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2005年04月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
「茅葺民家、残したい」、KAYAYA始動   4月29日号
 ○:伝統の手仕事師のひとつ、茅葺き職人が少なくなっているなか、松之山、津南町などの農業などで「奥越後・茅屋根応援団『茅屋』KAYAYA」を立ち上げ、今月初めから活動を始めている。残雪が軒先まで残るなか、松之山と津南で茅葺き替えに取り組んでいる。そのメンバーのひとり、津南町穴山の高波敏日子さん方の茅葺き屋根の修復に今月5日から取り組み、月末までにほぼ終了した。秋山郷・のよさの里の屋根や県内外の重要文化財民家などの修復に取り組む上越市大島(旧大島村)の茅葺屋根職工組合メンバーが指導に加わり、職人の技を見せていた。
 ○:茅屋のメンバーは、3年前に松之山に移住した木暮茂夫さん、高波さん、松之山の小見重義さん、津南の中熊弘隆さんなど。冬場、関東などで茅葺きの修行を積む木暮さん(46)は、「関東では、若い職人が育っているが、新潟は少なく、このままでは大事な職人技が消えていく。この技を引き継ぎたいし、なにより茅葺き民家を残していきたい」と話す。高波さん方の葺き替えには、上越・大島の職工組合からベテラン職人、山岸晃さん(65)が加わり、茅屋メンバーを指導した。「茅葺き屋根には設計図はない。経験による感の世界。こうして若い人たちが引き継いでくれるのは、頼もしい」と、屋根の一番高い所に上り、10数段の足場を使い、作業を進めた。
 ○:かつて早春の風物詩だった茅屋根の葺き替え。茅葺き民家そのものが姿を消しているが、一方で重要文化財民家やセカンドハウスなどの需要は増え、関東エリアでは職人が育ち、茨城では専門会社もあるなど、茅葺き民家に関心が集まっている。茅屋では今春、松之山と津南で4軒の茅葺きを行う計画だ。

サンフランシスコで太鼓交流   4月29日号
日本の伝統、太鼓で国際交流する栄村の「栄ふるさと太鼓」。今月22日から25日まで、北カリフォルニア桜祭りに招待され、渡米した栄中学の生徒など一行22人は、現地の学校を訪問し交流。サンフランシスコのメインストリートでのパレードにも出場し、女性だけの太鼓チームながら、勇壮な演奏を披露し、大きな歓声を受けた。
 この親善交流は、サンフランシスコの太鼓道場・田中誠一代表と、栄ふるさと太鼓の島田芳成代表との交友で6年前から始まる。3年ごとに招待を受け今回で3回目。栄中の1年から3年まで8人と高校生4人、榮太鼓メンバーや指導員、保護者会など一行22人。渡米初日の22日には、同世代の学校を訪問し太鼓演奏を披露。迫力ある演奏に生徒らは興奮し、大きな歓声で歓迎された。その夜の歓迎レセプションでは、元関取・武蔵丸さんも参加。翌23日には、カブキシアター公演に出場し、熱演した
パレードは最終日の24日。サンフランシスコのメインストリート約2`をパレード。トレーラーの特設ステージで演奏。約1時間半のパレードで演奏し続け、沿道を埋めた観衆の関心を集めていた。初めての訪米となった栄中1年、広瀬梨歩さんは、「小学4年からやってきたので、サンフランシスコへ行けてよかった。ちょっと自信がつきました」と話している。
 今回の訪米団代表の島田芳成さん(53)は、「子どもたちには、すべてが良い刺激になったはず。3年ごとは、中学時代、一度はサンフランシスコへ行けることであり、一つの目標にもある。パレードではサンフランシスコ市長と一緒になり、学校訪問では同世代と交流できた。大きな自信になったはず」と話している。なお、連休後、報告会を村庁舎文化会館ホールで開く計画だ。

新・十日町市、市長選が混戦、24日告示   4月22日号
 5市町村合併で誕生した新・十日町市。初代市長を決める市長選は24日告示、来月1日投票で行われる。これまでに前十日町市長・滝沢信一氏(67)、前川西町長・田口直人氏(59)、元衆院議員・白川勝彦氏(59)、前ソフト3セク会社専務・村山薫氏(60)、前十日町市議・樋口利明氏(50)の5人が出馬を決め、激しい前哨戦を展開している。17日には5人揃って公開討論会が開かれ、政策や政治姿勢の違いを見せている。1週間の選挙戦のポイントは、新市有権者の66%を占める大票田、旧十日町市での票の行方だ。旧市から4人が立ち、旧町村部から1人という状況だが、ここにきて市部VS郡部の構図は薄まり、旧5市町村合併で誕生した新・十日町市のイメージに合ったリーダー資質、行政センスなど、人物本位の評価が広がり始めている。

 17日、十日町クロス10大ホールで開催の「十日町の未来を語る公開討論会」(主催・十日町青年会議所)は旧4町村会場にネット中継され、約1300人が聞いた。事前通告の6テーマ(震災復興と街並み、雇用産業育成、少子化対策、医療過疎問題、行財政改革、新市建設計画)を5氏が意見発表。注目の医療問題では、「十日町インター付近に決めた。政治生命かけて取り組む」(滝沢氏)の一方、「県立の基幹病院をここに持ってくればいい。遠慮することない」(白川氏)と応じた。村山氏は「県が構想する中核病院の中身が見えない。松代、松之山を含む全体医療体制が必要」。田口氏は「高速体系での十日町インター付近が候補だが、公設民営など、課題への積極的に取り組む」。一方、樋口氏は「2つのプランを3ヶ月で作り、市民合意を得て3年で実現させたい」と具体的姿勢。
 テーマごとに五者五様のカラーを見せていた。クロス10に参加した40代の女性は、「違いを感じることができ、とても参考になりました。新市のリーダーはやはり力強い指導力が必要です」などと話していた。
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今度の新市長選は、組織戦、草の根など、各陣営とも独自選挙に取り組む。政党、業界など、従来型の組織戦の構図が崩れ、有権者にとって「自由な1票」の選択が容易な選挙になっている。このため各陣営とも、「反応はいいが、それだけに読めない」と、困惑気味だ。
 新市の有権者数5万2400人余。市議選と同時選だが、十日町、松之山が無投票濃厚で、投票率が心配される。旧十日町市(3万4770人)が全体の66%の有権者。旧4町村全体では1万7700人。高齢化している有権者。半分以上の女性有権者、時代の担う20代、30代の有権者。5つの選択肢をどう判断し、選ぶか、今年最大の関心事になっている。

「栄村に暮らしたい」、20代女性3人移住   4月22日号
 「他にないものが、栄村にはあるんです」。いまだ1b余の残雪の栄村に、新年度4月から新たな住人が加わった。それも20代の女性3人。学生時代に再三、同村を訪れ、「ぜひ暮らしたい」と村に「直訴」した北海道から女性。全国組織のNPO「緑のふるさと協力隊」に応募し、同村での農林業、生活体験を求め、東京と兵庫から来た2人の女性。村が用意した空家住まいで、自炊生活を始めている。「なぜ、栄村を求めて来たのか。村民の大いなる刺激になるはず」と高橋彦芳村長は、いつものように、さらりと受け入れている。。

 九州・福岡の筑紫野市生まれの松本藍さん(22)は、先月、北海道の酪農学園大・環境システム学部を卒業したばかり。父の転勤の関係で九州から北海道へ。大学3年の時、地方自治研究室のゼミで初めて栄村を訪れる。「自治より私は栄村の自然と食に惹かれました」。
4年の時。「栄村で暮らしたい」と思いが強まり、夏休み後、ゼミ研修で面識ができた栄村振興公社の関谷常務に、履歴書と思いを込めた手紙を送った。約1ヶ月後、「歓迎します」の返事。「嬉しかったですね。思いが叶いました」。先月末、引越し荷物を積んだ車を父が運転し、フェリーで新潟へ。今月1日から、村振興公社経営の森宮野原駅交流館で働いている。
「学生時代に抱いた思いを、さらに強く感じています。人の暮らしと自然がぴったり合っている感じは、暮らし始めて、なお強く感じています」。森駅交流館は、人の往来の場。「ここを訪れる人に、栄村のことを話せる人間になりたいです」。横倉の住宅からは、飯山線を使って通勤している。
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 今月18日、残雪に囲まれた栄村月岡地区。春の陽光を浴び、東京・世田谷からの白石愛子さん(27)、兵庫・神戸市からの寺田智子さん(22)は、真新しい長靴に真っ白な軍手、麦わら帽子姿で、地元の人たちの指導を受け、育苗作業をした。
全国の農山村での体験や活動の場を提供している「NPO法人地球緑化センター」から派遣の2人は「緑のふるさと協力隊員」。同NPOは登録制で、人材を求める自治体に、農山村での体験や活動を望む若い人を派遣する活動を11年前から取り組んでいる。
 3年前、愛知・渥美半島で初めて農業体験した白石さん。「自分の生きる力のなさを実感しました。農の生活、自然と共に暮らすことで、必ず得るものがあるはずです」。聖心女子大卒後、東京都内の児童館講師などを務める。だが、農や自然への思いが強まり、同NPOに登録。希望地は栄村。「子どもたちに、自然との暮らしのすばらしさを伝えたい」。栄村の第一印象は、「こんな素敵な所があるんだと、感じました。毎日の温泉で、地元の人たちとの話しが楽しいです」。新たなライフスタイルを求めている。
 今春、京都女子大を卒業したばかりの寺田さん。小学6年の時、阪神大震災に遭った。教員資格を持つ。「子どもたちと関る仕事をめざしますが、ここ栄村での体験を活かしていきたいです」という。大学4年の時、同NPOに登録し、栄村を希望。今月11日から栄村生活をスタート。「人と自然との関わりを、身近に感じています」と寺田さん。村が用意した中条の空家で、2人の共同生活が始まっている。
住居費は村が負担。生活費はNPO支給の月額5万円。「近所の皆さんから野菜やお米などをいただいています」。村が用意の中古軽自動車には、新米・栄村人と同様、若葉マークがついている。2人はこれから1年間、菅沢地区など村内各所で農業活動やイベント協力などを行う。

震災地、融雪災害続発   4月22日号
 中越地震と大雪による融雪水による地盤の軟弱化が原因と見られる土砂崩れが十日町市内で相次いで発生した。うち毎冬、雪崩などで被害が出ている旧中里村の国道353号では、十二峠に近い程島地内で土砂崩れが発生、「災害に弱い353号線」の印象をさらに強めた。清津峡地区では十二峠を迂回しない限り市内中央部に行けないという事態になり、迂回路の必要性など抜本的な対策が求められる。
 16日午前2時半ごろ、旧中里村程島の国道353号線で、杉林をなぎ倒す土砂崩れが発生、2日間に渡って交通止めとなった。現場は白羽毛と程島集落との中間で、道路脇の斜面、約20bの高さから杉の立ち木30本余りを巻き込みながら、50bに渡って道路を塞いだ。大型クレーン車などで倒木の除去を進め、現場は18日朝までにほぼ復旧した。
 今回の災害で、十二峠のみならず、周辺地域まで土砂崩れなどの危険があることが改めて示された。とくに、十日町側への生活道路を寸断された清津峡地区では、雪崩の危険で除雪ができない市道重地―小出線を含めた対策を求める声が出ている。温泉旅館関係者のひとりは「地震で分かったことだが、『危険』ということが一番、お客離れに影響する。国道が危険ではお客さんは来ない。せめて万一の時の迂回路が必要だ」と切実だ。発生が土曜で月曜にはほぼ復旧したため、通学への影響はなかったが、現場一帯は十二峠を含め同じような危険箇所が続くことから、日常的な点検強化が求められている。

新市長選、5氏5様で混戦   4月15日号
 今月24日告示、来月1日投票の新・十日町市の市長選と市議選。合併後初の選挙で、初代市長を選ぶ選挙とあって、日ごと関心が高まり、熱気を帯びてきている。今年3月2日現在の旧5市町村の有権者数は、5万2481人(男2万5400、女2万7081)。市長選は、5人が出馬予定。激戦もようで、5人が共に有効投票(当日有効投票総数の25%)を取らなかった場合、再度、上位2人による決戦投票となり、新市のスタートは、市長選の結果に市民の関心が集まっている。
 3月2日現在の旧5市町村別の有権者数は次の通り。
 十日町・3万4773人(男1万6851、女1万7922)、
 川西・6555人(男3207、女3348)
 中里・5029人(男2431、女2598)
 松代・3543人(男1678、女1865)
 松之山・2581人(男1233、女1348)
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 市長選に出馬するのは、前十日町市長・滝沢信一氏(68)、前川西町長・田口直人氏(58)、元代議士・白川勝彦氏(59)、前3セクソフト会社専務・村山薫氏(60)、前十日町市議・樋口利明氏(50)の5人。連日、旧5市町村各地で集会やミニ座談会などを開き、支持を訴えている。
 7日には、滝沢陣営がいち早く千人集会をクロス10大ホールで開催。19日には同会場で田口陣営、22日には白川陣営がそれぞれ千人集会を開く。村山陣営は14日に地元下条・むつみ幼稚園で5百人集会を開催。クロス10大ホールは20日予約を入れているが、情勢判断で開催を決める方針だ。
 今回の新市長選。旧十日町市から4人、旧町村部からは田口氏だけ。圧倒的な知名度は、過去、国政8回挑戦している白川氏が頭抜けている。
 組織的には、いち早く千人集会を開いた滝沢氏が一歩進んでいる。田口氏は地元川西、中里、松之山に独立後援会を作り、大票田の十日町市にも後援会事務所を開設し、組織戦を展開しているが。だが、先の柏崎市長選などのように、「組織力=集票力」の構図が崩れてきており、各陣営とも「上滑り組織」を警戒している。
 一方、「草の根選挙」を標榜する村山、樋口陣営は、地域に入ったミニ集会を開き、参加者と意見交換し、政策の熟度を高めている。さらに予定者本人が陣頭指揮する白川陣営は、2日夜の5百人集会以降、全盛期の雰囲気が地域内に伝わり、広がりを見せている。
 ポイントとなる政策では、合併による新市建設計画の実行を掲げる滝沢氏、行財政改革の手法の違いを見せる白川氏、樋口氏。人材活用のソフト産業など、雇用最優先を掲げる村山氏。さらに、町村部の振興と共に新市の産業ベースに農業を置き、産起こし、定住人口アップなどを訴える田口氏。「争点なき市長選」と当初言われていたが、ここに来て、リーダーシップ、行政センス、人脈など、5人5様のカラーが出始め、有権者が何を選択肢に選ぶか関心が集まっている。ますます熱気を帯びる新市長選は、いよいよ24日告示となる。

心のキャッチボール、山下先生囲み   4月15日号
 結婚などにより外国から津南地域に移り住んだ女性を対象に、日本語や日常生活、習慣などを、共に交流しながら学ぶ津南町の「ことばのキャッチボール」は、今年で9年目に入っている。13日には、今年度の最初の集まりが町総合センターで開かれ、出身国の手作り料理などを持ち寄り、交友を深めた。受講生から「先生」と親しまれる同教室の先生は、町教育委員長の山下克利さん。「女性たちの親やおじいちゃんの世代。日本のじいちゃんですよ」と、女性たちの「心の支え」になっている。
 外国女性との結婚が増えた9年前、町公民館は、「津南で暮らしていくための支援をしたい」と、日本語教室を開講。開校当時から「先生」を務める山下さん。「日本語ばかりでは、続かないし、ストレスがたまるだけ。女性たちの母国語も話す時間を作り、それぞれの国の文化や生活を大事にすることが、ここ津南地域での暮らしやすさにつながるはず」と、教室では、フリートークの時間を設けている。これまでに中国、韓国、フィリピン、インドネシア、ポーランド、ペルー、スリランカなど、多くの国からの女性が参加。自動車免許や企業に就職した「卒業生」も多い。
 今年度開校の13日、子ども連れなど20人余りが参加。一品料理持ち寄りで昼食会を開き、今シーズンの教室の進め方などを話し合った。5年目になる石沢マリクリスさん(37)は、今春から子どもが新入学。流暢な日本語で話してくれた。「キャッチボールに通い、日本語を学び、友だちもできました。津南弁の分かるよ。日本語が分かるということは、ここでの生活に助かります。山下先生に感謝しています」。今冬の大雪。「雪かきが好きですね。屋根にも上がり、雪おろしもしました」。すっかり「津南の母ちゃん」だ。
 山下教育委員長は、「県内数多い日本語学校の中で、こうした雰囲気はここだけでしょう。キャッチボールは心と心のキャッチボール、それができているから、9年間も続いたのでしょう。女性たちは本当に頑張り屋。免許も取り、仕事も見つけている。ここに通うことで、友だちができ、それが日本語の上達につながっている」と話す。女性スタッフ3人がボランティア協力し、外国の女性たちをサポートしている。
 ことばのキャッチボールへの入会は自由で、いつでもできる。受講料はいらない。友好交流の狭山市国際交流協会と交流訪問している。問合せは町公民館рO25(765)3134。

十日町断層帯、「空白域」に警鐘  4月15日号
文部科学省の地震調査研究推進本部「地震調査委員会・長期評価部会」(部会長・島崎邦彦東大地震研究所教授)は13日、小千谷市南部から十日町市を経て津南町、長野県栄村の県境付近にいたる「十日町断層帯」の、今後30年以内の地震発生率についての長期評価を発表した。信濃川をはさみ東西に走るこの断層帯のうち、「西部」(十日町市の信濃川左岸から津南町卯ノ木付近まで)が活動した場合、マグニチュード7・4程度の大地震となり、今後30年以内の発生率は1%とする評価が出ている。これは、「国内の主な活断層の中で、やや発生率が高いグループに入る」としている。(文部科学省・地震調査研究推進本部・地震調査委員会ホームページに報告書掲載)
 
 十日町断層帯は、信濃川に沿って北南に延びる細長い十日町盆地と、その東西両側の丘陵との境界にある活断層。この活断層は、小千谷から十日町市を経て、津南町、長野県境の栄村付近に至る約33`の「西部」断層帯。十日町から信濃川沿いに中里・清津川にいたる約19`の「東部」断層帯の2つからなる。(地図参照)
 地震調査委員会は、これまで各断層の最新の地震発生時期と、その発生間隔をもとに確率を計算している。だが、十日町断層帯は、過去の活動状況が解明されていないため、「通常の活断層とは異なる手法で地震発生の長期確率を求めている」としている。
 具体的には、断層の長さやずれ、ゆがみなどを試掘などトレンチ調査のテータなどで評価している。このテータをもとに、従来の手法で推計すると、「西部」断層帯は、平均活動間隔が2千〜3千年程度と見られ、今後30年確率は最大12%の発生率となるという。一方、「東部」断層帯は、同様なデータなどで評価した場合、平均活動間隔が4千〜5千年程度と見られ、今後30年確率は最大6%の発生率という。
 同調査委員会は、「十日町断層帯は、東部、西部とも、最新活動を含めた過去の活動暦が明らかになっていない。さらに地下構造の資料も不足し手いるため、断層の深部形状が正確に把握できていない。将来の活動を明確にするためには、精度の良いデータ集積で、活動間隔を明らかにする必要がある」としている。
 十日町断層帯は、これまでの地震地図では「空白域」とされていた。昨年10月23日の新潟中越地震の震源の南側に位置する。研究者の中には、一帯を善光寺地震(1847年、マグニチュード7・4)、新潟地震(1964年、同7・5)の震源域を結ぶ断層帯の一部とする見方もある。
 新潟中越地震からの教訓を得るためにも、今回の文部科学省地震調査委員会の長期評価は、新たな地震対策の必要性を指摘している。

保育園児が「火の用心」   4月15日号
 ○:火災予防運動期間中の13日、栄村森の商店街を保育園児たちが、揃いの消防はっぴを着て、「火の用心」と大きな掛け声でパレードに、防火を呼びかけた。飯山消防署栄分署(斎藤源治分署長)が毎年実施している防火PR運動で、今年は津南町の上郷保育園児も参加し、拍子木に合わせ、火の用心を呼びかけた。
 ○:栄村の北信、東部の両保育園児など「さかえ幼年消防クラブ」の4、5歳児29人と上郷保育園の10人が参加。小雨もようのなか、役場を出発し、森商店街を通り、大きな声で「火の用心、火の用心」と呼びかけ、防火PRに一役買った。斎藤分署長は、「子どもたちの声は、大人の関心を引き、こうしたパレードの効果は大きいはず」と子どもたちと一緒にパレードした。津南と栄村の保育園では、行事などでも交流を深めている。

春なのに、背丈を越える残雪、消雪費用に補助  4月8日号
 ○:桜前線が北上しているなか、津南地域はまだ、分厚い残雪におおわれている。新潟県は4年ぶりの春季豪雪(残雪)対策事業を実施する方針。津南町はこれを受け、農地や農道などの消雪費用への補助を決めている。すでに広報無線などを通じて、全町に広報している。県は4月1日現在の残雪150a以上の市町村を対象に実施する方針。津南町の残雪基準観測地(高冷地農業技術センター、津南原)では243aで、県基準を大きく上回る残雪状況となっている。
 ○:この補助事業では、水田、畑など全農地や農道などが対象。消雪剤の散布、除雪車を使った除雪など、消雪に要した費用の2分の1(県と町で半分補助)を補助する。ただ、10eあたりの補助基準の上限額は決まっている。
○:全国名水竜ヶ窪の水で苗代づくりのため消雪作業する町内岡の涌井清次さん(84)は、「この時期、これだけの残雪は久しぶりだな。雪が固いし、昨日(4月4日)も雪が降った。早く暖かくなり、雪が消えてほしい」と、シャベルで雪消し作業を進めていた。4年前の同事業では、津南では全体で1400万円となっている。町では、「詳しい事業内容はまだ県から来ていないが、消雪費用に関る費用証明や領収書など、保管し、申請してほしい」としている。特産の「雪下ニンジン」の消雪も対象となる見込みだ。

十日町市、新市長選、白川氏の動向が焦点  4月8日号
今月24日告示、5月1日投票の新・十日町市の市長選は、5人の候補予定者が連日、旧5市町村の各所で座談会やミニ集会、講演会などを開き、支持拡大を訴え、終盤の追い込みが一段と激しさを増している。この中、2日夜、十日町クロス10中ホールで開いた元代議士、白川勝彦氏(59)の集会が関心を集めている。「導火線に火がついたのか」(他陣営幹部)と、他陣営を刺激している。国政当選6回の実績が、ここにきて具体的な広がりを見せようとしている。今回の市長選、白川氏の動向が大きなポイントになってきている。

7日夜、十日町クロス10大ホール。滝沢信一氏(68)は参集の千人余を前に、「合併は一つのまちを作ること。この4年間は大事だ。私なら5月2日からきっちり仕事ができる。変革ではなく、継続が重要だ」と震災復興など国県と折衝してきた実績を強調、支持を訴えた。2日昼、松之山休養村センターでミニ集会。50人余が参集。宮澤健一後援会長、田村恭子幹事長、関口芳史前助役が同席。候補予定者の名を上げ、「評価を下した」田村幹事長。滝沢氏は、「泉田知事は、毎年赤字が出る県立病院の改善策を十日町病院をモデルにやりたいと言っている。私も政治生命をかけてやる」と力説した。
2日夜、クロス10中ホール。会場ドアから人があふれ、500人近くが集まった白川氏の集会。東京大の同級生、自民・
平沢勝栄氏が応援に駆けつけた。「十日町で通用しても、国で通用しない市長じゃないとだめだ。三位一体の改革で、これから市町村は競争の時代を迎える」と白川氏の持ち上げた。
 旧5市町村全体から集まった参加者。「働く場作りを市政の中心に取り組む」、「決まっていない基幹病院を十日町に持ってきればいい。遠慮しすぎだ」、「職員削減、人件費カット、私は言わない。給与にふさわしい仕事をしてもらう、そうさせるのが市長の仕事」など、直言を連発の白川氏。そのたびに大きな拍手が起きた。
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 5日夜、十日町サンクロスの和室。同会場では3回目の村山薫氏(60)のまちづくり集会。部屋ぎっしりの100人余が参集。「1回目は半分ほど。2回、3回と増えた」(同派幹部)。「政治家のようなしゃべりはできませんが」と始まった村山氏。3セク・コンピューターソフト会社の業績アップの実績から、「圏域には30代のソフト関係者が4百人いる。長岡、新潟を除くと県内トップ。将来産業に育つ」と起業育成。集会では、参加者と意見交換。質問「地域自治組織はどうなる」。村山氏「住民と行政の対等関係が基本。市長の指導性が重要になる」。この日は、女子の参加者が目立った。
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 6日夜、松之山休養村センター。田口直人松之山後援会長は、前松之山町長・村山政光氏。この日、村松二郎県議、小林三喜男津南長が応援出席。50人余の参集。「周辺の旧町村部が一緒になって新市づくりをする気持ちになれるか、ここがカギ。誰がトップになったら、そうなるか、それは田口氏だ」と村松県議。「市民と対等の目線、むしろ低くして行政をする必要がある。それを熟知しているのは田口氏」と小林町長。田口は、「合併協議で、これでいいのかと何度も言った。周辺の安定なくして、新市の将来展望はない。本質は現場にある。現場は私が一番分かっている」と支持を訴えた。
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 5日夜。十日町クロス10中ホール。十日町市議、樋口利明氏(50)は、長年の盟友、旧安塚町長で現上越市議の矢野学氏と対談形式の集会を開催。旧5市町村から150人余が参集。当初、候補予定者の全員に参加を呼びかけたが、結局、誰も応じず、両氏だけでの公開討論会となった。「組織はリーダーによって、ガラリと変わる。市職員の手当の半分くらいは、4、5年の期限付きで、地域にために生かすべきだ」と樋口氏は、公約の人件費削減を強調。矢野氏は、「新しいリーダーを選ぶには、合併は絶好のチャンスだ」と、樋口氏にエールを送った。旧5市町村への広がりが課題だ。

70年ぶりの護摩修行、多聞天大祭   4月8日号
 ○…豪雪で2b余りの残雪のなか、雪国・津南に春の訪れを告げる町内陣場下の多聞天押合い大祭が3日、同境内で行われ、「まくぞ、サンヨ。まくぞ。サンヨ」と大きな声が境内にこだました。当日は久しぶりの日曜日となったものの、小雨模様の天候で子どもたちの出足はもう一歩。それでも親子連れら200人余りが詰めかけ、小学生の押合いに歓声が上がっていた。
 ○…南魚沼市・浦佐の毘沙門天普善寺の分院として昭和9年に開山、以来、毎年開かれている大祭。開催当初は大人の押合いもあったが、今は小学生だけ。少子化傾向で参加者は減少傾向だが、4年ほど前からのぼり旗を新調するなど盛り上げている。神札は、地元陣場下地区の世話人や厄年の人たちが行い、「まくぞ」と呼びかけると、下で神札を待ち構える子どもたちが「サンヨ」と応え、まかれた札を取り合った。
 ○…70年ぶりに護摩を焚き祈る―。津南町陣場下の毘沙門天で、70年ぶりという山伏僧による「大護摩修行」が行われ、集まった人たちが家内安全、五穀豊穣などを祈願した。地元のお年寄りからは「実に懐かしい」という声も聞かれていた。
 ○…護摩修行は、真言密教における秘法で、人々をより高い精神的境地へみちびき、即身成仏にいたる修行法。人間の煩悩を表わす薪に点火して、そこに生ずる智慧の浄火で、あらゆる煩悩を焼き清めるために行うというもの。当初、「火渡り」も行う予定だったが、材料の入手が困難で中止に。会場では山伏僧による護摩の儀式が行われ、参加した人たちは願いを書いた木札を、思いを込めて薪に投げ入れていた。

最後の新入生、津南高、18年度から中高一貫校  4月8日号
 ○:18年4月に中等教育学校開校の方針が決まっている県立津南高で、同校としては最後となる入学式が7日、同校体育館で開かれ、107人(男子63、女子44)が入学した。今春、県高校教育課から赴任した小熊牧久校長は、「中高一貫校の中等教育学校への改組となる本校だが、それだけに津南高での充実が求められる。自分の才能を見出し、それを伸ばし、充実した3年間にしてほしい」と緊張気味の新1年生を激励した。
 ○:同校は今年3月の県議会で、県教育委員会が「18年度、津南高の校舎、校地を活用し中等教育学校を設置する」方針を示している。この日の入学式では、新入生を代表し、荒井光君が「最後の入学生として、今日の日を迎えた。不安だらけだが、それを乗り越え、思いで多い3年間を送りたい」と決意を述べた。なお、中等教育学校は1学級40人の2学級体制となる方針。津南町教育委員会では、住民理解を増すため、県教委に早急な地元説明会を開くよう要望している。

長岡造形大や専門学校と連携、マンパクが新会社スタート 4月1日号 
 全面的に民間委託を決めている津南町のマウンテンパーク津南は、きょう1日から新会社による経営がスタート。新会社は、湯沢町で会社経営している事業家などが主体で設立した「株式会社クロスマイル」。3月25日設立。同社長の辻本和男氏(43、湯沢町・アルファ・プランニング社長)は、「この自然資源、ロケーションを最大限に活用に、ある面では対象を特化した特色作りを行い、営業展開したい」と方針を語る。すでにバリアフリーやデザイン分野で長岡造形大や妙高高原にある国際アウトドア専門学校と提携し、プラン提案やインターンシップ導入など、具体的提携が決まり、新潟産業創造機構(NIKO)への事業申請など、新たな要素として経営展開が始まる。
 新会社「クロスマイル」は資本金1千万円、役員3人で設立。同社事業に対し、NIKO申請などを契機に、業務提携やスポンサー協力など、数社からの協力が届いている。
 経営するマウンテンパーク津南は、施設は津南町所有。同社と管理契約を結び、年間委託費1480万円(借地料含む)、クロカンコース管理料160万円を町は同社へ支出。ただ小規模修繕や改修などは同社負担となり、大規模修繕は町との協議で行う方針だ。
 事業計画では、同地のロケーション、立地環境などを実際に体験してもらう「体験宿泊」を積極的に行い、「まず、ここの良さ、環境を知っていただく」(辻本社長)方針だ。その体験宿泊プランを今月中に立案、アピールし、雑誌やネットなど関係メディアを通じて広めたい方針。さらに夏休みシーズンから秋シーズンには、「対象者を特化し、た営業展開」をめざす。構想では俳句や短歌、絵画、トレッキング、ハイキング、カヌーなど「趣味的な人たち」をターゲットに営業展開。食をセットにしたスローライフプランでは、シルバー層など、誘客対象を絞った営業展開をはかる方針だ。年間事業売上1億1900万円を計画している。
 同社の経営には、すでに妙高高原で開学する国際アウトドア専門学校からのインターシップ学生を受け入れ、活動の充実をはかり、同時に同専門学校の「課外授業」的なメニューも提案する計画。さらに施設全体を対象に、長岡造形大が身障者、一般を含む「ユニバーサルデザイン」のモデル施設として、研究実践に取り組むことも決まっている。
辻本社長は、「とにかく一度来ていただくことに力を入れたい。様々なメニューが提案でき、ここの良さを最大限アピールしたい」と話す。同社長はすでに家族と共にで津南に移住している。

新・十日町市誕生、市長選過熱ぎみ  4月1日号
 十日町圏域5市町村が合併し1日、人口6万4千人の新・十日町市が誕生した。初日には市役所で開庁・開所式が開かれ、市旗を掲揚して新市誕生を祝った。
 新市は、十日町市と川西町、中里村、東頸松代町、松之山町の旧5市町村が合併。面積592平方`、人口6万4013人(2月末現在)、世帯数1万9865世帯(同)となった。旧市町村別では、十日町地区4万2658人、1万3329世帯、川西地区7982人、2277世帯、中里地区6280人、1689世帯、松代地区4106人、1482世帯、松之山地区2987人、1088世帯。
 市役所開所式で、市長職務執行者の山本茂穂前中里村長は「合併は地域発展のための手段。今日がそのスタート地点だ」と呼びかけた。
 新市誕生で横一線のスタートラインに立った注目の市長選は今月24日告示、5月1日投票で行われる。現在、滝沢信一・前十日町市長(68)、田口直人・前川西町長(58)、元代議士・白川勝彦氏(59)、NPO事務局長・村山薫氏(60)、前十日町市議・樋口利明氏(50)の5人が出馬意志を表明、本格的な選挙戦に突入している。大票田の旧十日町市から4人が出馬しその行方が注目されるほか、旧郡部から出馬の田口氏の集票力がカギ。混戦で、集票マシンといわれる建設関連の影響力など従来型の選挙形態が機能せず、旧町村長と県議レベルの支持も「分裂状態」、混迷の度を深めている。一方、同日程で行われる市議選。市議会は定数特例を適応し、法定数30人を10人増やし、合併後の1期4年間は定数40人で議会運営する。議員選挙は選挙区選挙で、旧市町村ごとに定数配分して選出する。配分定数は、十日町19、川西8、中里6、松代4、松之山3。無投票の公算が強い選挙区もある。

津南産ユリ、出荷始まる   4月1日号
 ○…津南のカサブランカ、春を祝う―。入学、就職シーズンを迎え、ユリ切花日本一の生産組合に輝いた津南町ユリ切花組合(藤木正光組合長、23人)の生産農家で、春一番の出荷が始まった。本格的な出荷は6月に入ってからだが、3月にも「雪美人」のブランドを絶やさないようにと手塩にかけた栽培での出荷。豪雪で津南原台地はまだ2b以上の残雪に包まれているなか、「待っている人がいれば、出さないわけにはいかないさ」と、久しぶりの出荷に生産農家に活気が出始めている。
 ○…この時期に出荷するユリ切花は、3月開花をめざし南半球のニュージーランドから仕入れた球根。昨年12月に鉄骨ハウスの温床に植えた。灯油ボイラーで地温、室温とも13度程度に維持して育ててきた。今冬は豪雪で気温も低く、「例年以上にコストがかかった」という。それでも「つぼみが大きくなると、気持ちが晴れるね」と生産者のひとり桑原一さん(46、米原)。津南のユリ切花が、入学式などに花を添える。

豪雪で甘ーいにんじん、出荷最盛期    4月1日号
 ○:雪が育てたニンジンが出荷の最盛期を迎えている。19年ぶりの大雪で、この「津南のにんじん」は出荷が例年より遅れている。いまだ2b余の残雪がある町内沖ノ原台地では、除雪した背丈の倍以上ある残雪のわきで、にんじん収穫作業に取り組んでいる。このニンジン、JA津南町と大割野郵便局などと連携した「ゆうパック」が人気で、シーズン1千個余りの出荷となっている。
 ○:農業でのライフスタイルを求めて10年前に津南に移住した町内赤沢の戸祭博文さん(47)は今シーズン、50eを栽培。先月10日過ぎから除雪し、26日から収穫、出荷を始めている。「津南に来て10年。この時期のこれだけの雪は初めて。雪が多い分、今シーズンのニンジンは、甘味が増したようだ」と高く積まれた残雪の山のわきで、収穫に取り組んでいる。
 ○:雪が育てたニンジン・ゆうパック」は10年前から初め、3年前には大割野局だけで1千個を扱い、今シーズンも9百個近い取り扱いとなる見込み。同局の狩野敏局長は、「関東や新潟市への発送が多い。この時期の津南の特産として人気が増している」と話している。


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