枕元にはいつも5、6冊の本がある。時代小説、エッセー、政治評論などさまざま。「寝る前の10分、20分、読むんですが、私の場合、今日はこれ、明日はこれなど、同時に5、6冊を読みます」。これから農業は多忙シーズンに入る。「冬場、時間ができるので集中して読みますね」。年間50、60冊は読む。
本との出会いがあった。小学2年の時、母から言われた。『テレビばっか見ていないで、たまには本を読んでみな』。家にあった「15少年漂流記」を、無理に読まされた。ところが、「本は、こんなに面白いのかと、すっかり夢中になってしまい、家中の本を読み始めました」。最近の愛読書は、宮城谷昌光もの。今は中国史の「香乱記」。「宮城谷はほぼすべて読み、柴田練三郎、横溝正史などを読み返しています」。今のコタツの上には、佐高真の文庫が載っていた。
大学進学のための浪人時代。「たまたま留学のパンフを見たんです」。それが20歳から2年間の中国への語学留学につながった。北京の精華大に進学。ここで人生のパートナーにも出会う。
「寮生活でした。様々な国からの留学生がいて、友だち関係は広がりました」。北海道出身の真貴子さんも、同じく語学留学で精華大に入学。3年後、津南の人となった。
農業やるなら基本からと、中国から帰国し、滋賀になるタキイ種苗専門学校に1年学び、畑作の基本を徹底的に学んだ。「あの1年間は大きかったですね。基本がやはり大事です」。真貴子さんと津南農業をスタート。キャベツ、ニンジン、スイートコーン、米など5f余で営農。「津南の野菜は安全でおいしい、そう言われたいですね」。