100万人に数人という難病に侵されながらも、仲間や職場の協力で仕事に、生活に頑張っている津南町外丸の福原学さん(42)。筋肉が衰える原因不明の難病「遠位型ミオパチー」。治療方法や新薬の開発には至っていない。福原さんは27歳で発病、足や手の筋力が次第に衰え、今は車イス生活。病気の進行で首から下の筋肉が侵され、やがて寝たきりになる難病。今年4月、全国組織「遠位型ミオパチー患者会」(本部・埼玉県蓮田市)がようやく誕生。
国の難病認定のため、年内60万人署名に全国で取り組む。先月19日から津南地域でも始めた署名活動は、福原さんの職場・大阪屋商店や友知人らの協力で先月末で2千3百人を越えている。「皆さんに感謝です。この難病に苦しむ仲間たちのためにも、署名をお願いします」と福原さんは訴える。
179aの長身の福原さん。中学、高校、社会人とバレーボールやバスケットボールに取み、職場仲間とゴルフなどを楽しむスポーツマンだった。「ちょっとした段差につまずくようになり、あれ、運動不足かなと、その時は思いました」。14年前の1994年3月。腰痛を伴い、足の運びが思うようにいかず、段差や坂でつまずくようになり、十日町地域の病院を訪ねた。だが、筋肉疾患以外、病名不明のまま、新潟市の斎生会新潟第2病院を紹介された。同病院には理学療法士の従兄弟が在職。
同年5月。神経内科の医師が告げた病名は「遠位型ミオパチー」。初めて聞く病名だった。「説明を受けたが、すぐには理解できなかったが、命は助かると聞いて、すこしほっとした」。だが、病名を知ってから、次第に衰えていく筋肉を実感する場面に出くわすと、「怖かったですね。どこまで行くのかと」。2ヶ月に一度、新潟市へ通院。だが、処置や薬はなく、筋力測定程度だけ。2002年、同じ神経内科がある県立十日町病院への通院に変更。今も2ヶ月に一度、通院している。同病気に遺伝性は全くない。
「全国組織を知って、驚いたと同時に、さらに前向きになれました」。今年4月、「遠位型ミオパチー患者会」結成。全国に同じ病気で苦しむ仲間の存在を知る。職場や友だちがすぐに署名運動の準備を始めた。先月19日、津南地域での署名運動が始まり、勤務会社の大阪屋商店を通じての事業所関係、同僚や友知人関係での広まりなど、月末までに2千3百を超える署名が集っている。
先月30日のTV24時間テレビでも同病気が取り上げられた。同26日には全告で集めた20万筆の署名を桝添厚生大臣に提出している。「国の難病認定」を求める署名は、年内に60万筆が目標。同時に「遠位型ミオパチー患者会」では、協賛会員を募っている。「新薬開発の促進」などのために全国に呼びかけている。
会社まで車で通勤する福原さん。「毎日通っている道ですから、分かりますが、十日町病院へは親父が同乗します。とっさの動きが難しくなっているので…。運転もそろそろ出来なくなるでしょう。でも、職場や仲間、支援してくれる多くの人がいることは、私をさらに前向きにしてくれます。皆さんの励まし、支援は今の私にとって、一番の薬になっています」。笑顔をたやさない福原さんだ。
問合せは福原学さん・大阪屋商店内 рO25‐765‐2424。
署名はパソコンでのオンライン署名ができる。アドレスはhttp://enigata.com/sign_mail/sign.html
「遠位型ミオパチー患者会」賛助会員(1口千円以上)振込先「ゆうちょ銀行 普通1440033573161 遠位型ミオパチー患者会 代表中岡亜希」、「三井住友銀行 くずは支店 普通2113643 遠位型ミオパチー患者会 代表中岡亜希」。