少子化で小学校の複式学級が増加する津南町の「町立小中学校適正規模検討委員会」(委員長・草津進副議長、委員27人)は24日、昨年5月から取り組み、住民アンケートや地区懇談会を重ね、将来の小中学校のあり方を研究し、まとめた答申書を小林町長に提出した。答申では、住民懇談で出た意見を重視し、「三箇小と津南原小は平成22年度、津南小との統合を計画」と、小林町長任期内の統合年度を明記するなど、踏み込んだ答申になっている。津南小と栄村と隣接の上郷小を除く他の小学校5校をすべて統合する方針を示している。草津委員長は「少子化は深刻。住民の意見を答申に盛り込んだ」としている。住民内には統合への異論もあり、なお議論を呼ぶことが予想される。
住民懇談では、具体的な対案も出た。「町内学区の見直し、町内の小学校を3校に再編してはどうか。単純計算で1校150人から2百人程度となり、独立学級で理想的な少人数学級ができる」などが出た。これに対し、答申では「計算上は可能な数字だが、具体的な学校配置を想定した場合、地域理解は得られないことが容易に予測される」と退けている。だが、同案研究の余地は残されており、研究中の新たな地域交通体系などとの関係で、通学ルートなどの研究で実現性があり、今後、地域関心の高まりが求められる。
なお、各学校ごとの答申は次の通り。
【外丸小】現在2複式学級4クラス。5年後の平成24年まで継続。6年後の25年度、全学複式を機会に津南小との統合を計画。
【三箇小】現在完全複式3クラス。1学年1人も存在、22年度に津南小との統合を計画。
【上郷小】現在1学級複式5クラス。安定した児童数が見込める。栄村の小学校との連携も強く、当面、統合検討は見合わせる。
【芦ヶ崎小】現在1学級複式5クラス。今後50人前後で推移するが、26年度以降の状況により津南小との統合を検討。
【中津小】現在73人の児童数。6年後の25年度に2学級複式となり児童数も30人台へ。26年度に津南小との統合を計画。
【大赤沢分校】現在の2人が22年度卒業。当面休校。秋山小への入学を検討。
【津南原小】現在全学年複式。1学年1人もあり児童数は10人を割る年も。22年度に津南小との統合を計画。
【津南小】現在316人。2年後の22年度は児童数29人減少。三箇18人、津南原11人が統合しても増減同数。外丸、中津など統合受け入れを順位計画。
【上郷中】現在43人、音楽・美術・技術家庭の専任教師配置なく、部活動指導も困難。津南中等校への入学もあり24年度には複式学級は予想され、24年度の津南中への統合を計画。
【津南中】上郷中との統合を視野に、施設整備、人的配置など計画的に進める。
写真は津南原小卒業式、3月25日。