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2009年01月のねっとわーく

過去のネットワーク
涌井正雄さん 46歳 ブルーベリー栽培
 新年8、9日開催の中越アルペン会場となった湯沢「かぐらスキー場」。大会コース整備を担当。「もう25年になるかな。最近は機械が良くなったから、朝4時からコース整備に入り、8時頃には終わる」。4年前までは西武社員として業務にあたり、退職後の今も、そのキャリアを求められ毎冬、4月中旬まで冬季従業員として働く。西武時代は、冬はスキー場、夏場は大磯ロングビーチ勤務。父の病気を機に津南に戻った。そのUターンで、新たな展開が始まっている。
 

 「いままでの百姓とは違ったことをしたい」。津南に戻った4年前、ブルーベリー栽培に取り組む。群馬の友人から栽培技術を学び、インターネットで調べ、ほぼ独学で取り組み、最初に植えた120本が昨夏から収穫が始まり、さらに120本増殖し、現在240本のブルーベリー畑を管理。約2百`の収穫がある。「とにかく、生食で食べてほしい」。目に良いブルーベリー。「収穫期は毎日食べているからメガネがいらないな」。
その自信作のブルーベリーは通常の3倍、ブドウほどもある大粒。種類は一般的種。「当然だが、化学肥料は一切使わず、無農薬。オガクズと堆肥を混ぜた有機栽培で、水管理とせん定が大切。地力の良さとこの雪など気象条件がいいのか、大粒が採れる」。


  大粒のブルーベリー。『あの大粒の甘さは、ちょっとない美味さ』と評判。地元竜ヶ窪温泉や町内製菓店に出している。自家製ブルーベリージャムも手がける。「6百本くらいまで増やし、ブルーベリー農園にしたい」。昨夏の収穫期、佐渡から家族が収穫に来て、その大きさと甘さに感激していた。「ここ相吉は暮らしやすい。人のつながり良い。ほんと、いい所だと思うよ」。
(2009.01.24)

山崎富健さん 56歳  山崎建築  津南町相吉
 歴史的な出来事に出合った。昭和44年2月、高校入試の直前、受験予定だった県立津南高が火災で焼失。仮設試験場で受験し、入学して入った教室は焼け残った特別教室の実験室だった。「3年の途中で新校舎に入ったかな。時間ができると第2グラウンドで石拾いもやったな」。それまで同好会だったサッカーを、部活動に認めさせたのが山崎さんたちの世代。メンバー  20人ほど。郡市大会、中越大会と勝ち抜き、初の県大会出場を果たした。「新潟市陸上競技場だったか、初めて芝生のグラウンドで試合したが1回戦敗退。だが、同好会からサッカー部になった」。卒業後、三菱重工でサッカーを、というアドバイスもあったが、「長男だし、いずれ帰らなければ、と思ってやめた」。


  経済成長期の昭和46年。大工修行に入り、静岡・伊東での別荘建築に9年余り関わり、さらに修行を積み、昭和63年、山崎建築として独立。「俺たちの年代は、みんな似たように一人でやっているのが多いな。だから友だちはいっぱいいる」。暮らしを通じても、人のつながりを強く感じている。相吉地区、戸数80世帯世。「これまで大体、80前後を維持している。公民館の利用率は、町内でも一番くらいなんじゃないかな。毎夜、電気がつき、なんかしている。のんべ会などと、いろんなグループもある。何かやる時も、嫌だという人がいない。皆で楽しむ、そうゆう雰囲気があるな」。冬場はひとり暮らしやお年寄り世帯の除雪を受ける。今年4月から総代を務める。


 趣味は多彩。「とにかく、何でもやる。これも家をちゃんとしてくれるカミさんのおかげ。感謝、感謝だ」。相吉の良さ。「物好きがいっぱいいるのは、ほんと、面白いもんだぜ」。
(2009.01.16)

桜沢英夫さん 64歳 桜沢建築  津南町大割野
 大工職人の道、まもなく50年。伝統の家造りに取り組んでいる。「景気が良かったバブル全盛期の頃は、一週間に何棟も建前があり、その月の給料より、祝儀の方が多かった時もあったなぁ」。地元の桑原工務店に20年間務め、昭和61年に独立。「桜沢建築」の看板を掲げる。冬場は屋根除雪などを請け負っている。「あの18年豪雪の時は、自分の家をかまわず、毎日人の家の雪ほりに出ていたな」。ひとり暮らしのお年寄り世帯なども請負っている。
 

 蛍の里で知られる栄村の「今泉」生まれ。さかえ倶楽部スキー場わきに保存民家が1棟あり、往時のたたずまいを感じさせる。大工修行で家を離れ、人生の伴侶・フジ子さんとの結婚を機にわが家を現在地に、自分で建てた。23歳の時。7月に新築、11月結婚。新婚生活がスタート。「今年の3月で、もう65だ。早いもんだ」。娘ふたりは近くに嫁ぎ、孫ふたりが「じじ」と慕う。居間には孫の版画作品が額入で飾ってある。「この額は俺が作ったんだ。誕生日にくれたこの色紙も、額に入れようと思っている」。正月、ふたりの娘家族一同が集り、賑やかな団欒を囲んだ。「酒は20歳でやめた。甘納豆が好きだな」。
 

 実は来月、大きな楽しみが待っている。「家も娘だけ。長女も子も娘だけ。来月末、次女に子が生まれる。今度は男かな…」。フジ子さんも、ひそかに期待している。「男の子って、どんな感じなんでしょうかね」と。
 

 「伝統の在来工法の家造りを伝えたい」。職人としての思いは強い。「昔ながらの家造りは、住んで、その良さが分かる。この技術をなんとか伝えたい」。津南町建築協議会では講習会を開き、若手育成に取り組んでいる。
(2009.01.09)


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