県境を越えて行政連携を模索する津南町と栄村。今春スタートした「津南・栄広域ネットワーク」の第一次提言報告会が先月30日、栄村役場で全体会議を開き、両町村代表の係長、課長ら担当職員、高橋村長、津南の瀧澤副町長、根津教育長など30人余が出席。テーマ別4チーム代表がこれまでの協議結果を報告。災害時の相互応援協定や後継者対策での若者交流、福祉施設の相互活用などの提案多数が出た。
報告では、「産業振興」チームからは、農地の有効活用なかで来年度かた両町村農業委員会での協議をスタートさせ、鳥獣被害対策では20年度から、両町村猟友会が連携して取り組む。結婚対策では、周辺市町村を巻き込み、交流の輪を広げたい方針だ。商工観光分野では、飯山市から伸びる信越トレイルコース整備など、津南で進めるセラピー事業との連携などをはかる。
医療・保健・福祉チームからは、栄村・東部保育園、上郷保育園の交流、統合などを視野に、子育て支援センターの相互活用など提言も聞かれた。津南の通所施設「すみれ工房」の活用も提案。津南のクアハウスを使った水中運動への参加など。
秋山郷の栄村生きがいセンターの利活用も提言。デイサービス利用、配食サービスの津南側への拡大など。防災情報の共有から、津南広報無線を栄村役場と秋山郷支所に設置する方針。
教育文化チームからは上郷中学、栄中学の合同部活練習、英語助手教諭の連携、図書室の相互利用など、両町村が持つ教育施設や文化施設の積極活用を提言している。
栄村の高橋村長は、「民間の勢いを活用し、行政がそれをうまく支援することが、さらに連携を深めることになる」、津南の瀧澤副町長は「具体化するための方向づけが大切。来年4月以降、さらに連携を深める取り組みを継続協議していく」と方針を話している。