
16年前に町立津南病院の院長就任。「元気で長生き、健康長寿の町」づくりに医療現場から取り組む石川眞一郎院長。その医療実績をまとめた「心臓病予防を視野に入れた降圧薬物選択への提案」を鹿児島市で開催の第45回全国自治体病院学会で発表、最優秀演題に選ばれた。死亡事例が高い心筋梗塞、脳卒中などを、投薬ときめ細かな健康指導による「予防医療の実践」で減少した実証を発表、大きな関心を集めた。石川院長は「若い人の死亡を減らすことは、生産人口を保つことに通じる。これは津南町の活性化に通じるはず」と予防医療の必要を強調。さらなる地域医療の充実に取り組む方針だ。
同発表は昨年9月の第45回学会で発表。先般、最優秀演題に選ばれた。今月27、28日、札幌市で開く第46回学会で表彰を受ける。
石川院長の専門は循環器(心臓疾患)。院長就任後、「心臓死は高血圧や糖尿病との関連が大きい」と高血圧治療に取り組む。ここで同院長が注目したのは世界各国の投薬の臨床データ。「高血圧だから脳卒中になりやすいとは言い切れず、ある一定レベルの血圧の高さが疾患を起こしやすい。ここを抑えることができれば予防につながる。世界的に効果が出ている薬と合わせ、食事指導を行うことで効果があるはず」と見た。実証結果は、予測以上の好結果となっている。
比較の過去データは十日町保健所の協力を受けた。脳血管疾患など死亡原因別の状況を整理、院長就任後に取り組んだ医療成果と比較、それをまとめたのが今回発表したテーマ。心筋梗塞は20年前の4年間と、取り組み開始後の5年後で半減。高血圧性心疾患、脳血管疾患でも大きな効果が出ている。
さらに「医師不足、救急医療体制の重要性がいわれる。高度医療の体制整備も必要だが、そうした疾患にかからないための予防医療が実は大切。津南町の皆さんの健康診断の受診率は高く、自分たちで予防の必要を自覚されている。それは保健師や病院スタッフの日常の努力の成果でもある。医療体制に恵まれない地域ほど、予防医療が重要。皆さんと共に『健康長寿の町』作りにさらに取り組みたい」と話している。
石川眞一郎院長・1948年、東京都出身、東京慈恵医科大卒、国立第2病院(現東京医療センター)勤務。1991年町立津南病院院長就任。古典落語、室内楽SPレコード鑑賞など趣味多彩。河岸段丘が一望できる町内上野に暮らす。