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2005年03月の津南新聞「トピックス」

過去の津南新聞トピックス
熊谷源太郎の作品、古文書で初めて証明、県内初  3月25日号
 津南町文化財調査審議委員会(滝沢秀一会長)は23日、体験実習館なじょもんで審議会を開き、15年度から調査を進めた町内岡集落の「諏訪神社本殿」を、町文化財指定として答申し、町教育委員会は第18号町文化財に指定した。同社殿を飾る彫刻は、雲蝶と並ぶ彫刻家、熊谷源太郎の作品であることが調査で判明。特に製作費を源太郎が受領した「代金受取証文」が同神社氏子総代方から見つかり、同彫刻が源太郎作を裏付けている。町教育委員会の佐藤雅一文化財専門員は、「源太郎作が資料で証明された彫刻は、県内では初めて。一級品の文化財」と町文化財指定の意義を話している。
 町内岡の「諏訪神社」は、全国名水百選の竜ヶ窪の西側、岡集落入口にある。以前より、同集落では源太郎作が言い伝えられてきたが、15年からの町文化財調査により、同神社の屋根裏の「棟札」には、大工、木挽、彫工の職人の名が刻まれ、そこに「彫工 源太郎」が明記。さらに、氏子総代の内山謙二さん方からの見つかった古文書には、源太郎直筆の「代金受取証文」が見つかった。証文には、「嘉永元(1847年)五月十六日 武州熊谷宿 彫工 小林源太郎」とある。
 町教委の佐藤文化財専門員は、「源太郎作は、近隣では塩沢、湯沢であるが、作風として源太郎作となっている。今回のように資料の裏づけがある源太郎作は県内初めて。一級の文化財である」と調査結果に基づく文化財指定の意義を強調している。町文化財指定は平成12年の結東「アンギン背中当て」以来の指定となる。

光善会グループ、グリーンピア津南経営に自信  3月25日号
 グリーンピア津南を購入後、民間委託する津南町は23日、プロポーザル公募で決めた委託先、東京の光善会グループと基本協定書調印を交わし、経営委託が正式に決まった。同グループ代表で上場企業光波創設者、医療法人財団光善会の久保善治副理事長は、「16年前からの津南とのおつき合い。津南に貢献したい。成功させる自信がある」と協定書にサインし、小林町長とがっちり握手を交わした。
 調印式には、久保副理事長、松崎和秋常務理事、移管後のグリーンピア津南総支配人に就く予定の菊池勉氏など同グループ7人が出席し、小林町長ら津南町関係者が見守るなか、協定書にサインを交わした。小林町長は、「心より感謝する。存続は町民の念願、グリーンピア津南は人、経済の交流の核であり、雇用の場として津南町にとって大きな存在。都市と農村の大きな交流拠点として発展してほしい」と感謝の言葉を述べた。
 光善会グループでは、当面は現状のグリーンピア津南運営を行うが、3年後を目途に介護老人施設、医療施設などを敷地内に建設する方針。光善会の松崎和秋常務理事は、「福祉施設は津南町福祉計画と連携し、県に申請し、早ければ3年後には始めたい」と方針。さらに、「東京や埼玉の区や市を回り、指定保養施設契約を取り付けている。同時に区民農園や体験農園など都市との交流を進め、小学校の体験研修も受け入れる方針」など、すでに東京15区と契約するなど、取り組みをスタートしている。
 さらに、札幌や長野県内のリゾートホテル再建を手がけた総支配人となる菊池勉氏は、「これだけの財産がここに眠っていた、このことが驚き。世間に知らしめるだけで充分来ていただけるはず。やはり自然が素晴らしく、切り口は健康と観光、この2つをテーマにしたい。光善会というイメージを兼ね備えながら、体育館、コテージ、グラウンドなど施設を活用し、カントリー的な田舎でしか体験できない活用で、中長期滞在型のホテルに切り替えていける。国内だけでなく新潟空港などを活用し、海外からも入ってくるはず」と話す。ホテル運営では、「マンパワーも環境もあり、皆さんが持つモチベーションが一つの方向に向かうかであり、人間が人間らしく楽しむ、それをお手伝いするのが我々なんだという意識を持つことでいける。サービス、サプライズ、セフティーのスリーSでいけるのではないか」と方針を話している。
* * *
 現在のグリーンピア津南を経営する現地法人「株式会社津南高原開発(資本金5千万円)は今月1日設立。久保氏が代表取締役となり、地元企業関係者など7人の役員体制。近くグリーンピア津南内に事務所を開き、10月営業引継ぎへ準備に入る。営業は休まず、そのまま継続営業する。注目の国の年金資金運用基金からの譲渡価格は、「3億円以内」との方針が示され、今後協議を進め、5月には具体化するものと見られる。グリーンピ津南は総事業費262億円、敷地面積379万平方b。10月から新たな経営体制となる。

8年前から津南高と交流、ノースカロライナから高校生    3月25日号
 8年前から津南高生徒と交流するアメリカ・ノースカロライナ州のサウスローリー高校から、今年も今月22日から25日まで8人の高校生が津南町を訪れ、スキーや交流パーティーで友好を深めた。世話役の津南高PTA会長の滝沢元一郎さん(52)は、「お互いにとって、良き刺激になっている。今年の夏は、ぜひサウスローリーを訪ねたい」と話し、参加した津南高生も同地訪問に積極姿勢を見せている。
 この交流は、当時の津南高・遠藤校長が新潟県教委研修で同地を訪問し、同高校で日本語を教えるウィリアムみさこさんと知り合い、以来、交流が続いている。毎年、希望を募り、みさこさん引率で津南を訪れている。今回、一行より一足早く津南を訪れ、滝沢会長方などにホームスティしたダンバー・マイケル君(18)は、今年から同州立大学に進む。「津南の食べ物が美味しい。でも、この雪にはびっくりした」などと感想。彼岸のお墓参りも体験し、「とても興味ある体験でした」と話していた。
 津南高からは、英語検定などをめざす自主参加の学生10人が参加。1年の風巻志緒里さん(16)は、「英会話を勉強したいです。できればサウスローリーに行ってみたいですね」と話し、2年の生徒会長の小宮山美洋君(17)は、「違う文化に触れるのは、興味深いことです。チャンスがあれば、向こうへ行ってみたいです」と、共にサウスローリー訪問に意欲的だ。
 8年前から津南とアメリカの橋渡しをするウィリアムみさこさんは、「子どもたちはとっても津南を気に入っている。交流は続けることが大切で、ぜひ今度はサウスローリーに来てほしいです。ホームスティ先を用意します」と話す。同様に橋渡しの滝沢さんは、「高校だけでなく、ぜひ中学生も交流してほしい。中学時代にサウスローリー訪問を体験できたら、貴重な体験になるだろう」と、津南とサウルローリーとの積極交流の必要を話している。美佐子さんは、今年6月、今度は中学生6人を連れ、再び津南を訪問する。「ぜひ今度は、ホームスティをさせたい」と津南の受け入れに期待している。

日本ユニホッケー、上郷小3年チームが優勝   3月25日号
第19回日本ユニバーサルホッケー全国大会が21日、千葉・浦安で開かれ、小学生低学年の部で津南町立上郷小3年生チーム「シャークフィッシング」が優勝した。県勢初の快挙に子どもたちは「目標を達成したよ」と大喜び。応援に駆け付けた父母らは「上郷の伝統づくりに大きな一歩を印した」と感激している。
 大会は全国8都県から小学生低学年、高学年の部に各二十四チームが参加して開催。3チーム・8ブロックに分かれての予選で上郷は失点ゼロに抑える活躍で2戦2勝。決勝トーナメントで上郷は初戦、神奈川代表のミニウイングスに2対1と接戦を制して波に乗り、準決勝で東京代表の調布北ノ台を3対1で破った。決勝は地元の舞浜シーガルズと対戦、一進一退の攻防から先取点を挙げた上郷が、そのまま守り切った。
 学年挙げて取り組んできたキャプテンの鴨井俊亮君は「とってもうれしい。これまで新潟県チームの優勝はなかったと聞いていたので、何としても勝ちたかった。夢みたい」とガッツポーズ。ゴールを守った森口和樹君と中島雪絵さんも「必至で守ったよ」とにっこり。春から週1回の指導に当たってきた保護者会の鴨井栄一郎さんと担任の石沢由美子教諭は「楽しく練習に励めたことが結果につながったのでは。子どもたちの喜びがうれしい」と声を揃えた。

グリーンピア津南、2億円台で購入か   3月18日号
 グリーンピア津南を購入し、民間に賃貸する方針を決めている津南町の小林三喜男町長は、3月定例議会最終日の16日、購入価格について「3億円以内を確信している」と、これまでいわれた「5億円程度」の半減余の見通しを示した。購入額は2億円台になる見込みで、最終決定額が注目される。経営委託先に決まった東京の医療法人財団・光善会グループと23日、津南町役場で基本協定調印を行い、10月業務引継ぎに向け現地準備室を開設し、準備に入る。  
議会本会議で小林町長は「中越地震でグリーンピア津南は、救援防災センターの役割を果した。地震以降の風評被害もあり、これをふまえた価格を要望している。3億円以内と確信している。さらなる引き下げを求めていきたい」と、購入額は2億円になる見通しを示した。先月末、年金資金運用基金理事が来町し、参考価格を示した。6月町議会定例会には購入予算を上げ、9月定例議会までには譲渡契約を交わす方針だ。
ただ、経営委託する民間の賃貸料が具体化しない中での購入額決定は、賃貸料に影響するため、同基金と協議する一方、委託民間との賃貸料協議を平行して進める方針。「民間の経営熱意を尊重したい」(小林町長)と両者との協議を進める意向だ。従業員は、9月末で全員解雇され、「現従業員の再就職希望に最大限配慮する」協定通り、希望者は10月再雇用される見通しだ。グリーンピア津南の投資額は262億円、敷地は379万平方b。

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 経営委託する民間、光善会グループは今月1日、現地法人「株式会社津南高原開発」を設立。社長は、光善会設立者で同副理事長の久保善治氏。設立資本金5千万円は全額久保氏が出資。今後、17年度中に地元などに出資を求め、さらに5千万円増資予定。この新会社が現在のグリーンピア津南業務を引き継ぐ。光善会グループはグリーンピア津南敷地内で、3年後から介護老人施設など福祉施設建設に取り組み、保健、医療、福祉事業分野に取り組む方針だ。
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 株式会社津南高原開発の役員は次の通り。
 ▼代表取締役・久保善治(光善会副理事長、光波、オプシード津南相談役)▼取締役・松崎和秋(光善会常務理事)高橋政徳(津南町商工会長、高橋工務所社長)上村晃一(上村建設工業社長)奥山重也(光善会理事、久保設計主管)菊池勉(松原湖高原開発社長)▼監査役・高原秀年(元東京中野税務署長、税理士)

三箇小学区民が防犯ボランティア    3月18日号
登下校の子どもたちをねらった事件が各地で起きているなか、津南町の三箇小(山田修平校長、24人)は、学区に防犯ボランティア協力を呼びかけ、協力を申し出た地元の2人が今月10日から、下校時に子どもたちに同行し、家まで送り届けている。児童の親からは、「ありがたいです。日中、人通りが少なく、下校を心配していました」と感謝している。
 同学区は国道353号が南北に走り、道路沿いに集落が広く点在。朝の登校は全学年一緒だが、下校時は1、2年が早く、1人になる場合があり、これまで担任教諭や教頭、校長などが同行した。山田校長は、「教職員が毎日同行できるわけではなく、今回、地域に支援ボランティアを呼びかけたところ、すぐに申し出があり、本当にありがたいことです」と学区の強力に感謝している。
今回、学校の防犯ボラ協力に申し出たのは、北方向の集落の鹿渡新田の石沢勇吉さん(81)。南方向の集落の辰ノ口、板場さんの2人。外丸地区防犯組合役員の石沢さんは、「自分にできることがあれば協力したい」と同地区の1年2人に同行、下校している。交通安全役員などをした板場さんは、1、2年6人と下校。板場さんは、「何かあっては遅い。地域に何か協力したいと思って」と話している。一緒に帰る子たちは、自分の家に着くと、「ありがとうございました。また、明日お願いします」とあいさつ。児童の母親のひとりは「ありがたいです。人通りが少なく、心配していました」と感謝している。
 この取り組み、十日町地域ででは同校が初めて。県内でも自主的な防犯ボランティア活動の例は少なく、三箇小の取り組みが注目を集めている。

日本食研、津南に営業所開設  3月18日号
 津南町森林組合(組合長・小林三喜男津南町長、組合員1700人)の第38回通常総代会を13日開催。前年比7・7%増の事業収益14億8千万円の16年度決算を承認した。同期の総取扱高は21億1388万円で、国内外で事業展開する日本食研との取引アップが、今期の事業アップに結びついている。同社は年内中に町内に「津南営業所」を開設方針で、農産加工など新たな展開が期待される。
 同組合38期(16年2月1日〜17年1月31日)の事業収益14億8095万円の内訳は、トップは日本食研などとの取引の特産部8億8767万円(収益構成比59・9%)、木材加工部1億7174万円(同11・6%)、きのこ培養部1億1486万円(同7・8%)などとなっている。
 特産部の9割近い取引相手となっている日本食研。前年売上は7億8989万円、今期は12・4%増の8億8767万円を突破。事業収益では、前年比80・3%増の大幅アップの6687万円となっている。この増益アップの要因は、同組合が企画、製品化を同社に提案した「フキミソ」「タケノコ」「ヒジキ」素材を活用した「ご飯の素」が大ヒットし、取引高アップにつながっている。同組合の滝沢完治参事は、「組合の商品開発が、取引高の増加に結びついた。今後も商品開発に力を入れ、業績アップにつなげたい」と方針を話す。
 日本食研は、今年中に町内に「津南営業所」を開設する方針。組合長の小林町長は、「日本食研は、津南を特別視してくれている。営業所開設は、新たな事業展開を視野に入れているようだ。津南にとっても農産物、米、酒など特産物の新たな事業展開のチャンスであり、連携していきたい」と期待感を述べている。営業所は、津南産木材で、特色ある建物にする方針だ。17年度期では、同社との取引目標を9億7千7百万円としている。
 同組合では総合、技術職員99人、パート、季節労働52人の151人が働き、人件費全体では約4億円。特産部の好調で、従業員募集をしている。

スノーキャンドル、榮太鼓熱演     3月18日号
15日から北海道へ。「どこまでできるか、挑戦するだけです」。第2回全日本スキー・スノーボード技術選手権大会が18日から北海道・留寿都村「ルスツ・リゾート」で開かれる。初めての全国大会出場。先月28日、南魚・湯沢パークで開かれた新潟県大会で7位に入
り、全国大会への切符を取得。12位までが全国出場できる。インストラクターやスキー場専属コーチなど、「ボード専門家」が大部分の中、休日やアフターファ
イブしか練習できない社会人ボーダーは少ない。その全国大会出場。「仕事をやりながらのサンデーボーダーで、どこまでできるか。限界性のなか可能性にチャレンジしたい」。
中学3年の時、テレビで雪原を豪快に滑るスノーボーダーを見て魅了された。「やってみたい、と思いました」。始めたのは高校生になってから。社会人になりグリーンピア津南をホームグラウンドに練習を積む。同津南のボードスクールのコーチから、『級を受け
てみないか』と勧められ、3年前、2級に挑戦し合格。同じシーズンの終了間際、1級にチャレンジし、1回で合格。以降、先輩などから指導を受け昨年2月、準指導員ライセンスに挑戦し、1回で取得。「自分がここまでできると思っていなかったが、ここまできたら、どこまでできるか、挑戦あるのみです」。社会人ボーダー、「会社の皆さんの理解によりできることです。感謝しています」。所属は新潟SBC(スノーボーダークラブ)。
 夏場は、バスケチームでトレーニングを積む。「津南は指導体制、ゲレンデなど、環境に恵まれています。これは町の財産だと思います」。

○:雪を楽しもうと始めた栄村雪祭り、第14回さかえ雪ん子まつりが12日、春の吹雪もようのなか開催。姉妹交流の東京・武蔵村山市から家族や若者グループなど参加、ゲームや雪上花火を楽しんだ。ゲレンデにスノーキャンドル文字が浮かび上がり、雪まつり雰囲気を盛り上げた。
 ○:前日まで春近しの陽気から一転、真冬の吹雪もようとなった当日、さかえ倶楽部スキー場には、地元集落やグループなど15の露天市が店開き。栄ふるさと太鼓のオープニングで開幕。みんなのステージでは、北信保育園や東部保育園児らの元気なダンス、栄中2年グループのパフオーマンスダンス、あるいはミニにタンクトップ姿でピンクレディを熱唱するグループなど、吹雪を吹き飛ばす熱演を繰り広げた。フィナーレは一般を含む50人のたいまつ滑降がゲレンデに光のシュプールを描き、雪上花火が夜空に冬の華を描きだした。

津南高に中高一貫校、18年度設置へ  3月11日号
 県教委が津南高に18年4月開校を予定している中高一貫校(中等教育学校)は、方針通りの設置が濃厚だ。一方で津南高は、一貫校開校と同時に募集停止になる公算で、地元地域に不安が広がっている。特に、そのはざま年代の現在の小学6年、中学1、2年は、中等教育学校にも行けず、すべて津南町外の高校に行かざるをえない状況となる。津南町教委では、通学費用などへの対応に乗り出す一方、県へも対応策を求めている。「地域教育の向上と進路選択の多様性」をねらいに導入する中高一貫校。だが一方で、その移行期の3年間、進路選択が限られる子たちが出るなど、一貫校設置の「功罪」が出ている。

 中学、高校を6年間一貫して教育する中高一貫校。津南高では当初、高校はそのまま存続する併設型で進めてきたが、「一貫校の教育効果を高める」ために、独立タイプの中等教育学校を設置する方針に変更。昨年9月、県教委は「18年度、津南高に中等教育学校を設置」する方針を表明。来週開かれる県議会総務文教委員会で県教委方針が示され、今月中にまとまる「高校中長期再編計画(3ヵ年計画)」に明示される方針だ。
 中等教育学校は、これまでに村上、柏崎に開校し、今春4月から燕に開校する。燕は、地元高校事情から、「燕高は3年間募集継続」の方針。地元に私立高校しかなく、公立高校へは遠隔通学となり、3年間の暫定措置で募集継続する。   
・・・   ・・・   ・・・
一方、十日町4市町村エリアの来春の中学卒業生は674人。津南高が募集停止になった場合、3学級120人の定員が減少。その場合、郡市3高校(十日町、十日町総合、川西)の総定員は640人(16学級)で、40人余り不足する。県教委は、中等教育学校の設置に合わせ、その年度、郡市内の高校に1学級40人の定員増を行う方針。これにより津南高募集停止による不足定員数が確保されることになる。
 ここで関心が集まるのは、どこの高校の定員を増やすか。関係者によると、「一般的に見て、津南から通える範囲内」と見られ、当初いわれた川西高の定員増とはならない状況。定員増は2年間行い、十日町と十日町総合の両校の定員を増やす方針と見られる。
 地元選出県議の上村憲司副議長は、「方針通り18年度開校となるだろう。移行期の3年間、中等教育学校にも行けず、すべて町外の高校へ行かざるをえない状況は、考えなくてはならない。燕は地元の特殊事情があり、3年間継続募集する。途中入学を認めると、教育カリキュラムなどの問題も出て、さらに難しい面が出てくる。対応を考えなくてはならない」と困惑気味だ。
地域の父母からは、「その時期に当たったのは運が悪かったでは済まされない。教育の機会均等というが、まったく逆」や「津南の伝統スポーツがどうなるのか。一貫校でバラバラになるのではないか」など、中等教育学校設置に対する不安、困惑が出ている。
津南町教育委員会の根津紘教育長は、「中高一貫校設置の場合、津南高の募集停止は避けられない状況。それだけに設置が決まった場合、早急な説明会など、的確な進路指導が必要になる」と、県教委などに働きかける方針だ。

卒業シーズン  津南中  3月11日号
○:卒業シーズンを迎え、義務教育9年間を終了する中学生の旅立ちシーズンでもある。津南町の津南、上郷の両中学では8日、卒業式を開催。117人(男子59、女子58)が卒業の津南中(滝沢和彦校長)では、在校生、教職員、保護者などが見守るなか、卒業生代表の江村知大君と小島美加里さんが、「今日、ここに立てるのは、多く方々に支えられ、特に家族に支えられたおかげ。自分の夢に向かって、一歩一歩、歩んでいきたい」と述べ、会場いっぱいの拍手に送られ、学び舎を後にした。
 ○:津南中は第36回。上郷中(大岩登校長)は第58回で卒業生は13人(男子8、女子5)。津南中では卒業生が一人ひとり名前を読み上げられ、緊張気味ながら滝沢校長から卒業証書を受け取った。滝沢校長は、「個性と能力を発揮し、わが道を歩んでほしい。安定だけを求める人間は魅力がない。野望を持って、未来をめざしてほしい」とはなむけの言葉を贈った。同校の卒業生は、今季で5959人。なお、義務教育9年間に対し、皆勤賞2人、精勤賞10人に町教育委員会から記念品が贈られた。

小学6年少女ボーダー 全日本チャンピオン  3月11日号
 小学6年の少女ボーダーが全日本ジュニアのチャンピオンになった。津南町の津南小6年、佐藤夏生さん(11、正面)は、今月5日、妙高パインバレーで開催の第23回JSBA全日本スノーボード選手権大会のジュニア部門(18歳以下)ハーフパイプで優勝し、参戦2年目でチャンピオンとなった。来シーズンからはオリンピックにつながるFIS大会に出場し、さらに上をめざす。
 夏生さんは、父・厚さん(46)の影響で3歳からスノーボードを始める。昨シーズンも同大会に出場し5位。夏場は厚さん製作の練習台で基礎練習を積み、シーズンイン後、塩沢などへナイター練習に通っている。妹、亜矢さん(小学3年、9)も一緒に取り組み、同大会ではユース部門(14歳以下)に出場し、4位に入っている。
 ハーフパイプは、全長一〇〇b、幅20b、高さ4・5bの半円状コースを、ジャンプや体を一回転するなどアクロバット的な技術を争う。全日本大会は地区大会を勝ち抜いた選手が出場するハイレベルの大会。ジュニアに12人、ユースに11人、一般を含めるとハーフパイプには253人が出場。夏生さんは、俊敏な動きで難易度の高い技を次々と決め、2本とも唯一19点台の高得点で2位に大差をつけ優勝。「嬉しいです。もっと上をめざしたい」と夏生さん。父・厚さんは、「来シーズンからは、オリンピックをねらえるFIS大会に挑戦すると思います。楽しんで続けることが大切です」と話している。今月25日、津南小の卒業式。夏生さんは、大きな思い出を胸に、学び舎を後にし、さらなるチャレンジを続ける。

津南雪まつり 雪像コンテスト7連覇  3月11日号
 ○…雪だるまやスノーキャンドルが町内いたるところに灯り、雪国情緒が演出された町制50周年記念第29回津南雪まつりは5、6日開催。友好交流の狭山市などからも子どもたちらが参加し、2日間で前年を1600人余り上回る1万300人余で賑わった。また、今回もメイン会場以外でもふれあい広場が7集落に設けられ、1400人余が親交を深めるなど町内ぐるみの雪まつりとして盛り上がった。
 ○…力作ぞろいとなった雪の彫刻コンテストは、12団体が参加。最優秀賞は鹿渡・島地区の「カゼにはやっぱり玉子酒!(インフルエンザにも効く?)」(金乃虎の会)が選ばれた。同地区は7年連続の最優秀。銀賞は「災害はモウケッコウ」(芦ケ崎雪まつりを楽しむ会)銅賞は「羽ばたけ!未来へ」(グリーンピア津南)狭山市長賞「愛地球博」(外丸3区・桜会)同市議会議長賞「異変が続く地球。大津波にも耐えたかまくら大仏よ、世界に安寧の時を与えたまえ」(辰ノ口有志会)。
 ○…津南高第2グラウンドの特設舞台での芸能グランプリは、8組が参加し熱演。グランプリは会場から「かわいい」と声が飛んだ「ちぇりーず」の「さくらんぼ」。準グランプリは津南小3年・Blue sky dancersの「ミッキー(ダンス)」とオレンジレンチの「ロコローション」、特別賞は小川正治さんの「番場の忠太郎」が選ばれた。
 ○…町内全域でスノーキャンドルが灯ったなか、竜神の里推進協議会イベント部会では、赤沢から中子集落にかけた県道沿線で雪だるまを並べキャンドル点灯する「縄文のあかり」作戦を展開。沿道は幻想的な雰囲気に包まれ、雪国情緒を盛り上げた。

ふるさろ中子U、思いを映像に   3月4日号
 「ふるさと中子を後世に伝えたい」。津南町中子地区の社会部(部長・関沢隆公民館長、部員5人)は、2年前から地域行事などを映像記録した「ふるさと中子U」をまとめ、先月26日、地元公民館で上映会を開いた。新年を迎える住民の準備から始まり、地域総参加の雪上運動会、春耕、中子の池の満開の桜、収穫を祝う秋祭り、紅葉のムラなど、「ふるさと中子への思い」がぎっしり詰まった記録映像になっている。同部の関沢部長(47)は、「自分たちが暮らすムラの見直しと愛着につながれば」と話している。この記録集、レンタル用ビデオも用意し、希望者には貸し出す方針だ。
 「ふるさと中子U」は、2年前の平成15年12月31日からカメラを回した。新年を迎える準備の様子。「この記録集は、実は14年前にTを作っている。3年前から、Uを作ろうと声が上がったが、なかなか動けず、前回メンバーが入る形で動き出した」と関沢部長。
 記録活動は、ほぼすべての地域行事をビデオ収録。撮りためた映像は、昨年6月から編集作業を開始。関沢部長方を臨時編集室に使い、「ある機材を活用して、手間のかかる編集作業をした」。
 平成16年1月1日。新年会。中子47戸が集まり、新年の挨拶を交わす。小正月行事では、サイの神を焼き、顔に墨を付け合う。春を呼ぶ雪上運動会での歓声。雪消え、春到来。中子の池に咲く満開の桜。整備された田んぼでの田植えなど、住民の笑顔と共に、中子の景観を記録。徒歩で日本縦断達成の地元の滝沢良平さんの快挙も収録している。
 新緑から夏へ。恒例のバーべキュー交流会、収穫を願う秋祭り、神輿が地域内を回り、子どもや住民たちの笑顔。一方で7・13水害、10・23中越地震も記録。「幸い中子は被害は少なかったが、あたり前の生活の大切さ、自分を見つめ直すいい機会としたい」など、ナレーションを入れている。
 14年前の記録集で誕生を紹介し、14歳の中学生に成長した高浪千穂さん、麻績宇宙君の2人が、昨年誕生の4人をレポート形式で紹介。誕生のエピソードや名前の由来など、インタビュー収録している。14年前の映像も収録し、歳月の流れを感じさせる。
 スタッフ5人は、14年前にも関沢部長と共に記録活動した
高浪博三さん(47)がパソコン処理、石沢良周さん(42)がタイムキーパー。これにナレーター・半戸伸幸さん(36)、音響効果・関沢義郎さん(33)の2人が加わり、5人で連夜の編集作業でまとめた。上映会は40人余が参加。60歳の女性は「素晴らしい記録ですね。思い出いっぱいです。これからも続けてほしいですね」と感激していた。関沢部長は、「自然環境が素晴らしい中子を見直すきっかけになればと思う。10年後、再びこうした記録活動ができれば」と話す。貸出用ビデオ2本を作成している。希望者には貸し出す。連絡先は関沢部長までрO25(766)2633。

混戦、新市長選  3月4日号
 4月24日告示、5月1日投票の新・十日町市長選。これまでに現職の滝沢信一・十日町市長(68)、田口直人・川西町長(58)、元代議士・白川勝彦氏(59)、NPO事務局長・村山薫氏(60)、樋口利明・十日町市議(50)の5人が表明。3日までに各陣営が選挙事務所を市内に設け、本格的な選挙戦に突入している。
 今度の選挙の特徴の一つは、合併する5市町村長、地元選出県議が支持者を明らかにしている。中里村・山本茂穂村長、松代町・関谷達治町長、松之山町・佐藤利幸町長、さらに尾身孝昭県議は、滝沢市長を支持。一方、上村憲司、村松二郎の両県議は田口町長の支持を表明している。
 現職滝沢市長の事務所開きは3日夜、市内高田町で実施。支持する町村長なら出席。注目を集めたのは田口町長が立つ川西町から、前町長の南雲春雄氏が滝沢市長支持を表明し、田口批判を展開した。「周辺の発展なくして、新市の未来はないというが、いたずらに溝を深め、垣根を作るようなことはしてはならない」。さらに山本村長は、「中心、周辺という言い方をするが、今さらなにを言うか、である。そうゆうことがないように、協定書を作った」と、同様に集まった2百人余を前に田口町長をけん制した。
 知名度は抜群の白川氏は、「あえて後援会組織は作らず、一人で支持者と会っていきたい」という。3日のサポートの集いでは、かつての支持者など2百人余が集まり、支援活動を本格させた。村山氏は、4百人を集めた事務所開きは、他陣営を刺激し、本田前市長の支援を受け、市内や町村部での座談会を多く開いている。
 政策的に明快な樋口氏は、「新市職員の手当削減し、それを震災復興、地域づくりに当てる」と支持拡大をめざす。女性の動きも良く、民主、社民系の巻き込み、出遅ればんかいをめざしている。

雪が育てる栄村の山菜    3月4日号
 ○:「幻の山菜、ギョウジャニンニク」の通年栽培をめざし、栄村で冬季の促成栽培に取り組んでいる。2年前に設立の「栄村ギョウジャニンニク研究会」(保坂良知会長、会員46人)は昨年11月、村内月岡に間伐材で耐雪補強したパイプハウスを設置。保坂会長が主体となり、ギョウジャニンニク、葉わさび、タラの芽、コゴミなど山菜など5種を栽培。先月19日からギョウジャニンニクの出荷開始。4、5月のシーズンに比べ6、7倍の高値相場。保坂会長は「なんとかハウス栽培を軌道に乗せ、冬季の産業に育てたい」と、今日も温室ハウスに入り出荷に取り組んでいる。
 ○:ギョウジャニンニクは、「行者にんにく」の名の通り、ニンニクに近い薬効があり、風味もニンニクそのもの。多年草で茎から切り、葉物として出荷。量的な産地は北海道だが、栄村産は長野県内の7割シェアを占め、約5d出荷し、市場評価は高まっている。この特産化には村もバックアップし、昨年設置のパイプハウスは村の申請で県事業を導入。約80平方bのハウス内には、発泡スチロール箱100個余りに5種の山菜を土のまま植え、部分的に電熱線を張り、温度管理して栽培している。20年以上前から取り組み、10年前から本格出荷している保坂さん。「この冬栽培ができれば通年栽培が可能だ。最盛期は100c100円前後だが、冬は50c300円から350円になる。コストをかけない栽培が必要だが、このハウスなら大丈夫。逆に雪を使った低温栽培、冷凍保存も可能。年寄りも健康づくりにもなる」と笑っている。ギョウジャニンニクのほかコシアブラ、ウルイなどの人気山菜の栽培も手がけ、「雪が育てた健康山菜」の特産化に取り組んでいる。

真の豊かさとは 小林町長が卒業講話
 ○:「世界人口63億人、飢餓に苦しむ人は12億人、今日、明日の食べ物もない人は8億人。なぜこうなっているのか、地球上に生きる人間として、自覚すべき現実だ」。津南町の中学3年を対象にした小林町長の卒業講和が24日、津南中で同校3年117人、上郷中13人が参加し開催。小林町長は新潟中越地震での全国各地からの義援金やボランティア活動、あるいは山古志村など被災地状況などを話し、「ふるさとへの思いを感じてほしい」と呼びかけた。
 ○:卒業講和は毎年実施。小林町長は、ネパールやヨーロッパ訪問の体験談などを述べ、「実に質素な生活を送っている。自分で作ったリンゴを絞りジュースにして出してくれた。最高のもてなし。日本はどうか。スーパーから買ってきた物をいっぱい並べる」などと、「真の豊かさとは」、と疑問を提示。フィリピンの「スモーキーマウンテン」でゴミ拾いで生活する子どもたちにも触れ、「カメラマンが5歳の女の子に聞いた。『あなたの夢はなに?』、キラリと光る目で女の子は『大人になるまで生きること』と答えた。この現実を考えてほしい」と課題を投げかけた。小林町長は、「河岸段丘からの眺望は、きっと皆さんを励ましてくれる。ふるさとへの思いを抱き続けてほしい」と卒業目前の3年生に呼びかけた。


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