パン屋の三代目。津南に戻りもう7年目。「早い時は午前2時から仕込みを始めます」。パン生地をこね、形を作る。「よくできたな、と実感できると気持ちがいいです。店頭で見つけてみて下さい」。
初代の祖父・松治さんに勧めもあり、専修大経営学部に進学。「これからの時代に必要だから、と言われたんです」。経営の勉強は面白かった。学ぶのはマーケティング、組織論など、実際の成功企業の実例。「陳列の仕方や効果的な広告の出し方などためになりました」。大卒後、日本菓子専門学校に入り、本格的に職人の道を進む。家業を継ぐのは「最初は漠然とした感じでした」。大学時代、一つの衝撃的な洋菓子に出会った。本場フランスのコンクールで優勝した、パティシエ・辻口博啓氏の代表作『セラヴィ』だ。
「食べた時、口の中にオーケストラが響く感覚が本当にあったんです。お菓子は人を感動させる力があると、初めて知りました」。2年前に専門学校で出会った智子さんと結婚。「千葉から津南によく来てくれたと思います」。アイデアを出し合うよきパートナー。お菓子の道は、いくつもの出会いも生んでくれた。
実は大学時代は男性合唱団に所属。「つなん合唱隊に興味があります。いずれ入りたいですね」。