食卓の透明なテーブルクロスの下に、子どもたちの賞状や受賞作品を入れている。「食事をしながら皆で見て、話題にします。しばらく見たら、また次に変えるんです」。家族5人が囲む食卓は大事な時間。だが冬は時間に追われる。昨年の全中入賞、今季のインターハイで活躍の長男・恭介君。『京子さんの息子か』から、今では『恭介のお母さんですか』と言われるようになった。「恭介を通じて知り合いが増え、大会の応援は、まるで同窓会ですね」。
旧姓宮沢。クロカンスキー界で知られた存在。全中、インターハイ出場、津南高3年の時ついに国体リレー優勝。「出会いに恵まれました。高校時代は井之川将男先生です。普段は何も言いません。大会で『いいぞ』と小声で言うんですが、それがきくんです。影響されました」。今春から5年生の大輔君、中1の千夏さん、「子どもたちも先生との出会いに恵まれています」。
東京で知り合った義弘さんと結婚2年前、バイクツーリングで津南の母の実家、相吉に初めて来た。『こんな良い所があるんだ』と義弘さん。結婚6年後のある日、『津南に行くか』と突然言われた。「恭介が保育園に入る年でした。東京での生活では季節の変化も、思いっきり遊べる環境もないぞ、と私の方が説得されましたね。津南なら相吉に決めていたようです。近所の皆さんに世話になっています」。津南暮らしは、もう13年になる。
緒方家のモットー『自分の役割はしっかりやる』。自分の洗濯物は自分でたたむ。担当が決まっていて「部活で遅くなっても、しっかり役目を果たす。風呂当番が掃除しないと、家族みんな風呂に入れないんです。家にルールができましたね」。