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2009年05月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
「県立県営を」、津南が県要望、6月議会で決議へ  5月29日号
 医療機能の充実を求め、中核病院化による改築をめざす県立十日町病院。十日町市長選前に打ち出されていた「公設民営、現在地に建設、運営主体は厚生連」は、関口市長就任後、再検討する動きが見られる。関口市長は「地域が求める医療機関を、市民の意見を聞きまとめ、県と話し合う。県との協議会は津南町を含め協議すべきで、県もその意向と聞く」など、医療圏で連携して取り組む方針を示している。一方、津南町では「県立県営」の維持を求める要望書提出の議会の動きがある。十日町病院の改築問題は、関口市長誕生後、新たな動きが加速する様相を見せている。


 津南町議会は今月8日の月例協議会で「県立十日町病院は県立県営を維持」とする県への要望書提出を協議した。同議会は「十日町病院問題勉強会」(世話役・草津進副議長)を作り、塚田十日町病院長、石川津南病院長を招いた勉強集会や県病院局・関川憲司業務課長を講師に検討会報告書の勉強会を開くなど、十日町病院、津南病院など地域医療の充実に積極的に取り組んでいる。
 

 今回の十日町病院「県立県営の維持」要望について草津副議長は語る。「新潟県全体の県立病院の今後が見えていないなか、なぜ十日町が真っ先に県営を外す必要があるのか。将来の地域医療を考える時、県営病院の存在は地域医療にとって、安心感の拠点になる。中山間地では、民営病院は将来的な不安は大きい。安心感の第一は県営である」。6月定例議会で、泉田知事、県病院局長に要望書提出を決議する方針だ。
 

 同勉強会のアドバイザーであり、十日町病院や六日町病院の事務長経験を持つ高橋孝男議員は「知事の公設民営は、県立病院経営をしたい民間(厚生連)が手を上げたので、それならと研究している。地元は県立病院の意義、現状の医療体制の信頼度などを考える必要がある。民営では医師確保は難しい。県立県営の維持が地元医療の充実にとって重要課題だ」と話す。小林町長など町も議会の要望書提出に賛同している。


 十日町病院の改築問題は、昨秋まで1年をかけ地元自治体、医療機関代表の検討会が「十日町病院等の医療提供体制検討結果報告書」を県病院局に提出。さらに前田口市長は「新病院の建設場所は現在地、経営主体は厚生連」と方針を示し、小堺議長と連携で「運営主体は厚生連を」と泉田知事に要望書を提出している。
 

 市長選後、関口市長は「全てを再検討」と方針を示した。25日の定例記者会見でも「検討会報告書や(合併前に広域でまとめた)十日町地域中核病院基本構想など市民に示し、意見を聞く場を設け、市として必要とする医療体制をまとめ、県と話していきたい」と方針を示している。 関心が集まる建設場所は「市が決めていくべきだろうが、経営主体は県との協議の中で検討することになるだろう」と述べた。同市長は就任会見で「経営主体の選択肢に県営維持も入ってくるだろう」と述べ、これまでの民営路線とは別の選択肢も、視野に入れる方針を示唆している

来春閉校、津南・三箇小で120周年記念運動会、思い出作り  5月29日号
 ◎…はばたけ、三箇の子どもたち―。創立120周年を迎えながら来年3月統合・閉校する三箇小(高橋しげ子校長・児童19人)の運動会が24日、校区民ら2百人余が参加して開いた。「節目の年を記念しよう」と校区全146戸に『一生懸命頑張ります。最後の運動会を盛り上げましょう』などと児童たちが手書きメッセージ付パンフレットを配布。当日は曇りながら、卒業まもない中学生から80代のお年寄りまで参加し、3時間余の運動会で思いで作りに励んだ。辰ノ口の高橋ミヨさん(78)は「私も卒業生。孫も卒業した。今日は友だちと一緒に来た。学校がなくなるのは寂しいけど、子どもの声はこれからも聞きたいね」と感慨深そうに声援を送った。
 

 ◎…120周年記念種目「120人大玉送り」。翼をイメージしたW型コースを2つ、120人の出場者が手をつないで作り、その中を児童が大玉を運ぶ種目。『(子どもたちが)道をはずしたら、住民が元の道に戻す』と願いを込めた競技。参加者は120人を上回り、記念種目は大いに盛り上がった。企画の高橋校長は「三箇小はなくなっても、子どもはいます。今までと同じように今後も見守ってほしい。前を向いて行きましょう」と想いを語った。

苗場山1日山開き、ヘリで荷揚げ   5月29日号
 ◎…さあ行こう、春山の苗場山へ―。山頂に全国有数の6百f余の大湿原が広がる日本百名山、苗場山(2140b)は来月1日、待望の山開き。北アルプスなど360度の眺望が開ける山頂周辺は、150種もの高山植物が群生するなど、生態系の豊富さが大きな魅力の苗場山。1日には登山口の小赤沢・苗場山神社で開山安全祈願祭を行い、シーズンインする。


  ◎…山頂宿泊施設「苗場山自然体験交流センター」(苗場山観光経営)への荷揚げは25日、晴れ間をぬってチャーターヘリ(東邦航空)で行った。水や食料、燃料など約16dを小分けし、10往復で運び、同観光関係者など20人余でセンターに運び込んだ。管理人12年目の林浩二さん(55)は「登るたびに魅力が増すのがこの山。じっくり苗場山を楽しんで下さい」と開山準備に忙しい。昨年2千2百人余(前年比5百人増)が利用した同センター。同観光・福原孝平社長は「2年前は天候不順でキャンセル続出だったが、昨年は比較的順調。50代の登山者が増えている。もっとアピールしたい」と話す。予約、問合せは秋山郷観光協会рO25(767)2202。

信濃川河岸段丘が全国100選認定、津南・十日町・小千谷  5月29日号
 全国有数の河岸段丘が続く津南町、十日町市、小千谷市は10日、NPO地質情報整備・活用機構(本社・東京文京区、会長・岩松暉鹿児島大名誉教授)が主体で取り組む「日本の地質百選」に選ばれた。選定箇所は信濃川河岸段丘と活褶曲(かっしゅうきょく、地層が波状に変形した地形)。全国を調査する地質学者やボーリング業者など地質関係者の推薦を受け、優れた地形と景観を持つ地を選ぶ同百選。同NPOの矢島道子事務局長は「ここの河岸段丘は景観、地形共に優れており、全国有数。地球の長い営みを知る最適場」と高評価している。
 

 同百選は「全国の珍しい地形、景観地の認知度を高めたい」と同NPOが選定委員会を設置し決めた民間認定。神奈川県立地球博物館館長・斉藤精二氏(元日本地質学会長)が委員長で、環境省職員や地質学者、観光業者など委員19人で選考。2年前から選考を始め、全国3百ヵ所余の応募から1次選考で世界遺産・知床半島や富士山など83ヶ所、今月の2次選考で37ケ所を追加し全国120ヵ所を認定。河岸段丘は二次選考で選出。県内は佐渡金山や新津油田、糸魚川ヒスイ峡など6地域が選ばれている。
 

 認定を受け町教委・佐藤雅一文化財班長は「全国でも有数の段丘面が9つあり、箱庭のようにコンパクトで一番見やすいのは津南。観光面でも利活用できる地形だ」と話している。

JAS認証で信頼度アップ、「ハートで物づくりを」、割野きのこ組合   5月22日号
 「安心、安全」。食品分野では消費者の商品選択の最優先要素になっているが、自然との関わりが深い「きのこ産業」は、その安全性の認証が難しいのが現実。津南町の農事組合法人「割野きのこ組合」(小林一男組合長)は、国の委嘱を受ける民間の認証認定機関「リーファース」(本社・東京)の『国産安心きのこ認証』を昨年3月取得。4月には『生産情報公表農産物の日本農林規格』JAS規格を合わせて取得。なめこ生産者では県内初、全国でも同機関認定では初めて。小林組合長は「すべての産物のいえるが、ハートのある物作りができるかどうか。認証取得で従業員の意識が格段に変わった。プライドを持って働いている。従業員は私の誇りです」と話し、地域の農産物の生産現場に一石を投じている。
 

 4年前。小林組合長は、新聞の見出しに目がとまった。「国産きのこに認証制度」、「無農薬などに独自基準、種菌からチェック」。農産物のトレーサビリティー(生産・流通過程の追跡検査)を国基準と共に、厳しい独自基準により調査・認証する民間機関「リーファース」(水野葉子社長)が、国産きのこ類の認証制度を始めた記事だった。なめこ栽培に使うオガ粉、種菌の安全度(認証取得種)、使用資材の仕入れ先など栽培農家だけでなく、生産に関わる全工程をチェックし記録。認証取得後も毎年、同機関による更新検査を受ける。認証取得は5年前から取り組み、全従業員研修や視察、リーファース指導を受け、組合全体で取り組み、昨年3月14日、『国産安心きのこ認証』を取得。きのこ生産者では全国初の取得となった。さらに日本農林規格(JAS規格)「生産情報公表農産物」の認証を受け、「JASリーファース」認証を今年4月取得した。


 同組合は「国産安心きのこリーファース」と「JASリーファース」の認証取得、さらに魚沼きのこGAP(農業生産工程管理)認定のトリプル取得。県内のなめこ生産者では同組合だけ。年間250dを東海や関東などに直接出荷。認証取得後、従業員18人の業務意識に変化が出てきた。「一番大事なことは、働く全員がその気になること。物作りは最後はハート、心のある物作りができるかどうかだ」と小林組合長。認証取得後、取引先との受注が増え、信用度が格段にアップ。同組合は今後、なめこ以外のきのこ栽培にも取り組む方針だ。取引スーパーの中には、消費者サービスで生産者交流体験ツアーなど企画し、毎年割野きのこ組合を訪問している。訪れ、交流を深めるなど、消費者にの認証取得が好影響し、さらに交流を深まっている。

女性視点を観光事業に、津南町観光協会の理事刷新  5月22日号
 独立3年目の津南町観光協会通常総会を20日、綿屋旅館で開き、役員改選で女性理事を過去最多の4人に増やし、協会活動に女性視点を活用する方針。新会長は石澤哲さん(57、山源木工)が就任。石沢会長は「今観光客が求めているのは日本の原風景に近い景観。保全や整備を進めたい。まず理事が積極的に動き、会員や住民の観光交流への意欲を高めたい」と意識向上を第一に掲げる。2期の伊林康男会長、草津進副会長は任期満了で退任。新年度から理事4人増の14人体制で事業活動する。 
 

 町庁舎前に事務所を構える同協会。冬季を除き無休営業で「観光案内所」として好評だ。昨年5244人(前年比29%増)訪問し、電話やメール照会で5146人、1万人を超える来場だ。常勤事務局長を先月末から置き、案内所は職員2人体制。昨期の観光入込は54万人(前年比7%増)、秋山郷、竜ヶ窪など自然観光が17万8千人(同12%増)と好調。同協会ホームページ「津南彩発見」をリニューアル。津南ベストショット写真が投稿でき、インターネットを通し情報発信できる参加型ホームページとなっている。すでに新緑の見倉橋など写真125点余の投稿があり、津南の観光スポット紹介の場になっている。新事業は見倉集落のカタクリ群生地保全をねらいに木道を設置、結東石垣田の保全活動など実施する。同協会員は現在243人。
 

 役員体制は次の通り。
 ◆会長・石澤哲◆副会長・宮沢金作(フジミヤ)、尾池三佐子(農家民宿サンベリー)◆再選・磯部悌治(割野)、藤ノ木剛(町森林組合)、中山弘(美工社)、風巻由利江(雪国)、山岸博之(森宮交通)◆新任・大平俊弘(ニュー・グリーンピア津南)、樋口チセ(セブンイレブン正面店)、福原昇(松屋)、福原慶福(外丸)、富澤春江(船山)、小林幸一(割野)◆監事・鳥羽恵一(ホクギン津南支店長)、半戸淑朗(JA津南町)。

交通事故ゼロ願い全国行脚、沖縄の西村さん  5月22日号
 ○…3年前にオートバイ事故で左足を無くし、「じぶんのような人を減らしたい」と交通事故撲滅を訴え、軽自動車で全国行脚を2年前から続ける沖縄・那覇市の西村亙さん(84)が16日、津南町に訪れた。西村さんは「命ある限り全国を巡り、交通安全を呼びかけたい」と想いを話している。
 

 ○…西村さんは北海道出身。退職後に北海道が死亡事故ナンバー1と知り事故を減らそうと21年前にオートバイ全国行脚で事故撲滅キャンペーンを開始。だが4年前、で車と接触事故を起こし転倒、右足を失う。沖縄に移住し療養後、改めて車の障害者免許を取得し再び行脚を始めた。年間約5万`走り、全国を巡る。「健康こそ人生の宝。事故を無くし、みんなで長生きしよう」と西村さん。想いを込め自筆の『至宝』の色紙を各地でプレゼントする。今後は新潟市方面に向かい、日本海側から北海道に向け北上。8月中旬までに稚内市に到着する計画だ。

高原に夏、妙法牧場で放牧  5月22日号
 ☆…「こーい、こい、こーい」と高原に牛追いの声が響いた―。新緑が目にまぶしい県営妙法育成牧場(河野昭信場長)で18日、乳牛148頭の放牧が開始された。乳牛たちは気持ちよさそうに牧場を走り回り、青々と茂った牧草をうまそうに食んでいた。津南の高原にも本格的な初夏到来だ。
 

 ☆…大自然に囲まれた県内最大級の同牧場は、標高630bから950bの丘陵地。昭和47年に開設され、今年で37年目の歴史を刻んでいる。生後12ヵ月程の雌牛を県内各地の酪農家から預かり、同牧場で1年余りかけて足腰の強い牛に育て、妊娠牛として再び酪農家に返す。当初350`余りの牛たちも、里帰りする頃には440`ほどに成長する。「広い牧場で足腰が強く、乳量たっぷりのよい牛に育ちます」と河野場長。同牧場はこれまで大学生のインターンシップや地元小中学生の見学、職場体験も受け入れており、今年4月には中央酪農会議から「酪農教育ファーム」の認定も受けている。

これが津南、再発見、街頭に写真パネル  5月22日号
 ◎…国道117号、津南町のメインストリートの商店街に出現した大型写真が関心を呼んでいる。道行く住民は「こんな素敵な場所が津南にはあるんですか。灯台下暗しでした。一度ぜひ行ってみたいです」と足をとめて見入っている。これまでに5箇所設置し、今後さらに10箇所に新設方針だ。特に北越銀行津南支店近くのオレンジ色が鮮やかな「夕暮れのひまわり広場」と水墨画の世界の「初雪の見倉橋」の連続パネル、さらに道路反対側の「中子の池の桜」は残雪とピンクの桜に霧がかかる幻想的な一枚は圧巻。車のドライバーの目にもとまり、駐車して見て回る人が増えている。
 

 ◎…一級建築士の小林幸一さん(割野・51)が企画し、自ら設置している。津南町が求めた「町づくり町民予算提案事業」で採用され、今春から設置している。1枚が3・6b×1・8b。テント地の防災シートにインクジェットでプリント。同事業の限られた助成で制作。設置場所の交渉から写真など友人と共に取り組む。「まだまだ『写真になる津南』はいっぱいある。地元の人でも知らない光景もある。津南再発見につながれば」と話す。今後、どんな絶景が登場するか、商店街を通るのが楽しみだ。
 

脳内出血で後遺症、リハビリ続ける近藤想君、仲間と再会  5月22日号
「早くもっと動けるようになってみんなと遊びたい」―。昨年9月、脳内出血で倒れ意識不明となり、2度の大手術で奇跡的に命を取り留めた十日町市上新田の近藤想くん(11)。左半身が萎縮し右半身が突っ張るなど全身や言語などに障害を負ったが「友だちに会いたい」と柏崎養護学校に通い、リハビリを続けている。15日は母校の下条小(高橋政子校長・児童2百人)を尋ね、同じクラスの同級生と再会。「僕は立てるようになりました」と声は小さいながらも話し、車イスから母の洋子さん(46)に支えられ立ち上がると大きな拍手が教室に響いた。
 

 想くんとクラスメイトだった6年1組24人との交流会は先月に続き2回目。医師から命の保証はない、と告げられていたが奇跡的に回復。今はエンピツで字を書き、スプーンで食事ができるまでになった。この日は国語の授業に参加、積極的に手を挙げ発言。休み時間は指相撲で友だちと遊びにっこり。樋熊晃太くんは「先月よりも元気みたいで安心。野球とか、早く一緒に遊びたい」と嬉しそう。想くんも「早くみんなと鉄棒で遊びたい」と声を振り絞り話し、笑いあっていた。
 

 母の洋子さんは「想は下条小に帰って来たくてリハビリを頑張り、医師からも驚異的な回復と言われています。みんなと会うのが良い刺激で、来るたびにいい表情を見せます。回復はみんなのおかげ」と目を細める。想くんと下条小は今後月に1回、交流する予定だ。

十日町市議会、人事で紛糾、初のくじ引きで  5月15日号
 改選後の初議会、十日町市議会は13日開会し、正副議長など議会構成を決めた。「議長は1票差」、「副議長は市政史上初のくじ引き」という異例の展開となり、前夜までの多数派工作の激しさを物語っている。正副議長人事で「なぜ?」の行動を取ったのが共産党市議団(4人)。最多会派「かけはし」と連携し、常任委員長ポストとの条件連携を仕掛けたが、結局、常任委員長確保はできなかった。「なぜ独自候補で投票しなかったのか」の疑問が残る過去最多の議席数を確保した共産十日町市議団。一方で重要ポスト争いを演じた30人の新しい市議。「市民不在」と声が上がる中、新生・十日町市議会の任期がスタートした。
 

 「なぜ?」に対し、村山邦一・共産党市議団長は本紙取材に答えた。「結果的に我々がキャスティングボードを握る形になったが、独自候補という選択も当然あった。だが、こうした情勢では、一致できる部分は一致し、市民のための市政を実現することが重要で、今回の正副議長選では、我々の要求を受けた会派と連携した。結果はご承知の通りとなった。このシコリは全くないだろう。我々は今後も是々非々で一致できる部分は連携し、市民主体の市政実現のために活動する」と語っている。
 

 議長選挙は無記名投票で行い、「涌井充15」、「小堺清司14」、白票1と1票差で最大会派かけはし所属の涌井氏が議長。副議長は「庭野政義15」、「山岸角太郎15」と同数。公選法でくじ引きを行い、庭野氏が当選。
「こんな状況は初めて」(市役所関係者)の通り、前夜までの多数派工作の激しさを物語る結果となった。
 事態は正副議長選挙後、急速に動いた。最多会派かけはしと連携した共産市議団は、涌井議長誕生の条件としていた総務常任委員長ポスト確保に動いたが、対抗勢力の切り崩しで、同ポスト獲得は実現せず、辛うじて厚生環境時常任副委員長に尾身隆一氏が就くにとどまった。
 

 新議長に就任した涌井充議長は、「市民に身近な市議会、分かりやすい議会をめざす。議会の和を基本に、意見を出し合いながら市民のための議会運営を行いたい」と就任の抱負を語っている。なお涌井議長の妻(市課長補佐)は今月11日に辞表提出し、今月末で市役所を退職する。
 常任委員会、議運役員は次の通り。 
 ▼総文・小林正夫委員長、小林弘樹副委員長▼産業建設・飯塚茂夫委員長、鈴木一郎副委員長▼厚生環境・庭野茂美委員長、尾身隆一副委員長▼議運・小堺清司委員長、阿部晃一副委員長。


 【涌井充議長】昭和27年3月22日生れ、日大短大卒。市議連続4期(旧市含む)、改選前・総務常任委員長。十日町土地改良区副理事長、吉田、農業、57歳。

 【庭野政義副議長】昭和23年2月26日生れ、十日町実業卒、市議連続5期(旧市含む)、改選前は副議長、十日町市芸術協会顧問、四日町、染色作家、61歳。

54年の伝統、東京津南郷会、「一緒にふるさと応援団に」  5月15日
 町村合併で津南町が誕生した昭和30年に津南や中里、松之山地域の出身者で創設した「東京津南郷会」は、すでに54年の歴史を歩む「ふるさと会」だ。県内の郷土会の中でも長い歴を持つ同会だが、メンバーの高齢化と会員増加が大きな課題になっている。今年から会長となった江村菊男さんは「とにかく会員を増やしたい。あの頃を語り合い、懐かしがると同時に、津南地域の応援団でもある。どうぞ気軽に声をかけてください」と関東圏などの出身者に呼びかけている。
 
 今月7日、新役員ら4人が津南町を訪れ、小林町長や高橋商工会長、地元民間事業者ら20人余りと懇談した。都内でビジネスホテルやビルメンテナンス会社を経営する江村会長(巻下出身)は「津南を離れた年月が増すほど、津南が好きになっている。友だちや知人など年間3百人くらい津南に連れてきている。皆さん、津南を気に入ってくれる。それだけの資源がここ津南にはある」とふるさとへの思いを話す。
 
 日舞の師範であり貿易会社を営む中沢光男さん(越手出身)は、前々会長を務め、津南郷会では年齢的にも若手だが常任顧問。「年2回の郷土訪問や福祉施設の慰問、東京への修学旅行での協力、あるいは津南の小学校での交流活動など、我々からの取り組みは多くやっているが、津南町や町民の皆さんからの声掛けや働くかけは少ない。この津南郷会には様々な技や資格、経験を持っている人が多くいる。どうぞ活用してほしい」と積極交流を呼びかけている。
 この日の懇談会では、小林町長から「中越地震や豪雪の時の支援や敬老式でのアトラクション、津南中学の全国駅伝出場への支援など感謝している。今後、津南の応援団として皆さんと連携を深めたい」と今後の交流への期待を述べた。


  東京津南郷会は、年間活動として2月の総会・新春交歓会、6月に津南訪問など名所めぐり、8月は東京県人会館で「からす踊りの会」、さらに11月に郷土訪問し、津南や中里、松之山地域の福祉施設慰問、交流会などを予定している。このほか津南地域などのイベント参加や東京での津南フェア案内などの上方発信も行っている。
 江村会長は「気軽に誰でも参加できます。年齢も関係なく、思い出話しを語り合うもよし、友だち作りにもなります。どうぞ気軽に声をかけてください」と参加を呼びかけている。年会費は3千円(会報を進呈)。問合せは事務局03‐3366‐5382、FAX同
5303。江村会長自宅048‐077‐2134。

津南町初の男性保育士、小林準也さん奮闘中  5月15日号
 「じゅんやせんせいー、だんご虫、どこにいるの」。園庭に子どもたちの元気な声が響く。小林準也保育士(21)は駆け寄り、一緒にだんご虫を探す。鉄棒にぶら下がる子がいると安全をしっかり見守る。クモの子のように元気に散らばる子たち。すべての子たちに常に目を配る。「当たり前のことですが、なかなか難しいです。先輩から学ぶ事が多いです」。

  津南町初の男性の保育士、小林準也さん。4月から全国名水百選の竜ヶ窪や温泉がある町内谷内の「わかば保育園」(富沢一子園長)に勤務。同園は7人体制。先輩保育士は全員女性。「家庭にお父さんとお母さんがいるように、保育園にも男性の保育士がいることは自然なことです。毎日、いい笑顔で頑張っていますよ」と富沢園長は見守る。
 
 小林さんは3歳児「うさぎ組」7人を受け持つ。先輩保育士1人がフォローに付く。人気TV番組セサミストリートのキャラクター「エルモ」の顔をデザインしたピンク縞のエプロン。「これは実習の時に買ったんです」。埼玉福祉専門学校で3年間、8回の実習体験を積む。「津南での実習はなかったので、初めは不安でしたが、子どもたちが素直に飛び込んで来てくれ、感じがつかめました」。



  津南中学時代。「いとこの子と遊ぶ中で、保育士という仕事に興味を持ち、職場体験も保育園で行い、2年で進路を決めました」。十日町総合高で保育教科を選択し、そのまま埼玉福祉専門学校へ進学。児童福祉科で3年間、じっくり児童教育の基礎と実習を学ぶ。
 先月25日。初めての保護者懇談会を開いた。大切にしたいことを話した。『子どもたちの個性を伸ばしたい。子どもは遊びの中でいろいろな体験をし、いろいろなことを学ぶ。ひとり一人と密度濃く関わり、個性を大切にしたい』。今月10日「母の日」。プレゼントを子どもたちと作った。写真立て。子たちが描いた母の顔を入れた記念品。「ちょっと難しかったかもしれません。来月も父の日にも、何か作る予定です」。
 
 小学、中学と野球に取り組み、高校はバドミントン。体力には自信がある。これから水遊びも始まる。「年中や年長の子たちの頼もしい遊び相手になれるのでは」と富沢園長。準也先生の目標は「子どもたちから好かれる保育士になりたいです」。今日も、「じゅんやせんせー」の声が保育園に響いている。


 

おはなしお母さん、今度は文部科学大臣表彰  5月15日号
 20年余子どもへの読み聞かせを続ける津南町ボランティアグループ「おはなしおかあさん」(桑原厚子代表・15人)は先月23日、「子どもの読書活動優秀実践団体」として文部科学大臣表彰を受けた。桑原代表は「明るい『さべっちょおかあさん』たちで活動しています。子どもたちに聞いてもらい、私たちも学ばせてもらっています。これからも楽しみながら活動を続けたい」と喜んでいる。同表彰は全国58団体が受賞。県内での受賞はおはなしおかあさんのみの快挙だ。
 

 「活字離れが進む子どもたちに本のおもしろさを伝えよう」と22年前に結成。現在メンバーは30〜60代の女性たち。職業は介護士、自営業、看護師、和裁など多彩。活動も幅広く、12年前に始まり現在は町内全7小学校で年110回余り行っている朝の読み聞かせ、さらに保育園や子育て支援センター、高齢者施設でも絵本や紙芝居を披露。恒例の「夏のおはなし会」は多くの子どもが集まる人気イベント。十日町市、栄村で読み聞かせを行うメンバーもおり、町内外で高い評価を得て2年前には全国優良読書グループ賞を受賞している。
 

 東京・代々木で先月行われた授賞式に参加した創立メンバーの橋野眞佐子さん(63、子種)は「子どもたちの成長に繋がればと続けている、縁の下の力持ち的な活動が認められ嬉しい。これからも本好きを増やしたいですね」と感慨深そうに話した。
 メンバーは次のとおり。
 ◇江村美智代(巻下)◇桑原佐智子(反里口)◇桑原キミ子(同)◇橋野眞佐子(子種)◇富澤雅代(大割野)◇山田悦子(同)◇大島和子(同)◇津幡浩子(同)◇桑原厚子(貝坂)◇江村玉江(小島)◇江村かおる(大井平)◇大倉光子(正面)◇高橋優子(辰ノ口)◇風巻優子(陣場下)◇福原育子(外丸)。

津南ゲートボール「山伏」、、徳島での全国初挑戦  5月15日号
 初の全国舞台に挑む―。23、24日に徳島・鳴門市で開催の第24回全国選抜ゲートボール大会に出場の津南チーム「山伏」は14日、町役場で激励会を開き、代表の鈴木宣好さん(71、船山新田)は「結成から6年、やっと強くなり、みんなが元気なうちに念願の全国へ出場できて本当に嬉しい。一試合でも多く勝ち残る」と決意を語った。メンバーは22日、バスで鳴門市に13時間かけて向かう。
 

 山伏は65歳以上のシニアクラスに出場。66歳から84歳の6人がメンバー。チーム名は山伏山から名付けた。昨年、十日町市で行われた県予選を大差で勝ち抜き、津南男子勢初の全国出場権を獲得。円熟のゲーム展開と連係プレーが持ち味、活躍に期待がかかる。最年長の井ノ上好一さん(84、谷内)は「なかなか県代表になれなかったが、今回初の全国大会。やれるだけやりたい」と意欲を燃やしている。
 山伏メンバーは次の通り。
◆鈴木宣好(責任者)◆佐野庄一(66、外丸・主将)◆井ノ上好一(84、谷内)◆福原太作(72、外丸)◆中沢正市(68、十二ノ木)◆桑原正勝(68、船山)

活動20年、初CD発売、ハサンオールスターズ  5月15日号
 ○…「20年続けられたことに感謝を込め、自信曲を収録しました」―。秋山郷旅館経営者と同地のファンの都会人らで構成のバンド・ハサンオールスターズの初CD「ありがとう」がこのほど完成。収録はアルバム名にした「ありがとう」や「ソロソロ」など、メンバーが作詞作曲編曲したオールオリジナル6曲。限定千枚の自主制作、1枚1200円で萌木の里で販売中。
 

 ○…結成22年目。現在メンバーは山田龍一さん(結東、ボーカル・ギター)、相澤博文さん(和山、同)、山田洋樹さん(結東、ギター)、伊藤彰一さん(東京、ベース)、高田直弘さん(神奈川、ドラム)。42〜61歳のオヤジ5人組バンド。毎年初夏と秋に開く萌木まつり、3年前から東京・八重洲のさくらまつり参加など町内外で積極ライブ。名前は「破産しそうな店経営」と「ストレス発散」が由来。萌木の里管理人・山田龍一さんは「続けられるのは聞いてくれる人のおかげ。秋山郷を愛すメンバーとこれからも音楽で元気を発信したい」と話す。同バンドは来月6、7日の萌木まつりで演奏する。

津南産魚沼コシ、外食産業に8400俵、他の農産物も  5月8日号
 銘柄米・魚沼コシヒカリの産地間競争が激化している中、JA津南町(瀧澤勝組合長)は昨年から、東海を中心に営業展開し、関東進出を始めている中堅外食産業のステーキハウス「ブロンビリー」への米販売で実績を伸ばしている。瀧澤組合長は「さらに店舗進出を計画しているようで、取引をさらに強めたい」と期待感を話している。
 

 ジャスダック上場(07年11月)のブロンクビリー社(本社・名古屋市、資本金8億333万円)は、今年1月現在で愛知、岐阜、三重、静岡など東海地方はじめ、東京、埼玉などにすべて直営の59店を展開し、80億7千万円(08年末)を売り上げている。同社は「ジャストインタイム生産システム(JIT)」を導入し、コスト削減と食品鮮度と旨味を提供し、急成長している。JITはトヨタ生産方式とも呼ばれ、「必要な物を、必要な時、必要な量だけ生産する」。在庫管理など無駄を徹底的に省いた生産システムだ。
 

JA津南町によると、県内農協で同種の外食産業との取引では、同津南が最高値となっている。流通がすべて全農経由で販売され、JA津南町とブロンコビリー社との米販売額は約2億円(500トン)となっている。JA津南町では「米の他にも、取引できる農産物がないか研究したい。ビジネスチャンスにつなげたい」などと意欲的だ。

「これは面白い」、新たな観光宣伝に   5月「8日号
 「これは面白い。栄村の再発見になる」―。3月に同村で実施した「田舎で働き隊」事業に参加した学生が作成したイラストで村内の集落を紹介したマップと県宝の民家の暮らしを漫画化した紹介パンフが、大きな反響を呼んでいる。村商工観光課では「新たなPR媒体となり、自分たちが暮らす村の再発見にもなる」と村宣伝の新たな手法として今後、具体化する方針だ。
 

 国の事業「農村活性化人材育成派遣支援モデル事業」を導入したNPO栄村ネットワークが主体となり、京都精華大学と連携し、全村めぐりや村民との交流、テーマ別の調査活動など多分野にわたり学生や社会人など30人余が活動。この中から生まれた一つがイラストマップと漫画パンフ。
 

 箕作集落にスポットを当て「みつくりなマップ」を作成したのは京都精華大芸術学部卒ご河原崎彩子さん。集落全体を丹念に歩き、史跡や古民家、小路などをパステルで淡く描き、「同じに苗字が多く、屋号で呼び合っている」などのコメントも。さらに片面には箕作の伝統祭りやその由来、先陣を切る獅子と神楽などを解説。先般、地元全戸に配られ、「良く調べた。若いもんが知らないこともいっぱい載っている」など、出来ばえに感心している。
 

 一方、漫画パンフは同大芸術学部卒の吉川元子さんが制作。大久保の県宝・阿部家に暮らすマスミさんを扱う「茅葺きのマスミばあちゃん」。雰囲気たっぷりの絵と栄村弁の会話が楽しい。天井高の民家、今の炬燵、自家製の漬物を囲みお茶飲み話しが興味深い。猫つぐら作りの思い出話など。「文や写真より漫画の方が、多くの情報と共に、思いや雰囲気を多く伝えられます。私の思いでもあります」と吉川さん。このパンフは村内全戸に配られ、「茅葺きの家の雰囲気が良く出ている」などと好評だ。
 

 同プログラムを実施したNPO栄村ネットワークの松尾眞さんは「栄村をこんな感じに表現できるという一つの手法である。村の人にとって当たり前の事が、こうして表現することで新たな価値を作り出したり、気付いたりする。21年度事業も申請し、さらに自然や文化などにも広めたい」と話す。村も大きな関心を示している。村商工観光課・村山俊郎課長は「栄村の魅力はここにあると思う。村の人たちの暮らし、自然との関わり、村民にとっては当たり前だが、そこにNPOなど第3者が関わり、地区ごとのムラ自慢再発見により、村民自信の自慢にもつながり、村外からの人に自慢話しができる。これを日本のふるさと100選と結びつけ、栄村らしい観光アピールをしたい」と意欲的だ。

住民手作りライブ、古民家で地元ジャズシンガーが  5月8日号
 ▽…「古民家とジャズ、しっとりした雰囲気がいいですね」―。築後2百年余の古民家の食事処・大平で2日、チャリティジャズライブを開いた。会場満席の180人余の中、地元ジャズシンガーの福原美恵さん(秋成)、十日町市のベーシスト・阿部国男さん、プロピアニスト・長坂将志さんとギター・ケンタカハシさんのカルテットが演奏。約2時間、古民家を雰囲気たっぷりなジャジーな時間が流れた。津南に住む家族と訪れた千葉からの宮崎郁郎さん(71)は「古民家でのジャズは初めて。なかなか雰囲気がいい」と演奏に聞き入っていた。
 

 ▽…中津地区住民が主体の「Nagareつむぐ会」が主催。メンバー45人が「中越地震や豪雪などがある地域で、ジャズで元気と地域の一体感を」と半年余前から企画、震災復興基金を活用。地元食材満載の特製弁当などすべて住民手作りのライブ。同会の桑原加代子会長は「初めてのライブに多くの人が集まって嬉しいです。今後も機会があれば地元に住む方と協力していきたい」と成功を喜んでいる。募金活動も行い、収益金と合わせ今月中に津南町のすみれ工房に寄贈する予定だ。

ようこそ先輩、三箇小で卒業生講和、アメリカから恩田さんが  5月8日号
 閉校へのカウントダウンが始まっている津南町の三箇小(高橋しげ子校長・児童19人)。120年の歴史に幕を閉じる今年、独自企画で講座「ようこそ先輩シリーズ」を初企画。同小出身者の活動などを直接話してもらい、地域の誇りと成長に役立てるのがねらい。第1回は町内鹿渡出身でアメリカ・ユタ州在住の恩田茂人さん(35)を招き、7日開催。恩田さんは「英語が好きで留学して以来、アメリカで20年。今じゃ英語の方が得意。最初は知り合いもいなくて大変だったが、すぐに友だちはできた。統合してもすぐ友だちはできるから安心して」などと経験談を児童に伝えた。
 

 恩田さんは16歳からユタ州に留学。ユタ州立大学経済学部を卒業後、現在は世論調査など行なう統計会社に勤務。先月末に妻のマヤさん、生後10ヶ月の愛娘の恵美(エミ)ちゃんと帰国。今回の講演依頼を受け急きょ実現。英語と日本語の違いを「英語では必ず『I』とか『He』など名詞が入る。日本語なら誰が、とわざわざ言わなくても通じるが、英語では通じないのが一番の違い」と言葉の違いを解説。さらに「アメフトや野球などスポーツが盛んだけどサッカーは人気がない」、「受験戦争はなく大学は誰でも入れる。でも入ってからが難しく、なまけるとすぐ退学になる」などと興味深くアメリカ文化を紹介した。
約1時間の講演を聞き6年の小野塚栞里さんは「ずっと言葉の通じないアメリカに行って過しているなんて凄い」と瞳を輝かせ聞き入っていた。

出前議会報告会、好評だが…  5月8日号
 議会活動の刷新をめざす津南町議会(藤ノ木富有議長)は、昨年に続き2回目となる地域に出向いての議会報告会を30日、1日の両日、町内8会場で開いた。全体で百人余の参加数で、前回(120人余)より微減傾向の関心度だが、「いい事だ。議員の意見がもっと聞きたい」など地域に出向いての議会報告会への賛同の声が聞こえる。だが一方で「議員の日常活動が見えないし、町当局の言いなりでは困る」などの厳しい意見も聞かれた。
 

 今回の会場は、町内小学校区を基準に開き、昨年とは異なる会場で開催。16人が4班に分かれ、担当分野ごとに説明するなど、分かりやすさに重点を置いた報告会となった。
 

 1日の割野会場では、公金支出と議会議決の関係がクローズアップされた。出席者から厳しい意見が出た。「今の町政は無責任極まりない。マウンテンパーク津南も町営にし、あれだけの欠損を出しながら、結局誰も責任を取らなかった。さらに今も多額の公金を支出し、あの状態だ。酒蔵もそうだ。金をつぎ込むばかりで、その経営責任が不明確のまま、進んでいる。これらすべて議会で決議されたこと、皆さんがきめたことだ。失敗、失敗の連続の現実を、議会の皆さんはどう考えているのか」。
 

 議員側からは、マウンテンパーク津南、酒蔵など経過説明にとどまったが、住民からは、さらに具体論が出た。「津南が一番苦手とする部分、これにどう取り組むかだだ。役所感覚が苦手とするのは競争。行政も競争の時代だ。この苦手分野で落ち込んでいる。具体論をどう作り上げるか、このままでは落ち込むばかりだ」など、町全体の停滞感への取り組むの必要を強調した。
 藤ノ木議長は2回目の報告会について「回を重ねることで、一つの進んだ形になっていけば、報告会の意義も明確になっていくはず。議会は何をやっているんだ、議員は何をやっているなど、その声が出ることが議会改革につながるはず」と、厳しい意見を「叱咤激励」と受け止めている。

きもの一色、十日町で成人式  5月8日号
 ○…「大人としての自覚を新たに」―。十日町市の成人式が憲法記念日の3日、クロス10で開かれた。該当者は昨年より95人少ない男328人、女314人の合わせて642人(十日町429人、84人、川西84人、中里77人、松代28人、松之山24人)。あでやかな振袖姿などで会場は華やいでいた。


  ○…式典で、就任したばかりの関口市長は「十日町を元気にするマチにしていきたい。この地で皆さんが暮らせるよう一緒に頑張っていこう」と呼びかけた。これを受け、新成人を代表し、瀧澤和史さんと桜井彩さんが「失敗を恐れず、夢に向かってチャレンジしていきたい。人との出会いを大切にしていきたい」と新成人への心構えを誓った。新成人たちはこの後、両親が秋山郷出身の民謡歌手・涌井晴美さんのステージを楽しんだ。涌井さんは「成人、おめでとう。夢を持って歩んでいきましょう」などと激励していた。

関口市長、初登庁、支持者500人が送り込む  5月1日号
 任期満了に伴う十日町市長選は26日、投開票を行い、新人で元同市助役、前三条市収入役の関口芳史氏(50)が現職の田口直人氏(63)に2千票差をつけ初当選した。関口氏は「今の十日町市を変えたいという市民の多くの声をひしひしと感じた。責任の大きさを感じている」と当選の喜びを語った。一方、田口氏は、「訴えが浸透しなかった。この4年間に間違いはなかった」と敗北を語っている。


  関口氏は初登庁の1日朝、市役所玄関前に集った市民5百人余に「皆さんのご期待に応えるよう、全力で臨みます」と語り、玄関前に出迎えた女性職員から花束を受け、市役所に入った。
 3階の市長室の市長イスに座った関口市長は「責任の重さを再認識している。市民の期待に応える市政実現に全力で取り組む」と抱負を語った。
    

 投票日の26日夜9時。市内高田町の選対事務所には続々と支持者が参集。事前取材で関口氏有利の情報からテレビ各社はじめマスコミ多数が揃う。午後10時半の2回目の中間発表で田口氏2千票の差がつくと、事務所は「やったー」の大歓声。支持者の握手攻めに合いながら会場入りした関口氏と紀子夫人。「皆さんの支援に応える市長になります」と感謝し、何度もガッツポーズをした。
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 今回の市長選、やはり主戦場は大票田の旧市部だった。倍の票数の開きがある旧郡部をまとめた田口氏だったが、旧市部へ攻勢しきれなかった。
 投票日翌日午後、田口氏は市長室にいた。「旧郡部は前回以上にまとめ、旧市部からも多くの支援をいただいた。相手陣営の作戦勝ちだったかな。多くの支援に感謝したい。旧郡部など新市は広い。周辺部の住民の思いを充分考え、効率だけではない市政を望みたい」。
 得票率は関口氏52・42%、田口氏47・58%。票数以上に僅差の得票率だ。合併後の新市の初代市長が掲げた「融和」。だが道半ばで降板。関口市長も「融和」掲げる。旧市部、旧郡部という意識的な構図をなくす努力が求められる。

慎市長・関口市長に聞く、水問題、病院問題、市役所改革など  5月1日号
 ―市長選で何が支持されたと思うか。
 「十日町の長期低迷と閉塞感、これを変えませんかという私の訴えが支持されたと思う。市民の中に現状を変えたいという声が多くあることを実感した」
 
 ―市役所改革で職員数を4年間で5百人規模(現在約7百人)にするというが。
 「自然減と共に採用を抑制し、あるべき姿に早く到達すべきだ。仕事現場では厳しくタイトな面が出るがワークシェアリングなどで対応できる。職員に辞めてくれと言うわけではなく、ルールに則り(4年間で実現することは)可能だ。職員のモチベーションを落とさず、むしろ職員の心に火をつけたい。そうゆうリーダーになりたい」
 
 ―国との人事交流も進める考えのようだが、中央省庁からの人材登用は。
 「人事交流はしっかりやっていく。来ていただくと共に、こちらからも行かせてもらう。どこの所にという事と共に、どのレベルでということもある。(省庁からの登用は)当然考えていきたい」
 
 ―県立十日町病院問題についてどう取り組むか。 
「県の意向は大事だが、県の都合でこれがベストと言われても、我々はこういう病院が欲しいという地元の総意が重要。医師不足の担保がしっかり採れる体制なのか、地域の医療機関との役割分担など協議する中で必要とする病院のサイズが決まり、運営主体や場所もこの協議の過程で決まっていくはずだ」

 ―水問題でJRとどう対峙していくか。
 「まずJR東日本のトップと会い、不正行為の謝罪をしっかり求め、我々が受けた損害について話したい。法律的な攻勢は専門家を入れて取り組む。過去の清算が最初。同時に国のエネグリー政策のために十日町市が犠牲を払っていた部分を国と話し合い、補償などの枠組みを固め、国の関与の中で市とJRとの話し合いを始めるべきだ。清津川の問題も東京電力や南魚沼だけとの問題ではなく、同様に国からも舞台に乗ってもらうよう努力したい。それが市長の仕事だ」

 ―広域行政のなかで今後、津南との関係については。
 「津南町の気持ちは良く分かる。農業立町で我々はどこよりも一生懸命やってきたという自負があると思う。ただ新しい合併十日町市の農業比率は高まっている。以前の十日町と新十日町を津南から見た時、その景色は全然違うはず。新たな連携の可能性を問いかけることは大事なことだと思う。広域行政はさらに簡素化したい。お互いにその方が良いのではないか」

田口市長、退任  5月1日号
 一騎打ちの市長選で惜敗した十日町市の田口直人市長(63)は30日、4年間、市政を担当した市役所を多くの職員に見送られ、後にした。職員百人余りを前に田口市長は、「この4年間、皆さんと共に取り組んだ市政に間違いはなかった。関口氏は素晴らしい方だ。皆さんは心配しないで、地域のために協力いただきたい」と最後の挨拶をし、女性職員からの花束を受け、拍手に送られ、4年間通った市役所を後にした。
 

 さらに田口氏は「行政にとって、これほど繁忙を極めた4年間はなかったのではないか。この4年間は間違いではなく、誇りに思っていい4年間だ」と中越地震、豪雪、中越沖地震、豪雨被害など災害復旧・復興の1期4年間を振り返った。
 この日、1日初登庁する関口氏の事務引継ぎを行い、田口市長は「旧市部を旧郡部のわだかまりの融和に取り組んでほしい」などと要望し、引継ぎをした。

栄村議選、新人全員当選、議会刷新求める  5月1日号
 2人超過の栄村議選(定数12)は、新人6人全員が当選し、現職2人が及ばなかった。注目の共産は改選前通り2議席を確保し、組織票の強みを見せた。 前回同様、地盤に頼らず全村選挙を展開し4選めざした相澤博文氏は、これといった地元組織を持たず、NPO活動で連携する津南関係者の応援を得て街宣。各所で政策を訴えたが、「地元候補優先」という地域意識の壁は破れなかった。一方、出馬表明の遅れが最後まで響いた月岡美雄氏。地盤票を半減し、4期連続は果たせなかった。新人は、前評判通り石沢正氏が2百票に迫る高得票でトップ当選。定数半分の上位6人に新人4人が入るなど、現職にとって厳しい選挙となった。



 「人口3千人」、「農業担い手育成」を掲げ挑んだ新人、阿部伸治氏(46、大久保)。開票当日、地元大久保公民館で支持者60人余と開票待ち。午後9時20分、一報が携帯電話に入る。『127票。当選確実』と伝えられると会場は歓声にわいた。阿部氏は深々と頭を下げ「この恩がある限り、私は思いあがることはない。掲げた目標を懸命に進める」と力強く決意を語った。最終結果は144票、6番目の得票。
阿部氏はさらに語る。「今後の栄村のため20代、30代が戻り、他地域から人が来るためにも年間通し働ける場が必要」。全村対象の農業ワークシュアリング、長期滞在型グリーンツーリズム用宿泊所と若者住宅の併用施設設置など構想。「人口3千人は厳しい目標だが、数値を掲げるのが大切。振興公社の経営状態が問題となっているが現場に入り、話し、共に栄村の将来を作りたい」と、新議会最年少46歳は語った。

竪穴住居でなじょもん総会、夏に盆踊り企画  5月1日号
 ○…縄文人が暮らしていた竪穴式住居を活用しようと、津南町なじょもん友の会(内山恭伴会長)は26日、沖ノ原遺跡(約5千年前、昭和47年発掘)の環状住居を復元した卯ノ木の「縄文村」で総会を開催。木を組み、カヤで覆った竪穴式住居内の炉で火をたき、雰囲気ある会場に20人余が参集した。気分はまさに縄文人で、発案者の内山会長は「まだ活用されていない竪穴式住居を使いたかった。火をたけば保存状態もよくなる。まず友の会で使い、利用方法をみなで考えるきっかけになれば」と話す。竪穴式住居は現在4棟、5月中旬にさらに1棟建てる計画だ。


  ○…新年度事業は恒例の月明かりコンサート(10月3日)、なじょもんバザール(11月3日)に加え、8月15日に「なじょもん盆踊り」(仮)を初企画。同館体験学習などサポートするなじょもん応援団(柳沢武重団長)と連携、今後実行委員会を組織し具体化を図る方針。同会では「8月13日に中津、翌14日には竜神の館で盆踊り大会があり、津南3大盆踊りにしたい」と意気込んでいる。

十日町市長選、関口の勢い増す、市中央部を掌握   4月24日号
 4年前の合併選挙で誕生した十日町市・田口直人市長の4年間の検証の場となる任期満了に伴う十日町市長選は19日告示。元市助役で前三条市収入役の関口芳史氏(50)と現職・田口市長(●)が出馬し、一騎打ちの激しい選挙戦を展開している。旧市中央部の関口氏と旧郡部の川西町長からの田口氏。中央部で優位に選挙戦を進める関口氏が現職を急追し、26日の投票日までのカウントダウンと共に戦いは激化している。有権者が合併5年目からの新市の舵取りを誰に託すか大きな関心が集まっている。


『これでいやんか十日町』のフレースを全面に打ち出し、オレンジカラーで「チェンジ」を掲げ、停滞する市政の改革を訴える関口氏。その象徴的な政策に掲げているのが市役所改革。「田口市長と一番違うのは人件費へのメスの入れ方。田口市長は10年かけて適正規模に落としていく。10年も待っていられるのか。私は1期4年で適正な規模にする。5百人(現在約7百人)規模にし、10億円単位の財源を作り出して、暮らしに重点的に使いたい。今の市政はお金の使い方が逆だ。まず福祉を充実し、その後に投資的事業に向けるべきで、お金の使い方を改める事が必要だ」。関口氏は、田口市政の現状を批判し、市民本位への市政改革を強く訴えている。


 一方で「やさしい十日町」を掲げ、作り出した財源で小中学生の医療費無料化、障害者施設の生産品の買い上げ、お年寄りの冬季生活の支援など、選挙戦が進むにつれ、政策をより具体的に訴えている。特に市役所改革への市民の関心は高く、関口氏は「選挙的には不利な主張だが、これなくして十日町市の再生はない」と市民主役の論点を強調している。

十日町市長選、防戦の田口陣営、 4月24日号  
 「私はホームランバッターではない。1本1本ヒットを重ね、まち作りをすすめている」。実直な人柄そのままの田口市長の4年間の行政市政を端的に表した言葉だ。全市を網羅し、各界代表が後援会に名を連ねる万全な体制で臨んでいるが、実情は厳しい局面にある。
 特に4年前の旧郡部での得票率と、旧市部の得票率に大きな開きがあり、2期目への最大課題は「旧市部中央での支持拡大」。昨春、早々に全市体制の後援会連合を立ち上げたが、その後の活動が停滞していた。「後半、危機感が浸透し、全市の後援会がフル稼働している」と同選対は話す。


  市民の関心の1つ、県立十日町病院の改築問題では、今度の市長選で「建設場所は現在地」を公約に掲げ、「中央部の求心力がなくなれば、市全体の活力が停滞する」を持論に、病院問題の建設地問題をリードする。
 さらに任期終盤で表出したJR東の違法取水による信濃川水問題。田口市長は「市民10団体が一本化し、立ち向かい、百年の大計に立ち、後世の人たちが評価する取り組みで、水を取り戻す。電源三法(発電交付金など)は当たり前。現場の声が一番強い」と4年前同様、「真実は現場にあり」を貫き、『一新一貫』をスローガンに掲げている。


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