村の付加価値を求め、大学との交流を深める栄村に今月上旬、京都精華大の学生と教授15人が訪れ、絵手紙や伝統工芸のワラ細工体験、地元青年グループとの交流など、「栄村学」の探求に取り組んだ。同大は今年から、大学カリキュラム「地元学・国内現地研究」の対象に栄村を選び、学生が個々のテーマで「栄村学」に取り組む計画。年4回、長短滞在し、百人余の学生が同村を訪れる予定だ。大学が授業カリキュラム教科で一自治体を取り上げるのは異例で、自律のむら栄村の取り組みに、大学の関心が向いている。
栄村と交流が深まる大学は京都精華大、千葉大、亜細亜大などで、京都精華大は6年前から教授、学生が来村し、卒論研究に同村の取り組みを取り上げ、滞在し、村民交流しながらテーマを探求している。昨年8月、同大人文学部の学生16人と担当の松尾眞教授が来村し、予備的な体験研修をした。同学部の「国内現地研究」は授業の一つ。人の暮らし、歴史、風土などに視点を置いた「地元学」であり、体験研修、レポート作成の「栄村学」が単位の一つになっている。
参加した同学部・社会メディア学科3年の宮部結さんは「4度目の栄村訪問です。元気な人が多く、笑顔がいっぱいの印象です。村の若い人たちと交流会で印象に残った言葉があります。『栄村は何もない所だが、だからこそ何でもできる』。こうした考え方が、元気を感じさせる元なんだと感じました。なぜ、この栄村がそうなのか不思議に感じますが、だからこそ魅かれるのだと思います」と感想。今年さらに調査で来村する計画だ。
同大・松尾眞教授は「大学にとっても、栄村と関わる事で新たな分野が生まれる。栄村にとっても大学と関わる事で、新たな要素が生まれていく。今年、百人余りが栄村を訪れ、滞在する。そのうちの1人でもここに住みたい、そうゆう学生が出てくれば、それが新たな要素になる」と、同村と大学との連携の意義を話している。京都精華大は村内北野にすでに土地を求めており、活用する方針だ。