秋山婦人防火クラブの新隊長に今春就任。6月の村ポンプ操法大会にも出場する。「最初は火災時などの炊き出し係でしたが、10年余前から操法もやるようになりました」。地域を守る同クラブは現在30代から60代の女性11人が所属。「一番上と下は親子並みに歳が離れています。消防からは『大会に華を咲かせてくれ』と言われていますので、また訓練しなきゃですね」。頼もしき女性たちだ。
夫の政敏さんの実家である、秋山郷に来て26年が過ぎた。「家を継がないか、と言われUターンしました。今は四季豊かなこの地に来て良かったと思います」。家業は東京電力切明発電所の補修や雑務を受ける建設会社。息子ふたりも共に働く。「昨年、長男が代表になりました。3代目になります」。ただ息子たちは独身。「そろそろ嫁の顔が見たいとは思いますね。縁次第ですが」。
実家は福島第一原発事故で全村避難となったあの飯館村。「秋山に来てからは東電の仕事で食べているから皮肉ですね」。親族は未だ避難生活を送る。「両親も農業をしていたので、未だに気落ちしています。原発から50`も離れており、全村避難は皆『まさか』と思ったそうです」。今月19日から5日間、実家に戻った。震災後、4回目の帰省。先祖の墓参りは欠かさない。「除染は進めているようですが、今後どうなるかは誰にもわかりません。いつか戻れるようになるんでしょうか」。放射能の影響が残る、故郷の今に胸を痛めている。
26日から29日、十日町情報館で開く『写真展・飯舘村』。撮影者の長谷川建一さんとは中学の同級生。「今年1月の還暦同級会で再会しました。頑張っていますね。写真展にはぜひ行きたいと思います」。