世界の頭脳が集まるアメリカ「シリコンバレー」があるサンフランシスコの近く、パラアルト市で日本料理店を共同経営し14年。この街には、あのスタンフォード大学もある。「ビジネスの街で、3百人規模の弁護士オフィッスがいくつもあり、昼間の方が忙しいかな」。店を終えた現地時間夜11時半、国際電話取材に、元気に答えてくれた。
寿司など日本料理提供の「陣匠(じんしょう)」。テーブル50席のほかカウンター席も。あのGoogle「アンドロイド」開発のアンディ・ルービンやAppleのスーテブ・ジョブズなども常連。「なぜアンドロイドと名づけたか聞いたんだよ。『ぼくの小さい頃のあだ名だよ』って言ってた。アンディはとても面白いよ」。
1984年、「1年で帰ろうと思っていたんだが…」。28歳の時、アメリカへ行く。「もう28年になる。人生の半分以上だ、早いねー」。今の前はニューヨークのマンハッタン、世界経済の中心、ウォール街で寿司バーを経営。
毎年、4週間ほど休暇を取る。世界一予約が取れないスペイン・バルセロナの「elBull(エル・ブリ)」、デンマーク・コペンハーゲンの「Noma(ノマ)」など食めぐりへ。アラスカではキングサーモン24`を上げる。店の常連、サンフランシスコ・ジャイアンツのオーナーの招待を受け、球場のオーナー席へも。「こちらは皆フレンドリー。友だちになればすべて同等に付き合ってくれる。この感じが自分に合っているね」。
東日本大震災の義援金活動を店で呼びかけた。「いっぱい集まった。皆心配してくれている」、日赤に寄付。毎年9月日本へ。「清津川の鮎釣りと人間ドックだよ」。ますます広がる交友関係、「仕事も大事だけど、楽しむことも大事だよね」。
写真 スペイン・バルセロナ「エル・ブリ」シェフ、ファローン氏と大口さん