歴史的ともいえる圧勝を民主党が収めた衆院総選挙。新潟、長野の両県選挙区すべて民主が独占した。新潟6区は、次期内閣の農水大臣といわれた筒井信隆氏(64)が、自民の高鳥修一氏(48)に3万5千票差をつけ5選。長野1区は農水省出身の篠原孝氏(61)が元大臣の小坂憲次氏(63)に3万7千票差をつけ3選を果たし、議席を維持した。(投票結果は2面掲載)
5選果たした筒井氏は、投票日、日付が変わった31日午前零時半、支持者が集る十日町・津南選対事務所に姿を現し、大きな喚声と拍手に迎えられた。大島清松選対委員長が「ここ十日町市で初めて自民党票を上回った。まさに歴史的な勝利」と感激のあいさつ。夜遅くまで筒井氏を待った30人余りの支持者を前に、筒井氏は勝利の喜びより政権取得の責任政党として表情厳しく語った。
「格差解消、資源循環、地域主権を選挙中、約束してきた。官僚政治の撤廃、国民生活の予算を平均水準国並みに挙げるなど約束した。約束どおり実行するのが我々の任務」と基本方針。
関心が集まる農家戸別所得補償。「農業問題を私は特に訴えた。先ず取り組むべきは所得補償。2年後の4月実施と行程表で約束しているが財源メドをつけ、できる限り早く実施したい」。
従来の自民政治との違いを強調した。「自民政治は族議員主導の政治、政官業の癒着構造政治だった。そのため自民農政も自己矛盾に陥り、政策的な混乱を招いた」と政権末期状態だったという。政策の手法の違いも指摘。「全中、全農と一緒になって民主攻撃を行ったが、我々は全然違う方向性で政策を出した。先ず現場、農業者への直接支給を行う。これまで補助金は全中、全農を経由し、農家に届いたが、民主は国民一人ひとり、農家個々を良くする事で、全中、全農が良くなる。農家に直接光を当てる逆転の農政をする必要がある」。
一方、政権政党となる民主の今後にも言及した。
「政権政党としてこれまでの延長線上の仕事をするのではなくて、歴史的な任務を負っているという自覚を全議員が自覚すること。特に明治維新以降、作られた官僚政治をぶっ壊すわけだから、明治維新以来の革命だ。使い捨て型の日本から循環型の日本へ、中央集権型の日本から地域主権型の日本へ、官僚主導の政治から政治主導の日本へ、これが歴史的任務。自分たちの任務がどこにあるのか、それを共有する必要がある。この認識があれば、内部での多少の意見の違いなど、小異にこだわっている余裕などない」と全党体制で公約実現へ必要性を述べた。