
JR東日本・信濃川発電所の違法取水問題で9日、国土交通省北陸地方整備局は、昨年3月に発電取水権を取消した水利権を、今年4月の同社申請通りに再許可した。同社は10日から発電取水を再開し、1年3ヶ月ぶりに同社の小千谷市と十日町市にある発電所タービンが回り、発電所開始している。水利権許可の期間は5年後の平成27年6月30日まで。この5年間、自然流況型などの試験放流を行い、5年後の更新時に再度協議する。水利権問題を重視する市民団体は「5年後はゼロベースで協議すべき。この5年間が本当の協議の場になる」と試験放流を重大な関心を持って監視する方針だ。
許可された内容は、最大取水量毎秒317d、河川維持流量・宮中ダム直下放流量毎秒40dから100d、可能時120d(取消し前毎秒7d)。許可期間は5年間。この間、1年ごとに放流方法を変える試験放流を行い、同時に魚類や藻、流況、温度などの調査を行い、1年ごとに検証する。
9日、新潟市の北陸地整で許可交付を受けてJR東・清野智社長。10日朝9時、十日町市の関口芳史市長を訪問、10分ほど懇談。改めて「(北陸地整局長から指導受けた)取水量の厳格な管理、地元の共生を確実に実施し、JR東は変ったと評価され、将来に渡り共生のパートナーとして認めていただくよう誠心誠意、努力し、ゼロからのスタートの気持ちで取り組みたい」と述べた。
発電再開は10日午前10、小千谷・総合制御所で発電再開を指示。同様に十日町・千手発電所での発電開始。総出力の4分の1、約12万`hで発電。同日には宮中取水ダムの導水管ゲートが開けられ、1年3ヶ月ぶりに取水開始した。小千谷調整ダムの点検のため、本格発電は3週間後になる見込み。
取水再開、発電再開について関口市長は「5年間の試験放流をしっかり検証し、河川環境との調和をはかり、人と地域、川が共生できるよう対応したい。同時に河川のあるべき姿を検証、創り出すモデルケースになるよう市民と協力し、取り組みたい」と話し、JR東には『覚書・確認書・協定書』の厳守を求めている。
一方、水利権再許可を見越し、地元市民団体「信濃川を愛するみんなの会」(樋熊清治会長)は今月4日、長岡市の北陸地整局信濃川河川事務所で国道交通・前原誠司大臣宛の請願書を提出。樋熊会長、渡辺俊英副会長ら5人が訪れ、同所の酒井大助副所長に手渡した。
この中で「上限317dの大量水利権が自然と生態系を破壊した元凶。5期工事で増大した150dは絶対認められない」など、5年後の水利権更新はゼロベースで見直す、発電事業の採算ラインの公表、JR東火力発電との関係など、国が介入し、JR東の実態解明と水利権の根本的な見直しを求めている。