
東京電力が清津川から発電取水し、南魚沼の魚野川に放流している水利権問題にからむ「清津川水問題」。
80年前から東京電力が行う不合理な取水と放流。清津川の下流域、中里側の住民は、「本来の流れに戻してほしい」と訴え、一方、南魚魚沼側は「大切な農業用水」と譲らない。川の状態を調査する試験放流を、5年間の暫定利水で行い、今年7月で終了。12月には水利権更新期を迎える。
新たな水利権のあり方を協議する「清津川・魚野川流域水環境検討協議会」(会長・西沢輝泰新潟大名誉教授)の第9回協議会がを2日、南魚沼市のホテルで開いた。暫定状態だった5年間の水利権について、基本的同意の方針が出された。だが「この5年間の試験放流で両流域が実際どうだったのか、その検証を住民レベルで話し合う場が必要」と十日町市・関口市長が提案、南魚沼市・井口市長も同意。同協議会主体で検証の場を開くことになった。
東京電力湯沢発電所の水利権許可期限は2005年12月だった。東電が更新手続きを進めたが下流域の反対などで難航。翌06年、無許可構造物や無許可分水(かんがい用水使用)などが発覚、水利権更新の審査は中断していた。
同日の第9回協議会は1年2ヵ月ぶりの開催。同協議会初出席の十日町市の関口市長から、水利権者の東京電力に対する厳しい質問が出た。違法構造物や無許可分水など東電としての認識をただし、さらに「80年の長い期間、ある意味の犠牲を強いてきた。河川環境が大きな課題になっているなか、中流域への配慮と東電の考え方と認識、今後の対応を聞きたい」と迫った。
東電信濃川電力所の高橋所長は「この協議会の合意内容を尊重する。ダムのゴミ処理など河川環境への取り組みを行っている。今後も地域の理解を求めていきたい」と一般論を述べた。
さらに関口市長は南魚沼地域との関係について「80年前と比べ、河川環境も水の価値も変ってきている。本来あるべき環境へ少しずつ戻すということが大切。この試験放流の5年間、どんな影響があり、どうだったのか、お互いに冷静に話し合う場が必要」と提案。井口市長も「すぐに全量返せというのでは話し合いにならない。話し合いの場を良いこと」と賛意。両地区の歩み寄りが見られた。今後は今年12月で切れる東京電力の水利権更新内容が最大のポイントとなる。
特に昨年2月から6月、湯沢発電所は工事のため全面取水ストップ。農業かんがい用水を一番必要とする時期。南魚地域で水不足状況など、試験放流の実証が必要になっている。