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2010年09月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
東京電力・西大滝ダム水利権更新問題、流域に「毎秒20d放流」を説明  9月24日号
 今年末に発電取水権の更新を迎える東京電力・西大滝ダム(信濃川発電所=津南町鹿渡新田)に関係し、東電は先週14、15日、下流域の津南町、栄村、さらに野沢温泉村、ダムがある飯山市、漁業権を持つ高水漁協を訪問し、水利権更新への取り組み方針を説明した。この中で東電は、昨年3月、国や流域市町村など関係者で作る「信濃川中流域水環境改善検討協議会」が提言した「西大滝ダム直下で毎秒20d以上の河川流量を確保するべき」に添う形で、更新後の放流量の方針として「平常時で毎秒20d」を説明した。東電が更新に関わり放流量について言及したのは初めてで、今後の動向に関心が集まる。

 
 東京電力が説明に訪れた自治体関係者によると、小千谷市にある東京電力・信濃川電力所の黒河内淳副所長、近藤世紀管財グループマネージャーらが各自治体を訪問し、更新に関係し、東電の方針を説明した。
 関係者の話を総合すると、水利権更新期間は「20年間」。これは08年8月の国土交通省通達による『河川法の施行について』の一部改正により、「平成21年4月1日以降に新たに許可し、または許可更新する水力発電水利使用から、原則としておおむね20年(当初許可から100年を経過したものは10年)とし、10年目に必要な報告を求める」ことに従う。更新申請の提出期限は11月30日となっている。
 
 さらに、最大取水量は現行の毎秒171dなどを説明し、関心が集まる放流量(維持流量)は、信濃川中流域協議会が提言した「毎秒20d以上」を示し、これに添う形で取り組む方針を示したという。
 
 西大滝ダム直下流の栄村・島田茂樹村長は15日、東電の説明を受けた。「栄村は千曲川の水を使っていないが、川を活用するラフティング関係者からは、毎秒80d必要という声も聞いている。(国へ申請後の)県からの意見聴取に対しての回答についてなど、関係者と協議したい」と受けとめている。
 

 一方、東京電力と関係深い津南町の上村憲司町長は14日、説明を受けた。「毎秒20dという水量がどういう状態なのか、実感がない。渇水期の0・26dとの比較も必要。中流域協議会が提言した毎秒20dという根拠も勉強したい。今後、県の意見聴取に備え、関係者との協議の場を持ちたい」と話し、漁協権を持つ中魚漁協や地元河川利用活動グループなどと協議の場を持つ方針だ。
 なお、東電は今月6日に飯山市、9日に野沢温泉村を訪れ、27日には十日町市を訪問、同日、中魚漁協とも懇談する予定だ。

写真・2008年9月撮影、西大滝ダムの直下流は「小川」状態だ

新潟県議選、現職・村松氏、尾身氏、再選に向け始動  9月24日号
 来年4月に改選期を迎える新潟県議選が動き始めた。自民現職の前副議長・村松二郎氏(56・5期)と県監査員・尾身孝昭氏(57・4期)は、共に再出馬に向けて講演会活動をスタートしている。共に後援会役員会などの集会で、次期への起意を話しており、村松氏は18日の中里後援会で「再度、私を評価していただきたい」と事実上の再出馬を表明。今後、旧市町村ごとにある後援会集会で再出馬を話す方針だ。尾身氏は、今月27日に地域の企業・団体の後援会集会を開き、来月17日には後援会総会を開き、再出馬表明する方針だ。来春の改選では、政権政党の民主がどう動くか、関心が集まっている。だが、具体的な動きはまだない。


 尾身氏は今年5月、自民県連の1次公認に申請し、すでに公認を受けている。今月27日には、ラポート十日町で「尾身県議を囲む企業・団体の会」(西方勝一郎代表幹事)の集会を開く。さらに来月17日には後援会連合総会をクロス10で開き、正式に再出馬を表明する方針だ。
尾身陣営は、選挙区が統一した最初の前回選で津南町での得票が低調だったため、後援会活動で浸透をはかり、今年の津南町長選では、以前からのスキー関係の交友などから、上村町長の対立候補・半戸哲郎氏を支持するなど津南での浸透をはかっており、先週16日の半戸氏後援会の役員会にも出席している。
 

 一方、去就が注目されていた村松氏。18日、中里Uモールホールで開いた中里後援会(会長・鈴木一郎市議)収穫祈願祭で、来春への姿勢を話した。役員など150人余が出席したなか村松氏は、これまでの思いを話し、再出馬への決意を語った。
 次期への思いが逡巡した経過を話した。組合長である「ゆきぐに森林組合」が組合取扱高を上回る20億円を越える新工場建設事業に着手し、かねてより力を入れる林業振興への思い、さらに県議20年などを踏まえ、「4年前に選挙区が変わり、こちらから立たせてもらった。一人の者が長い期間続けるのは良い事ばかりではない。皆さんの期待に応えているのかという思いもある。迷いがあったので、自民への公認申請はしていない」と振り返った。
 さらに「一方で新しく選挙区となった皆さんからは、まだ一期だ、やっと気軽に話ができるようになった、ここで引っ込むことは全く考えていない、という励ましの声をいただいた。ならば、自分自身が一貫して貫いてきた姿勢を再度、皆さんから評価していただきたい」と再出馬決意への思いを語り、支持を訴え、大きな拍手を受けた。
 

 この中里集会の前日、17日には連合後援会の役員会を開いている。役員改選を行い、松之山後援会長の佐藤利幸連合会長が退任し、鈴木一郎中里後援会長が連合会長に就任。津南町会長は前町長の小林三喜男氏、松代は若井君男氏、松之山と十日町は人選中。今後、旧町村単位で県政報告会を開く方針。近く自民の2次公認に申請する方針だ。

写真・津南町敬老式に出席の村松氏(左)と尾身氏(隣)

世紀の論争の場、縄文草創期・本ノ木遺跡群を国指定遺跡に   9月24日号
 縄文の初源、草創期の遺跡かどうかをめぐり考古学会で一大論争を巻き起こした「本ノ木論争」。その現場、津南町卯ノ木で町教育委員会と國學院大とで発掘調査が進み、50年余前に行われた調査跡も確認され、さらに新たな調査結果も出るなど、学会を揺るがした「本ノ木遺跡」は、ようやく時代考証が具体化しつつある。町教委は今後2年間、調査を行い、一体を縄文草創期の遺跡群として国指定に申請する方針だ。


 本ノ木論争は、同遺跡から当時、旧石器と見られる石槍が多数発掘され、その中に縄文草創期の押圧縄文土器が見つかり、この2つが同時代のものかどうか、前後して調査した明大・芹沢長介氏と東大・山内清男氏を中心に考古学会を二分する大論争となった。
4年前、さらに調査が必要と國學院大が同遺跡の調査に入り、町教委と共に一体の縄文草創期遺跡群と共に調査を進めている。
11日の現地説明には、大阪などからも関係者が参加し、関心の高さを示した。調査は本ノ木遺跡の一段下、卯ノ木遺跡でも行い、近くに湧水源があるため、泥炭層も確認され、木などの有機質資料が見つかるか、関心を集めている。これまでに草創期の土器、石器などが見つかっているが、具体的な有機質は出ていない。だが、同大の中村耕作助手は「今後、顕微鏡調査など理化学分析でかなりの情報が分かるはず。人の活動跡の手がかりになる」と期待感を話している。


 一方、本ノ木遺跡は、50年前の調査跡を確認し、さらに今回、その前後に誰かが調査した痕跡も確認。今後、一体に調査を広げ、同遺跡の全容を解明する方針だ。町教委・佐藤雅一文化財専門員は「あと2年間の調査で発掘エリアを広げ、調査を深めたい。歴史的な論争の現場、草創期遺跡群として国指定遺跡に申請したい」と方針を話す。50年前の調査時点の報告書もこれを機会に作成し、発掘資料の返還も実現する見通しとなっている。

安藤忠雄設計「水のホール」「森のホール」、当間ベルナテイオに  9月24日号
 自然との共生を考える拠点施設完成―。当間高原リゾート・ベルナティオ(山本博正社長)に「森のホール」「水辺のホール」が18日オープン。同施設は東京電力自然学校ポポラが自然体験プログラム場として活用。魚沼米など特産品解説や野鳥の鳴き声を聞けるコーナーや地酒や伝統工芸士など地元職人紹介など、十日町の情報発信拠点ともなり、活用が期待される
 

 両ホールは世界で活躍の安藤忠雄設計事務所が担当、建設は鹿島建設。日本家屋の縁側をイメージし広い展望デッキを備え、風が通る吹き抜けなど自然との一体感を表現。建物は安藤氏が得意とする打放しコンクリート。18日の安藤氏の講演会には県内外から約千5百人が来場。同氏は「今は子ども同士が遊び、ぶつかる場もない。縁側は会話し、ぶつかり、ケガもするようなそんな空間。ケガもしないような子はよくない。次の世代を担う子たちに縁側で豊かな自然に触れ、対話する心を育てて欲しい」と人間形成の場としての設計理念を述べた。
 

 「森のホール」はベルナティオ本館わき、床面積約1150平方b。地元紹介コーナーなど設置し一般開放。「水辺のホール」は棚田の傾斜地に建設、ビオトープや雪室など自然体験や調査研究所となる。床面積は約1040平方b。管理するベルナティオ・山本社長は「人間と自然が一緒に生活するのが里山。里山を学ぶ場としてベルナティオはある。この世界一の縁側で日本の気持ちを取り戻せるよう進めたい」と話した。自然体験利用を昨年約3倍、年間6万人を見込む。

元気に共白髪、津南町敬老式で60年結婚15組  9月24日号
 ○…結婚60年のダイヤモンド婚を迎えた15組を代表し、誕生日が同じ大正12年生まれの津南町鹿渡の恩田尚利さん、シンさん夫婦が、上村町長から記念品を受けた。町敬老式は20日、町総合線センターで開き、式典出席対象者(75歳以上2705人)のうち650人余が出席、小学生の感謝メッセージなどにうなずき、拍手を送っていた。
 

 ○…式典後のアトラクション寸劇にも特別出演した上村町長は「住み慣れた地域に住み続けていただけるように、町として積極的に取り組みます」など、認知症対策モデル事業を導入し、支援サポーターが7百人余に増えている現状などを説明し、生活支援を約束した。
 

 ○…式典では喜寿(153人)、米寿(104人)、95歳長寿(26人)百歳(7人)、最高齢者(高橋ツルさん)などを表彰。さらに金婚式(53組)を代表し、朴ノ木坂の山田正克さん、ツヤさん夫婦、ダイヤモンド婚らに記念品が贈られた。出席者が心待ちにしている小学生感謝メッセージは今年は外丸小の3人(1年小島陽真君、3年・田中歩夢君、6年・福原理歩さん)が「おじいちゃん、おばあちゃん、いつもありがとう」などと発表すると、この日一番の拍手が送られた。アトラクションでは、認知症キャラバンメイト達者だ会が寸劇、健骨体操指導員による健骨体操、スタジオJ&Aのジャズダンスなどが行われた。

ナラ枯れ、抜本対策必要、森林の会・宮下正次さんが活動  9月24日号
 県内で猛威を振るうナラ枯れを土壌酸性化が原因とし、炭をまく保全活動を続ける元林野庁職員で「森林(やま)の会」の宮下正次代表。昨年9月、ニュー・グリーンピア津南の雑木林約6eに百`の炭をまき調査。18日、1年ぶりに同地を訪ねた。調査中のナラ15本のうち7本は枯れていたが、昨年のPH値(水素イオン指数)は酸性の4.3、今年の計測値は5.2で改善傾向にあるとする。「酸性雪で弱った樹の根は炭をまくことで土壌が回復し、再び水や養分を吸い上げる力を取り戻す。山を救えるのは今しかない」と訴える。調査結果は森林研究所にも提出、炭の効果を全国に広める意向だ。
 

 カシノナガキクイムシが原因とされるナラ枯れを、宮下会長は「長年排出された工場の排気ガスなどによる酸性雨や酸性雪が原因」と否定。「土壌には約8%のアルミが含まれ、酸性のPH値5.5から溶け出し、土壌のリンと結びつきリン酸アルミとなり、植物が吸収できない物質になる。唯一これを分解できるのは微生物。炭のアルカリ成分やミネラルが微生物の力を活性化させ、土壌を豊かにする」と強調。同津南、佐渡、前橋市などで炭巻き実験を行い、各地で改善が見られるという。「虫は弱った樹にしか付かず、健全な木には入らない。まず弱った要因を考えるべき。炭の土壌改善はヨーロッパでも注目されている」と話す。炭は森林1fに3d、1本につき約10`必要という。
 
 なお森林の会では11月3日、森の巨人百選・見倉の大栃を訪問。今年7月に続き2回目の炭撒きを行ない、一帯の保全活動に取り組む予定だ。

手仕事師たちに魅かれて、第3回クラフトフェア  9月24日号
 ○…全国の手仕事師120人が一堂に会した第3回越後妻有クラフトフェアがニュー・グリーンピア津南で18、19日行なわれ、陶芸や木工、ガラス、染織など20余分野の個性的なテント群が出現。県内外から過去最多の8千5百人余が来場し、快晴のなか職人たちとの会話を楽しんだ。小千谷からの風間尚夫さん(57)、あつ子さん(56)夫婦は「空気も眺めが良く、出店も多くて楽しいです」と逸品揃いの店めぐりを満喫した。
 

 ○…県内三条クラフトフェアに次ぐ最大級の同フェア。口コミで県内外に評判が広まり、出品作家は木工、陶芸、金属加工、天然石など19分野28都府県(昨年11分野22都府県)。鳥取から約9時間半かけ出店した陶芸・奥元工房の奥本操さん(34)。「クラフト仲間から評判を聞き初めて来た。この自然の、のんびりした雰囲気が最高。お客さんの反応も良い」。オリジナル消しゴムハンコ販売の愛知の晴三・後藤晴美さん(32)。「秋の高原の出店は気持ち良いです。出店場所が芝生なのもロケーション的に好印象」など職人からも好評。主催の高野秋規実行委員長(清津陶房七ッ窯)は「リピーターが増えている。この環境が最高で雰囲気も良い。この好評感を来年につなげたい」と話している。

TAICOCLUB 全国から4000人、「津南の環境は最高」  9月17日号
 ◎…広い芝生グラウンドに緑や黄、青などのテント5百ほどが並ぶニュー・グリーンピア津南(NGP津南)。独立したリゾートエリアを活用した音楽ライブ「TAICOCLUB Camps」(タイコクラブ・キャンプス)は11日午後から翌日正午まで2日間に渡りバンドやDJなど23グループが、2箇所のステージでパフォーマンス。飲食や民族グッズショップなど30余が出店。持参のテントで休み、飲食を楽しみ、好きな音楽を体で感じるなど、約4千人が思い思いにライブキャンプを満喫。川崎市から車で来た会社員の田中彩香さん(24)と中野智里さん(23)。「タイコは3回目。音楽も最高ですが、津南は最高ですね。ゆったり音楽を楽しめる雰囲気が良いです」。好きなソウル系ライブを体で感じ、踊っていた。
 

 ◎…同キャンプは06年から長野・木祖村で始め7回目。2年前、「民家から離れ会場全体の自然環境が最適」とNGP津南に打診。主催事務局のイベントプロデュース、こいのぼり株式会社・森田健太郎さん(31)は津南の環境の良さを評価。「このロケーションと立地環境、ホテルが近く、芝生の広いエリアが大きな魅力。大地の芸術祭の地でもあり2年後の芸術祭でリンクしたい」。音楽活動を通じ地域づくりに協力の姿勢だ。会場はアート照明の演出もあり、各ステージにバンドやDJが次々と登場。SOIL&PIMP SESSIONSはソウルフルに演奏。リズムに合わせ会場全体が揺れ動く一体感を見せた。

TAICOCLUB 来年も9月10、11日開催決定、地元へ波及効果  9月17日号
 ◎…全国から来場の約4千人、半分以上は女性。入場は20歳以上に制限。さいたま市から女友だちと来た渡辺貴之さん(24)。「タイコクラブも津南も初めて。この種の音楽が好きで車で来た。テント持参です。この会場、最高ですね」と芝生会場を満喫。飲食店には地元から10店余が出た。ホテル全館、全エリアの完全貸切は初めてのNGP津南・長津一郎副支配人は「当初、どんな感じなのか不安でしたが20代、30代を中心の若い人たちが多く、新たな年代層から当地を感じていただけたと思います」と話している。
 

 ◎…タイコクラブ主催「こいのぼり」安澤太郎社長。「ゆったりできるこの会場の雰囲気が好評だった。会場までの田園風景も良く、参加者がそれぞれ好きな時間を楽しみ、寛げる、そのねらい通りのキャンプができた。2年後の大地の芸術祭とリンクしたい」。終了後の関係者ミーティングで来年9月10、11日の開催が決まった。

サケ遡上、今期も調査、JR東宮中中ダムにトラップ設置  9月17日号
 不正取水で水利権を取り消され、6月から再び発電取水を開始したJR東日本信濃川発電所で、再開にあたって義務づけられている試験放流の成果を検証するサケの遡上調査が10日から始まった。調査は11月10日まで2ヵ月間行われる。
 

 試験放流は宮中取水ダムから放流量を変えながら5年間に渡って行われる。サケ遡上期となる調査期間は放流量をそれまでの毎秒80dから百dに増やし、サケが最も遡上しやすい環境を探る方針。
 

 調査開始日の10日朝、同ダムの大型魚道と小型魚道の2カ所にサケを捕獲するトラップ(鉄製の檻)を設置。また9日にも信濃川と飛渡川の合流付近にもトラップ1個を設置した。一日3回、捕獲したサケの数を調べる一方、捕えたサケに発信器を付けてダム下流に放し、遡上ルートも探りたいとしている。
 なお、昨年は同ダムから全量が放流されたこともあり、遡上したサケの捕獲数は例年の3倍にあたる160匹余りとなっている。

最後の月夜のコンサート、20年の歴史  9月17日号
 ☆…「感動のファイナルでした」―。20回目の記念ファイナルコンサートとなった栄村の「月夜のコンサート」が11日、第1回開催時と同じ常慶院で開かれた。東京栄村会や栄村ファンクラブなど都内から50人以上が集うなど、会場いっぱいの250人余りが詰めかけ、雰囲気たっぷりのコンサートを楽しんだ。
 

 ☆…同村とハープ奏者・中野知香子さん(旧姓・小倉)との交友で続き、今回で一応の区切りをと決めて開かれた。出演は中野さんはじめ、小鼓の望月一左さん、オーストラリア先住民アボリジニの民俗楽器・ディジュリドゥのノブさん、草笛の江口宗晴さん、そして地元から榮太鼓、栄ふるさと太鼓が次々に出演。中野さんは「今日は9・11の日。亡くなった方々の気持ちがおだやかになるように」とアメージンググレースを演奏。ハープの静と勇壮な太鼓の動が見事にミックスした演奏会となっていた。広瀬進実行委員長は、これまでの思い出を語りながら「困難もあったが、大勢の方々が集まってくれたことが、大きな励みになった」と話し今後、中野さんらと話し合いながら新たなコンサートを企画していきたいとしている。

河川環境考える狭義の場を、東京電力西大滝ダム水利権、今年末で更新  9月10日号
 今年末に水利権更新をむかえる東京電力西大滝ダム(飯山市)。下流約20`の導水管で津南町鹿渡新田の同社・信濃川発電所で発電利用している。1918年(大正7年)の水利権(毎秒179d)取得以来、発電取水を続ける同ダムの水利権更新に向け、ダム魚道改善と共に更新をめざす東電。更新手続きは更新6ヵ月前から1ヵ月前までに国申請する。今回は継続更新のため地元同意を必要としない。このため疑義が出ない場合、東電の申請通り国は更新許可する。同ダム直下流の栄村、津南町からは、これまでに公式的な疑義は出ていない。一方で住民からは「夏場の渇水期など、大河信濃川の姿は全くなく、小川の状態。川に親しむ環境になく、河川環境がますます悪化している」など、更新期を契機に放流量の増量を求める声は強い。


 先月23日、地域の元気づくりに取り組むNPO法人栄村ネットワークが主体で、同村で初の千曲川(信濃川)ラフティングを行った。飯山市の活動グループの協力で同村箕作・百合居橋から津南町境の志久見川合流付近まで役3時間かけ下った。12人が参加、水量不足の川の実態を見た。来月17日、2回目を行い、水量の違い調べる方針だ。
 西大滝ダムは1939年(昭和14年)発電開始。最大取水量毎秒171d、ダム直下流の維持流量毎秒0・26d。だが1997年の河川法改正で「河川環境の維持」が重要視され、2001年の「信濃川中流域水環境改善検討協議会」立ち上げで、同ダムでも河川維持放流を開始。現在は冬場の毎秒0・26dからサケ遡上期の19・71dまで、年間7段階の変動放流で臨んでいる。

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 その変動数は12月1日から3月31日毎秒0・26d、4月1日から5月31日同5・66d、6月1日から7月9日同12・16d、7月10日から9月10日同7・81d、9月11日から9月30日同12・16d、10月1日から11月10日同19・71dとなっている。
今年末の水利権更新は、発電開始から3度目となり、河川法改正で発電開始後100年経過すると、以降の水利権は10年間となり、今回の更新は10年間となる見込みだ。

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 河川法改正後、2001年に国土交通省北陸地方整備局・信濃川工事事務所(長岡市)や流域市町村などで立ち上げた「信濃川中流域水環境改善検討協議会」。流域の魚類や流況、水温などモニタリング調査を行い、2009年3月の第19回協議会で、10年間の調査結果と望ましい河川維持流量などを報告した。
 この中で注目される数字が出た。JR東・宮中ダム直下流「毎秒40d以上」、西大滝ダム直下流「毎秒20d以上」の最低レベルの河川維持流量が示された。同時期、不正発覚で水利権取消しを受けたJR宮中ダムは、その後の協議で40d以上が協議ベースとなり、地元十日町市が主導する形で5年間の試験放流(40dから120dまでの変動性)を取り付けた。
 今度の東京電力の水利権更新では、最大取水量やダム直下の維持流量について地元関係者と協議する場は今のところない。西大滝ダム関係では、JR宮中ダムと同様、魚道改善の「西大滝ダム魚道構造検討会」を作り、地元高水漁協などメンバーにこれまで2回の検討会を開いている。

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 この水利権更新問題は、7日開会の津南町、栄村の両議会で議員が取り上げた。津南の中山弘氏は、地元の関心度の低さを指摘し、地元行政のアクションを迫った。「水が流れていない信濃川が日本一の信濃川なのか。故郷を思う人たちに何と言ったらいいのか。早く皆が手を上げて津南、栄村で頑張っている姿を見せるべきだ。次の世代に何を引き渡すのか。それが今の我々の責任じゃないか」。町は「これまで町内から声は出なかった。運動の広まりがあれば、その運動の必要もあるだろう」(石沢建設課長)と町の姿勢を示している。
 一方、栄村の樋口武夫氏は先月のラフテイング体験を通じ、水量不足の実態を訴え、地元の取り組みの必要を強調。「JR宮中ダムは40dから120dの変動流量で5年間試験するが、西大滝ダムはこのままでは渇水状態は変わらない。40dは必要だ。東京電力に取り組みを求めるべきではないか」。島田村長は「毎秒40dは難しいだろう。ただ現状では魚類の生息環境は十分ではない」と河川環境の改善を指摘している。

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 JR宮中ダムの先例がある。不正取水の発覚が発端だが、『水無し川』への問題視はそれ以前からあった。今年末に水利権更新を迎える東京電力西大滝ダム。河川環境の改善の必要は、現流量を見れば衆目の一致するところ。一方で電力需要対策。だが、その内実の説明や論議の場は、ダム直下流域では全くないのが実情。水利権行使の電力会社、河川環境の改善を求める流域住民。その話し合いの場が、先ず求められる。

鳥獣対策、保護か捕殺か、津南は放獣、栄村は捕殺   9月10日号
 津南町や栄村でツキノワグマが連日のように出没。スイートコーンを中心に被害が相次いでいる。先月から現在まで津南町で7頭、栄村でも8頭を捕獲。うち津南町では自然保護のため3頭に個体識別番号を付け奥山放獣している。
 

 津南町では7月中旬からクマ被害の報告が町などに寄せられ、同下旬から連日、沖ノ原や中子、天上原などでスイートコーンやデントコーンに被害が出ている。このため町鳥獣害対策協議会では町猟友会と連携し、相次いで出没する沖ノ原などに捕獲用の檻を設置。捕獲は先月14日反里口原(メス・60`)、同15日中子原(オス・70`)、同23日沖ノ原(オス・120`)、同26日米原(オス・55)、同29日沖ノ原(オス・80`)、今月2日中子原(オス・55`)、同3日(オス・80`)の合わせてオス6頭、メス1頭。うち暑さで檻の中で死んだ2頭と町猟友会の捕獲許可分2頭を除き、保護を前提に3頭を再び奥山放獣した。放獣にあたっては辛子スプレーなどを吹き付け、「懲らしめることで再び現れないように」と対策を行っている。
 

 一方、栄村でも坪野や極野地区を中心に7月中旬から連日、クマ被害が出ている。このため村では、村猟友会と協力し出没地域に檻を設置。先月からオス7頭、メス1頭の合わせて8頭の全頭を捕殺している。村では「猟友会の調査でさらに7頭が荒らしているとみており、さらに6頭の捕獲許可を受けている。基本は奥山放獣だが、出没が人家に近く危険なため捕殺しており、県の特定鳥獣保護管理委員会の許可を受け対応している」(村産業建設課)としている。またサルについては「20匹余りと7〜8匹の群がある。野菜全般に被害が出ているがクマ被害に比べたら少ない。前年同様、12月に捕獲作戦を行いたい」(同)としている。
 

 なお津南町では先月、長岡技科大と国際自然環境アウトドア専門学校との共同でツキノワグマ(対象・全町)とニホンザル(同・秋山、上郷地域)の農作物被害や対応手段などのアンケート調査を実施。現在、両機関で分析を進めており、今後の対応に生かしていきたい考えだ。

思い込め、皆でエコ風船を、上郷中体育祭  9月10日号
 ◎…全国に届け「笑顔」の種―。上郷中(中川久男校長、28人)体育祭は先月29日開いた。少人数ながら全校一体で10種目で競い、生徒会スローガンは「1人1人の向日葵(笑顔)を咲かせよう」の通り、光る汗と笑顔を見せた。初企画のエンディングセレモニーを行い、ひまわりの種を入れた土に還るエコ風船を参集の百人余と共に思いを込め、一斉に空に放った。
 

 ◎…生徒会(鳴海大地会長)主催。「何か形に残る思い出を作りたい」と、ひまわりの種を飛ばすことを決め、保護者へは当日サプライズで伝えた。青空に飛んでいった地域の笑顔がつまったエコ風船。同セレモニー担当の2年・中島美佐子さんは「上郷に住むみんなの笑顔の種が風船で広がり、飛んでいった地にも明るくきれいな花が咲いてくれれば嬉しいですね」と感慨深そうに話した。

新温泉は美肌効果満点、クアハウス津南   9月10日号
 ○…「美人になれる湯だね」―。今月から新しい源泉から引湯しているクアハウス津南の温泉は、美肌効果があるといわれる保湿成分のメタケイ酸がこれまでの温泉と比べ4倍ほどあり、入湯客から人気。毎日のように訪れているという50代の女性は「つるつる感が増している感じがします。温まり方も違い、いいですね」と話すなど好評だ。
 

 ○…新温泉は、クアハウスわきで昨年末からボーリングし、今年3月に掘り当てたもので、地下552bから動力アップで温度36・6度、毎分521gが湧出している。無色でかすかな硫黄臭の弱アルカリ性単純温泉。ただ、美肌効果が高いといわれるメタケイ酸が1`g中、114・9_cと多く含まれており、クアハウスでは「神経痛や筋肉痛などの効果はもちろん、美肌効果にとてもいいです」とアピールしている。

魚沼エリアで初の電気自動車導入、津南町の苗場自動車  9月10日号
 ◎…環境にやさしい車として実用化が実現し、次世代カーとして注目の電気自動車。津南町の苗場自動車は、このほど三菱の電気自動車「アイ・ミーブ」を導入、一般試乗に開放し、環境車PRに取り組んでいる。同車導入に合わせ同社は、新潟県が進める県認定「街中充電ネットワークメンバー」に加入し、同社内に電気自動車専用コンセントを2箇所増設し、利用を促している。
 

 ◎…同電気自動車は4人乗り。試乗の感想は「とにかく静か。アクセル感もあり、スムーズな走行が実感できる」。1回の充電で通常走行160`走られる。電気自動車は国が政策的に進めており、補助金114万円のほか自動車税などが免税となる。同車体価格は398万円。苗場自動車の藤ノ木忠夫社長は「環境問題から近い将来、電気自動車の時代が来ます。これを機会にぜひ試乗してみてください」と話している。県認定の街中充電ネットワークメンバーは、県出身の漫画家・高橋留美子さん「うる星やつら」がキャラクター目印になっている。苗場自動車пi765)2479。

「今は必要性を感じない」、津南・上村町長が副町長人事で  9月3日号
 就任から2ヵ月を迎える津南町の上村憲司町長(61)。関心が集まる副町長人事は、依然として「音なしの構え」だ。先月24日開いた上村後援会役員会納涼会で、この副町長に触れた。上村町長は「今のところ、(副町長不在で)不自由も不都合もない。私のトレーニングとしてすべての問題を私の所に持ってきてくれと職員には言っている。今すぐに副町長を決めなければならない状態にはない」。9月議会にも提案しない方針だ。副町長設置の是非が住民間にも出ている。
 

 「置く必要がないなら、それだけ町予算が軽減される。だが、本当に町長1人で公務をこなせるのか。それを職員がカバーできるのか。その辺がポイントだ」。先の町長選で上村氏を支持した50代男性は話す。その町職員と上村町長との関係で、新たな取り組みが始まっている。8月初めから課長会議を毎月2回、班長会議を毎月1回開いている。両会議とも上村町長も出席する。これまでの小林町政では、課長会議は議会定例会前や懸案事項が生じた場合、随時開いていた。
 

 特に重視しているのが班長会議。「現場の実務を直接担当するのが班長クラス。この職員の意見が津南町政の原動力になる。どんどん意見を出してほしい」と上村町長は期待感を寄せる。
 一方で、早急な副町長設置を求める声もある。「町を代表する町長が不在の場合、代わって決済権限を持つ人がいないというのは、行政執行上、好ましくない。公式行事などで町長代理が課長職ではしょうがない。副町長人事は、その時のトップの行政姿勢の一つでもある」と町行政に詳しい60代男性は話している。
 

 上村町長は、県議20年の経験を持つ。議会人と行政のトップでは、その立場は全く逆。就任後、課長会議、班長会議を月例活動として開いているなか、「課長会議では、多用なテーマで意見を交わしたいという意欲的な意見も出ている。職員のやる気の表れと見たい。今は副町長を置く必要性を感じていないが、同時に今は私自身のトレーニング期間を考え、すべての問題を私の所に持ってきてほしいを職員には話している」と副町長人事への基本的な取り組み姿勢を見せている。なお、教育長人事も同様に9月議会には提案しない。ただ今後、統合問題が再熱する情勢で、教育長人事の必要性が高まっている。

写真・先月24日の上村後援会役員会で。ニュー・GP津南

クロス10、キネーレを大改修、芸術祭拠点に、誘客効果ねらい  9月3日号
 大地の芸術祭作品でもある越後妻有交流館キナーレと十日町地域地場産業振興センター・クロス10の大幅改修する計画を先月31日、関口市長は議会全協で発表した。キナーレは大地の芸術祭ミュージアムなどへ全面改修し、誘客要素が高い芸術祭の拠点にする方針。クロス10は、特産販売面性を拡充し、食堂部門に力を入れ、スペースを拡大。さらに和装工芸館をキナーレから移す。各所で人気の野菜直売コーナーも常設する考えだ。9日からの9月市議会に補正予算を提案する。
 

 キナーレは3年前に改革検討委員会を設け、今年3月まで協議してきた。同検討委の提言を元に全面改修の方向を出した。
 それによると、施設イメージを大地の芸術祭に統一し、同施設そのものが芸術祭作品としての本来の機能を明確にし、これまでの芸術作品の設置など芸術祭ミュージアムを同2階回廊に設ける。
 一方、隣接の温泉施設「明石の湯」は芸術祭ミュージアムと連動させ、温泉で長時間滞在できる施設要素を新設し、収益アップをはかる。現代アート作品の露店風呂も作り、仮眠室、フリールームなども設ける。
 

 一方、クロス10は、特産販売を従来の約2倍、9百平方bに拡充し、キナーレ2階の和装工芸館を移設。食堂部門に特色を持たせ、従来の倍の80席に広げ、個性ある食堂にする。一方で実演試食販売コーナーと共に野菜直売も常設するなど、大幅な改修を計画し、集客効果を高める意向だ。

写真・大改修を計画するクロス10(左奥)とキナーレ

15年余の外国駐在、ボリビアに本大使夫人・渡邉恵子さん(津南出身・60)に聞く  9月3日号
 2年10ヵ月駐在したブラジル・レシフェの領事館生活を終え先月27、28日、生家の津南町大割野、瀧澤家(瀧澤酒造)に帰った。一泊二日の我が家。ちょうど大割野祭り。久々に地元の祭り囃子を聞いた。
 夫・渡邉利夫さん(62)は今月下旬、ボリビア日本大使館の大使として赴任。ブラジル同様、夫婦で赴任する。ボリビアの首都・ラパスは標高3千bの高地にある。「2度目の赴任です。慣れていない人は飛行機から降りて、すぐに具合が悪くなるようです。海がすぐ近くで温暖のレシフェから、今度は一日の気温差がある高地です」。年末には、ボリビア政府関係者や各国大使など3百人余を招き、大使館公邸でナショナルデーパーティーを開く。「天ぷらとお寿司が人気です」。赴任先には日本料理シェフが同行し、日常の料理も作る。

 
 紹介された相手が南米担当の外交官・利夫さん。「スペインから帰ったばかりの頃でした。誰か相手がいないかと私の所に来たようです」。27歳で結婚。夫婦での初任地はペルー。ここで長男、次男が誕生。ボリビアで三男を妊娠し帰国後、津南で出産。それから家族での海外生活が始まった。
ワシントンが家族5人での初赴任地。「下の子は幼稚園、上2人は小学校。着いた翌日から小学校へ行きました。言葉も何も分からないままでしたが、子どもたちは自分で何とかしようとしましたね。最初はトイレにも行けず、我慢したようです」。子たちはすぐに言葉にも慣れ、友だちもできた。
ワシントンは1年。次は中南米コスタリカ。その後4年半、南米暮らし。「長男の中学入学を機に私と子どもたちは日本へ来ました。主人の単身赴任の始まりですね」。子たちが中学、高校、大学の間は、恵子さんもかつて就いていた特許庁関係の仕事をした。子たちが自立し、再び夫婦赴任となったのがブラジル。
サッカー処のブラジル。「今年のワールドカップ期間中、お店も銀行も学校もみんな休みでした。タクシーを呼んでも来ないし、病院のドクターも不在、交通事故があっても警察がなかなか来ないなど、本当にサッカー王国です」。そのブラジルが次回のW杯開催地。オリンピックも開かれる。


 各国を回るうちに、その国の言葉が身についた。スペイン、ポルトガル、フランス、そして英語。語学学校にも通ったが、生活と共に身についた。通算15年の外国生活。「そうですね、日本という国を見る機会になっていますね。日本の良さが分かるようになりました。最初の頃に比べ、外国の人たちの日本への理解度は格段に広く、深まっています。特に南米では日本が好きな人が増えたように感じます」。
 日本のアニメとコスプレは特に関心が高い。「若い人たちの関心がすごいです。アニメを通じて日本文化を知り、興味が深まっているようです。アニメの登場人物を真似るコスプレもすごい人気です。そのコスプレを使い、防犯や社会運動を広めたりしています。インターネットの普及で世界が近くなりましたね」。日本への憧れも多い。「ブラジルでは地球の裏側が日本。日本は遠い国、憧れの国。これは移住した日本の先人たちの苦労の賜物でしょう」。
 

 外国で役立ったのが4歳から習った日本舞踊。亡き島田初枝先生に習った。「日本文化を紹介する時、きもので踊ります。島田先生のおかげです」。南米の日本への関心はとても高い。
 だが、「日本は夜、女性が独りで歩いても安全です。それは日本という国だからで、外国では通用しません。やはり安全に暮せる日本がいいですね」。
 今月28日、ボリビアの首都・ラパス日本大使館に着任。「うち(瀧澤酒造)の苗場山で乾杯しようかしら」。標高3千bの大使公邸で、夫婦生活34年目がスタートする。

栄村の「囲碁」が熱い、大会に全国ら80人、石田本因坊をゲストに  9月3日号
 プロ中のプロと呼ばれる囲碁棋士が栄村に―。全国の愛好者が集う第4回栄村長杯囲碁大会は29日開いた。28日の交流会は囲碁界で「コンピュータ」の異名を持つ24世本因坊・石田秀芳氏と吉岡薫7段のプロ2人が参加。5面打ちで20人余と対局、国内トップレベルの打ち方を伝授。松本市から参加の加藤遼さん(63)は「囲碁の世界で知らない人はいない石田先生と対局できるとは思わなかった。もう感激です」と奥深い妙手を学ぼうと一挙一動を真剣に見入っていた。
 

 2人のプロを招いたのは同大会主催者の柳秀雄さん(75、青倉)。栄村移住6年目、囲碁で地域を元気にしたいと同大会をスタート。4年間で新潟や長野、大阪、神戸など全国から80人余が参加する大会に育てた。大会前日は交流会を開き、宿泊効果も生み出している。柳さんは石田氏の囲碁道場の門下生で10年余の親交があり今回の来村が実現。「石田先生も来てくれ、今年の参加者は過去最多。来年も先生を呼び、もっと栄村を全国にアピールできれば嬉しい。この大会、ずっと続けるよ」と柳さんは笑顔。囲碁がつなぐ栄村ファン、まだまだ増えそうだ。
 

 ◆大会結果《Aブロック・アマ6段以上》@関口亮(長岡市)A島村昌宏(大阪市)B浅江季高(同)《Bブロック・アマ5段以下》@堀行(十日町市)A松野和則(中野市)B斉藤幸英(埼玉県)

人間ドックの拠点に、上村病院ゆあーず、専門医資格も所得  9月3日号
 「質の高い人間ドックの提供を」と中里・上村病院(上村晃一理事長)では、上村理事長が今年1月、日本人間ドック学会から専門医の資格を取得したのをはじめ先月、北海道旭川市で開かれた第51回日本人間ドック学会学術大会で健康増寝室ゆあーずの職員2人が研究成果を発表するなど人間ドックへの取り組みを活発化している。今後、県内3カ所目となる「人間ドック機能評価認定施設」の認定を得て地域の予防医療の拠点にしていきたい考えだ。
 

 上村理事長が取得した「専門医」は同ドック学会が公認するもので、文字通り人間ドックを専門とする医師と認定するもの。県内では10人余りの医師が取得している程度。また上村斉院長も3年前に同ドック学会から人間ドック健診情報管理指導士(人間ドックアドバイザー)の資格を取得している。こうした医師の資格はじめ職員の資質向上をと先月26、27日には宮沢裕子健康管理室長と村山友木保健師の2人が北海道で開かれた同学会で研究成果を発表、高い評価を受けた。
 

 同ドック学会は、全国から3千人の医療関係者が参加するビッグ学会。研究発表は60余りの分科会で行ったもので、宮沢室長は「日常身体活動と骨粗鬆症」をテーマに「日常生活の中で身体活動を高めることで骨粗鬆症を予防することができる」と介護職員と一般職員の骨密度の違いをデータで示しながら発表。また村山保健師は、メタボ対策として対象者自らの目標設定と家族を巻き込んでの取り組みの大切さを強調した。
 
 上村理事長は「人間ドックというと病気発見のためといわれるが、ここでは予防医療として地域の健康づくりに役立てていきたい。さらに質の高い人間ドックを提供していきたい」と話している。

ロンドンから映画作りに、十日町市で学生らが  9月3日号
 ○…「十日町は思っていたイメージにぴったりですね」。ロンドンのフィルムスクールで映像を学ぶ英国人学生らが、卒業制作の短編映像を撮影するため先月30日から5日まで、十日町市小白倉に滞在。里山の集落やゴルフ練習場などで撮影。「日本の農村景色に感動です」などと話し、制作に汗を流している。
 

 ○…撮影チームは同スクール生4人に、新潟市の国際映像メディア専門学校の生徒5人が協力。短編映像は約15分で、東京で働いているブラジル人女性が恋人の足跡を追って十日町市を訪ねるという内容。スクール生のひとりで監督のクララ・クラフト・磯野さん(34)は夫が日本人で、ワークショップ参加で同市を訪れた経験もあり「山に囲まれた地形が独特で印象的」と話している。


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