
北陸新幹線開通後の地元在来線の存続問題、2014年問題が大きな地域課題になっている。上越新幹線と金沢など北陸を結ぶ「ほくほく線」は、新幹線開通後、直撃を受ける。開業から黒字経営を続けるほくほく線は、特急はくたか号がその黒字経営を支えている。新幹線開通後、この特急は廃止の見込み。ほくほく線を経営する第3セクター北越急行は、経営縮小を余儀なくされる。この在来線存続問題に、新たな光明が見え始めている。政権政党の民主・農林委員長の筒井信隆氏が、十日町市での国政報告会で明らかにした。
筒井氏は、北陸新幹線開通後、JRは線路など鉄道施設のリース料を国に支払うことになると説明。この総額は年間247億円という。この一部を新潟県に入れ、それを並行在来線(北陸本線)の存続経営に充てるほか、開通によって特急廃止の直撃を受ける「ほくほく線」存続に使うように、国や県に要請していると今後の運動方針を示した。
筒井氏は、本紙の取材に対し、具体的な数字を明らかにした。
――見込まれるリース料金はどのくらいなのか。
「長野ー金沢の全区間について国交省の数字があるが、年間247億円と見込んでいる」
――実現した場合、県に入るのはどのくらいか。
「新幹線の整備に国が3分の2、県が3分の1を出しているので、国に入るリース料の3分の1は県に入れるべきだと私は主張している。県も新幹線リース料は地方に還元すべきだという考えで、私も新幹線開業による利益増加分を、JRから切り離される並行在来線の赤字解消と維持にあてるべきだと考えている。新潟県に入る金額は、県の試算では年間22億円(30年間で660億円)とみられる」
――新潟県も出資する3セク鉄道「ほくほく線」にも活用できるのか。
「第3セクターのほくほく線は、国、県でも並行在来線と位置づけられていない。新幹線の開業で「ほくほく線」の乗客減少が予測されるが、並行在来線の維持管理とは異なる対策が必要だろう。北陸新幹線の開業により最も影響を受けるのが「ほくほく線」であるわけだから、このリース料金の配分額を「ほくほく線」のためにも使用したいと県は考えているようだ」
「ほくほく線」は国が規定する並行在来線ではないが、筒井氏の指摘通り、最も影響を受ける鉄路。同リース料活用が求められる。
一方、経営する北越急行でも生き残り策を模索する。今期決算で内部留保68億円があるが、これを食いつぶす経営では先細りだ。大熊孝夫社長は昨年の決算会見でも述べ、今期の会見での触れた経営刷新策がある。
それは「上下分離方式」。鳥取県の3セク・若狭鉄道で実証例がある。下部の鉄道や土地、施設管理は地元自治体などが行い、上部の列車運転の経営は北越急行が行うという「上下分離」という経営方法があることを示している。
これにより同社が毎年地元市町村に支払う固定資産税など約2億円の経費節減となり、経営コストの軽減になる。大熊社長は「3セクパートナーである地元自治体からも考えていただきたい」と北陸新幹線開通後の「ほくほく線」存続への模索への連携を促している。
写真=北陸新幹線開通後、廃止が濃厚な特急はくたか(十日町市新座駅付近で、12日朝)