今春入社の新社会人。「わからないことだらけ。迷惑をかけてばかりなので、早く仕事を覚えたいです」。故郷に戻る契機は、昨年3月の県境地震。たまたま、春休みの就活中で実家にいた。「関東と新潟で職を探していましたが、地震で家族の大変な姿を見て戻ろうと決めました」。大地震は、改めて生まれ育った地と家族の大切さを感じさせた。
最後の津南高生のひとり。商工会青年部と連携し出場した津南まつりにも参加。「メイド服を着て国道で踊りました。恥ずかしかったけど、いい思い出になりました」。高校時代はバドミントン部と写真部を兼務。最後の体育祭や、放課後に教室で集まる仲間を撮り、七星祭で展示。「撮った写真は学校に寄付しました。今でもあると思いますが、いつかまた見直したいです」。連休3日、同級生を集めての飲み会がある。「会うのは成人式以来の人もいます。楽しみです」。
ひとつ、大きな自慢がある。大学の卒業式で学部の主席卒業者に贈られる『総長賞』を貰ったこと。名前入りの腕時計は社会人となった今、大切に身に着けている。「袴姿で卒業式に出ました。ただステージに登る階段で裾を踏んで転びそうになり、みんなに心配されました」。日大生物資源科学部農芸化学科卒。土壌の成分を調べ、何の肥料が足りないかなど研究。「卒論は土壌中のアルミニウムが与える植物への影響を調べるものでした」。4年時はゼミ長も務め、卒論の成績は最高の『S』。「今年10月の母校の学園祭で大学の仲間と再会を誓っています。こっちも楽しみ」。出会った仲間は一生の宝。
津南に戻り改めて良さを感じた。「人は優しく、水や食べ物がおいしい。戻ってよかったと思います」。