
春の地区予選を前に、就任したばかりの津幡監督は、部員を集めた。
「お前たちは、どういう野球をしたい。適当でいいんだったら適当にやる。勝つ野球をしたいんだったら、徹底的にやる。どうだ」。ざわついていた場が静かになった。中島主将は目に涙を浮かべてこう言った。「先生、オレ、勝つ野球がしたい」。
ひと口に「勝つ野球」といっても、そう簡単にはいかない。「守備も、バッティングも、みんな技術的に足りないことばかり。ひとつ一つ積み重ねていくより仕方ない」と津幡監督。すでに月3回ほどの練習試合が組まれていたが、さらに空いていた日曜日にも試合を組んだ。3月末からの練習試合は、本大会が始まる7月上旬まで13回に上る。1日2回試合を行えば、その倍だ。「これでもまだ足りないくらい。スライディングキャッチやダイビングキャッチなど、普通にできてやっと同じ土俵に立てるというものだ」。
練習は、専用の第2グラウンド。専用とはいってもレフト側は60bほどしかなく、ナイター設備もない。5月までは夕方6時頃になるともう薄暗くなった。照明に、工事用のライトを4灯ほど付けたが、とても白球を追うような明るさにはならない。暗くなってからは、わずかな明かりを頼りにベースランニングと素振り。とくに、素振りは毎日5百回続けた。「最初は驚いたが、これくらいやらないと打撃力は上がらない。打てないことには点が取れない」と4番打者・柿崎大介。打撃力は確かに向上、今後は練習試合で課題がみつかった緩いボールでも確実に打てることだ。
きのう21日、対戦相手を決める全県1区の抽選会が行われ、初戦は7月15日第1試合、新潟東と長岡・悠久山球場で対戦することが決まった。4回戦までのブロックには強豪・中越や柏崎も入っている。「初戦突破が先ず目標。相手にとって不足はない」。苦笑いしながらも選手たちの顔に緊張が走った。ただ、一方で不安も残る。それは、これまでの敗れた練習試合で必ずといっていいほど浮上した問題だった。
十日町勢の初戦日程は次の通り(丸印は試合順)。
◆十日町―見附(14日、鳥屋野B)◆松代―小千谷西(同、佐藤池A)◆十日町総合―分水(15日、同A)◆川西―新潟南・柿崎久比岐の勝者(17日、三条