9年前の開店当初、お客さんから言われたアドバイスを忘れない。『下手でもいいから、手作りなんだよ』。以来、お通しはすべて手作り。それも1品ではなく4、5品出す。「ですから、つまみを取らないお客さんもいますが、喜んでいただけたら、それでいいですね」。料理本や母の手料理などを参考に、じっくり手作り。「お酒を飲まない方や女性、お年寄りなど、気軽に来ていただきたいです。近所のご夫婦や女性だけで来られたりしています」。お客さんの言葉を借りれば、「居心地がいい」お店になっている。
開店3年間は無休で営業。今は毎週水曜が定休。週末は女性スタッフを含み3人、平日は2人で切り盛り。国道117号沿いの「とまり木」。定期便が昼夜走る。『一度、寄ってみたいと思っていたんだ』。会津若松や名古屋からなど、休憩時に立ち寄る便運転手もいる。口コミで伝わり、飯山や野沢温泉、長岡や小千谷からのお客さんも寄る。だが、なんといっても利用が多いのは栄村の人たち。「ここが津南と栄村の方々の交流の場になっています。気軽に寄っていただき、おしゃべりしていただける、そんな場でありたいですね」。ママの辛口トークも人気だ。
15年前に仲間入りした中野市の長嶺温泉歌謡会。毎月集いがあり、毎年大会がある。2年前、グランドチャンピオンに選ばれた。お店でも時々、リクエストに応えている。実家の父は肺気腫を患う。年に数回お店に招く。「お客さんと歓談したりすると元気をいただき、父も気分転換になっています」。自身は母の手作り料理とサウナ、それに歌。「お客さんとは家族のような付合いになっています。本当に皆さんのおかげです。感謝しています」。