「地元の皆さんの支援が大きな力になっています」―。世界に挑戦する4人の地元選手は、そろって地域の指導体制への感謝の言葉を述べている。20歳以下の選手が競う2009世界ジュニア選手権(フランス)。オリンピックやワールドカップ選手も出場し、2年に一度開催の大学生の世界大会・2009ユニバーシアード大会(中国ハルピン)。1シーズンに津南・十日町地域から4人も世界大会に出場するのは過去に例がない快挙。地元スキー関係者は「地元の誇り。こうした先輩を目標に後輩がどんどん育ってほしい」と話す。年末から新年にかけ、遠征先の北海道や帰省中の地元で4選手に思いを聞いた。
十日町総合高時代、インターハイ3冠、日大でも全国優勝している丸山智恵選手(日大4年・十日町市山谷)。日大1年で世界ジュニア、2年でユニバーシアード出場。今期が最後のスキーシーズン。再び世界に挑戦する。自宅は国体開催の吉田会場の近く。小学時代からクロカンに取り組む。
丸山智恵選手(吉田中ー十日町総合ー日本大)「2年のユニバーシアードは体調が悪く不本意だった。今回は納得いく結果を出したい。この地から3人がユニバー出場することは、この地の選手育成環境の良さを物語っている。小中学、高校の指導コーチ、地域の支援スタッフ、地域の皆さんの励まし、すべてが大きな励みでここまで続けられ、感謝の思いでいっぱい。ユニバーのため地元国体は出場できないが、吉田である国体予選は頑張りたい。中国ユニバーでは、皆さんの支援に応える滑りをしたい」
津南中時代は全中駅伝、全中スキー、十日町高でも全国高校リレー優勝、早稲田大でインカレ優勝、国体優勝など大きな実績を積む小林由貴選手(早稲田大3年・津南町大割野)。走力と持久力が求められるフリー(スケーティング)が得意。「距離が長いほどいい」と今期も上位をめざす。
小林由貴選手(津南中ー十日町高ー早稲田大)「世界ジュニアに1年で出場し、世界の強さを知った。スケーティングの距離が長い種目では、誰にも負けたくない強い思いでいつもレースに臨んでいる。課題はオフとオンの切り替え。日常生活で自分をリフレッシュすること。最高の状態でユニバーに臨み、世界に挑戦したい。今春からナショナルチームに入り、来年のバンクーバーをめざす。卒業後もスキーを続け、次のロシアもめざしたい。地元の皆さんの声援が大きな力になっている。感謝している」
昨春閉校した津南高。有終を飾る活躍を見せた安部梨沙選手(日本大2年・津南町大割野)。津南中時代、全中駅伝、全中スキーリレー優勝。津南高時代もインターハイ上位、国体優勝、日大でもインカレ、国体優勝など活躍。高校時代の恩師、高橋哲也監督との出会いが今につながっている。
安部梨沙選手(津南中ー津南高ー日本大)「今季、ユニバーを目標にしてきただけに出場が決り嬉しい。昨年から生活全般をアドバイスするトレーナーが付き、自分の変化を実感。今季は大きな転機になっている。昨年フィンランドでFIS大会に出たが、今度のユニバーが私にとって事実上の初の世界大会と思い、世界に挑戦したい。中学高校時代の恩師や友人、家族の支えを実感している。クロカンを続ける以上、最高の目標、オリンピックをめざす。来年バンクーバー、そしてロシアをめざしたい」
津南中時代は全中スキー、十日町総合高でもインターハイ常連入賞し、昨シーズンは国体優勝メンバー。フリー(スケーティング)種目に自信を持ち、今期さらに走力と持久力が増している。初の世界大会に意欲を燃やす。今春卒業後、先輩がいる高田自衛隊に入りスキーを続ける。
緒方恭介選手(津南中ー十日町総合高)「出場決定の知らせにはびっくりしたし、嬉しかった。卒業後もスキーを続けるので、この機会は、世界を体験する良いチャンスと思う。日程が重なりインターハイには出場できず残念だが、自分に与えられた機会を大切にしたい。世界での経験を活かし、世界から刺激をもらい、これからのスキー人生にプラスになる世界ジュニアとしたい。素晴らしい先輩が出ているこの地域。皆さんの支援が大きな励みになっている。これからも応援、よろしくお願いします」。
写真は昨年12月、北海道・音威子府村での全日本選手権表彰。優勝が丸山智恵、その左が小林由貴、中段の右が安倍梨沙の各選手。