県会副議長を務め、自民県連総務会長、政調会長など要職歴任の中魚選出、上村憲司県議(57・5期)は25日夜、津南、川西、中里の各後援会臨時役員会で「今期限りで引かせていただきたい」と引退意向を示した。だが各後援会は「地域のためにもう1期頑張ってほしい」と一致して続投要請している。同県議は「皆さんにご迷惑をかけるが、どうか許していただきたい」と深々と頭を下げ、意志を表わした。『上村県議、今期で引退か』。同日以降、この衝撃ニュースが駆け巡っている。地域の牽引力として5期20年間、住民の思いを実現してきた上村県議、その存在の大きさが改めてクローズアップしている。改選は来年4月。
上村県議は言葉をかみ締めながら語った。
「不出来な男を20年間も支えていただいた。20年間、大きな節目であり改めて感謝申し上げたい。後援会の皆さんに支えられてきた。(県政活動)20周年報告会の時、引かせていただきたいと挨拶したい、と申し上げていたが、いきなり会場で言うのは混乱が起きると、話すことができなかったが、20周年報告会は私にとって、皆さんへの感謝の集いとなった」などと語り、今期限りで区切りをつける方針を示した。
後援会役員の声。「なんとしても来春の県議選に出て、我々の誇りである県会議長、県連幹事長に就き、我々の夢を実現してほしい。それが20年間押してきた我々への恩返しではないのか」。 後援会女性役員の声。「いつまでも続けてほしい、その思いは今も変わりません。自分が信頼する人から、そばに居てほしいと思うのは当然なことで、同じ女として、その気持ちはよく分かります。名誉な仕事を捨ててまで、自分の大事な人を守る、改めて上村県議の人間性の素晴らしさに感じ入りました。これまで頑張って築いていただいた道標を、今度は我々が、それをさらに伸ばしていく番です」。
上村県議の引退方針は、自民党県連にも衝撃を与えた。25日急きょ、石井修県連幹事長、星野伊佐夫県議らが津南、中里、川西を訪れ、各後援会幹部と会い、上村県議への慰留働きかけ要請をして回るなど、県連も対応に追われている。それは、「県連内部での上村県議の重要性を物語るもの。この損失は大きい」と後援会幹部は話している。