毎朝5時に起き、クロカンスキーに取り組む子たちとランニングしている。自分の小学時代を思い出す。津南小5、6年の担任だった島田敏夫先生(見附・新潟小校長)との2年間が進路決めた。「とにかく体を動かす事が好きになり、なんでも一緒にやりました」。今も交友が続き、長野フルマラソンにも一緒に出場。小学時代に出会ったクロカンは中学、高校、大学、大学院と続け、今も続ける。
信州大教育学部2年の時、視覚障害者のクロカンスキー選手のガイド選手に就く。ドイツ、スイス、アメリカ、カナダと世界選手権を転戦。3年の時、ついにトリノ五輪出場。「障害を持つ方のスポーツは、外国ではしっかりプロスポーツとして認め、支援しています。日本は費用は自己負担。根本的な部分で違います」。
前任校・十日町東小で子たちと共に、友人であるパラリンピックの新田佳浩選手と手紙交流した。バンクーバー五輪にその手紙を持参し出場。思いが通じ2種目で金メダル。「ぜひ新田選手の話を、子どもたちに聞かせたいですね」。
信州大大学院では「スポーツバイオメカニクス」を専攻。クロカンスキーにおける運動動作を3D分析。後輩にはスケートの小平奈緒選手も。その研究を日本体育学会で発表、最優秀賞を受賞。「スポーツ界は今後、この分野が主流になります」。専門知識と技術を持つが今は講師。先日、3度目の新潟県教員採用試験を受けた。「なかなか厳しいです」。だが、子たちと接する時、「自分の経験だけで教える先生、コーチにはなりたくない」と自戒を込める。
気になっている事がある。町スポーツ少年団の加入率の低さ。「体を動かす楽しさを、もっと体験してほしいですね」。