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2008年12月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
伝統の駅伝津南、全国で全員自己ベストで12位  12月26日号
 ◎…津南勢では6年ぶりの全国出場を果たした津南中男子駅伝チーム。21日、山口市の山口県セミナーパークで開いた第16回全国中学校駅伝大会で力走を見せてくれた。6区間18`のコスで、メンバー全員が自己ベストの快走を見せ、目標の8位入賞まで19秒という12位でゴール。津南から貸切バスで12時間かけて行った50人余の応援団に応える力走を見せた。


  ◎…激走の1区山田亮太、2区原由樹人、3区藤ノ木光、4区安部拓也、5区志賀文也、6区宮澤圭太の県大会と同じメンバーで挑んだ津南。「2`までは自分のペース。後半勝負」の高橋哲成監督の指示通りの力走で、2区原は6人抜きの激走を見せた。会場は時おり雨脚が強くなる悪コンディションで行われたが、高橋監督のサプライズで用意した新ユニホームを着た津南男子は、県大会以上のチーム力を発揮。「全国で通用することが分かった」(志賀)の言葉も聞かれ、次につながる大きな成果を得た。高橋監督は「春から目標を持って取り組み、やればできるということを、この全国大会で見せてくれた。それを再確認できた」と津南チームの力走を称えた。(津南中男子全国駅伝出場は新年号で特集)

津南中中等校、過去最高の1・3倍、21年度入学出願状況  12月26日号
 来春開校4年目を向かえ新年度から初の後期過程(高校課程)新設の県立津南中等教育学校(小熊牧久校長、222人)。21年度入学出願受付を22日から25日まで実施。県教委発表によると津南中等は定員80人に対し104人(昨年94人)応募、1・3倍(同1・17倍)。同校では過去最高の競争率。選考は10日同校で作文と面接、グループ活動を行う。発表は来月18日午前10時同校。


  津南中等校は、開校時は1・25倍の定員超過だったが、翌年は逆に定員割れの0・81倍。周知をさらに深めるため魚沼地域の全小学校を回ると共にオープンスクールを実施。さらに授業公開を積極的に行うなど、地域浸透をはかった。加えて県内トップクラスの学力が各種データで判明し、地域への周知も広がり今回の高倍率となった。同校では「在校生の活動状況が地域に広まり、口コミを含め、地域の理解と関心が深まったのでは」(井ノ川教頭)と話している。今回は魚沼広域の小学校28校から出願があり、津南町内は全小学校からあった。内訳では津南町内40人余、十日町市内50人余、他は魚沼広域からとなっている。


  県内の中等校の出願状況は次の通り。
 ▼津南(定員80)出願104(男子45、女子59)倍率1・3▼阿賀黎明(同40)出願30(同17、同13)同0・75▼村上(同80)出願141(同53、同88)同1・76▼柏崎翔洋(同80)出願88(同36、同52)同1・10▼燕(同80)出願105(同36、同69)同1・31▼直江津(同120)出願220(同111、同109)同1・83▼佐渡(同80)出願60(同29、同3一)同0・75。

写真は今年8月のオープンスクール。約300人が来校した。

津南の福原美恵さん、初のジャズライブ、  12月26日号
 ○…バラードからアップテンポのメロディーまで雰囲気たっぷりのクリスマスジャズライブが24日夜、十日町市の日本料理店「まえじま」で開かれた。プロピアニスト・長坂将志さんを招き、ヴォーカルは津南町秋成の福原美恵さん、ベースは同市内在住の阿部国男さん。会場からはリズムに合わせた手拍子と「イエー」との声が飛んでいた。
 

 ○…妻有ジャズ愛好会(池田靖啓代表)が企画。会場にジャズファンら30人余りが訪れた。ヴォーカルの福原さんは都内のジャズスクールでレッスンを積んでおり、この日はクリスマスソングはじめ「Aトレイン」などスタンダード10曲余りを披露。訪れた人から「こんなすばらしい人が地元にいたとは」と驚気、盛んな拍手をおくっていた。

120年の歴史に幕、三箇小が平成22年3月で閉校、津南原小も  12月26日号
 2年後の平成22年3月末で津南町の三箇、津南原の2つの小学校が閉校、廃校となることが決った。12月定例会の17日本会議で賛成多数で決った。小林町長は「民主主義の原則にのっとり」と、町教育委員会が地元校区に求めた地域の総意に基づいたことを強調した。質疑では「休校にできないのか」の対案も出されたが、地元の総意に基づく閉校を説明し、理解を求めた。
 

 三箇小は来年創立120周年を迎える地域でも長い歴史を刻む伝統校。校歌に発電所が入るように、地元の信濃川発電所との関係が色濃く、同校支援を東京電力が行い、東京電力社宅があった時代には、多くの児童が同校を卒業。今も総合学習への協力など支援をしている。関係者は「東電と共に歩んできた学校がなくなるのは、なんとも寂しいですね」と話している。


  一方、津南原小は、開拓住民の心血で開校した小学校。校舎建築材を出し合い、荒れた土地をならし、「次代を担う子どもたちのために」と集落中央に用地を求め開校。入植者が多く、古くからの付合いが薄い地域だったが、小学校の開校で学校が人と人を結びつける拠点となり、住民の「心の拠り所」となった。地域の行事も大部分が学校中心に行い、文字通り地域の拠点となっていた。


  議会審議では、「議論が始まったばかり。今の教育の検証が先ず必要。急ぐことはない」(大島知美氏)、「結論を決めてから地元との話し合いが逆だ。白紙で住民と話すことが必要。小規模ながら様々な取り組みを全国で行っている。もっと研究すべきだ」(半戸哲郎氏)、「自律の津南ならこそできる教育を求めるべきだ。特色ある津南らしい教育を探るいいチャンス。急ぐべきではない」(藤木正喜氏)の反対意見を述べた。


 一方、検討委員会長を務めた草津進氏が統合計画を説明し、議会の統合問題協議会長の伊林康男氏が取り組みを説明し、共に賛成討論。さらに大口武氏は「財政理由でもなく、複式教育が単式に劣るわけでもなく、ただ社会性が育ちにくいという。まだまだ研究が必要であろう。小さくてもいい教育はたくさんある。安易な統合は避けるべきだが、今回はやむを得ず賛成する」と反対論ともとれる賛成討論を行い、統合問題研修会を開いた共産は2人とも統合賛成に回り、結局、統合反対3人の賛成多数で可決した。

雰囲気たっぷりXマスライブ、十日町病院で  12月26日号
 ○…「入院患者にもクリスマスを」と県立十日町病院で20日、「院内クリスマスコンサート」が開かれ、フルートやハンドベル、ピアノの音色が流れた。患者らは「入院していてもクリスマス気分を味わうことができました。嬉しい」と感激していた。
 

 ○…市内の閉校した小学校からピアノを譲り受けたのを契機に、同病院職員らでつくるボランティアサークル「ミナーレ」が企画した。出演は市内のフルートサークル「銀の笛ピロロ」や「ハンドベルクワイアハルモニア」など3団体。「ジングルベル」や「見上げてごらん夜空の星を」など30曲余りを1時間半に渡って披露。会場には入院患者ら百人余りが「とってもいい感じ」と大きな拍手をおくり喜んでいた。

津南醸造、製造原価軽減、だが営業が課題  12月19日日号
 酒米生産農家や津南町、JA津南町が共同出資して醸造権を獲得し、津南町秋成地区に新工場を建設し、津南で12年前から酒造りに取り組む津南醸造株式会社(資本金2億7560万円)の第55期株主総会を13日、JA津南町で開き、平成20年9月期の決算が報告された。清酒業界の低迷が続くなか、コストダウンをはかり、製造原価を抑え、前期比で単年度赤字を6百万円ほど圧縮している。役員改選で新社長にはJA津南町理事で町議の根津勝幸氏(53)が就任した。役員報酬は無報酬で臨み、きょう19日から社長就任あいさつと共に、県内外へ営業周りに出ている。
 

 今期(平成19年10月から同20年9月)の売上は5千4百万円(前期比97%)。単年度欠損380万円(同593万円減)。同期の営業状況についてJA津南町から出向する滝沢寛雄特産部長によると、会社経費の全面的な見直しを行い、製造原価を10%余り軽減し、前期比3%の売上減をカバーしている。今後について「あらゆる人脈を活用し、営業を伸ばしたい」と滝沢部長は話している。
 

 なお、任期満了に伴う役員改選で取締役3人、監査役1人(1人減)を選任した。新役員と出資比率は次の通り。▼代表取締役・根津勝幸▼取締役・大平健太郎、涌井荘七郎▼監査役・涌井一雄。
 出資比率▼JA津南町15万6千株28・31%(7千8百万円)▼津南町10万株18・14%(5千万円)▼発行株式数55万1千2百株▼株主315人。

難病「ミオパチー」の福原さんに千羽鶴、地元外丸小の子どもたちが  12月19日号
 ★…「福原さん、早く元気になってください」―。筋力が徐々に低下する難病「遠位型ミオパチー」を発症、闘病生活と国難病指定に向け署名活動に取り組む津南町外丸本村の福原学さん(42)に13日夜、地元外丸小3、4年14人が手作り千羽鶴をプレゼント。

 ★…10月に「千羽鶴を織ろう」とひとりが折り始めると、同級生がひとり、またひとりと協力。そしてこの日、福原さんと署名活動を手伝う仲間が温泉宿・雪国に集ると聞き、内緒で千羽鶴を持って会場へ。千羽鶴と共に子どもたちが会場に入ると一堂びっくり。企画した福原沙希さん。「福原さんが早く元気になって欲しいな」と願いを込めた千羽鶴。受け取った福原さんは目に大粒の涙を浮かべた。大事に部屋に飾っている。
 

 ★…「いやもう、人生で最大のサプライズ。嬉しかった。温かい気持ちでいっぱい」と福原さん。同患者会(本部・埼玉県蓮田市)と連動し8月から始めた署名活動。署名は現在、福原さんグループだけで7万人を上回った。全国では今月初め50万人を超え、目標60万人に達成する見込み。署名活動、同患者会募金は継続している。ホームページhttp://enigata.com/、問合せは大阪屋商店内福原さんрO25(765)2424。

「木食上人」、写真と随想で発刊、佐渡出身の歌人・萩原光之さん  12月19日号
 生まれ育った佐渡の実家近くに木食(もくじき)堂があった前高校教諭で歌人の萩原光之さん(65・津南町外丸在住)。江戸期に4年間、佐渡で暮らした木食上人の足跡や木食仏、和歌などを調べ、地元写真家と共にまとめた「木食さんの佐渡」を発刊した。佐渡で42体の木食仏を彫ったといわれ、今回の発刊調査で新たに5体を発見するなど、新資料も掲載。萩原さんは「子どもの頃から親しんだ木食さん。融通無碍(ゆうずうむげ)で自由自在さを感じる。それが記録として残せたことが嬉しい」と話している。


 全国木喰研究会評議員の萩原さんは昨年、佐渡から津南へ移住。木食上人が暮らしたお堂は、萩原さんの実家がある佐渡市北平沢にある。その木食堂に収められいた木食仏14体は、昭和17年の「平沢大火」で消失。今は焼け焦げた10体を保存。その木食仏も同著に収録している。木食上人は歌集4冊を残し、その第一集はは萩原さんの実家近くの木食堂時代に詠まれ、編まれた。同地が木食上人の和歌の全国行脚出発点でもあるなど、木食上人を語る貴重な資料となっている。同著「木食さんの佐渡」、発行・アサヒメディア(佐渡市浜田)、B5版、2600円。

 
 【木食上人】米や粟など五穀を断ち、煮炊き火食を避け、草木を食す厳しい戒律「木食戒」修行を果たした遊行僧。特定の宗派や寺院に属さず全国遍歴し、訪れた地で一木造の仏像を刻み地元に奉納。その木食仏のノミ跡も生々しい彫刻は、無駄を省いた造形の中に崇拝的な感情が表現され、貴重な歴史遺産となっている。
佐渡には江戸時代・天明元年(1781年)から4年間滞在。仏像40体、書画110点余りを残しているというが、現存は少なく、全国的にも貴重な木食上人の地となっている。その代表的な地が、萩原さんの実家近くにある佐渡市北平沢の「木食堂・九品(くほん)堂」。

「ありがたい」、おでかけバス好評、大割野商協  12月19日号
 ○…「足がないから、ほんにありがてぇのう」―。交通手段を持たないお年寄りなどから商店街に足を運んでもらおうと津南町の大割野商協(風巻俊道理事長)が企画の「おでかけバス」。15日は上郷方面を対象に2回目の運行。70代から80代の12人が利用し、「ゆっくり買い物ができる機会は少ないから、たすかるねえ」と好評。来年4月、6月には所平と外丸方面を回る方針で「買い物ができる自由な時間が持てるバスとして定着し、商店への誘客に繋がれば」(風巻理事長)と期待している。
 

 ○…おでかけバスの魅力は利用しやすさ。運賃は片道百円、商店街で買い物すれば帰りは無料。多くの商品を購入しても帰りは自宅付近まで送迎。商協会館を休憩所にお茶サービスも行なうなど、お年寄りへの優しい配慮が特徴だ。参加した町内出浦の山本キノイさん(85)。「バス停も家から遠いから、近くまで来てくれるのはありがたい。買い物だけの時間なんて何年ぶりかも」。百ノ木の鳴海八重子さん(75)も「友だちと一緒に買い物するのはいいリフレッシュ。連れと買い物してお茶飲みするのはいいねぇ」と友だちとのショッピングを楽しんでいた。

シアタートレイン「ゆめぞら号U」人気、ほくほく線  12月19日号
 ◎…「うわぁ、きれい」と歓声がこだま―。北越急行(大熊孝夫社長)が毎週土・日曜と祝日に運行するほくほく線「シアタートレイン・ゆめぞらU」がこのほど完成。これまでの2車編成を4両に増車。全長59・5`のうち7割がトンネルを逆手にとり、車両内をスクリーンに、DVD映像を投影のゆめぞら号は大人気。大熊社長は「5年前に始めたが大人気。ありそうで、日本で唯一の車両。ほくほく線の活性化に繋がれば」と話している。


 ◎…新作披露は13日。招待客160人余が乗車し、最新型DVD投影機14台を設置。幻想的な花火や星座が上映されると「きれい」と歓声。家族4人で訪れた十日町市の滝沢真知子さん(34)は「噂には聞いていたけど、こんなにきれいとは思わなかった」と目を輝かせた。23日はクリスマストレインを運行。花火、天空、海中、宇宙の特別映像を上映。ほくほく線キャラクター・ほっくんもクリスマスバージョンで登場。詳細は北越急行рO25(750)1251。

「厚生連経営」は疑問、十日町病院塚田院長が異議、独立法人化か?  12月『12日号
 公設民営による中核病院化への改築問題が関心を呼ぶ県立十日町病院(塚田芳久院長・ベット数275床)。8日、津南町で講演した塚田院長は、同病院運営の方向性に言及し、改築問題に一石を投じた。『365日24時間救急受入診療体制、県内2番目のドクターカー導入、災害支援出動のDMAT認定病院など、十日町病院が継続診療できる体制の存続には、スタッフの継続が最重要条件。これを危うくする「民営なら厚生連」の結論は馴染めない』。同病院改築にあたり、現場の最高責任者が公の場で経営母体について明言したのは初めて。

 十日町市が県要望している「民営は厚生連」に、真っ向から異議を唱えている。さらに経営母体について「検討会のフレーム案では、運営主体の中で独立法人化に触れていないが…」など、独立法人化への取り組みへの関心を示唆している。医療現場トップの病院運営方針が明らかになり、十日町病院改築論議は新たな要素が加わり、今後の論議に大きな影響を与えるものと見られる。


 8日夜の講演会。テーマは『地域医療の充実をめざして』。塚田十日町病院長が「自治体病院と地域医療の充実」、石川眞一郎津南病院長は「津南病院がめざす医療」について病院経営を通じて得たデータなどをもとに講演。会場の津南町役場3階大会議室は地元や十日町、南魚沼、栄村などから150人余の参加し、関心の高さを示した。
 

 十日町病院の改築問題は、建設地と共に運営母体が焦点。県病院局と十日町市が今春から現在地で改築の可能性を探り、高層建築で駐車場確保により改築が可能の意向を受け、田口市長が先月「現在地での改築を」とする方針を出している。一方、『公設民営』の経営母体は、十日町市と市議会連名で今年6月、「厚生連を第一候補に」と県に要望書を提出している。


 
 だが、8日の塚田十日町病院長の発言は、その方針に疑問を呈する形になっている。県立15病院の累積赤字429億円のなか、黒字経営の十日町病院の現状を説明し、医療体制の維持に何が必要か明言している。『開設以来59年累積欠損なし、県から年間3億円繰入、1億3千万円の黒字。剰余金3億円余、臨床研修医病院で初マッチングで研修医決定、時間外診療1万人、救急車搬入年間1800台』。


  塚田院長は、この医療体制を継続できるシステム存続の必要を強調。そのためには「スタッフの継続が最重要条件。これを危うくする「民営なら厚生連」の結論は馴染めない」と疑問を呈している。「十日町病院は現在のスタッフが継続して診療出来れば、健全経営が可能で、2、3年後には繰入せずに黒字化が果たせる。医者は自由な医療をやりたいと思っているので、厚生連的な締め付ける医療は臨んでいない」と厚生連による民営化を危惧している。


 
運営主体について「丸投げのPFI(指定管理者制度)は全国に40も50もあり、その移行に問題がある所も多い。独立法人化という形体もあるが、今回のフレーム案に入るのかどうか、全く論議されていない。過疎地における公設民営化はスタッフ確保、組合対策が重要になる」と新病院の経営主体について述べている。

全国俳人協会で宮沢房良さんが俳句大賞  12月12日号
 五七五の韻を踏み、季語と共に情感を表す「俳句」。会員数が日本最大級の社団法人俳人協会主催「第15回俳人協会俳句大賞」の最優秀作品に、津南町大割野の宮沢房良さん(65、俳句結社「狩」所属)の『手拭を当て垂乳根の籠枕』が大賞受賞。宮沢さんは「この賞に入選したことはなく、いきなり大賞でびっくり。俳句は自分にとって切り離せないもの。ずっと続けていきたい」と喜ぶ。
 

 同賞は1人1句応募で全国から7213句が投句。特選作3句、入選作20句の狭き門。宮沢さんの句は『派手な句ではないがしみじみといい』。籠枕(かごまくら)は夏の季語。堅い枕に手拭を巻き、昼寝用に使う。垂乳根(たらちね)は母親の枕詞。農家の日常で、母を見る気持ちをイメージした宮沢さん。


 中学校の教科書で俳句に出会い、興味を持ち、下船渡中3年から地方紙に投句を始めた。畳職人の家業を継ぎ、技と俳句の腕を磨き続けた。昭和51年発足で32年の歴史の津南句会「岩すげの会」の創設メンバー。「俳句の基本は人に分かる句を作ること。その後に感動がくれば一番いい。自分で良いと思っても、人に見せると駄目と言われたり、またその逆もある。自分でまるっきり判断できないのが魅力だね」と宮沢さん。日本の伝統文化を継ぐ畳職人は、愛用の俳句手帳を片手に今日も一句を詠む。

「大学進学なら松高」、松之山分校存続に北川フラン氏が協力  12月12日号
 一度は募集停止が決まり、地元住民らの運動で継続している県立安塚高校松之山分校は、平成21年度の生徒募集が10月末の県教育委員会発表で決った。松之山地区は、合併前の平成7年から分校対策検討会を立ち上げ、存続運動を地域あげて取り組んでいる。今年8月には同校後援会、同窓会、行政が加わり「松高支援連絡会」を結成。県高校教育課への要望活動や存続の具体的プランなどを協議している。この存続運動に、新たな要素が生まれている。来年第4回となる大地の芸術祭総合プロデューサー・北川フラム氏が協力姿勢を見せている。地元では「なんとか残したい。そのためには1人でも多くの入学生を確保すること。特色作りが大切」と北川氏の支援に期待している。
 

 地元から『松高』と親しまれる松之山分校。昭和23年創立で今年60周年の迎えている同校、現在全校35人。同44年年には最多の97人の生徒数が、少子化で年々減少。合併前の松之山町時代の平成7年、佐藤利幸町長は「このままでは、この伝統ある松高がなくなる」と地域に呼びかけ『松高対策検討会』を立ち上げる。当初から会長を務め、現在も同職にある佐藤さん。


 さらに存続の追い風になっているのが、国道353号高舘トンネル開通。津南地域とのアクセスが格段に向上。「将来はNPOなどの運営をめざすが、通学送迎の実施を決めた」と近く実現する見通し。さらに「生徒数は少ないが、教諭は各教科素晴らしい先生が揃っている。進学を考えるならマンツーマン的な勉強ができ、学力がつく小規模校の良さが充分発揮される松高が有利だ」と話す。佐藤さんの孫2人は、松高から大学進学している。

いよいよ全国、津南中男子、全中駅伝で8以内めざす   12月12日号
津南勢中学男子として13年ぶりに21日に行われる山口県山口市での第16回全国中学校駅伝大会に挑む津南中チーム。駅伝メンバー10人を向かえ11日、町役場で壮行会を実施。メンバーそれぞれが決意表明。キャプテンの安部拓也くん(3年)は「全国大会では、県の最高順位である9位以上、入賞めざす。津南町民の方に勇気や希望を与える走りをしたい」と力強く宣言。選手団は15日に津南を立ち、新たな歴史を刻む大舞台に挑戦する。


  メンバーは次の通り。
【3年】安部拓也(陣場下)、原由紀人(鹿渡)、藤ノ木光(反里口)、山田亮太(割野)、木村祐輝(正面)【2年】志賀文也(船山)、宮澤圭太(赤沢)【1年】高橋開(見玉)、山田大地(源内山)、村山純平(十二ノ木)【監督・引率】高橋哲成教諭、八重沢央教諭。

写真・11日、津南町役場で開いた壮行会で

伝統のハーモニー、3年以上11人で銀賞の三箇小  12月12日号
 第34回県リコーダーコンテストが6日、見附市文化ホールアルカディアで開かれ、十日町市・津南町の6小学校から合奏に5団体、重奏に4団体、一般の独奏・重奏に3団体が出場。息の合った演奏で、うち3団体が全国大会出場権を獲得した。 
 同コンテストには、小、中、高校、一般の4クラスに、県内各地から46団体、3百人余りが参加。重奏、合奏など6部門でハーモニーを競った。十日町地域からは合奏部門で貝野小、中条小、馬場小の3団体が金賞を獲得。来年3月29日、東京・江戸川区総合文化センターで開催の全日本コンテストに出場する。


 ○…津南町から唯一参加の三箇小(高橋しげ子校長、児童20人)は創部7年目。3年生以上11人で合奏に挑んだ。小学校の中で、3年生からの出場は今回も三箇小だけ。体格差などでハーモニーを合わせることは至難の技といわれるなか銀賞を受賞。指導にあたった小林敦子教諭は「3年生ができないところを6年生がカバーしました。賞より、自分たちの演奏をと取り組み、そこが審査員に評価してもらえ、最高の演奏だったと思います」と子どもたちを称えた。演奏は、C・ブレスゲン作曲「ハンガリアンジプシーの12の歌と踊り」より5節。審査員から「音程がしっかりし、音もきれいだった」などと評価を受けた。リコーダー部の知桐遼部長は「緊張したけど最高の演奏が出きてよかったです」と話している。
 

大割野商店街にイルミネーション、商協が取り組み  12月12日号

 ★…国道117号沿いの津南町のメインストリート大割野商店街に、雰囲気あるイルミネーションが8日から点灯している。地元大割野商協(風巻俊道理事長)が町商工会の協力を受け、ブルーLEDイルミネーションを商店街各店の協力で取り付け、歳末の商店街を演出している。
 

★…「心の安らぎになるように」と同商協役員がイルミネーション設置希望者を募り、ブナの小枝にLED120球を装飾し、これまでに80本のイルミネーションが店先に飾られている。8日の点灯式では、高さ3・5bの特製イルミネーションが同商協会館脇に設置され、風巻理事長と町商工会の宮沢事務局長がスイッチを押すと、森をイメージした千個のLEDで飾られたイルミネーションが点灯。商店街全体では約1万1千球が飾られ、師走の夜を演出している。風巻理事長は「これからも増やしていきたい。雪が降るともっと雰囲気が増すでしょう」と話す。この点灯は来年18日まで続く。

東京電力赤字決算、津南町財政を直撃、町民法人税激減  12月5日号
 昨年7月の中越沖地震以降、運転がストップしている東京電力・柏崎刈羽原発により、同社は今年3月末決算で大幅な赤字決算を出した。このため、これまで法人事業税など、同社関係施設がある市町村に入っている住民税も均等割だけとなり、東電からの財源が入っていた市町村は大きな痛手を受けている。同社と長い歴史を持つ津南町は、東電関係財源は町税の1割を超えており、同社赤字による影響は、新年度予算編成に大きな影を落としている。
 
 
 前年度法人事業税を納める事業所は、あらかじめ予想される事業税なを収める予定納税を行っている。だが、東京電力は今年3月期で赤字決算を発表。このため前年に支払った予定納税の修正が求められ、津南町は9月議会で、納められた納税を返納する還付金を補正予算措置し、同社に返した。その学は約1800万円。同類の還付金合計は2038万円になった。
 

 一方、町税務担当によると、これまで同社が収めていた法人町民税は約3千万円。このまま赤字決算が続くと、上限がある納税の均等割(330万円)だけとなり、大幅な町税減が続く。さらに東京電力関係は、法人町民税、固定資産税で1億5千万円を越える。津南町の町税は約11億円余。電源3法交付金4500万円(上限)も財源になっている。
 

 原発の運転再開の時期。県は慎重な態度を崩さず、再開の見通しは全く立っていない。津南町では「再開されない以上、赤字決算は続くだろう。つまり町に入る東京電力からの税収は大幅ダウンの状態が続くことになる。加えて地域全体の停滞感、業績不振で税収源が予想される。新年度予算で、どの程度の前年当初比でダウンするかまだ分からない。いずれにせよプラス要素がないことは確かだ」(税務担当者)と見ている。

写真は東京電力信濃川発電所(津南町鹿渡新田地内)
 

気軽にライブを、津南町「ムルソー」、交流拠点に  12月5日号
 ★…「気軽に寄ってもらい、気軽に唄ってもらえたらいいかな」―。開店11年目のマスター・涌井清さん(48)は、ギター片手に唄う人の曲に合わせて手拍子を打った。中学生から『かぐや姫』を聴き、高校でギターを手に仲間と音楽活動した津南町割野のファミリーレストラン「ムルソー」の涌井さん。開店時から店内にギターを置いている。昨年、当時の仲間たちなどと音楽活動を再開。メンバーのひとりが今春から十日町で始まった『妻有オールウェイズ』に参加し、「津南でもできないか」と話がまとまり30日夜、ムルソーを会場にライブを開いた。「どんな感じか、仲間でやってみようとなりました。こんな感じですね」。仲間を通じて集った20人余。次々とギターを手に唄い手が登場。懐かしい曲やオリジナル曲など雰囲気ある時間が流れた。
 

 ★…妻有オールウェイズ常連で「津南支部を作ろう」と呼びかけた世話役の大平勝さん(48)も活動再開のメンバー。「我々の年代前後の人たちは、なんらかの形でギターなど音楽をやっていた世代。気軽にそんな場が津南にもあればいい、そんな感じですね」。同様に『かぐや姫』が好きで、特に『置手紙』に心酔する大平さん。「あの頃、ギターを手にした人は多いはず。またやりたいなーと思っている人も多いのでは。そんな場になれば」。スペースに限りがあるが、場を提供したいという涌井マスター。「子どももお年寄りも気軽に寄れる場所でありたい」。ムルソーрO25(765)1356。

震災の地で雪国ファンタジー、ピアニスト・田口好世さんがオリジナルCD  12月5日号
「十日町に来て30年余り。この地での暮らしで感じたことが、自然に曲になりました」―。十日町市のピアニスト・田口好世さんのオリジナルアレンジで地元の「十日町小唄」、「天神囃子」などを収録した初CD『ピアノで奏でる雪国十日町ファンタジー』が完成、販売し、話題になっている。


  田口さんは神戸生まれで5歳からピアノを学び武蔵野音大卒後、ドイツ留学。老舗・田倉に嫁ぎ、商業のかたわら音楽活動を続ける。4年前の中越地震で大きな被害を受けた。昨年まで県立津南中等校で音楽講師を務めた。「十日町小唄などここに伝わる唄に感じ入り、私なりに感じたイメージを曲にしてみたくなりました」。市民会館ホールの名器・ベヒシュタインを使い9月から2ヵ月をかけ録音。情感豊かな曲調仕上がった。
 

日本の叙情歌を集めたアルバムを計画している。CDは定価千円、問合せはみらい印刷内事務局рO25(752)0350。

夕暮れに「にっこり顔」、南雲さんがキャッチ   12月5日号
 ◎…1日夕方、西の空に「にっこり」が出現した。スプーンですくったような月、その上にふたつの輝く星。夕暮れと共に、その「にっこり顔」は輝きを増し、午後7時頃まで、西の夜空で笑っていた。


  ◎…星に詳しい十日町市中屋敷のエコツアーガイド、日本自然・護協会員・南雲敏夫さんが解説してくれた。『月齢3・8の月と、明るい星の下が宵の明星・金星、上の星が木星です。これほどの透明感で、月と惑星が接近したのは、新潟県ではなかなかお目にかかれない。見られた方は本当にラッキーです』。翌日は月が上になり、笑顔を消えていた。写真・南雲さん撮影、十日町市中屋敷で、CANONイオスデジタル18〜55_ 絞り5・6 露出8秒)。南雲敏夫さんのホームページ「自然の詩21」 http://www.mars.jstar.ne.jp/~per813hx/

棚田学校田米、全国コンクールで特別優秀賞、松之山・松里小  12月5日号
 ◎…自然景観とマッチした棚田が全国的に知られる松之山。その棚田の傾斜地に囲まれるように建つ創立135年の松里小(菊池桐夫校長・全校41人)の5、6年が棚田で作ったコシヒカリが、全国はじめ外国からも出品があった米食味鑑定コンクールで金賞に次ぐ特別優秀賞を獲得。今月3日には、米作りアドバイスを受けた地元の人たちを招き「昼食米パーティー」を開き、受賞報告と共に、米作りの苦労談などを語りながら、自分たちが作った米を楽しく味わった。
 

 ◎…学校近くの棚田2eを借り、地元のベテランの指導で田植えから水管理、除草、稲刈りまで自分たちで取り組んだ。乾燥は昔ながらのハザ木乾燥。「今年は天気が良く、最高のハザ木乾燥米ができた」と田を提供する同校後援会・高橋主計会長。第10回米食味分析鑑定コンクールはJA十日町の紹介で初出品。今回は山形・南陽市で開き、全国はじめ台湾などから2607サンプルが出品。


 ◎…6年の中村功士君は、「米作りは大変だったけど、楽しかった。自分たちが作った米が選ばれ、すごく嬉しいです」と、おにぎりを頬張っていた。同校の菊池校長は「農山村地域ではあるが、実際の米作り体験は少なく、子どもたちは、米作り体験と共に、米作りを通じての出会いを一生忘れないでしょう」と話している。

外丸小2年が野菜作り直売も  12月5日号
 小学校の小さな花壇で、児童の小さな手で育ててきた秋野菜が「いらっしゃいませ」という大きな声で販売された|。秋野菜は外丸小(江川京子校長、児童55人)の2年生12人が生活学習の一環として栽培したもので、販売は2日、子どもたちの話し合いで「人が多く集まる場で」と津南駅前で実施。児童が配った手づくりチラシを見て近所の人たちが次々に訪れ、買い求めていた。


 児童たちが栽培した秋野菜はカブや小松菜、ブロッコリー、ホウレンソウなど7種類。価格も1袋10〜20円が大半。野菜には「わたしたちがこころをこえてつくりました」など手書きのメッセージを添え、料理のレシピも入れた。黒板も用意し、「ブロッコリーにはがんをつくらないビタミンがあります」など、調べた内容を画用紙に書いて展示した。販売所名は、買ってくれた人が笑顔になってほしいからと「キラキラスマイル」に。
 

 売上金は今月10日に開く「おでんパーティー」の材料費にあてる予定で、児童のひとり、中島優香さんは「毎日、野菜に水やりなどして育てました。地域のみなさんが応援して買ってくれてとっても楽しかったです。パーティーが楽しみ」と喜んでいた。


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