
創立62年を迎えている県立安塚高校・松之山分校。県教委が3年前、募集停止を発表、だが地元の存続運動で募集継続しているが、将来不安は消えていない。「地域資源を生かし、地域特性の芸術祭と連携した新たな学校づくりを」と、同地もエリアの大地の芸術祭と関連を深め、「芸術祭と連動し、個を伸ばす教育の拠点」と位置づけた新生高校像を、芸術祭総合コーディネーター北川フラム氏が提言。「新生松之山高校」実現に向けたプランが昨年まとまった。このプランを昨年12月16日、泉田知事に直接要望。知事からは「芸術祭と連動し、松之山分校を残したい」と、県庁に出向いた地元関係者が驚き、喜ぶ回答を受けた。昨夏、第4回を開いた大地の芸術祭が、新たな学び舎作りに連動し始めている。実現すると全国的にも注目を集める高校となり、今後の取り組みに関心が集まる。
昨年末の泉田知事要望は、地元選出の村松二郎県会副議長の案内で実現。合併前の平成7年設置の「松高対策検討会」、2年前に作った「松高支援連絡会」、同窓会、東京松之山会、同校PTAなどの代表10人余が県庁に出向いた。新生プランを構想した北川氏も同行。
この「新生松之山分校にむけた提案」は、芸術祭の人材、活動、さらに地元自然などを活用。目標理念は「全日制普通科の必須科目を軸としながら、芸術・科学・民俗に重点」。具体的な構想も描いている。
◎大地の芸術祭の里学習(芸術作品製作・キャリア教育、外国人アーティストや大使館交流で実践語学、特産開発やマーケティング、空家・廃校の再生、農業体験などによる物理、数学、建築、経済の実践教育)
◎地域人(田園人)特別講座(社会人講座)では、芸術祭ネットワークを活用し、高校カリキュラム科目を通じ世界文化にふれ、高校生以外も学べる場づくり。
◎寺子屋こへび(芸術祭関係者が夜学を開校し、授業補修や進学指導など、現役大学生などがサポート指導する特別講座)
◎越後妻有学(生活技術講座&里親制度)では、住民が培った生活技術の講座。越境入学生徒を週末里親で受入れ、地域交流。平日の寮は三省ハウスを活用。
北川氏などから説明を受けた泉田知事は、「芸術祭と連動し、松之山分校を残していくというのは、皆さん誤解しているかもしれないが、私が残すように一生懸命やっているんです」と積極姿勢を見せた。さらに「何とか個を伸ばす教育、さらに芸術に長けた人を松之山エリアから輩出できるような高校として残したい。この提案は素晴らしいと思う。ぜひ実現できる高校にしたい」と、要望した関係者が驚く前向きな言葉を受けた。
松高対策検討会・松高支援連絡会の佐藤利幸会長は「知事が明言されたことは、本当にありがたい。芸術祭で松之山地域は少し元気になってきた。さらに元気にするためにも、この新生松高をぜひ実現させたい。そのためにも、地元の子たちからぜひ入学してほしい。そこを知事からも指摘されている」と話す。この知事発言は『地元からの進学がなく、ここは全く別物、というわけには行かないと思う。誰も地元が進学しないから、他から呼ぼうでは無理がある。それでは私も(県教委)を説得できない』と地元入学を構想実現の一つのハードとしている。
松之山分校は昭和23年開校。同44年には在校生最多の97人だったが、少子化と共に入学者が減少、現在は1年16人、2年11人、3年7人の全校34人。毎年地元松之山地域から入学者があったが、昨春は初めて地元入学ゼロ。同対策検討会や支援連絡会、同窓会などで中学校訪問を実施し、生徒確保に努力している。昨年から同検討会・連絡会などが連携し、送迎マイクロを運行し、通学の利便性に乗り出している。佐藤会長は「勉強もマンツーマンに近い状況で、昨春も新潟大への進学者を出し、これまでの大学進学者が多数出ている」などと、小規模校のメリットが効果をあげているという。