看護師になり15年余。群馬大を卒業後、キャリアをスタート。職に選んだ理由は、幼い頃の思い出だった。「小さい頃、喘息がひどく学校にも行けないぐらいだったんです」。親元を離れ病院付属の小学校に転校。毎日寂しい思いをしていた。「その病院には看護学生さんが多く研修に来ており、母のように、お姉さんのように泣いている私に寄り添ってくれたんです」。その感謝の想いがずっと残っていた。「他の仕事に就こうとはまったく思いませんでした」。終生の職だと感じている。
運命の出会いも病院で。群馬大付属病院に勤務中、赴任してきた医師の斉さんと2年余の交際を経て結婚。現在、斉さんは上村病院3代目院長。「どうしても院長夫人と呼ばれちゃいます」。看護師を続けながら3人の子宝に恵まれ、一番下はまだ3歳。日ごとに大きくなる我が子。「親としても共に少しずつ成長させて貰っています。長男や長女は父の背中を見て『医者になりたい』と言っています。どうなるかわかりませんが、その気持ちが嬉しいですね」。
フラメンコに夢中だ。土市にある教室での、週1回の練習は大切な時間。「先月の発表会にも出ました」。スペインで生まれた情熱的な踊り。激しいステップ、そして華やかな衣装。熱情が色濃くでる。「患者さんも見ていたようで『よかったよ』と言われ、嬉しかったですね」。踊っている最中は「もう楽しいの一言。私にとって元気の源です」。今では仕事、家事、子育て、そしてフラメンコの4つが欠かせない生活の柱だ。
電子化が進む医療。「ただ患者さんと目を合わせ話したりするのも大事。特に年配者が多いこの地。患者さんを安心させる、人の繋がりを大切にしたいですね」。