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2006年03月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
卒業記念に最後の演奏会、三箇小   
 ○…小学校6年間の思い出がいっぱいの思い学び舎を、中学生の思いを抱きながら津南町では115人が卒業した。24日、町内小学校7校で父母や教職員、地域の人たちにみ見守られながら、通い慣れた母校を後にした。三箇小でも行い、中学校での制服を着た6人が卒業。大山明雄校長は、卒業生一人ひとりの活動や思い出などを紹介しながら、「努力の向こうに幸せがある、この言葉を忘れず、新たな目標に向かってください」とはなむけの言葉を贈った。リーコーダー全国出場の同校。卒業生6人と担任の小林典和教諭、音楽指導の小林敦子教諭らと最後の「涙の演奏」を行い、大きな拍手を受けていた。
 ○…津南町では今春4月、県立津南中等教育学校が開校。町内から33人が入学する。このため4月の中学入学者は82人で、2学級となる。なお新入学は84人。外丸8人、三箇2人、上郷5人、芦ヶ崎9人、中津15人、津南原2人、津南43人となっている。

秋山はひとつの家族、たった一人の卒業式  3月24日号
 嶮しい鳥甲山に抱かれるようにたたずむ秋山郷・栄村立秋山小。全校10人、白川理校長ら教職員は8人。記録的な大雪から、春の陽光を感じさせる18日、卒業式が行われた。6年間、通い慣れた学び舎を卒業するのは、福原美優さんただひとり。3年連続の、ひとりだけの卒業式となった。 
 
今冬の豪雪で秋山地区は5日間、一時孤立、連日テレビで全国に流れた。1月8日、進学をめざす津南中等教育学校の願書提出のため大割野に来た。だが、その日の午後、突然の通行止。親戚の家に泊り、受験の準備をした。「突然、通行止になり、家に帰れなくなって心細かったです」と美優さん。1月29日発表の日、自分の受験番号を見つけた。「後期での海外研修が楽しみです。英語を勉強したいです。秋山小で学んだことを自信に、元気に頑張りたいです」と美優さんは瞳を輝かしている。

 卒業式会場の体育館には桜草が咲き、春を感じさせる。美優さんの両親を囲むように地元の人たち30人余りが、美優さんを見守るなか、卒業証書を受けた。美優さんを保育園時代から見守る保育士の樋口民子さん(43)。「子どもは集落の宝もの。卒業式はいつも感動しますね」。
『お姉さん』と慕われた。転んでケガをした時、「大丈夫」と保健室に連れて行ってもらった3年・福原冴基くん。「一緒に遊んでくれて楽しかった」と、少し寂しそう。

 「秋山の子は、みんな自分の家族と同じ」。卒業式を見守るお年寄りは話す。住民全員、子らの新たな旅立ちを祝福している。「秋山の皆が家族みたいな感じで、温かさがあります。元気に、今のまま大きくなってほしいです」と美優さんの父・一也さん(48)。「わたしは、秋山郷が大好きです」。美優さんは、笑顔で話す。秋山が一つの家族であるかぎり、子たちの笑顔が消えることはない。

津南町長選、地区座談会始まる   3月24日号
 任期満了に伴う津南町長選は6月20日告示、25日投票で行う。現職、小林三喜男町長(71)は5選出馬をきめ、同後援会(山本三雄会長)が主体となって再選に向けて活動を始めている。新人で出馬をきめているのは、先月24日で町議辞職した島田福一氏(54)。同後援会(中沢武彦会長)では集落懇談会を始め、21日には島田氏の地元、宮野原地区で初の懇談会を開く、政策の一端を話した。4期16年の長期政権で実績を積み、「津南町は自律」と方針を決めた小林町長。「その責任がある」と5選をめざす。島田氏は「住民の意見が通りにくい今の町を変えなくてはならない」と町制の刷新を訴えている。さらに新人擁立の動きがあり、新年度がスタートする来月から、津南町長選はいっきに熱を帯びていく様相だ。

 21日夜、島田氏の地元、宮野原公民館には20人余の住民が集まった。「緊張しています」と始まった島田氏の始めての集落懇談会。市町村合併論議で「普通の人の力の限界性を知った」と、町議挑戦を決めた経過を話した。さらに、「町議になっても、なかなか意見が通らない。今の町を変えなくてはならない」と町長選出馬への経過を話した。
 この中で「主権在民、住民が主人公といわれているが、現実はどうか。住民に直接関わる重要なことは、町民自身が決めていくシステムを作りたい。常設型の住民投票条例を作る」と政策の一端を述べ、住民主体の町政実現を強調。さらに「町長任期の期限を定めたい。条例化するのは公職選挙法にふれるが、任期に一定の制限をつけたい。長期政権は実績もあるが、弊害もあり、停滞感を招く。町のあり方を刷新したい」と述べ、「津南町を変えたい」と意欲を示した。
集落懇談は25日に朴木沢、28日に上郷逆巻で開き、来月には町内各所で開催の方針だ。なお後援会長は中沢武彦氏(農業、中深見)、幹事長は中沢源氏(会社役員、越手)となっている。
 一方、現職の小林後援会は後援会事務所を来月早々には設置したい方針だが、前回の森林組合の隣接建物は使用中のため、新たな場所探しを行っている。地区懇談会来月初めから行う方針で、日程調整に入っている。小林町長は記録的な豪雪の行政対応で体調を崩し、3週間余り入院し今月11日退院し、公務に復帰しており、5選に向けた取り組みを始めている。

津南の中学生、サッカーでブラジルへ   3月24日号
本場、ブラジルに遠征―。中学生年代のサッカークラブ・魚沼アルティスタに所属するゴールキーパー、津端克哉選手(津南中新3年)が県トレーニングセンター(県トレ)代表の一員として23日に日本を出発、来月4日までブラジルに遠征してくる。津端選手は「世界のレベルを肌で感じてきたい」と胸を膨らませている。
 県トレは、県内の各クラブチームなどから優秀選手を集め、将来に向けた選手を育成するため県サッカー協会などが取り組んでいる。津端選手は今季、県トレの代表選手に選ばれ、ブラジル遠征に声がかかった。遠征期間中は、中学年代でのトップレベルの技術に触れることができる。津端選手は「大きなチャンスなので、世界のレベルをしっかり見につけてきたい」と話している。

伝統の栄中活動、露店市収益を福祉に寄付  3月24日号
 ◎…「伝統の味はいかがですか」。部活動の一環で毎年、さかえ雪ん子まつりで出店する栄中クロカンスキー部。1、2年11人は、先輩の伝統を受け継ぎ、保護者会の協力を受け、おでん屋を出店。桑原裕次郎部長、藤木勇紀副部長らは「先輩から受け継いでいる伝統の活動です」と呼び込み。祭り会場では、別の栄中グループも活動。「呼びかけあって集まった仲間」で取り組んだのは、同中の校庭桜の枝の販売。温かい場所で花芽を膨らませた桜枝。「困っている人たちに、自分たちができる事は何かと考えました」と実施。2年の上倉一晃君は「少しでも役立てたらと取り組みました」。膨らんだ花芽の桜枝を束にして販売。売上は村社会福祉協議会に寄付した。
 ◎…第15回雪ん子まつりは、さかえ倶楽部特設会場に15店のオリジナル露天市が店開きし、特設ステージで榮太鼓や保育園児ダンスなどが出演。ゲレンデには1000本余のスノーキャンドルが雪国情緒を選出し、フィナーレのたいまつ滑降がゲレンデに光のシュプールを描き、雪上花火が打ち上げられ、会場全体がきらめきに包まれるなど、村内外からの千人余が雪の一夜を楽しんだ。

津南出土の火焔土器、全国2点目の国重文指定  3月17日号
 造形美や残存率など国内一級品と注目され、10年前に国保有指定された津南町出土の火焔型土器と王冠型土器の2点が17日、国の重要文化財に指定された。火焔型土器では平成2年重文指定の長岡・馬高遺跡出土の「火焔土器」に次ぐ国内2点目の重文指定。町教育委員会文化財担当・佐藤雅一専門員は「発掘調査に関わった多くの人たちの思いが、こうした評価を受け嬉しい。国の宝として後世に伝えられ、津南の貴重な宝である」と重文指定の意義を話している。
 重文指定の2点は、平成8年調査の町内津南原台地、堂平遺跡(縄文中期、約5千5年前)出土の「火焔型土器」(高さ39・7a、口径30・6a)と「王冠型土器」(高さ35a、口径27a)。米原集落東側で出土、その残存率の多さで当時も全国から注目された。残存率は火焔型80%余、王冠型90%余と極めて良好な状態。特に火焔型は胴部に袋状突起が4個つき、「この地域独特のローカルタイプ」と貴重性がいわれる。堂平遺跡は環状列石を配し、貯蔵のフラスコ状土坑や竪穴住居跡など多数出土、集落形成が明らかになっている。
 重文指定記念で来月25日から5月7日まで、上野の東京国立博物館で展示され、6月には津南町なじょもんで記念特別展示する計画だ。2点の土器はこれまでフランスや中国の日本文化展にも出品され、国際的にも高い評価を受けている。
 津南町の国重文指定は「秋山郷及び周辺地域の山村生産用具」(平成3年4月指定)のほか国指定史跡「沖ノ原遺跡」、国天然記念物「田代の七ッ釜」がある。

「春が届いてようだ」、全国の小中高生から激励手紙  3月17日号
 「嬉しいですね。勇気づけられました」。60年ぶりという記録的な豪雪となった津南・栄村地方。連日の除雪でくたくたになっていた住民に、テレビや新聞を見た全国の子どもたちから励ましの手紙が届いた。お礼の返事を出すと、フキノトウの写真と共に、また便りが来た。思いを届け合う小さな交流が、大雪が縁で芽生え始めている。
○…連日の豪雪報道がピークに達した1月下旬。津南町教育委員会に分厚い1通の封筒が届いた。「福島県伊達市立小手小学校」とあった。全校30人の手書きハガキ30通が入っていた。2月初め、この30通が町内の独り暮しやお年寄り世帯に配布された。町内田中の柳沢正保さん(75)、スミさん(同)夫婦にも届いた。『まだまだ寒い日が続きますが、お元気ですか?学校へ通うことができますか?早く雪がとけるといいですね』(3年・森千尋)。「毎日の除雪でなんぎくなっていたので、手紙を見たら勇気が出てきました」。
 ○…福島県の中央、福島市に隣接する伊達市の小手小(旧月舘町)は複式3学級、全校30人。「毎日のテレビや新聞で津南や栄村のことが出ていました。子どもたちも関心を持っていて、『募金をしようか』などとアイデアが出ましたが、『心のこもった手紙を出そう』と、全校で取り組みました」と中村利幸校長。伊達市も雪が降るが30a程度。
○…一文字、一文字しっかり書き、雪だるまのイラストを添えた手紙を受けた柳沢さん。子どもたちの思いに感激した。すぐに返事を書いた。『春が来れば、この雪はなくなります。私たちも頑張ります。千尋さんも元気でね』。約2週間後、千尋さんが通う小手小・中村校長から、フキノトウの写真が入ったお礼の手紙が届いた。「春が届いたようです」と柳沢さん。今月14日、「春が近づいてきましたが、家の外はまだ3b近い雪があります」などと、家の近所の残雪風景の写真5枚と、千尋さんあての手紙を同封した。「4bの雪は、想像できません。柳沢さんから返事が来て嬉しいです」と電話の向こうで元気に話していた。豪雪が結びつけた小さな交流。「一度、津南に来てほしいですね」と柳沢さん。春はすぐそこ。

26日東京フェアへの第1弾、豪雪反撃コンサート  3月17日号
 ○…豪雪報道を逆手に取った津南・栄村観光振興協議会の第一弾「豪雪反撃コンサート」が12日、津南町文化センターホールで開催。津南や栄村のアマチュアバンド、津南小児童など10組がボランティア出演。会場の3百人余を前に、豪雪を吹き飛ばすダンスや演奏に大きな拍手が飛んでいた。同会代表の伊林康男町観光協会長は「いい雰囲気でコンサートができた。この元気を東京に持って行きたい」と26日の東京日本橋プラザでのイベントに向け協力を呼びかけた。
 ○…コンサートでは、一時孤立した秋山郷からも出演。秋山太鼓を演奏した山田龍一さんが「冬や雪はとめらんねぇが、おらぁ負けねえぞ」と豪雪反撃メッセージを絶叫。大きな拍手が起った。町内正面の内山信江さん(43)は「コンサートでパワーをもらった。これからも、津南と栄村が組んでイベントをやって欲しい」と声援を送っていた。
 ○…東京キャンペーン実行委員長の相澤博文栄村議も秋山郷関係者で構成するハサンオールスターズで出演。お互いに助け合い豪雪を乗り越えた住民、支援してくれた全国の有志に向け「26日、東京でありがとうを伝え、津南・栄村のいいところを発信したい。豪雪で強く結びついた両町村の力強さを発展させていきたい」とオリジナル曲『ありがとう』を熱唱。「豪雪の里」に生きる住民の力をアピールした。

3bの残雪から雪下にんじん     3月17日号
 ○…残雪が3b余も残る津南町津原の農家民宿サンベリーの尾池紀一さん、三佐子さん夫妻は14日から雪下ニンジンを掘り出している。「これだけの雪の下にニンジンがあるなんて、関東の人は信じないよね」と紀一さん。5年前から取り組み、雪で甘味を増したニンジンは民宿を訪れるお客にも評判は上々。特に、スティックと煮物が好評だ。
○…12月初旬から降り始めた雪の下層部分は絞まりカチカチ状態。硬い雪の下でじっと耐えてきたニンジンは、雪国ならではの特産品だ。三佐子さんは「新潟市から来たお客さんも『食べると普通のニンジンと全然違う』と喜んでいましたよ」と嬉しそう。サンベリーでは雪下ニンジン収穫体験を4月上旬まで行う。サンベリーрO25(765)3403。

雪を楽しむ、津南雪祭り賑う  3月10日号
 ○…春を呼ぶ第30回津南雪まつりは4、5日開催。天候に恵まれ2日間で前回を上回る9千5百人余で賑わった。友好交流の狭山市や与野市などから多数が来町、伝統行事の鳥追いなど雪国情緒を楽しんだ。年々参加が増えるスノーキャンドルは19地区で取り組み、上段の「縄文のあかり」には町外者多数が訪れ記念写真。卯ノ木や鹿渡、辰ノ口など5集落で独自に集いの場を設け、交流を深めた。
 ○…直径18b、高さ10bの国内最大級の「巨まくら」が入場者を迎える津南高第2グラウンドの雪祭り特設会場。新潟市からの杉本和子さん(41)は「こんなに大きいかまくらは初めて」と驚いていた。芸能グランプリには10組が出場し、初出場の滝沢公夫さん「3世代麦畑」がグランプリ。大爆笑を誘った津南盛り上げ隊「おてもやん〜ミッキー」、男子高校生バンドTHANKS「プレゼント」が準グランプリ。特別賞は女子青春部「青春アミーゴ」、アルビレックスチアリーダー賞は女子高校生バンド25yen「こいのうた」が受賞。25yenの藤木有夢さん(18)は「今年卒業する津南の同級生とバンドを組み出演し、すごく楽しかった。いい思い出になります」と満足そうな笑顔を見せた。

春耕はじまる、葉たばこの種まき    3月10日号
○…豪雪の影響で遅れていた葉たばこの播種作業が津南町でようやく始まった。3b近い雪に覆われた貝地区のパイプハウスの中では、電熱ヒーターを敷設した苗床に苗箱を並べる作業に汗を流す生産者の姿が見られている。発芽まで地温32度程度に保つと1週間後には芽が出る。育苗後、5月には畑への定植作業に入る予定という。いよいよ春耕の季節、到来だ。
 ○…津南町の主要畑作でもある葉たばこ。生産農家は46戸で、栽培面積は約46f。生産額は1億8500万円余りになっている。昭和61年には生産農家160戸、栽培面積100f余りあったが、高齢化による自然減やたばこ販売の減少などで年々減少しているのが実情だ。「例年に比べ10日ほどの遅れだが、夏に天候がよくなれば大丈夫」と作業に取り組む桑原俊秀さん(46、貝坂)。「大雪だったことを吹き飛ばすほどの良い出来になってもらえれば」と期待している。

3年間の日々を胸に、中学校卒業式   3月10日号
◎…卒業シーズン真っ只中。津南町の中学校2校でも7日、卒業式が行われた。津南、上郷の両中学で112人の卒業生が学び舎を後にした。津南中(尾身辰二校長)では、在校生や教職員、父母らが見守るなか102人(男子56、女子46)が緊張気味に尾身校長から卒業証書を受けた。
◎…卒業式で尾身校長は、トリノ五輪出場のスピードスケート・岡崎朋美選手の『限界は自分が認めた時に、限界はやってくる』を引用し、「強い意志で自分探しの旅に出てほしい。それが自己実現につながる」と話した。卒業生代表の高橋宏太朗君は「3年間の日々を最高の思い出に、それぞれの夢に向かって歩んでいきたい」と語った。上郷中(大岩登校長)では10人(男子6、女子4)が在校生らに送られ、学び舎を後にした。

雪晴れに歓声ひびく雪上運動会   3月10日号
○…いまだ250aを越える残雪がある津南町三箇地区で5日、「春を呼ぶ雪上運動会」が住民3百人余りが参加し三箇小グラウンドで開いた。快晴で春を思わせる陽気のなか、保育園児から70代までが、雪上ゲームで雪に足を取られながら走り、歓声を上げながら一日を楽しんだ。
○…小学校のスキー大会と学区の雪上運動会を合体させた同運動会は今年が第26回。三箇小学校後援会が主催し、地元青年団や公民館、老人会など、地域の団体が協力して毎年開く。春を思わせるぽかぽか陽気で、運動すると汗ばむほど。雪上ゲートボールや腰に下げたテープを取り合うゲーム、あるいは体力とチームワークが見どころの「人間ばんばレース」など、応援の歓声がグラウンドに響いた。60代の女性は、「こうして地域の人たちが集まり、賑やかに楽しむことは良いこと。子供たちにもいい影響になるはず」と、目の前を走る「人間ばんば」に、大きな声で声援を送っていた。

70年余、成長を見守るお雛さま     3月3日
 ○…70年を超える歳月、成長する娘たちをじっと見守ってきたお雛さまが、今も現役で毎朝、保育園で子どもたちを迎えている。津南町の「こばと保育園」。先月13日、江口幸江園長らは、桐箱に納まったお雛さまを、ひとつ一つ、ていねいに取り出した。「毎年、この時期だけ出すのですが、いい顔だなーと、いつも思いますね」。きょう3日、この7段飾りのお雛さまの前で、子どもたちは、ひな祭りを開いた。
 ○…実は、なぜこのお雛さまが、この保育園にあるのか、よく分からなかった。関係ある人たちに聞くうちに、意外な史実が分かった。このお雛さまを1歳の初節句の祝いでプレゼントされた人が、千葉・流山市で暮らしていることが判明。太田淳子さんは現在72歳。
元津南町公民館長で人望厚く、津南高の講師も務めた今は亡き瀧澤騰雲さん(外丸・善玖院住職)の長女。昭和8年の初節句の時のお雛さま、それだった。
 ○…当時、お雛さま飾りの習慣がなく、寺に飾っていた。「近所の皆さんが見に来たようです。津南を離れ50年以上たちますが、今も飾られているとは、びっくりしました。皆さんに喜んでもらえているなんて、本当に嬉しいです」と淳子さんは感激している。このお雛さま、「婚期が遅れる」と、3日夕、早々に桐箱に再び納められた。

津南中等教育学校開校で学校再編が加速  3月3日
 今春4月開校の県立津南中等教育学校。82人の入学が決り、12日には入学説明会を開く。津南からは33人が入学し、地元中学では新年度から生徒数減少となる。1日開会の3月議会一般質問でも草津進、藤ノ木富有の両氏が取り上げた。
 中等校について山下克利教育委員長は「前例のない学校ができることになり、土壌の違いを理解しながら、生き方、学び方など刺戟し合いながら、より良く変容していくことを期待したい」と述べた。さらに部活動については、「上郷中、津南中が一緒に部活動したり、中等校が一緒に工夫しながら部活動するなど、規制緩和が進み、かえってユニークな活動ができるのでは」などと考え方を示した。
 ただ、生徒数の減少で課題が浮上しているのは「統合問題」。草津氏は、「早い時期から取り組むことが必要」と、町教委の方針を求めた。根津紘教育長は、「少子化による自然減、中等校開校の影響など出てくる。小さな学校の良さもあるが、それなりの規模の学校で切磋琢磨するには、ある程度の規模が必要。1年間程度、中等校の流れを見ながら、19年度には有識者による検討委員会を立ち上げ、将来展望する」と、19年度には小中学校の学校再編検討委員会を設置する方針を明らかにした。
今春4月開校の県立津南中等教育学校には、地元津南からは33人が入学し、町外からは49人が通学する。3月議会で小林町長は、「寄宿舎が必要なのではないか」と、町として検討する意向を示した。

ふるさとへの思い、支援金を 東京津南郷会  3月3日    
 津南町誕生と共に設立した東京津南郷会。記録的な豪雪の故郷を思い、会員らの募金活動で集まった浄財が25日、東京「吉池」で開いた同会新年会で津南町に贈られた。中沢光男会長は「会員一人ひとりの思いです。故郷の発展を願っています」と津南から出席の涌井収入役に手渡した。
 新年会に先立つ定例総会では、11年余り会長職を務めた中沢会長が勇退し、後任に新潟県人会副会長・篠原武一氏(篠原食品社長、樽田出身)が9代目会長に就任した。篠原会長は「どこの郷会も出身者の高齢化が課題。生家は屋敷跡しかなく、寂しい思いを抱くが、ふるさとへの思いは年と共に強くなる。津南と東京を結ぶ津南郷会の役目はますます大きくなっている」などと出席の40人余りの会員に呼びかけた。
 同会には高橋商工会長、草津町議、高橋東京松之山会長、寺村県人会事務局長、伊藤ニュー・グリーピア津南総支配人、会場の吉池・高橋会長など、多彩な出席。会員で日劇などに出演する藤ノ木ゆいさんの日舞も披露され、最後は「からすおどり」で交流をさらに深めた。

今の思い、書に  津南高生が卒業展   3月3日号      
 ○…自分と向き合う「書」に取り組んだ津南高3年生の「卒業制作二人展」が1日から北越銀行津南支店で開催中だ。友のを思う言葉や卒業を迎えた思いなど、繊細で伸びやかな書に託されている。同展は今月24日まで開催している。
 ○…同校書道部は今年度3人で、書家で知られる小川貴文教諭(雅号・鷹山)の指導で、校内発表や書道展出品など、活動を続けてきた。卒業制作に取り組んだのは、3年間、同部で活動した中村由美子さん(宮野原)と小林由梨恵さん(十日町市)の2人。「卒業を迎えた今の気持ちを書きました」と『妍和』(けいわ)を書き上げ、「皆と別れなければならないですが、思い出を込めて」と淡墨で『遊』を書いた小林さん。さらに好きな言葉を書いた作品、小川教諭の扇に「いろは歌」を書いた作品などを展示している。
○…「部員が私1人になり、辞めようと思ったが、3年間取り組んできて良かった。書の楽しさを学びました」と中村さん。小川教諭は「パソコンやメールなど、いくら機会が発達しても、人の心と心を伝え合うことが大切。毛筆がそれを伝えてくれる。続けることは大変だが、鑑賞する心を持ち続けてほしい」と話している。卒業式の3日は、小川教諭の思いを込めた書が2人に贈られた。


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