の本体、横浜国立大の学生、さらに津南と交流する日本橋・城東小学校なども訪れた。『三箇体験』は広がりを見せる。そこで「しっかりした受け入れ体制が必要」(恩田稔さん)と、取り組んだのが交付金事業だ。
 
 鎌倉小の体験研修3日目の19日、あいにくの雨。小中学の孫がいる石沢コウさん(73)は、子たちと『お手玉づくり』をした。布袋を縫い、はと麦の実を入れる。「これも初めてなのかな、熱中したよ」。時間を忘れ、子たちは取り組んだ。
 受入れ農家の一番の負担は食事。今回、弁当持参に変えた。実は、ここに大きな地元効果が出ている。今回は鎌倉小の児童、引率の教諭、実習の大学生など140人ほど。期間中、自炊もしたが600食の弁当、貸布団、飲料水購入、風呂利用などすべて町内。費用はすべて学校側負担。今後の受け入れのケーススタディになった。

 25日夜。受け入れ農家8戸の夫婦が集まり、テーブルを囲んだ。「いい子たちだったなぁ」、「トマトを山ほど食べていったよ」…。笑顔で話す人たち。「こっちが元気をもらったなぁ」。
高齢化する地域。この交流を、地域支援に結び付ける動きが始まっている。       
(次号へ)
写真・鎌倉小の子たちを農業体験に受け入れた8戸の夫婦で懇談(24日)

栄村復帰計画、実現は村しだい、推進委員会設置が焦点  9月28日号
 県境地震の被災地、栄村が策定する「震災復興計画」は専門委員会での策定作業を終え、来月5日に村議会に示し、復興計画がまとまる予定だ。被災地の復興の屋台骨となる計画だけに、その実現への取り組みが最重要課題となる。同計画案には、計画実現のために「復興計画推進室」の設置を求め、事業化への課題や進み具合などを検討する「復興推進委員会」の設置も求める。この復興計画案どおりに最終的にまとまるかどうか、議会説明での議員協議に関心が集まる。

 復興計画の基本目標は明確だ。『震災をのりこえ、集落に子どもの元気な声が響く村を』。その実現の基本方針として「暮らしの拠点・集落の復興・再生」「農業を軸に資源を活かした新たな産業振興」「災害に強い道路ネットワークの構築」を掲げる。

 具体策では、被災者支援を総合的に支える「総合サポートセンター」を設置。集落のコミュニティ維持を前提とした復興住宅建設を進め、高齢者など買い物弱者、医療機関への通院の利便を図る「デマンド交通の充実」も課題。一方で、防災対応として地域公民館の防災拠点化と共に、災害時のライフライン確保のために自然エネルギー活用策に取り組み、緊急対応で「ヘリポート」の充実も盛り込む。災害に強い道路ネットワーク整備では国道117号、405号の代替道路の必要性を上げる。

 一方で地域防災力のアップのために、マンパワーとなる「若者定住」の必要に取り組む。若者定住用住宅の設置や産業起こしによる職場の確保、同時に地域資源である文化的な景観の保全などの必要も盛り込んでいる。

 この復興計画実現のために、同計画案では行政内に専門的に計画推進に取り組む「復興計画推進室」を設置し、その計画推進に関係する課題や問題、進捗状況などを検討、協議する専門家を含めた「栄村復興推進委員会」の設置を求めている。来月5日、村議会に同計画案が示される。議会での協議に関心が集まる。

写真・震災復興住宅など各所で建設が進む栄村

保育園統廃合を考える、津南町が検討委員会発足  9月28日号
 定員割れが続く津南町の保育園の今後や特別な支援が必要な子たちの増加への対応などを総合的に検討し、今後の保育行政のあり方を考える「津南町保育園等のあるべき姿検討委員会」の初会合を25日開いた。委員長の上越教育大・幼児教育コースの杉浦英樹准教授は「保育園だけでなく、子育て全般を見据えた取り組みが求められ、まず保育園が何をなすべきかを考え、いい方向性を出したい」と協議の方向性を示した。委員は保育園保護者、地域代表、民生児童委員、教育関係者など25人。来年3月をメドに町内保育園や他自治体視察など行い、保育行政のあり方を提言する方針だ。

 同委員会の位置づけは、同会の上村町長挨拶に集約される。「町長就任後、ショックをいくつか受けた。不登校や教育障害を持つ子の率が県内比でも高い。年間出生数は60人ほど、一方で保育園は7園ある。さらに親の育児能力の低下、情操教育の重要期にある保育園で複式、複々式保育の現実がある」と指摘。さらに「将来を担う子育てのあり方、保育園のあり方を抜本的に考え、保育園の再構築をする必要がある」と保育園の統廃合を視野に入れている。

 一方、委員長の杉浦准教授は「子の減り方が尋常でない中、これまでの器のままではできない津南の保育行政にある。一番大事なのは子どもの育ち。家庭の保育のあり方、子育てニーズなど多面からの検討が必要。一方で統廃合は考えざるを得ない状況であるが、数を減らすことが絶対ではない。幅広い論議が必要」と述べ、同委員会は保育園統廃合を視野に協議する方針だ。

 津南町の保育園7園の現状は、定員460人に対し今年度入所率は平均51・1%(最小は外丸37・5%、最多ひまわり71%)。県内8割の保育園で急増している未満児入所数は、過去6年間推移で19〜20%前後と横ばい。保育園職員数は園児減少の一方で特別支援を必要とする子の増加で臨時職を増やし、23年度は正職員35人、臨時職44人と全体で増加している。

 保育サービスは早朝(朝7時半から)、居残り保育(午後6時まで)を実施。子育て支援センターは年間30回開設、乳幼児延べ472人が利用、相談は459回。一時保育事業(時間3百円負担)は保育サポーター14人体制で行い、緊急一時保育は昨年127人が利用した。

 委員会質疑では、保護者代表からは混合保育への不安や定員割れの実情、特別に支援が必要とする子どもたちの現状などが出て、次回では保育園現場からの報告が行われる予定だ。

写真・検討会の委員長に就いた杉浦・上越教育大准教授

北銀まごころ会、津南のボランティア団体を支援  9月28日号
 ○…地域福祉サポートする北越銀行「北銀まごころの会」は26日に津南町のボランティア団体の十二ノ木「じょんのびの会」(桑原利江代表、8人)と岡「いこいの会」(涌井フサエ・内山緑共同代表、4人)に5万円相当のデジタルカメラとプリンターを寄贈。町社会福祉協議会にホクギン津南支店の赤松孝幸支店長が「津南のボラ活動は盛んと評判。地域活動は住民に勇気を与えている。活動に役立てて」と目録を手渡した。

 ○…まごころの会は行員有志が給与の一部を積み立て、福祉や環境整備に取り組む団体を支援。町内寄贈は9件目、3年連続で毎年2団体に贈呈している。なお両団体は共に11年前に結成。近隣の高齢者を招いた茶話会など開き、引きこもり防止や生きがい作り、住民同士の連帯感を高める活動に貢献。両代表は「会で写真を多く撮り、参加者の方により楽しんで貰えるよう努めたい」と感謝した。

ひまわりフォトコン、最優秀決まる  9月28日号
 7万人余が来場の津南町沖ノ原ひまわり広場の「第6回ひまわり広場デジタル写真コンテスト」の審査結果を15日発表した。最優秀賞は横浜市・久保丈也さん「パワースポット」。魚眼レンズで撮影、夏の雲、太陽、ひまわりの大輪を迫力ある視点で捉えた。入賞作は町観光ポスターなどで活用。町観光協会ホームページで閲覧できる。

 同コンテストは16年目。応募数49人、109点(昨年68人、148点)と減少。同協会理事の小林幸一審査委員長は「津南の自然の良さが出ている作品を選んだ。応募者減は残念だが、携帯からその場で投稿できる気軽なコンテストとPRし、今後もベストショットを募りたい」と話す。なお審査委員は他に桑原哲夫(丸好カメラ)、内山義幸(パラドックス)、大口博道(写団猫の眼副会長)。

 入賞作は次の通り。
◆最優秀賞(賞金3万円)=「パワースポット」(久保丈也)◆優秀賞(賞金1万円)=「『つなっぺ』といっしょ」(糸日谷昌孝、川崎市)、「最終日の夜」(山本吉明、津南町正面)◆フジミヤ賞=「暑いですねぇ」(長沼志保、柏崎市)◆好月賞=「大地の太陽たち」(佐藤真一、十日町市)◆山源賞=「ひまわり迷路」(久保田修子、香川・高松市)◆松屋賞=「娘3歳の暑い夏」(西康二、見附市)◆村山物産賞=「夏夜に輝く」(吉岡義和、長岡市)

写真・最優秀賞の久保さんの作品

新連載「三箇の挑戦ー横国附属鎌倉小との交流で校舎活用  9月21日号
 学校統合により使われない校舎が全国的に増加しているなか、津南町、十日町地域も空き校舎が増加している。民間工場や福祉施設に姿を変える例もあるが、多くはその活用策が大きな行政課題になっている。津南町三箇地区。2010年3月に閉校した三箇小学校。その校舎に、再び子たちの元気な声が響いている。戸数139世帯(436人)の限られた地域性の同地で、いま何が始まっているのか。閉校校舎を活用し、それを地域づくり活動に結び付けつつある三箇地域のいまを、3回に渡りリポートする。

 男の子たちの寝場所は、広い体育館。女の子は教室。体育館に敷かれた40枚ほどの布団。「1、2年の時も学校に泊まった。でも、ここはなんか楽しいな」。小学5年の男の子たちは、ちょっと興奮気味だ。
 3年前から三箇校舎を活用し、農業体験交流や自然体験活動に取り組む神奈川・横浜国立大付属の鎌倉小学校。今月17日から5年生120人の3クラスが、40人づつ順次2泊3日の計画で三箇地区を訪れ、地元農家で稲刈りやサツマイモ掘りなど体験交流。宿泊は校舎を使い、体育館や教室に分宿。鎌倉では体験できない3日間を過ごした。

 「この時間の流れや、自然と共に暮らす地域の人たちとの交流で、学校を離れて、日頃体験できないことを、ここ三箇でできる。さらに地元の人たちの熱意、子どもたちにとって、とても良い環境です」。引率教諭の斎藤祐介さん(37)は話す。
 三箇地区の中央、信濃川を見下ろす高台に建つ小学校。里山に抱かれるように集落の家並みが連なり、その家々を囲むように緩やかな棚田が広がる。どの家の軒先にも花が植えられ、里山独特の雰囲気を創る。

 2010年3月で閉校した三箇小。その年の5月、横浜国立大付属・鎌倉小の甘利修副校長が、校舎活用について地元で説明した。「この自然の中で、子どもたちは、自分が生きている姿を実感するはずです」。聞いた地元民には、最初はピンと来なかった。目の前にあるのは、日常に溶け込んだ「当たり前の自然」。副校長は、三箇の自然を子どもたちにまるごと体験させたい、その強い思いを話し、協力を求めた。
 副校長が地元説明した2年前、鎌倉在住で「大地の芸術祭」参加アーティストの作家を通じて、津南と鎌倉小との交流は始まった。その作家・景山健さんと交友していたのが、いま三箇地区で校舎活用に奔走する『三箇地区 都会と交流を進める会』の代表、恩田稔さん(61)。校舎を活用し、三箇地区の地域づくりに取り組む。

 創立120年の三箇小。記念の年の2009年11月、閉校式は開かれた。今回鎌倉小の子たちが宿泊に使った体育館に卒業生ら4百人余が集い、在校生19人の最後のリコーダー演奏が体育館に響いた。その翌年3月、最後の卒業生5人を送り出し、三箇小学校は静かに歴史の幕を下した。

 「地域の心の拠り所の小学校がなくなるのは誰もが寂しい。だが、多くの子たちを育てたこの三箇の自然や環境を、地域のために活用できるはず」。恩田稔さんは考え、仲間たちと動き始めた。その呼びかけに応えたのが鎌倉小学校。閉校後の6月、5、6年生80人がやって来た。その冬にも訪れ、豪雪の津南を体験した。

 地元の人たちは、空き校舎を今も「小学校」と呼ぶ。児童数の減少で閉校となった校舎に、再び子たちの声が響いている。その原動力となる『三箇地区 都会と交流を進める会』は、どう生まれたのか。そこには、拠り所を失った地域の危機感があった。         (次号へ)

写真・三箇校舎の体育館で布団を敷く鎌倉小の男子たち(18日午後9時、津南町鹿渡で)
 

大地の芸術祭閉幕、45万人越える、3年後への課題も  9月21日号
 第5回大地の芸術祭は過去最多の45万人(16日現在)を上回る入込みで17日閉幕した。実行委員長の関口市長は「天候に恵まれ、キナーレ・里山現代美術館やJR駅の作品などの集客力が全体に広がった」と、3年前の前回比25%増の入込みを見ている。最終的には、47万人前後になると見られ、この集客力を3年後の第6回に、どう結びつけるかが課題になる。

 まつだい農舞台で17日開いた閉会式は、「まだ終わりたくなーい」という熱気に包まれ、運営を支えた「こへび隊」メンバーが51日間の芸術祭を振り返るパフォーマンスを演じ、「この熱気を次回につなげたい」と、早くも6回目への取り組み活動を見せていた。
芸術祭構想を提唱し、第1回から総合ディレクターとして芸術祭全体を統括する北川フラム氏は、過去最多の入込みの第6回芸術祭をどう見たのか。

 「多くの人が来て、地元の人たちも多く関わり、何か良い地域を作っていこうという動きが出てきている。その意味で芸術祭はこれからだと思う。これまで、そのきっかけ作りをやってきた」と、開催地の地元住民の動きの活発さを見ている。

 さらに、「ついに外国人に火が付いた。ものすごい数が来ている。外部からいろいろな意見と共に期待がここ越後妻有に集まっている。さらに、みんな越後妻有をモデルにしようと思っているから、これからは厳しきも感じるだろう。その意味でも、さらに地元が頑張っていくことが求められる。ただ一方で、それだけ全国、世界から見られているわけで、それはすごいことで自慢していいこと。(今回の成功は)場所の力、地域力であり、同時にこの里山の魅力である」と話し、次回への取り組みとして、さらなるの地元の地域力の盛り上がりを求めている。


 一方、次回への取り組みについて関口市長は「越後妻有ファンが確実に増えている。このファンをさらに巻き込む仕組み作りが必要。これを3年間じっくり取り組むことで6回目が見えてくる」と話し、上村町長は「芸術祭が大きく化けてきた、という印象で、津南にも火が付いた。トリエンナーレ(3年に一度)の形態とフェステイバルの意味から期間はこれでいいと思うが、他の期間の活用をもっと考える必要があると感じている」と話し、6回目への期待感と課題を示した。

※※※

 今月16日現在の入込み状況▼キナーレ8万9751(前回比200%)▼森の学校キョロロ5万1186(同208%)▼まつだい農舞台4万3304(同131%)▼光の館2万3632(同158%)▼絵本と木の実の美術館3万2315(同●%)▼最後の教室3万273(同●%)。▼もぐらの館2万303▼脱皮する家1万6283▼JR田沢駅前1万5822▼蓬平いけばな1万379▼上野センス・アート9390▼中里まんまん5445▼津南DEAI4396など。

越後妻有クラフトフエアに最多野1万2500人  9月21日号
 ○…手作りの逸品が集結―。秋の恒例イベントとなった第5回越後妻有クラフトフェアは15、16日にニュー・グリーンピア津南で開催。染織や陶芸、木工を始め消しゴムはんこなど個性満載の作家が全国26都府県、119工房が参集。遠くは岩手、山口からの出品も。天候にも恵まれ、2日間で過去最高の約1万2500人(昨年比1500人増)で賑った。南魚沼市からの小林祥代さん(40)は「毎年楽しみにしています。じっくり作品をみられるのがいいですね」と興味深そうに工房巡りを満喫。

 ○…県内の大規模クラフトフェアの先駆けでスタートし5年目。定着し入込客は増加傾向。河岸段丘面に広がる津南高原の自然風景、広い駐車場もあるなど、イベントに適した環境が作家、来場者に好評でリピーターが多い。上越市でガラス工房『falaj』(ファラジ)を開く丸山慎二郎さん(37)は初参加。「雰囲気が良いと作家仲間の評判になっており、ぜひ来たかった。高原の風が気持ちよく、雰囲気は最高」とにっこり。    

 ○…地元職人有志で実行委員会を作り開く同フェア。発案者で実行委員長5年目となる高野秋規さん(60、清津陶房七ツ釜)は「作家と直接交流できる魅力がようやく定着してきたが、まだまだ伸びる余地はある。続けたい」と話している。

JR東「信濃川ふるさとの森」植樹に950人、津南に3万5千本  9月21日号
 豊かな森を未来に残そうと、JR東日本の植樹会「信濃川ふるさとの森づくり」は15日、ニュー・グリーンピア津南で開き、同社社員や一般参加者ら950人余が参集。約1・5fにミズナラやブナ、ケヤキなど津南在来16種の苗木1万1千本を植えた。津南の森作りは3年目で、町有地総面積3・5fに約3万5千本を植樹し今年で終了。来町した深澤祐二社長は「無事3回目の植樹を迎え、信濃川の森を作ることができた」と感謝。来年は十日町市での開催を検討している。

 植樹は自然との共生、電源地域の水源確保などねらいに同社の地域貢献活動の一環で実施。8年前から福島で取り組みを開始、津南町は2例目。植樹は森再生に詳しい宮脇昭横浜国立大名誉教授が指導。約30a間隔に在来の広葉樹16種を密集し植え、成長は自然の競争力に任せる方式。「本物の森は次の氷河期が来る9千年後まで生きる。津南町から世界の森として発信してほしい」と宮脇氏は豊かな自然継承を呼びかけた。

 3年間で延べ2600人が植樹会に参加。その名前は看板に記載され、森と共に残る。12歳と10歳の子どもと初参加した川崎市の奥山敏さん(44)は「子どもたちが大人になる頃、また見に来たいですね。本物の津南の森、今から楽しみです」と想いを込め丁寧に苗木を植えていた。

北陸新幹線2015年開業か、どうする飯山以北への誘客  9月14日号
 北陸新幹線(長野北陸新幹線)開業は2015年3月が見込まれるなか、JR東・JR西は今月4日、同線を走る新型新幹線車両の完成図を発表した。流線型のスマートな車両で、内部は東北新幹線で採用された最高級クラスの3列シート「グランクラス」を導入するなど、従来の新幹線より内装などグレードアップしている。停車駅のひとつ、飯山駅に近い津南町の上村町長は、2年前の就任時、「北陸新幹線開業で、飯山駅からの誘客に取り組みたい」と姿勢を示した。いよいよ開業が迫るなか、具体的な対応が求められる。11日からの町議会一般質問でも取り上げられ、上村町長は「2015年3月開業予定だが、飯山駅に何本停車するか決まっておらず、詳細の具体化を受けて対応したい。飯山駅からのバス動線も検討したい」と北陸新幹線対応への姿勢を見せた。
 
 2015年3月開業は、関係者によると、長野市の善光寺ご開帳に合わせた開業を見られる。同新幹線・飯山駅での停車本数が以北の津南や十日町地域への波及効果に通じるため、観光関係者などの関心は高い。長野駅から10分程度が飯山駅のため、全列車停車は難しい情勢だ。ただ飯山線との接続駅のため同線の利活用策が停車本数に大きく影響しそうだ。飯山駅舎デザインも決まり、今回の新型車両公開で開業ムードはいっきに盛り上がっている。  

 津南町議会で北陸新幹線開業対応を取り上げたのは草津進、恩田稔の両氏。草津氏は「北陸新幹線の開業で、関西方面からの誘客にどう取り組むのか」、恩田氏は「新幹線開業で大きな影響を効果が期待される飯山線沿線地域活性化協議会で、津南町としてどんな要望を上げ、新幹線開業に対応しようとしているのか」と共に、上村町長就任時の公約への取り組みを質問した。

 上村町長は「飯山駅停車が何本になるか具体化していない。詳細が決まってから取り組みたい」、さらに同協議会への提案として「飯山線にハイブリッド・リゾートビューふるさと号の通年運行、SL列車の長野―長岡間の定期運行をJR東に要望するように提案している。飯山線以北への誘客活動は、バスなどでの動線も検討が必要」と取り組み方針を示した。SL運行は今秋、長岡―十日町間で運行するが、新幹線開通後の飯山線でのSL運行は、沿線全体での取り組みが求められ、「上村町長が主導しての取り組みが必要だ」(恩田氏)と積極取り組みを求めた。

写真・北陸新幹線を走る新型車輌。時速260`で東京ー金沢を2時間で結ぶ。

北陸新幹線にも「グランクラス」導入  9月14日号  
 今回、JR東・LR西が共同開発する北陸新幹線新型車両は、長野新幹線で運行の「あさま」よりさらにスマートな流線形で、車内は「日本の伝統工芸の銅器」をイメージした「銅色」が基調。東北新幹線「はやぶさ」で採用したグリーン車よりハイクラスで振動揺れが少ない「グランクラス」(3列シート、1両18座席)を導入。グリーン車は4列シートで、普通車は5列シート。来年秋以降に新型車両は順次完成し、長野新幹線で先行導入し、営業運転を始める計画だ。
 運行は、現行のあさま8両編成を12両編成に増強する。最高速度は現在と同じ時速260`。東京ー金沢を約2時間で結ぶ計画だ。

写真・導入される「グランクラス」の3列シート席

連載「私の芸術祭」 津南町足滝「記憶ー記録、足滝の人々」 小林真紀子さん「自分と向き合う」  9月14日号
 6年前の4月下旬だった。春耕が始まり、稲の苗出し作業姿だった。「雨具を着たまま。『普段のまま、自然の立ち姿を』と言われ、そのまま立った姿です」。津南町足滝の小林真紀子さん(39)は、2006年の第3回芸術祭で、作家・霜鳥健三さんに言われた言葉を思い出した。その立ち姿36人の等身大のシルエットが、足滝集落の入口に立つ。作品「記憶ー記録、足滝の人々」。

 信濃川に架かる足滝橋。河畔に集落を作っていた足滝。だが、大洪水で再三、家や田が被害を受け、住民たちは一段上に移住。今の下足滝7戸、上足滝8戸となった。
 昨年3月12日、県境地震の震源地に近い足滝地区は、大きな被害を受けた。全半壊被害の家が、地元を離れざるを得なかった。6年目に設置のシルエット住人には、すでに亡き人もいる。

 アーティスト・霜鳥健三氏は、この作品に、「記憶の中に記録する」思いを込めた。「不思議ですね。シルエットだけなんですが、だかすぐに分かります。表情も色もありません。ただ立った姿だけですが、その人の雰囲気が伝わってきます」。
 シルエットを見ていると、ふと感じる。「言葉が聞こえてくる」。何気ない立ち姿は、その人の普段の生活の時間を表す。ちょっと肩が下がっている人、手を後ろに組んでいるであろう姿、広い肩幅に、男の姿を感じ、小学生くらいの子たちは、そのシルエットから歓声が聞こえてきそうだ。

 霜鳥氏は今回、住民の「足跡」の記録。『足跡は、一人ひとりの人生の証し。また、未来へと続く「歩」でもあり、その一歩一歩に、ここに生きる人たちの姿を考えたい』。足跡の幟をサークル状に立てた。「住民の絆」を現した。
 「自分の足跡を見て、なんて貧弱な足跡なんだと思いました。お年寄りの足跡は、しっかり地に踏ん張った足跡です。シルエットでも感じましたが、今回の足跡でも、また自分と向き合えました」。小林さんは、6年前の自分を再び向き合っている。

 住民のシルエット。それは、歳月と共に貴重な記録となっている。そこには6年前の自分がいて、これからも、そのままの自分がいる。「だんだん、地元の人たちも感じてきています。とっても大切な財産ができたと」。
 『記憶に残る記録』。作品の時間は止まっているが、それを見る住人たちの時間は、刻々と動いている。記憶に残る記録を刻んでいる。
     ○
 第5回大地の芸術祭連載「私の芸術祭」は今回で終了します。恩田昌美が担当しました。

NGP津南、設備更新に約8億円、松崎社長「早急に」  9月14日号
 賃借料減額が津南町議会で決まったニュー・グリーンピア津南(NGP津南)を経営する津南高原開発(松崎和秋社長)は10日、町議会審議に先立ち経営状況を説明した。開業後27年経過の施設の老朽化を指摘し、「更新期を過ぎている設備が多く、危険状態にあり、いつホテル経営ができなくなる状態になっても不思議ではない」と松崎社長は設備更新の必要を強調した。同津南は説明資料で「計画的なリフォーム、施設更新には約8億円必要」と具体的な改修費を示している。これに対し上村町長は「NGP津南をなくすわけにはいかない。継続のためにはどうすべきか、これを真剣に考える時期に来ている」と、3年後に10年契約の満了を向かえることを視野に、継続運営への環境づくりの必要を示唆した。
 
 現状を説明した樋口明支配人によると、年間の修繕費は約2千〜3千万円要し、「まもなく30年を経過する施設を使えること自体、不思議なくらい長持ちしている」と、早急なリフオームの必要性を強調した。

 経営状況は、経営する津南高原開発の第8期(2011年4月〜2012年3月)決算によると、売上10億9945万円(前年比3・1%減)。当期純損失約1600万円。10・9億円の売上に対し、JTBなど誘客斡旋手数料は約1億円。この中にはNGP津南の子会社の旅行会社「奥信越」への委託料も含まれる。

 一方、施設設備の更新では、すでに部品生産中止のエレベーター更新(1基1千万円)、ボイラー・冷暖房、配管、高圧引込電源設備など開業から27年経過し老朽化が進む。松崎社長は「経営維持のためにどうしても必要な施設整備更新費が約8億円。お客様から指摘されるフロアーや壁、客室内などのリフォーム更新を含めると10億以上が必要になる」と、早急な施設更新の必要性を訴える。さらに同社長は「なんとしても単年度黒字にしたい。そのためには売上12・5億円が必要。全職員あげて取り組んでいる」と話す。津南高原開発が経営を始めた2005年10月から7年間の投資的修繕費は約2億円に及んでいる。

 さらに冬季営業の主体となるスキー客対応は、九州や関西の高校スキー修学旅行を受け入れ、「3年先の予約が原則。つまり来春にはその先の予約を得るためにも、高校側にその後の経営方針を示さなくてはならず、なんらかの返事をしなくてはならない」と、契約満了となる2015年以降の契約に対する津南町の姿勢を求めている。なお今期経営状況は、今月から来年2月末までの予約状況で売上約9億9900万円が見込め、「今後の営業努力で10億は上回るだろう。前年比でも改善しており、社員の努力に感謝している」と話している。

写真・津南町議会で説明する松崎社長

サケ遡上、JR東・宮中ダムの改修魚道、200尾期待  9月14日号
 ◎…千曲川・信濃川の上下流が連携して行うサケ遡上調査が今年も11日から始まっている。前日10日には十日町市のJR東・信濃川発電所の宮中ダム魚道に調査トラップ(仕掛け)を設置し、委託を受ける中魚沼漁協がJRと共同で調査開始。22`上流の飯山市・東京電力西大滝ダムでも10日までに魚道に調査トラップを設置し、高水漁協が11日から調査を開始している。宮中ダムでは今期は改修した魚道での初めての採補。設置トラップも特注製作した。

 ◎…採補調査は両魚道とも昨年同期の11月10日まで実施。特にJR東・宮中ダムは5年間の試験放流を実施中で、今期は毎秒60d放流で、今後の放流量設定にも影響するだけに、サケ遡上数に関心が集まる。日本海河口から134`の宮中ダムでは昨年135尾(前年146尾、前々年160尾)の遡上を確認。昨シーズンは毎秒80d放流(前年100d)で、今期は試験放流計画に従い毎秒60d。中魚漁協の長谷川克一組合長は「今期は水温が高く、本格的な遡上は10月に入ってからだろう。これまでの稚魚放流から今期は200尾は帰ってほしい。放流量との関係も注目したい」とサケ遡上に期待を寄せる。昨年までの同漁協は稚魚55万尾を放流している。

 ◎…NPO新潟水辺の会は、今期は西大滝ダムでの24時間監視を行わず。流域全体を観察する。加藤功事務局長は「3、4年前には約60万尾を放流しているが、今後は自然産卵できる環境整備に平行して取り組む」と活動方針を話している。西大滝ダム魚道では昨年35尾(前年3尾)を記録している。
 

食の大使任命、津南米626d活用の「ブロンコビリー・竹市社長」  9月14日号
 「津南の名を大いにアピールしていきたい」―。津南産の魚沼コシヒカリを釜炊きご飯として提供して人気を高めている、関西地域で豪州産ステーキハウス70店舗を展開するブロンコビリー(本社・名古屋市)の竹市靖公社長に11日、上村津南町長がJA津南町で「津南町食の大使」を委嘱した。

 ブロンコビリーは今年8月、東証1部に上場。毎年、2店舗ほど拡大しており、レストラン業界では注目株。10年後には全国2百店舗をめざしている。平成18年からJA津南町と提携、魚沼コシヒカリを購入し全店舗で釜炊きご飯としてお客に提供している。上村町長は「当初に比べ3〜4倍の量になっているなど大変ありがたい。地域発信のパートナーとして今後も協力をお願いしたい」と食の大使の委嘱状を手渡した。これを受け竹市社長は「残ったご飯を持ち帰るお客さんもいるほど人気がある。各店舗でさらに津南をアピールしていきたい。今後は四季の野菜もお願いしたい」と津南産食材の拡大を求めていた。
 町食の大使は昨年、「ごはん」と提携している京都の料亭・高級弁当「美濃吉」に続いて2件目となっている。

写真・上村町長から食の大使に任命された竹市社長(左)

金メダル女子レス、市民7百人が出迎え  9月14日号
 金メダルは十日町の応援のお陰―。ロンドン五輪女子レスリングで金メダルを獲得した吉田沙保里(55`級、ALSОK)伊調馨(63`級、同)小原日登美(48`級、自衛隊)の3選手と、惜しくもメダルを逃した浜口京子選手(72`級、ジャパンビバレッジ)が、合宿地の十日町市に凱旋。集まった市民ら7百人を前に「みなさんの応援が力になりました」と健闘を報告した。

 「お帰りなさい」「頑張ったぞ」と歓声が響く中、地元のレスリングクラブの子どもたちが花束をプレゼントし、浜口選手には手作りの金メダルを贈った。吉田選手は「十日町の応援が力になりました」と金メダルを掲げ、浜口選手は「この金メダルのように心の中に金を育てたい」と話した。
     ○
 金メダルを獲得した3選手らは8日、同市民会館で開かれた「市民の集い」に出席。吉田選手は「旗手を務めワクワクドキドキ。先頭を歩けて気持ちよかった」などと笑いを交えてロンドン五輪での感想を話した。訪れた人の中から五輪記念の絵皿や色紙をプレゼント。会場から「レスリングをしていなかったら何をしていましたか」などの質問に答え、栄監督は「相撲」、選手たちは「フィギアスケートをしたかった」(小原選手)「ピアニスト。でも習わせてくれなかった」(吉田選手)「美容師になりたかった」(伊調選手)などと答え、会場を沸かせていた。

25年連続出場の貝野小、祝う会で先輩と交流  9月14日号
 ○…校舎に伝統の音色が響いた―。中里・貝野小リコーダー部の25年連続全国大会出場を祝う会が2日、同校体育館で開かれ、現在の部員や卒業した中学生らの演奏が行われた。会場には地元住民ら180人余りが参集。卒業生の思い出話も披露され、会場は『リコーダー同窓会』の雰囲気で盛り上がっていた。

 ○…同校は4〜6年全員がリコーダー部に所属し、昭和60年度から県コンテストに出場。全国大会には合奏や重奏で62年度から出場し続け、全国でもトップの成績という。祝う会では10年前に制作したCDに続き、これまでの10年間の演奏を収録したCDを制作販売。式典で卒業生の山田はるかさん(23)は「全国というより、東京へ行ってホテルに泊まりたかったという気持ちだった」、また齋藤芳子さん(33)は「6年生の時に指導してくれた先生を泣かしたことがあります」などと思い出話を披露すると、会場から笑いや拍手が起きていた。記念コンサートでは現リコーダー部(4〜6年生12人)と中学に進学した卒業生17人、さらに指導に当たったプロ奏者・金子健治氏による演奏が行われ、会場はリコーダーの音色に包まれていた。

『皆さんの応援のおかげ」、ロンドン五輪銀メダル・三宅宏実選手  9月7日号
 ◎…「すごい、本物のメダルだ」。ロンドン五輪の女子重量挙げ48`級で銀メダルを獲得した三宅宏実選手(26)が3日、学生時代から毎年合宿している津南町を訪れ、役場前につけまけた2百人を前に「皆さんの応援のおかげです」と喜びの報告をし、大きな拍手で祝福された。先月26日から津南で行う全日本ナショナルチームに2日、合流した三宅選手。3日には津南町役場に上村町長を訪ね、さらに震災地の栄村を訪れ、横倉仮設住宅では、被災者を励ました。

 ◎…町役所前には町民ら2百人が出迎え、五輪公式ウエア姿で銀メダルを首に下げた三宅選手と父で監督コーチの三宅義行さんが登場すると大きな拍手と歓声。地元ひまわり保育園児が花束を贈り、園児にメダルを見せると、「わぁー、おもい」と自分の手より大きい銀メダルに歓声をあげた。   

 ◎…法政大の学生時代から津南で毎年夏に練習する三宅選手。「津南の自然の中でたくさん練習できた。この地での練習は初心に戻れる場であり、皆さんのおかげです」と感謝。父、義行さんが「あきらめない気持ちが結果に結びついた。津南の皆さんの支援を受け、新たな挑戦をしていきたい。次のリオ(ブラジル五輪)をめざす」と話すと、宏実選手は「メダルを取るということの周囲の変化に戸惑いもあるが、次回、リオを視野に入れていきたい」と新たなる挑戦の姿勢を見せた。なお5日には、ニュー・グリーンピア津南で津南町主催の祝賀会を開き、改めて祝福を受けた。練習場を提供する同津南には常設6面あり、連取器具が完備し、大学生や全日本チームなどが毎年訪れている。

写真・2百人余の町民に迎えられた三宅選手(3日、津南町役場前で)

連載「私の芸術祭」 松代・犬伏「伊沢和紙を育てる」 こへび隊・牧ゆうなさん  9月7日号
 使い込まれた黒光りする板の間。庭の畑に通じる勝手口からの光が、囲炉裏を浮かび上がらせ、鋭角的に木組みされた作品「伊沢和紙を育てる」が、時空を越えた場を創り出している。
今春3月、ニュージーランド語学留学から帰ったばかりの大学3年、牧ゆうな(22)さんは、囲炉裏脇に座る。「この時間の流れがいいですね」。

 帰国後の4月、松之山・三省ハウスに泊まった。芸術祭スタッフの話しに魅かれ、そのままボランティアスタッフ「こへび隊」に登録。翌5月の連休、スタッフ研修に参加。いま連日、ツアーガイドや作品担当スタッフとして越後妻有全域を飛び回る。
 フリーライターの母から聞いた「大地の芸術祭」。だが過去4回、一度も来なかった。ニュージーランド帰国後の空虚感の琴線に、何か触れるものがあった。
 
 国道253号、薬師トンネルを抜けると視界が開ける。作品案内に従い、山側に入ると突然、多くの家並みが見える。松代「犬伏」地区。国重要文化財「松苧神社」がある。7歳の節句で山に登る「七つ参り」で知られる。犬伏には67戸が暮らす。
 犬伏にあった伝統工芸「伊沢和紙」。廃れるなか2006年、造形作家・中村敬氏が入り、第3回芸術祭で作品展開。取り壊し寸前の古民家を使った。独特の技法による透かし入り紋様が雰囲気を創り出す障子戸。

 明り越しに渦巻く潮を和紙で表現。鋭角的な木組みには、地元職人の技が生きる。語らいがあった居間には、その木組みと和紙細工が天井と床の間を縦横に舞う。

 作家・中村氏の作品製作を直接関わった牧さん。「最初に完成形があるわけではありません。製作過程で、思いを形にしていきました。それを間近で感じながらお手伝いできたのは、とても刺激的でした」。
 4日。ちょうど、伊沢和紙作品の担当に。来場者に説明し、質問にも応える。「この空間で、ここでの時間の流れを感じてほしいですね」。
 時間を見つけ、作品巡りしている。空家作品に魅かれる。「どの古民家も、とても気持ち良さそうだなぁとい感じます。あの空間がいいですね」。それは、越後妻有を訪ねる人たち共通の思いでもある。
 大学生活も、いよいよ追い込み。「この経験が、今後につながると思いますが、芸術祭との関わりは、これからも続けたいです」。
 

進む広域化、津南中等校オープンスクールに28校から  9月7日号
 今春4月に初の卒業生が東京大、京都大など国立大に13人が進学するなどその取り組みに関心が集まる津南中等教育学校(吉原満校長、433人)。1日に恒例のオープンスクールを開き、授業航海や体験授業を実施。地元津南や十日町市、小千谷市など小学校28校から約百人の児童と保護者120人余が参加。児童たちは同校が力を入れる英語授業を実際に体験するなど、「夢の実現」をめざす校風の一端に触れた。

 今回の同スクールには町内全小学校、魚沼、南魚沼、小千谷、隣県の富山などからも参加児童が訪れるなど、関心は広範囲に及んでいる。同校は今期、従来の津南、十日町の各小学校と南魚沼での保護者向け学校説明会に加え、初めて魚沼市でも会を開き、さらに広域にアピールする方針。吉原校長は「初めての卒業生を送り出し、また新たな時代に入っている。生徒が夢を膨らませ、じっくりと個性を育て能力を伸ばせる学校だ」と児童と保護者に語った。

 保護者の視線も熱い。小学6年の長女と共に訪れた津南町の男性(35)は「早めに自分の目標を持つことが、勉強に取り組む一番のきっかけとなる。地域外からも意識の高い生徒が集まって来る中等校は子どもの大きな刺激になる」と広い地域から人材が集まる点を高評価。一方、長女が受験予定の十日町市美雪町の服部さん(43)は「開校7年目で取り組みが見えてきた。基礎学力をしっかり身に付ければ将来何にでも対応できる。語学研修で英語力も付き、ここなら総合的な人間力が付くと感じる」と話していた。

小中学生の読書活動を支援  9月7日号
 津南町の読書教育活動を支援する食品大手、日本食研ホールディングス(大沢一彦会長)は、2008年から図書購入費100万円を町に寄付しており、今年も先月末、上村町長が同社愛媛本社で大沢会長から百万円を受けており、今回で4回目の寄付となる。これを受けた町教育委員会は各小中学校に「日本食研文庫」を設け、子どもたちに開放し、読書活動をさらに積極的に進めている。

 日本食研ホールディングスの図書費寄付は、25年以上の取引関係になる津南町森林組合との取引高10億円突破を記念に、大沢会長の英断で2008年から毎年百万円の寄付が行われ、今年で4回目。すでに総額4百万円、町内小中学校6校に1千8百冊余の図書が揃い、子どもたちは毎日、「日本食研文庫」を活用している。

 津南小の吉野孝則校長は「子どもたちが読みたい本、子どもたちに読んでほしい本など、いろいろの分野の本が揃い、多くの子どもたちが毎日手に取り、楽しそうに読んでいます。大変ありがたい支援です」と図書の寄付に感謝し、さらに読書活動を進めたいとしている。

 ○○
 前号1面、日本食研ホールディングス図書購入費寄贈に誤りがありました。今回で4日目の寄付です。2008年7月約820冊、2009年5月507冊、2010年5月555冊、そして2012年8月。寄付合計400万円です。訂正し、お詫びいたします。

写真・日本食研文庫で読書する津南小の子どもたち

県大会で準優勝、津南バスケ小学生チーム  9月7日号
 県大会で初の銀メダル―。津南町のスポーツ少年団のミニバス・津南Bスリー(桑原優斗主将、21人)がこのほど行われた第22回県スポ少大会で準優勝、同チーム過去最高成績を記録。17チーム出場の同大会を勝ち抜いた自信を胸に「次こそトップに」と週3回の練習に汗を流している。

 強豪ぞろいの長岡地区トップ争いに食い込む活躍をみせる津南Bスリー。予選を勝ち抜け2日、長岡北部体育館で決勝トーナメント。準々決勝で長岡南ファイターズに50対32で快勝。準決勝は同地区ベスト4の越路Jr。46対33の接戦を征し、初の決勝戦に進出。決勝こそ長岡地区の強豪・宮内DJに惜敗したが、創部15年で初の県大会準優勝を達成した。なお同大会では3年前、中里ミニバスが準優勝している。

 突出した選手はいないがチームワークと粘り強いディフェンスが強みの津南。総得点の4割を決め攻守の要の風巻駿也君(外丸小6)は「決勝で負けたのが悔しい。練習して次こそ優勝したい」と全国に繋がる11月の秋大会に向け練習にも熱が入る。
 準優勝のメンバーは次の通り。
 ◆桑原優斗(津南6)滝沢修斗(外丸6)風巻駿也(同)風巻尋翔(同)福原佑之介(同)福原亨太(津南5)小島駿(同)風巻陽翔(外丸4)林亮太(津南4)藤ノ木勝吾(同4)石橋柊人(同)高波拓朗(同3)柳澤丞(中津3)小林流華(津南3)風巻竜英(同2)。

渇水、収穫目前の水田深刻、ため池枯渇、120万dの大谷内ダムも  8月31日号
 収穫の秋を目前に、稲作の水不足が深刻だ。「もう少し。あと10日、水があればいいのだが…」。信濃川左岸、津南町の川西地域や水田が主体の津南原台地で農業用水が不足している。かんがい用ダムは、すでに底が見え、通水制限を行い、急場をしのごうとしているが、枯渇は時間の問題。「これほどの渇水は初めて」と関係者は話し、稲穂の登熟期を迎えており、このまま渇水が続くと品質低下につながり、一部には地割れが出始めている。昨年の豪雨災害に次ぎ、今度は渇水被害が心配され、雨頼みの日々が続いている。


 観光施設・マウンテンパーク津南にある「上野のため池」。一昨日の29日、貯水量6万4500dの貯水が底をついた。地元上野の道水路委員会(石沢正美委員長、7人)は連日ため池の水位を見て、通水管理をしてきたが、ここ1ヵ月余り雨らしい雨は降らず、ついに枯渇。
 このため地元では、渇水対策として過去にも実施した県道消雪パイプ井戸の活用を29日、町を通じて県に要望、30日から使用している。だが、この消雪パイプ用水は集落下流域だけで、集落上部では対応できない。

 水田3・6fを作る石沢委員長(45)は「これほどの渇水は初めてだ。せめてあと1週間、水があればいい。もう雨頼みしかない」と話している。

 上野地区には約50fの水田があり、減反などで今期作付けは約40f。約半分がため池を用水としている。他は別水系からだが、同様に渇水状態が続いている。
 2年前まで道水路委員長を務め、水田3fを耕作する津端眞一さん(64)は、「昨年は震災で作付けできず、今年は水不足、困ったものだ。このまま1週間も雨が降らないと減収、品質低下は避けられない」と深刻状態を訴える。上野ため池は、2年前までに底部改修を行い、貯水量は1万d増量。だが1ヵ月以上の雨なしで29日ついに底をついた。

 一方、約700fの流域面積を有する津南原台地の水源、大谷内ダム(貯水量120万d)は30日現在、貯水量は満水時のわずか6・7%。直下の源内山調整池(同40万d)を含めて貯水量は9%程度しかなく、管理する津南郷土地改良区では、「これほどの渇水は初めて。通水管理しているが、限界に近い。あと2週間程度は水が要る」と、深刻度を増している。同区では今月18日から通水制限しているが、枯渇は時間の問題で、上流域での雨頼みとなっている。

 町の観測によると、24時間雨量で10_を越えたのは7月17日の20・5_。以降は同23日に7_、25日は2・5_、26日0・5_。7月26日から今日29日まで全く雨量記録はない。30日に少量降ったが、「とても足りない」状態だ。渇水状態は、水田が多く、里山が浅い信濃川左岸が深刻で、収穫期を目前に、この渇水被害が心配される。

写真・干上がった上野ため池(8月29日)

連載・私の芸術祭  アン・ハミルトン「金属職人の家」津南町田中「見えない人の気配」  8月31日号
 棚田の緑が風になびき、緩やかなウェーブを見せている。初めて越後妻有を訪れたアーティスト「アン・ハミルトン」は、その光景を長い時間見つめ、棚田に立っていた。「やさしい風」。作品展開する津南町田中の「金属職人の家」は、その棚田の風をモチーフに、家を包む真っ白なシルクオーガンジーが、風に撫でられるように、なびいている。
 
 米国オハイオ州立大の大学院時代、アン・ハミルトン氏が担当教授だった井上恵美さん(28)。先月14日の作品制作から、アン氏と共に田中で過ごした。芸術祭開幕後は、1週間単位で同作品の受付担当をしている。
 長野生まれで、抽象画専攻の井上さん。アトリエで独りこつこつと作品製作する。アン氏の作品は「真逆のものでした。地元の皆さんなど多くの作品製作スタッフが協力して作る。こういう世界もあるんだと、感じ入りました」。

 家主で板金職人だった清水徳松さんは6年前に死去。数年空家だった職人の家をアン氏は、光、音、風を使い、「見えない人々の気配を感じさせる家」として作品展開。使い込まれた職人道具や農具を使い、「息吹を吹き込み、音を作り出し、空家への人の出入りで、家を生き返らせる。それを五感で感じてほしいです」。井上さんは話す。
 
 玄関を入ると、光越しに風で触れ合う金属音、鳥が飛び立つ羽音、居間の紐を引くと、息吹を吹き込み、音が出る。「人の居ない家の静けさと音。音がなぜ作られるのか。自然に溶け込む音に、耳を澄ませてみて下さい」。
 家主の居なくなった家で、新たな息吹きを吹き込むことで、人が生きてきた証しに触れる、井上さんは感じている。

県立十日町高吹奏楽部が西関東大会へ  8月31日号
 いよいよ西関東大会へ―。第53回新潟県吹奏楽コンクールが8日、長岡市立劇場で開かれ、A部(55人以下編成)に出場した十日町高校吹奏楽部は金賞を獲得。県代表5校の中に選ばれた。昨年に続く西関東大会出場で、小林由季部長(3年)は「心を伝える演奏をして、昨年の銀賞、またそれ以上をめざしたい」と意欲を見せている。西関東大会は9月8日、前橋市・ベイシア文化ホールで開かれる。

 同校吹奏楽部は1〜3年生の全46人で挑戦。県大会は課題曲の「行進曲・希望の空(和田信作曲)」と自由曲「シンフォニエッタ第2番・祈りの鐘(福島弘和作曲)」で、豊かな感情表現と息の合った演奏で金賞と県代表を獲得した。夏休み期間中は「これ以上の練習はできない」(三浦義弘顧問)というほど、連日9時間を超える練習に取り組み、西関東大会に備えてきている。

 指導に当たっている指揮者の山内直道さん(44)は「県大会では少し緊張しすぎて焦りを感じた演奏だったが、西関東大会では、もっと気持ちを込めた演奏に仕上げたい」と練習に取り組んでいる。

 メンバーのひとりで津南中出身の桑原由子さん(3年)は「西関東大会に行くことができ、本当にうれしい。最高の演奏をしたいです」と話している。

大地の芸術祭、演劇も続々、松之山・坪野で劇団トンデ空静が  8月31日号
 ◎…限界集落といわれる松之山・坪野に、前回の芸術祭から関わり、作品展開するアーティスト・岩間賢氏が統括し、楽団「渋さ知らズ」の舞踏家・松原東洋氏が演出し、率いる劇団「トンデ空静」の『谷蟇(たにぐく)』公演は24日から27日、4夜連続で坪野の自然そのままの野外ステージで行った。特設客席は2百人余で埋まり、古民家わきの谷地形を舞台に、「谷蟇(たにぐく)」=かえるをモチーフに、松原東洋氏の振付のパフォーマンスが演じられた。即興ジャズ的なライブ演奏が雰囲気を創り出し、棚田や傾斜地、林の中などで縦横に独特の踊りを展開。90分のパフォーマンスは、上弦の月の輝きも加わり、時空を越えた異空間を創った。

 ◎…災害続きだった松之山・坪野。昨年の豪雪、震災、豪雨災害が重なるなか、作家・岩間氏は芸術祭で坪野全体を作品化し、「さとまりつ」として支援。舞踏公演では、震災で被災した蔵から出た江戸期の「獅子頭」を修復して使用。さらに東洋氏の独特の演出に来場者は魅せられ、終演後、拍手が鳴り止まなかった。

芸術祭で住民活動活発化、大地の市やカフェ  8月31日号
 前回以上の集客となっている第5回大地の芸術祭。津南エリアでは新作11作品を含む23アートが展開。今回、上野や大割野ではこれまでなかった芸術祭への積極町民参加も見られ、現代アートが生み出す活性化に関心が集まる。
 
 中国、韓国、台湾などアジア作家の15作品が信濃川左岸に集まる「東アジア芸術村」。その中心が上野集落。公民館では香港の芸術グループ「センス・アート・スタジオ」のアート空間で「ドラゴンカフェ」が展開。台湾の庶民食・魯肉飯(ルーローハン)、つなんポークのカツサンド、中国茶など提供。厨房には地元のお母さんら10人余が交代で立つ。アジア情緒空間と手作りの味が人気で、週末は百人以上が訪れる。

  芸術作品が集中するエリアに安らぎ場を作ろうという運営側の要請を「おもしろい。地元の活気に繋がる」と第1回から芸術祭に関わる同集落住民らが連携し初挑戦。案内役と給仕役は香港の作家がこなし、厨房担当は地元のお母さん。交流も深まる。賄いの昼食はナスやキュウリの漬物などおふくろの味満載、作家にも好評。上野の小林倶子さん(68)は「会話は日本語と英語の片言ですが、違う国の話を聞くのは楽しい。英語をもっと覚えたくなりました。カフェにも大勢人が来るので、やりがいがありますね」。初の憩いの場で、新たな交流も生まれている。
     ◎
 
 白い三角錐アートが40個余並ぶ「建具ノモリ」(山本想太郎作)。大割野「大地の市」はこのアートを露店化、住民発案で津南中心部に初めてできた芸術拠点。週末は4百人余が足を運ぶ。ふれあい工房は自社PRのため出店。オリジナル商品の二五八漬を使ったキュウリ漬が好評。中澤正代さん(65、上段)は「漬物の味も全国で違います。ここで味を知り東京から注文してくれる人もいます」。時には郷土食談義で盛り上がり、それも刺激となっている。

 中心部に作品を積極誘致した「あ〜ともりあげ隊」(志賀孝隊長)。スタッフが連日、津南PR役を務める。事務局の藤野健さん(43、大割野)は次回を見据えた取り組みの必要性を感じている。「東アジア芸術村の津南、アジア留学生の積極受入れや友好交流のヨジュグンと連携した取り組みがあれば、会期後もアピールできるのでは」と話す。アートの祭典を今後にどう繋げるかが、カギのひとつだ。

女神輿、津南と十日町で  8月31日号
 〇…粋だね―。津南町熊野三社秋季祭礼を彩る「女神輿」は今年も27日午後2時半にスタート。ねじり鉢巻きにはっぴ姿の女性49人が「ソイヤサ」の掛け声と共に大割野、陣場下地区を4時間余かけ巡行。強い太陽の陽射しを浴び、汗であでやかに光る女性たちに沿道からヤンヤの喝采が飛んだ。
 
 〇…28年目の女神輿。今は津南を代表する名物に。担ぎ手は10代から40代、世代を超え一心に神輿を楽しむ女性パワーは街を活気づけている。担ぎ手となり8年目、大阪から嫁入りした石田良枝さん(38)。来年は長女が高校を卒業、共に女神輿に参加することを約束している。「早く一緒に出たい、と娘も言っています。お祭り好きの大阪の血が騒ぐのかも。今から来年が楽しみです」とにっこり。粋な女性たちの姿は、子どもたちの憧れとなっている。

 ○…暑い夏に負けないほどの熱気ある女万灯が十日町おおまつりの25日に繰り出した。同まつりを盛り上げようと白百合の会(小林範子代表)を結成、初の女万灯となった。呼びかけに90人余りが参加、「オイヨイ」と黄色い声をあげ、まつりに華を添えていた。
 ○…揃いの半纏は、国内外で活躍する川西出身の書芸家・平野壮弦さんがデザイン。通りを練り歩くたびに、沿道から大きな声援がおくられていた。なお昨年は豪雨災害で中止となった民謡流しも復活、3日間の人出は1万9千人でにぎわった。


  


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