小学時代から生物が好きで、そのまま大学へ進み、筑波大で植物遺伝学を専攻、トマトの遺伝子組み換えなどを研究。さらにそのまま現場志向で、実家でユリ栽培に取り組む道を決めた同大学の学友、裕(ひろし)さんと出会い、そのままパートナーとなる。いま毎日、津南町沖ノ原の畑に通う。「小学校の時に思った方向に、そのまま進みましたね。子どもが保育園に行き始めた今年4月からが、私にとっての本格的な農業です」。
結婚4年目。まったく雪を知らない静岡・磐田市生まれ。初めて津南に来た冬が、あの18年豪雪。「家の周りに雪が一面に降ることなど、見たこともなかったですから、えーッという感じでした。あの雪を経験してから、もう雪は大丈夫です」。磐田というとサッカーのジュビロ磐田。「あのゴン中山さんと同じ美容院に行っていました。最近はあまり成績がよくないですが…」。裕さんも高校までサッカーに取り組む。新潟に来てからアルビレックスVSジュビロの試合は、ふたりの間に熱が入る。
ユリ栽培はまだまだ初心者。「師匠は彼です。厳しいですが、優しいです」。裕さんの父は法人経営で大規模ユリ栽培。別に独立事業で取り組む2人のユリ栽培。7月から10月のシーズン中、18棟のハウスで約4万本を出荷。将来は6万本をめざす。「大変ですが、面白味がありますね」。理系の探究心がうごめく。
3歳からピアノを学び、中高時代は吹奏楽部でフルート。子育てと仕事、1歳10ヶ月の長女・奏音(かのん)ちゃんがもう少し大きくなったら、「一緒にピアノをやりたいです」。ミシン裁縫や編み物で子ども服を作る。「この服も作りました」。