約束の時間に行くと、熱心に仕事の打ち合わせ。上郷地区にできる香港ハウスを担当している。間近に迫った芸術祭に向けて忙しい。「お待たせしてすみません」と、キレイな発音の日本語。
初めて妻有地域に来たのは香港大学の学生だったころ。大地の芸術祭のサポーター・こへび隊として、2008年の開催から毎回参加している。
香港出身。「香港は皆さんが考えているように都会です。ですので、こちらに来た時にトトロの世界だ!って思いましたね」。アニメでみた「となりのトトロ」のような昔ながらの風景、自然がここにはあった。通うたびに「私はここで働きたい!」と、日本語が話せない状態で芸術祭を手掛けるアートフロントギャラリーに2013年に就職を決めた。「日本語はまだ全然ダメです。働きながらと生活しながらです覚えました」。
前回の芸術祭からスタッフとして運営や作品管理や作家への対応、調整などを行う。「作家は地元の事情などを知らないので、事前に地元の人に相談しながらつないでいます」と、この地域ならではの人間関係作りを大切にしている。
「香港ハウスには香港から大学生、中高生も来る予定です。香港の人をたくさん呼んで、津南の良いところを見せたいです。国と国とのつながりは難しいけれど、人と人のつながりは難しくはないですから」。