道の駅まつだいふるさと会館わきにそびえる、現代アートの拠点・農舞台に勤め5年余。大地の芸術祭で取り組む『棚田バンク』の担当。都市住民、地元民らが協同し棚田を守るプロジェクト。「今は71枚の棚田を保全しています」。出身は世田谷区で、農業は素人からのスタート。「代掻きなどまったく知らず、地元の方にすごく怒られましたね。今はようやく作付けなどの流れがわかった気がします」。日本の里百選にも選出された、美しい棚田が残る松代地域。「地元の人が長年守ってきた歴史があり、今の景観があります。棚田を耕すことで、繋がりや文化なども耕すという感覚がありますね」。雪国の人柄と環境に魅せられている。
日大芸術学部卒。専攻は絵画。卒業後、一時は服飾関係の卸問屋に就職。だが芸術に関わりたい思いから退職。芸術祭こへび隊に志願し、越後妻有へ。「世田谷では十日町の雪が毎年運ばれ、幼い頃遊んだ記憶があります。昔から縁があったんですね」。その後NPO越後妻有里山協働機構の職員募集があり、迷わず申し込んだ。「実は1回落ちたんです。諦めず次の募集があった2回目で合格しました」。望んでいた芸術に関わる仕事。「めちゃくちゃ、やりがいがありますよ」。農舞台スタッフとして「地元の方々も、もっと気軽に遊びに来てもらえるようにしたいですね」。日々美術史、民俗学などの本を手に取り、勉強に励んでいる。
剣道4段の腕前。「体力には自信があり、今、役立っています」。昨年から室野の一軒家を借り、集落に仲間入り。地元青年会にも入る。「同世代が多く飲み会とか楽しいです。地域の話を聞くのも面白いですね」。ちなみにお嫁さん大募集中だ。