母校の貝野小学校で毎月1回、「ふれあいタイム」が開かれる。校区の技や知恵を持つ人たちがボランティアで、子どもたちと交流体験する。昨年からクライミングを担当している。「貝野小は、学校が新しくなった時、県内で初めてクライミングボードが設置されたんです」。高さ3bほど、手や足をかけるフックを自由にコース設定できる。「子どもたちに人気です。先月は体育館にロープを吊るし、登りましたよ」。野山で遊ぶことが少なくなっている今の子たち。「安全に危険のニオイのする遊び、遊びの楽しさを体感してほしいです。
その遊びに取り組む。フリークライミング。津南の福原吉重さんとの出会いで、その魅力を体感。十日町総合体育館の7b余りのクライミングウォール(壁)相手に毎週挑む。山登り30年以上のキャリア。行く度に魅力を感じる谷川岳、あの絶壁の一ノ倉沢。「谷川は稜線もいいですね。好きな山です」。十日町総合体育館のクライミング。子どもたちも参加する。「もう友だち感覚ですね」。先週、世界的なクライマー・山野井ヤスシさんを招いた研修会が新発田であり、主催者側ながら、大きな影響を受けた。
一方で最近の子たちの変化が気になる。「我慢ができないようですね。若い子たちが簡単に学校や仕事を止めます。子どもの頃の遊びが足りなかったのなか」。野山では、「常に危険を伴い、自然に勝てっこない人間の小ささを知ってほしい」。山は、その我慢を教えてくれる。「文明の利器から離れた時間が大事です」。
何度も行っている北アルプスの雄・槍ヶ岳。「あの子槍に立って、足を上げてみたいですね」。歌・アルプス一万尺を本当にやってみたいという。