本町4丁目の空店舗を改装、今年3月3日にオープンした惣菜料理『ZIKKA』の店長。「料理人ではなく、よく言えばプロデューサー、実際は裏方です」。店のテーマは『Re』。リサイクル(再循環)、リユース(再使用)、リノベーション(大幅改修)、リクリェーション(再創造)などの意味。『Re』の意味を込め、テーブルやイスはかつて小学校で使用されたものを使用。「新しい箱物を作るより、今あるもので何ができるか、がテーマです」。メインの料理人を務めるのは60歳以上の女性たち。定年を過ぎ、第2の人生を歩む。「雇用の年齢幅は60歳以上ならOK。料理自慢のおばあちゃん、お待ちしています」。他にはない独自観点の店は、市内外の常連が増えている。
前職は自動車整備士。10年余務めた後、新たな地域活性化の道として、今までにない新店舗開店を志した。それは2年前、同級生の急死が契機。「昔からの音楽仲間で地元のために一生懸命働いていましたが、不慮の交通事故で亡くなったんです。自分が故郷に何ができるか考えた時、友人と同じように地元を元気にするために僕もやるだけやってみよう、と今の道を選んだんです」。自分自身も『Re』した再出発。十日町をどう県内外に発信するかいつも考えている。「他から人が足を運んでくれれば、市街に活気が生まれ、人も周りも潤う。そんなきっかけを作りたいんです」。友の想いを継ぎ、地元活性化のために働く意思は固い。
今の夢は同じテーマの店をさらに増やす事。「働く人もお客さんも、みんなが笑える空間が理想。今はその第1歩です」。休日の空いた時間にベース、ギター、トランペットなど、大好きな楽器を触るのが大切なリラックスタイムになっている。