カンヌ映画祭・監督週間出品で高い評価を受け、国内はじめ韓国などで観客動員が伸びている映画「ゆれる」(西川美和監督)。同映画のポイントとなる場面、「吊り橋」は、実は津南町秋山郷の見倉橋(新潟県橋50選)。まさに「ゆれる」吊り橋が、この映画で重要な場面を作り出している。今夏からの上映で、「あの吊り橋はどこ?」と問合せが配給元などに多数入っている。今回の津南ロケ実現は、そこには新潟フィルム・コミッション協議会(FC)に加わる津南町観光協会事務局の町職員の存在が大きく関っている。
津南町観光協会は2年前、新潟県FCに加盟。同協会事務局であり町商工観光班の町職員・滝沢武士さん(28)は、新潟県内で映画やTVなどロケ収録を照会、協力する「にいがたロケネット」星龍雄代表と以前より交友があり、2年前、町観光協会も新潟FCに加盟。今回の「ゆれる」は、星さんを通じ、新潟FCから滝沢さんに照会があり、西川監督との出会いがあった。
西川美和監督(1974年生)。「実際に見倉橋を見て、ここだ、と確信しました。物語のスチュエーションとしては抜群で、秋山郷の風景、水の色、素晴らしい風景で、そのままが映画的でした。ここ以上の所はない、とスタッフと決めました」。 オダギリジョー、香川照之の主演はじめ伊武雅刀、真木よう子、蟹江敬三、ピエール龍など昨年10月の10日間、津南でロケ。見倉吊り橋、役場や民間アパート、清水川原など各所でロケを行い、エキストラ町民20人が出演している。
町観光協会・滝沢さんは「津南は受け入れ体制ができれば、もっと映画やTV、CMなどかなりのロケができるし、問合せは多く来ている。様々な人が関ることが大切で、津南からの情報提供が大切。これは津南の魅力発信にもなるはず」と話す。
写真は昨年10月のロケ風景。橋中央はオダギリジョーさん。