
自律を求める津南町と栄村の「津南・栄広域ネットワーク」設立後の初の全体会を9日、栄村中条温泉・トマトの国で開き、両町村代表職員ら30人余が出席、今後の取り組みを話し合った。テーマ別4班に分かれ、両町村が直面する課題など意見交換。8月中には2回目の全体会を開き、年末までに両町村長に第一次提言をする方針。テーマ別ワーキングチームは「産業振興(農林商工観光)」「医療・保健・福祉」「建設・防災」「教育・文化」の4班。両町村の班長級3、4人で構成し、1チーム6、8人。
教育・文化チームでは、昨年津南に開校の県立津南中等教育学校が話題に上った。栄村からは「全校で40人規模の栄中。今後さらに中等校への入学が増えると、中学校存続への影響は大きい。県を越えた取り組みが求められ、研究が必要」と現状と課題。津南からは「上郷中はあと5年で複式となる。中学校の複式の影響は大きく、現実問題として迫っている。小学校も同様で隣接の上郷小、東部小、さらに秋山郷ちいきなど、一緒に取り組めるかどうかなど研究したい」と両職員から積極的な意見が相次いだ。
建設・防災チームでは、両町村の消防団出動エリアの確認などが出た。昨冬の豪雪で交通止めとなった国道405号。防災面では「両町村の防災情報を共有できるシステムも必要」。産業振興チームでは、「両町村の観光地や観光要素を、お互いが見て、体験し、知る機会が必要。観光担当者会議や見地視察を」、「映画ロケが津南では相次いでいる。両地域での取り組みで、さらにロケ地の魅力が増す」など。
高橋栄村長は「津南と栄村は歴史的にも行政を超えて密接な関係にある。ただ県が同じでないという壁がある。そこに、どんな智恵を出し合っていくかである」と期待感。小林津南町長は「道州制の議論も出ているなか、交流で新たな展望、展開が開かれると確信する」と同様に期待感を述べた。
なお、津南・栄広域ネットワークは両副町村長、教育長、総務課長、ワーキングチームリーダー、サブリーダーで構成。両町村の全職員には、各課長を通じて取り組み状況を流し、共通理解を深める。12月には第一次提言を行い、両町村20年度新年度予算で実施できる事業は、取り入れていく方針だ。