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2005年10月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
議員定数問題より町政不満続出  10月28日号
「議員を削減するより、町職員を減らすほうが先だ」、「あの自律プランは、減るばっかりで、町の将来希望がない」…。住民からストレートな意見が相次いだ。津南町議会の「ご意見を伺う議員有志の会」が25日から始めた地区懇談会で、現状の町制への不満が続出した。定数問題や町政について、議員が地域に出向いて懇談する今回の取り組み。日頃の町政への不満が相次ぐ一方、議員の日常活動の取り組みも課題になった形だ。この懇談会は来月17日まで続く。

 「12月定例会で議員定数問題を具体会する」。高橋満男議長は、昨年からこの方針を出し、今春3月定例会でも同方針を再度表明している。先月6日、議員月例会で全議員が定数問題について意見を述べた。「現状維持4人」、「削減14人」と削減論が圧倒的だった。高橋議長は再度、「12月定例会で決める」と確認した。
 「先輩議員は、定数削減で町民代表による公聴会を開き、住民の声を聞いている。もっと住民の声を聞く必要がある」(藤ノ木富有氏)。5人の議員有志の会は「議会報告ならび議員定数についてご意見を伺う会」を計画。25日の外丸地区からスタート。来月17日の谷内地区まで4会場で開く。
 25日夜。外丸ふれあいセンター。開会時10人ほどの参加者が最後には20人近く参加。藤ノ木、草津進、津端真一、島田福一、冨沢春江の同会5氏が定数問題への考え方、町政課題などを意見。地元五十嵐英教氏も出席。参加住民からは、「津南は自律選んだ。それはいいのだが、削る、締めるのケチケチ作戦では、明るい自律の津南が見えない。自律でこれもできる、あれもやろうという希望ある自律プランが必要」と、町職員がまとめたプランへの意見。さらに、「自律プランは金がかからないようにしているだけ。それが議員定数削減にもなっている。議会は町を運営する総会だ。多くの意見を持ち出し、提案し合うのが議会。住民代表の意見は多い方がいい。定数は今のままでいい」など自律プランへの意見も出た。
 定数問題では、「自律プランには職員数の自然減はあるが、自主的に職員数を減らす考えはない。住民代表の議員数より、職員数を考えるべきだ」、あるいは「議員は本来、ボランティアでいいと思う。まして議員年金なんていらない」、「町民代表なのに、自律プランには議員の意見が入っていないという。職員がまとめたというが、我々一般町民は、あのプランは町が責任を持ってまとめたプラント思っている」など、自律プランへの不満、議会活動への課題などが噴出した。

スベスト確認、津南町総合センター使用禁止  10月28日号
全国的にアスベスト問題が広がっているなか26日、津南町総合センターの1階ロビー天井の吹き付け約2百平方bにアスベストが3・4%含まれていることが判明。町では、除去作業が完了するまで同センターの入館を禁止する措置を取った。町では「アスベスト飛散の心配はないと思われるが、含有が判明した以上、きちんと対処したい」(磯部総務課長)と話し、健康相談についても町福祉保健課で対応する方針だ。
 町総合センターは昭和46年建設。今回、含有が確認された天井吹き付け部については9月30日に採取し、検査を進めていたもので、町では一般利用が多い総合センターと文化センターについて「正式な調査結果を待たず、含有が判明した時点で知らせてほしい」と依頼していた。その結果、総合センターの天井吹き付けにアスベストが含有していることが判明。きのう27日には、調査を行っている県環境分析センターによるアスベスト飛散状況調査も行われた。
 町では133公共施設を調査し、うち不使用が明確でない11施設18箇所を専門機関へ調査委託し進めている。当初、8施設を対象にしていたが、さらに調査対象を3施設増やした。
     ○
 同センター内に入っている生涯学習班社会体育担当では27日、事務所を町役場3階に移す一方、同センターを利用する中学生の部活やスポ少の練習場所の確保など対応に追われた。電話は当面、町役場の番号(765|3111)となる。

 事業所での交通事故防止活動を長年、積極的に推進してきたとして、関東管区警察局長・関東安全運転管理者協議会連合会長連名の優良安全運転管理者表彰に、十日町地区交通安全協会の吉楽正雄氏(吉楽土建社長)が21日付で受賞した。
 吉楽氏は、車両5台以上、またはマイクロバスを所有する事業所に義務付けられている安全運転管理者選任事業所として昭和42年から安全運転管理者として取り組み、同部会の部会長としても尽力している。

被災地は今、バンダアチェからレポート   
 昨年12月26日、インドネシア・スマトラ沖地震で壊滅的な被害を受けたインドネシア、バンダアチェ。この地を訪れたのは今年の夏。廃墟と化した海岸に住む被災民のほとんどは、テントやバラック暮らしだ。
「まるで原爆の跡のようでしょ」と、現地案内した大学生の足元を掘り返すと人骨が現れた。この廃墟にはまだまだ、無数が埋もれたまま残っている。
海岸地帯は地震後に襲った30bを超える津波で何もかも無くした。マイルドワティ地区で、ひとり佇む被災者に話を聞いた。
ブスタミーンさん(29)。震災で一家9人を亡くす。我が家と分かる唯一の証し、床に貼ってあった白タイルが残されただけ。自宅の間取を説明し、重い口を開いた。「ちょうどその時、私は仕事中。地震と津波の後、帰れる状況ではありませんでした」と下を向いた。  
数日後、やっと家に戻り家族を捜し歩いたが、遺体すら見つからず9人全員行方不明。以来、身体の力が抜け、何をしたらいいのか分からず、自然と足は毎日、自宅跡に向うという。
援助はインフラ整備や社会、公共サービスばかりでなく、ブスタミーンさんのようにPTSD(心的外傷後ストレス障害)を抱えた被災者にこそ必要だ。
NGO「YADESA(ヤデサ)」が活動しているバンダアチェ近くの漁村を訪ねた。ランバド村を含む4ヵ村の住民約5千人、生き残ったのは約5分の1の913人。日本の漁村復興支援の一つである自立に向けた漁船造りが今進み、その引渡しを見せてもらった。
自らも被災したYADESAボランティア、シュナイディーさん(24)は、「地震と津波で生き残った者同士、親子や兄弟として再出発しているところです」と話す。だが、ここも類にもれず新造船を繋留している海岸は、多数の人骨が残されている。
復興のための行政機能はいまだ復旧が遅れ、それを問うマスコミや世論も、次々に発生する災害や事件に目が向き、1年を経とうとしている今、メディアに取り上げられることも少なくなっている。
 40度を超える赤道直下の炎天下。撮影中、「我々は、見放されているのか。いったい、いつになったらこのテント生活から抜け出せるのか」と質問してきた被災者に、返す言葉が見当たらなかった。
(写真・取材 吉田勝美)

ビッグなサツマイモ収穫  10月28日号
○…「どうですこのサツマイモ。2つで重さ6・5`ですよ」―。津南町辰ノ口の板場キヨさん(65)が21日、自宅近くのサツマイモ畑で超ビッグなサツマイモを掘り当てた。「もう何十年もサツマイモを作っているが、こんなのは初めて」とジャンボサツマイモに目を丸くしている。
○ …このサツマイモは、重さ3・5`の「力士型」と3`の「長身型」。他にも1〜2`ものもごろごろ出てきた。「品種を変えたわけでもないし、何にも変わったことしてないのに、いやあ、びっくりだ」と、さっそく地元・三箇小の文化祭に出品、その後の給食への材料提供を申し出た。ただ「どうせ掘り当てるなら、大判小判の方がいいのだけどねえ」とは家族の声だったとか。

震災から1年、進まぬ民家修復、十日町市樽沢地区  10月21日号
あの日、あの時、刻み込まれた恐怖の体験は、1年が過ぎても消えない。今月23日、新潟中越地震から1年をむかえる。十日町広域で最大の震災地となった十日町市樽沢地区。あの日から続いた全戸避難指示が今月25日、ようやく解除される。「これでやっと正月を自分の家で迎えられる」と、住民は仮設住宅から我が家に通い、25日の「帰郷」に備え、後片付けに忙しい。16日、立ち入り禁止だった報道関係に、時間制限で地区入り許可が出た。地滑り防止工事など、復旧が進み、来月末には県工事が終了する見込み。だが、民家の復旧修繕は、多くが手付かず状態で、「年内に戻れるかどうか、雪降りとの追いかけっこだ」と、震災で壊れたままの我が家を見ている。民家の本格復旧はこれから。樽沢住民の不安は続く。

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 国道253号、吉田トンネルを抜けると樽沢集落。ここから曲がりくねる市道を登ると、傾斜地に張り付くように集落が点在。同じ樽沢でも国道沿い地区は「出戸(でと)」、被災したここは「本村(ほんむら)」と地元民は呼ぶ。
 「5年前、夏場ここで過ごす家を作った。国道沿いにも家があるが、夏はここが最高だ。この冬は10回雪掘りに通った」。春日求さん(61)は、被害が少ない我が家近くの畑で、イチゴ苗植えに精を出していた。「全壊で家がなくなれば、ここに暮らす意味がなくなる。また本村は減るだろうな」と寂しそうに話す。
 あの日、山の畑でサツマイモを掘り、夕暮れ家に帰って来たその時、地震に遭遇。「木が突然、ザワザワ揺れだし、何が起こるんだと思っていたら、あのすごい揺れが来た。怖くて怖くて、家の前の柱にしがみついていた」。今も鮮明によみがえる恐怖の瞬間を語る一人暮らしの春日サワさん(65)。自宅は半壊認定。だが、「家の基礎が壊れ、柱はゆがみ、ずれている。大工さんは『これは全壊に近いな』と言っていた。春先、大工さんに頼んだが今だ来ていません。忙しいんだね。とても年内に戻れるかどうか」。吉田中学の仮説住宅で、ひとりで新年を迎えることになるかもしれない、という。
 自宅前の崖に大規模な地滑り防止工事が行われ、コンクリートの帯が斜面を縦横に走る。「景色が全く変わった」という春日ミイさん(75)は、25日、真っ先に戻るつもりだ。16日、小雨もようのなか障子張りをしていた。「じいちゃん(夫・重尚さん)が1月、ガンの手術を受けたが、ここに戻ることが決まって元気になった。皆で新年を我が家で迎えられる。嬉しいことです」と、修復の足場が組まれた我が家の玄関先で、一変した眺めを見ていた。
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 樽沢地区50世帯184人。被害が大きい「本村」は30戸112人。25日の解除で4世帯が帰郷し、年内に戻る見込みが11世帯。他は仮設住いを継続するか未定という。田口市長は、「全国からのこれまでの支援に感謝したい。震災復興2年目を向かえ、復興計画を着実に進めたい」と話す。震災復旧は県が地滑り防止や道路修復など9億4千5百万円、市事業は1億4千3百万円で、10億8千8百万円を投入している。

岡山国体、十日町高から6選手出場  10月21日号
 ○…岡山県で開幕の第60回「晴れの国おかやま国体」(今月22日〜27日)に十日町広域から7選手が出場。昨年の国体山岳少年女子で5位入賞した新潟県チームは、今季も十日町高選手主体の女子チームが出場する。うち2人は津南中出身。18日、津南町役場で選手壮行会を開き、県代表の十日町高3年・小林由貴、同2年・恩田悠の両選手は、小林町長や中沢久征体協会長から「県代表として頑張ってきてください」と激励を受け、両選手は「練習の成果を発揮してきます」と応えていた。
 ○…山岳競技は1チーム3人。両選手と糸魚川校1年・五十嵐祐子選手がメンバー。山岳縦走では女子は8`の負荷を背負い、5・6`余を走るほかクライミングを行う。両選手とも同校クロカンスキー部員。十日町広域の出場選手は両選手のほか阿部将吾(陸上少年男子3千b、十日町高1年)、村山未有(同少年女子百bH、同校1年)、長部正樹(バレーボール成年、十日町高教諭)、林実和子(バスケットボール成年、林屋旅館)、竹田朋江(同、十日町高教諭)の各選手。健闘が期待される。

500年の伝統、自律の津南に  10月21日号
 5百年の民衆の歴史に学び、自律の道をー。津南町制50周年を記念する国の重要文化財・黒川能(山形)が15日、町文化センターホールで上演。5百人近い会場いっぱいの観衆は、営々と継承してきた民衆芸能の奥深さと役者の熱演を間近で感じた。 
 黒川能は山形県旧櫛引町黒川区の鎮守・春日大社の神事能。氏子が上座と下座に分かれ継承。今回は上座が公演。能面230点、能装束4百点、演目数は能540番、狂言50番と民俗芸能としては異例の規模。中央では滅んだ演目も多く残り、昭和51年国の重要無形文化財指定、貴重な民俗芸能として全国で知られる。
 上演したのは能「羅生門」「獅子」、狂言「禰宜山伏」。「羅生門」は渡辺綱の鬼退治で知られる。能独特の囃子、間を取りながらの所作など、能独特の時間が流れ、観客はパンフの台詞を見ながら、舞台に惹かれていた。
初めての能鑑賞となった島田由香さん(上郷)は「能は難しいイメージがあったが、これほどおもしろいとは」と感嘆の声。日本舞踊に取り組む桑原るみ子さん(船山)は「能が津南で見られて嬉しい。わたしも踊りをやっているので足の所作など参考になった」と興味深そう。「ぜひ、また見たい」反響が多く、黒川能は津南の住民を強く魅了した。

全国へ好発進、津南中駅伝  10月21日号
 全国中学駅伝をめざし県内地区大会が行われ、中越地区は19日、長岡丘陵公園特設コースで開催。男子61、女子47校が出場。全国をめざす津南中男子は6区間で3人が区間賞の力走で2位・準優勝。女子も5位入賞し、伝統の力を見せた。来月9日、刈羽村での県大会で全国をめざす。
 正午スタートの女子は、前年全国出場の小千谷南を中心に展開。津南は後半4区で1年・村山愛美が区間賞の走りで6位に上がり、アンカー2年・福原綾香がさらに上げ5位でゴール。当日メンバーは1区・滝沢春菜(3年)、2区・貝沢美沙紀(同)、3区・恩田真弓(同)。前半の走りが課題。
 男子も前年全国出場の長岡西、小千谷南を中心に展開。チーム持ちタイムでは出場トップクラスの津南。全員3年で揃えた。強豪ぞろいの1区・後藤優太はトップと12秒差の4位で2区・緒方恭介へ。トップランナー揃いの同区、トップグループと20秒差余りの7位で3区・小島翔吾へ。「気持ちよく走れた」と区間賞、それも今回大会3`間のトップタイムでいっきに3位で4区・湯沢昴太に。順位を維持し、5区・緑川翔太は「不満足な区間賞」ながら2位に上がり、トップを走る小千谷南を追撃。アンカー・滝沢亮太は40秒余差を必死に追い、区間賞の走りで30秒まで縮めるが及ばず、3位に大差をつけて2位ゴール。津南からの30人余の応援に応える力走を見せた。
 津南中陸上部監督の山本仁教諭は「男子も女子も課題が見え、目標への思いに良い刺激になったはず。万全の体勢で県大会に臨みたい」と話している。津南中選手は大部分がクロカンスキー選手で、粘りある力走が期待される。
 大会結果と十日町広域中学の結果は次の通り。
 男子@小千谷南A津南B堀之内D十日町南H十日町J中里L吉田M下条=以上県大会出場、Q川西21水沢23上郷30中条
 女子@小千谷南A東小千谷B見附D津南H十日町J下条K中条=以上県大会出場、M吉田17十日町南20中里25上郷。

津南のユリ、世界博に展示   10月21日号   
世界25カ国450社が出展する第2回東京国際フラワーEXPО(20―22日、東京ビッグサイト)に、津南町ユリ切花組合(大口勝照会長、25人)のユリが出展されている。大口組合長は「全国の花関係者から、ぜひ日本一のユリを見てもらいたい」と期待している。
 同組合では、「雪美人」のブランド名で年間100万本を出荷。河岸段丘の冷涼な台地の条件を生かし、品質重視で生産している。今回の出品は、大阪の民間市場の呼びかけに応えたもので、来場者は生花店や園芸店などの小売業はじめ、ホテル・ブライダル関係者、植物園・造園業・ゼネコン、仲卸、資材卸関係者ら全国から訪れ、商談のための展示会となっている。大口組合長らは実際に出展コーナーでアピール。「品質には自信がある。販路拡大につなげたい」と話している。

新・魚沼コシヒカリBL、市場評価どうなる  10月14日号
全国トップブランドの魚沼コシヒカリ。生産量の数10倍の流通量が出回り、その抜本対策の一つに研究を重ね、病気(いもち病)に強い品種開発に成功した「コシヒカリBL」。今シーズンから新潟県全域で、同種の生産、販売が始まっている。この新種・魚沼コシヒカリBLの誕生は、品質表示法との関係も視野に、「ニセ魚沼コシヒカリ」対策に有効。DNA鑑定ですぐに判明する。ただ一方、新品種としての評価が、消費者にどう評価されるか、今シーズンが大きな試金石になっている。地元生産者、さらに流通業界は、この「BLコシヒカリ」をどう見ているか、関係者に聞いた。
   ※    ※
 津南町農業委員会が先月末に行った会合では、このBLに対する評価なども話し合われた。食味への不安に対し県農業改良普及センターでは「これまでのコシヒカリと遜色ないとの統計的な結論が出ている」と説明。また同農委の上村芳男会長は「BL米の食味は劣るとの評価があるようだが、風評被害に気をつけたい」と話した。町農協でも「評価は消費者が決めるもの。競争相手の地域から流れる風評被害が心配で、実際には1年ほど経たないと評価は分からないだろう」(米穀畜産課)と話している。
   ※   ※
 大手デパート高島屋など特定販売先や個人消費者などと契約販売している津南町の株式会社ごはん(大島知美社長)。独自マニュアルによる有機栽培で農家契約を結び、「40年かけて作り上げた栽培方法。信頼度を増している」(大島社長)という。受注量は前年増を続け、生産者からの買い上げ価格も、信頼度を増す買取価格になっている。大島社長は「同じ魚沼コシでも、その作り方で流通現場は違う評価を下す。これからその傾向はますます強まるだろう。それが取引価格に跳ね返る、そうゆう時代を向かえている」と見ている。
   ※   ※
 倒伏やそれに伴う品質低下など、多難な船出となった魚沼コシヒカリ。ただ、県全体では品質が大幅に向上するなど評価が高まっているのも事実。年間3千俵を生産販売するグリーンアース津南では「これほどイネが倒伏するのでは以前のコシに代えるなど、考えなければならない」と困惑気味。また大阪屋商店では「品質に影響する倒伏が、天候のせいなのか、BL特有のものかよく検証する必要がある」と話している。

 コシヒカリBL=BLとはBlast resistance Line(いもち病抵抗性系統)の頭文字。新品種だがコシヒカリ商標が許可になった。

全住民の想い、感謝状に   10月14日号
 8・15豪雨で大規模な土砂崩れで、一時は34世帯114人が避難した十日町市松之山・天水越地域。現在も十日町地域消防松之山分遣所(高橋隆之所長)が警戒態勢を続け、地元住民の安全を監視している。地元松里地区協議会(高橋直栄会長)は7日、今回の土砂崩れでの同分遣所の迅速な対応と、今の続く警戒活動に対し、「住民全員の思いを表したい」と感謝状を贈った。高橋会長は「献身的な皆さんの日頃からの活動に、地域あげて感謝の気持ちでいっぱい」と感謝していた。
 天水越地区の大規模な土砂崩れは、8月16日午前11時頃発生。集落内を流れる越道川に土砂が押し寄せ、川がせき止められ、下流への土石流の危険が増した。緊急出動した同分遣所職員が迅速に避難などに対処し、以降9月3日まで24時間体制の監視や巡回を行い、住民の安全に対処した。現在も日中は支所職員が巡回し、夜間は同分遣所職員が巡回している。高橋所長は、「大雨などが降ると、緊張感が増す。あの時、避難勧告に住民の方が協力し、迅速に対処できた。職員も頑張ってくれた」と話している。現場では冬を前に、復旧工事が進んでいる。

楽しさ満点、どろんこ運動会    10月14日号
○…「どろに向かってダイビングだー」―。十日町市川治地区で9日、田んぼの中で三角野球大会やフラッグレース、宝探しなどを楽しむ「どろんこ大会」が開かれた。保育園児から壮年まで、年代別に競技を実施。この日ばかりは参加者全員が童心に返り「きゃほー」などときょう声をあげながら、田んぼに飛び込んでいた。
 ○…同地区の青年らで組織する上町中町どろんこ大会実行委(高橋隆之委員長)が開いているもので、今回が4回目。「子どもたちばかりでなく、大人も田んぼなど自然に親しむ機会が少なくなっている」と平成3年から実施。一昨年は冷夏による稲刈りの遅れで中止となったが、毎年、体育の日に合わせた恒例行事になっている。
 ○…当日は、家族応援団を含め百人余りが地区内の一角に用意した収穫後の田んぼに参集。田んぼは、この日のために無農薬で米を育ててきた。「見ごたえ」は青壮年のフラッグレース。ぬかるんだ田んぼの中で20b先に立てられた棒を奪い取る競技では、我先に棒を取ろうとダイビングするシーンが相次ぎ、周りから「ナイスどろんこ野郎」などと歓声が沸き起こっていた。

津南中等教育学校、来春開校、小学6年で進路選択へ  10月7日号
 津南高校舎を活用し、来年4月開校が決っている津南中等教育学校。津南高内に設けた開設準備室は連日、十日町広域の小学校学区ごとに説明会を開いている。津南町内では津南、上郷の両中学と合同で開き、児童や保護者の質問に答えながら中等校の良さ、今の中学校の良さをアピール。参加の親からは、「子どもの気持ちが第一ですが、どう判断していいか難しいです」と両者の説明を聞きながら、困惑感を話している。
 説明会は、中等校準備室の小熊津南高校長、井之川教頭(中等校教頭)が「前期3年が中学課程、後期3年は高校課程、入試を意識しないで、ゆとりある安定的な学校生活が送れ、『夢の実現』に向け、それを実現できる確かな力のつけることができる」などと2学期制や数学、英語を重視の学習、各種検定へのチャレンジ、自宅学習2時間などを説明。関心が集まる部活動は、「スクールスポーツはサッカーに取り組むが、部活動も実施。中学3年間、高校3年間より、一貫した活動に取り組める」などと、「勉学だけの中等校」のイメージを改め、4年生(高校課程2年)で海外研修を予定するなど、特色の一端を述べた。
 一方、津南中や上郷中は、これまでの活動を紹介する一方、「1日一教科の宿題、英語、数学、国語の時間増の実施で確実に学力が伸び、全国や県平均を上回り、郡市内ではトップクラス。部活動への取り組みも充実している」(津南中)。あるいは「小中合同文化祭のように、地域一体感で教育に取り込み、中学では先生2人体制で授業し、確実に学力がついている。少人数だが、皆が主人公になる場面が多くあり、大切な経験になっている」(上郷中)などと、自校の特色を話した。
 
中等校の初代校長になる予定の小熊校長は「選択の幅を広げることは、自分の可能性を広げること。その力をつけることが中等校でできる」と、町村部では初めて設置の県立津南中等教育学校の意義を強調した。

広域初の女性米検査員、津南町に誕生   10月7日号
○…倒伏が目立ち、品質が心配されている米どころ津南の今年産米。本格的な新米出荷時期を迎え、JA津南町や民間集荷業者の大阪屋商店やごはん、綿屋米店などでは、集荷した魚沼コシヒカリが次々に倉庫に運び込まれている。出荷検査はまだ始まったばかりだが、魚沼コシの1等比率はJA津南町で昨年より10ポイント余りダウンの85%程度。「雨や倒伏の影響で乳芯白米が多く見られる。品質低下は避けられそうにない」(桜井久夫新潟農政事務所地域五課長補佐)と厳しい状況だ。
 ○…JA津南町の今年産米の予約出荷数量は14万8833袋(30`袋)。先月22日現在の市場入札価格は2万3012円と昨年に比べ3千円余り下落傾向。「生産者の手取りがこのくらいだといいんだが」(清水宣親JA津南町米穀畜産課長)と価格面でも厳しさが見られている。桜井課長補佐は「これから高地の米も出てくるが、刈り遅れに注意し、乾燥などでは慌てずに行ってほしい」と話している。
   ※   ※
 ○…米の出荷検査は、1昨年から行政改革の一環として民営化され、それぞれの認定検査官によって行われている。津南町では今年、来春の認定をめざし、町内では初めてとなる女性2人を含む3人が新たに研修を積んでいる。3人は大阪屋商店の福原浩太郎さん(36、外丸本村)と、JA津南町の米穀畜産課に所属する共に30代の桑原保子さん(所平)と丸山としみさん(外丸本村)。それぞれ「等級の見極めが難しいけど、頑張ります」と話し、専門官の実地指導なども受けている。これで来年には津南町の認定検査官は9人になる予定だ。

ほくほく線トンネル陥没問題、降雪前に対応を
 中越地震で陥没など住宅に多大な被害が出ている北越急行・十日町トンネル上部の住民で作る「ほくほく線十日町トンネル沿線被災者の会」(金子八郎代表)は3日、田口市長に被害の実態や地盤調査を求め、「降雪前には安心して暮らせる対応を」要望した。7日には北越急行の回答への反論を本社に提出。再度今月末までに「誠意ある回答」を求めている。
 地震発生後、沿線住民は十日町市に被害を訴えたが北越急行との関係などで対応が進まず、今回被災者の会が改めて現地調査や被害、地盤調査を求めた。経沢等副代表らが要望書を提出。北越急行の出資比率11・94%、5億4520万円の第2株主の十日町市、田口市長は、「市としては自分たちの鉄道でもあり、市民である皆さんに迷惑をかけるわけにもいかない。両立場で臨んでおり、住民不安を一日も早く解消できるよう対応したい」と述べた。
 9月市議会一般質問で同問題を取り上げた小林弘樹市議は、「今も地盤陥没が続く。降雪前に住民が安心して暮らせる対応を早急にお願いしたい。北越急行は誠意ある回答をすべきだ」と強く話した。同被災者の会は、関係者の紹介で新潟大教授が現地の地盤調査を近く行う方針で、被害の因果関係を解明する方針だ。

安心、安全の米づくり、栄村横倉地区     10月7日号 
○…「安全、安心の米作り」に取り組む栄村横倉地区。堆肥など有機肥料で米作りに取り組む生産者認定の「エコファーマー」認定証が6日、黄金色に実った同地上ノ山の田んぼで北信地方事務所・鈴木秀行課長が農業者に交付。今回の栄村認定者15人を含み、長野県内で247人を認定。北信6市町村が全県の3割を占め、「こだわり農業の地」になっている。
 ○…横倉農業改善組合(渡辺利正代表、17人)は以前より有機栽培、低農薬で米作りに取り組む。同実践を踏まえ村を通じて申請し、認定が決った。集落営農に取り組む同地。水田12f、高地はあきたこまち、低地にコシヒカリを作付。同組合・渡辺代表は、「安全、安心の米作りにさらに取り組み、消費者に旨い栄村米を提供したい」と認定証交付を喜ぶ。横倉地区は同組合が主体となり、産直米に取り組み、静岡、大阪、東京などの消費者に直売。一昨年、その専用米袋を作成。「栄村生まれです」のコピーでブランド化をめざしている。なお、同村のエコファーマーは昨年、中村敏幸さん(原向)が第一号認定を受けている。

運営主体、地元負担に言及 泉田知事VS上村県議  9月30日号
  県立十日町病院の改築問題に関心が集まるなか、29日の県議会9月定例会で自民党県連総務会長の中魚選出・上村憲司県議は代表質問のなかで、県立病院問題と共に魚沼地域の医療の高度化、さらに魚沼エリアの県立病院の今後、十日町病院の公設民営の知事方針について、泉田知事の基本的な方針を質した。泉田知事は、「医療サービスで、県立病院でなければできない役割は基本的にはない。民間の活力や知恵を加えた仕組みづくりを進めることが必要」と直接表現は避けたものの、県立病院の民営化を進める方針を示唆した。
 上村県議は、「魚沼地域の基幹病院、当地域の医療のあり方は、設置地域の市長や地域との単独協議だけで決められてよい問題ではない」と、病院問題と共に地域医療の取り組み姿勢を質問。さらに、「基幹病院との役割分担で小出病院、六日町病院、さらに中核病院として整備が検討される十日町病院、松代病院を含めた一体的な検討が必要」と魚沼全体の地域医療のあり方を求めた。
 泉田知事は、「県立病院改革の方向性は、今年3月に検討会議の報告を受けている。今後計画を作る前に地元での意見調整が必要で『設置・運営主体』や『地元負担のあり方』の意見調整をお願いしている」と述べ、「構想策定への調整を進めているが、政策的医療を担う基幹病院であっても、県立県営に限らず、公設民営や独立行政法人などの選択肢も幅広く視野に入れ、効果的、効率的な設置・運営形態を検討したい」と旧大和町に設置予定の基幹病院は、県営に限らない経営形態の方針を示唆した。
 さらに泉田知事は、「魚沼地域に要望規模(一般病床3百〜4百、精神病床50〜百)の基幹病院を整備する場合、既存病院との役割分担をはかり、医療スタッフや医療機器の有効活用、必要病床の確保などから、既存の県立病院について見直す必要がある。これは小出、六日町、十日町、松代の県立病院についても同様で、基幹病院構想の具体化のなかで役割分担や連携など一体的に検討したい」と、既存県立病院の見直し方針を示した。
 上村県議は、「基幹病院のみならず、県立十日町病院も県立から切り離したいというのが知事の考えか」と踏み込んで質問。泉田知事は、「医療サービスにおいて県立病院でなければできない役割は、基本的にはないと考える。大事なことは、住民の生命が守られ、安心して暮せる医療体制をどう構築するかである。そうした観点から民間の活力と知恵を加えた持続可能な仕組みづくりを進めることが必要と考える」と述べ、今後の県立病院改革は、県立以外、民営への取り組みを進める方針を示した。

役者ぞろいだね、「来年も見たい」    9月30日号
 ○…「赤沢台地の野菜は、うんまいのー」、黄門様も太鼓判―。地元公民館委員による特設劇団、津南町赤沢の「劇団なんじゃもんじゃ」公演を25日、同地の敬老会で上演。あいにくの雨のなか同地神社境内に特設ステージを設け、同委員が扮する黄門様や代官などが熱演。集まった2百人余の観衆はおひねりを投げるなど大きな拍手と歓声を送った。
 ○…今回の演目は「ピチピチ娘(ギャル)と黄門ちゃま」。名水竜ヶ窪と旨い野菜山地で知られる赤沢台地を、赤沢城代官の悪い噂を聞き黄門様が訪ねるが、民衆は「飲んべえの代官だが、いい人だ」と一件落着のシナリオ。この演劇、先月19日の赤沢祭りで上演予定だったが豪雨で延期。敬老会での上演となった。衣装の着物など手作りや自前で揃えた。台詞には地元方言も飛び出し、会場は笑いに包まれた。公民館委員は20代から70代の15人。まとめ役の同公民館長・滝沢光春さん(49)は、「皆さんに喜んでもらってよかった。やっている方も楽しいんですよ」という。会場の70代のお年寄りは「やぁー、役者ぞろいでびっくりした。来年も見たいねー」と拍手を送っていた。

守るぞ、秋山郷、頼もしい女性消防隊  9月30日号
○…紅葉で賑わう季節を目前に、秋山郷・小赤沢で災害に対する意識を高めようと「防災・消防フェスティバル」が開かれた。地元住民はじめ昭和57年発足の「秋山婦人防火クラブ」によるポンプ操法、子どもたちも参加した消火器訓練など、地域ぐるみで消火訓練を実践した。
 ○…同フェスでは、消火器などによる消火訓練や煙体験、地震体験、救急法など5コーナーを、地元のお年よりや秋山小児童も参加して体験。参加した同小1年の石沢菜穂ちゃんは「きちんと消火訓練ができました。火事は危ないので、気をつけていきたいです」と話し、秋山防火クラブの中沢智佐子隊長は「日ごろから火の元に注意していきたい」と気持ちを新たにしていた。主催の飯山消防署栄分署の斎藤源治署長は「今年は大赤沢集落にも案内を出した。地域一体となって取り組み、自主防災の観点からもこのフェスティバルを軌道に乗せていきたい」と話している。

3年以内に黒字経営へ、ニュー・グリーンピア津南
 津南町が購入し、東京で福祉事業を展開する光善会グループに経営委託するグリーンピア津南は、「ニュー・グリーンピア津南」として来月1日、再スタートする。経営委託に伴う賃貸契約調印を21日、津南町役場庁舎で交わした。同グループが設立した現地法人、株式会社津南高原開発(資本金8千万円)の久保善治代表取締役は、「3年以内に絶対に黒字にする自信を持っている。その後は若い社員に株を譲渡し、経営意識を持たせ、自分たちで経営する自覚を促したい」と経営方針を示している。来月1日の再スタートでは、光善会グループの一員、上場企業・光波がLED(発光ダイオード)16万個をホテル前の欅9本に装飾し、新スタートを祝う。さらに来年3月までに30万個のLEDをつけ、雪のグリーンピアを演出し、魅力アップに取り組む方針だ。

 賃貸調印を交わした小林町長は、「わが町の拠点、交流人口の拠点として、町も連携し、さらなる交友の拠点としたい」と期待感を述べた。来月1日からの新経営体制の従業員110人。現在の従業員123人を個別面接し、自主退職以外は全員を再雇用。正社員47人、臨時職52人、嘱託11人の110人体制。事業計画では年間宿泊10万人、日帰り7万5千人を目標に売上15億円をめざす。東京事務所を設け、営業活動を行う計画。津南高原開発・松崎和秋常務は、「これまで保養契約が周知されていなかった面があり、これが集客面でマイナスになっていた。これまでの300の団体、事業所などとの保養所契約に加え、新たに東京23区、中小企業振興財団などとの契約を進め、23区では7割余の区と契約を実現している」と営業方針。
 さらに、「例えば練馬区の例では、1人4千円補助があり、職員組合から2千円、合計6千円補助で、新宿からのシャトルバス利用宿泊が8千8百円。これだと一泊2千8百円で利用できる。区によって補助は異なるが、組み合わせで様々な補助を受けられ、保養所を持たない中小企業向けに中小企業振興財団との連携で、補助金付の旅行パックなども検討したい」と営業戦略の一端を述べている。

農薬埋設で県道改良ストップ   
有毒物質で使用禁止になった農薬・DDTやBHCなどを埋設処分した場所が道路改良にひっかかり、この農薬を処理しないと道路改良が進まない状態になっている場所が津南町にある。
 現場は、津南町卯ノ木と信濃川に架かる豊船橋間の主要地方道。信濃川側に突き出す段丘端が埋設地。この問題は13日の町議会9月定例会一般質問で五十嵐英教氏が取り上げた。
 有害農薬の処理は当時、国の支持で県が埋設処理を実施。新潟県は昭和46年に市町村に埋設処分を通知。十日町広域では旧十日町市を除き、4町村別に埋設。全体では1万8805`の有害農薬を処分した。町村別では津南町3879`、旧川西・山野田に2117`、旧中里・倉俣に643`、旧松代・室野に9976`、旧松之山・浦田に2190`を埋設している。旧十日町市はすでに無害化処理をしている。十日町振興局では地元協議会を作り、対応協力を求めていく方針だ。この農薬処理は、平成20年までに無害化処理することが昨年決っている。
 議会本会議での質疑に答え小林町長は、「この農薬を処理しないと県道改良が進まない。この種の処理は、国の責任で行うべきであり、県町村会、市長会でも決め要望している」と話した。処理は土壌汚染も含み、埋設状態によって多額の処理費用がかかり、市町村は国県の責任での処理を強く求めている。


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