6歳で「書」の世界に。18年後、本場・中国に留学した。新潟大大学院時代の2年間、山西省・太原師範大学で学ぶ。「書の楽しみは、見て、読んで味わうもの」が留学後の実感。昨春、津南高に赴任、芸術選択教科で川西高との2校を担当。津南高では進学指導も担当。
四国の香川・善通寺市出身。実家は門前町で自営業。「仕事が忙しく、塾にでもと考えたのでしょう。6歳から書道塾に行かされました」。これが書との出会い。母も書に取り組み、父は絵を描いていた。「絵も好きでしたが…。自分は書かなと」。高校卒業時に8段取得。書道は塾だけで、中学・高校と部活は柔道。丸亀高校時代に2段取得、香川県大会でベスト8に。「善通寺は空海ゆかりの地です。書に関わる仕事ができないか先生に相談し、新潟大書道科を勧められました」。この時、「中国留学」が視野にあった。入学後、第二外国語は当然のごとく中国語。
大学4年の時、1週間の中国旅行に参加。自由行動の時間、観光客が行かない小路に入り、家族で営むラーメン店に入った。「父親と息子が麺を打ち、お母さんが料理、子どもが運んできた。その時『本当の中国を見ていない』と感じ、いつかは、と思っていた」。それが大学院時代の2年間の留学へ。在学中、1ヶ月間、北京、西安、上海などぐるっと1周、書の遺跡巡りをした。「事前計画は全くなく、電車、バスを乗り継ぎ、一泊5百円の宿にも泊まった。良い経験になりました」。留学時代や旅の経験など、時々、生徒に話し、書への関心を引く。
書は全国公募展など多数で入賞。今月開催の十日町市展にも応募。昨年は初出品で奨励賞。「今回は、古代文字2字で表現します」。作品が楽しみだ。